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夫の願い
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仕事から帰ってきて
「ただいま」
っと言っても誰も返事はない。
リビングの部屋に入って
「帰ってきたよ」
夫の写真を見て一言言う。
4年前に病気で亡くなった夫、篠崎雄介、30歳という早さだった。
結婚して2年目。まだこれからで未だ私の中では朦朧としてる。
篠崎凛花、32歳。夫より年下だった私は既に歳を超えてしまった。
夕食の準備をして1人でご飯を食べる。
これも慣れてしまったなぁ
たまには同僚と飲みにも行くけど、そんなに多くもない。
スマホに音がなってみるとメールが来てた。
<今度の金曜日、お伺いしたいのですが>
あっ、藤野さんからだ。
夫の親友の藤野さんで、中学生時代からずっと仲がよかったらしい。
2~3か月に1度は夫にお線香をしに来てくれる。
「いつもありがとうございます」
「いえ、暇人なんで」
っといって、お線香をして手をあわせる。
「そういえば、先日いい焼酎みつけて買ってきたんで」
と言って、焼酎と簡単なおつまみをだした。
「お仕事忙しそうですね」
藤野さんは出版社の会社に勤めていて、よく締め切りがと言っている。
「相変わらずで」
「藤野さんもそろそろ身を固めるとかないんです?雄介さん心配してそう」
「あははは」
っと、笑って
「そうだなぁ~、どうなんだろ?」
「凛花さんはどうなんです?」
「え?」
「雄介は前に進んでほしいと思ってますよ」
「う~ん」
と、2人で焼酎を飲みながら話してると
「あっ、美味しい焼酎頂いて忘れるところでした」
と言って、鞄から箱を出した。
「えっ、なんですか?」
「雄介に言われてたんです。3~4年たっても凛花さんが前に進んでなかったらこれを渡すようにって」
「雄介さんが?」
でも...
「これ、鍵がついてますね」
「そうなんですよ、俺も無理やりこじあけようかと思ったんだけど、まぁ凛花さん宛てなんでね」
「ずっと持ってたんですか?」
「まぁ、雄介から最後に会ったときに言われてたんで」
「そうですか」
なんだろ?
「あ、あと、引き出しの鍵だったかな?とか言ってたかな」
「引き出しの鍵?」
なんだろ?引き出しの鍵って...
あ、もしかしてマンションの鍵をいつも下から2番目の引き出しに入れてたけど。
と気になって、下から2番目の引き出しを開けた。
見てみたが
「う~ん」
やっぱり気になったのはない。
「どうしたんです?」
「ああ、もしかしてマンションの鍵を当時はここに置いてたのでここかと思ったんですけど」
「ああ、なるほど」
藤野さんも引き出しを少しみた。
ペンとかハサミとかセロテープとかボンドとかそういうのしかなく
「やっぱり違うか」
「あっ!?まてよ」
と言って、藤野さんは引き出しの裏側を見た
「あ、あった」
鍵がテープで張り付いていた。
「ええ!?よくわかりましたね?」
「昔、自転車の鍵をいたずらで隠されたことあって、引き出しの裏にこうやって張り付いて隠しやがった」
と言って笑った。
さすが親友。
藤野さんが鍵をあけると、
「手紙?」
一通は『篠崎凛花様』と書いてある。
もう一通は
「俺!?」
『藤野利通様』と書かれてた。
「私達2人に手紙?」
なんかバクバクする。久しぶりに見る雄介さんの手紙だ
『藤野凛花様
この手紙を見てるということは、既に俺はこの世には居ないということだろう。
そして凛花は未だ俺の死を受け入れることが出来ず、前に進めてないのかもと思ってる。
俺自身が先に行くことも無念だが、凛花を1人してというのが後悔で仕方ない。
ただ今の俺には、どうすることもできない。
もしこの手紙を読んでる時、利通が近くにいるのであればきっと利通は凛花を未だ想ってるはずだ。
俺の幸せは凛花が幸せになってほしい事。
どうか俺の分まで幸せになってほしい。
俺はずっと空でお前を見守っている。
だから幸せになってくれ!
俺の妻になってくれてありがとう
藤野雄介』
これは、この手紙は...
「な、なんだよ!あいつ!!」
隣りで叫ぶ藤野さん。
「藤野さん、これ...」
「あいつ!」
藤野さんは手紙を握りしめて涙を堪えてた。
「なんて書いてあったんですか?」
手紙を見ようとしたが
「いや、あいつに言われるのが腹が立つ!」
と言って見せてくれなかった。
「藤野さん?」
「雄介に背中押されるなんて腹立つ!」
涙目ででも
「でも押された勢いも大事か」
っといって
「凛花さん、雄介の気持も含めて貴方の気持が欲しいです」
「え?」
「俺と一緒に前に進んでくれませんか?」
「あ、あの」
「だから、好きだっと言ってるんです」
「ええええ!?」
確かに、雄介さんの手紙には未だ想ってると書いてあったが
「今は雄介の気持が大きくっていい。そして雄介の気持を消さないでいい。その気持ちも含めて貴方が好きです」
ビックリして言葉が出ない。
「くっそ!あいつ!」
雄介さんはもしかして藤野さんにこうなってほしい事を後押しした手紙を書いてたのかな?
藤野さんの顔が赤くなって、そして少し涙目で、焼酎を飲みだした。
もしかしたら、ずっと想ってくれてたのかも?っと...
「藤野さん、あの今はまだわかりません」
私は今の気持を正直に言った。
「でも、一緒に少しずつ進んでくれるのであればお願いできませんか?」
藤野さんはびっくりして私の顔を見た。
「時間がかかるかもしれませんが」
藤野さんは笑顔で
「一緒に進みましょう」
っと言ってくれた。
「ただいま」
っと言っても誰も返事はない。
リビングの部屋に入って
「帰ってきたよ」
夫の写真を見て一言言う。
4年前に病気で亡くなった夫、篠崎雄介、30歳という早さだった。
結婚して2年目。まだこれからで未だ私の中では朦朧としてる。
篠崎凛花、32歳。夫より年下だった私は既に歳を超えてしまった。
夕食の準備をして1人でご飯を食べる。
これも慣れてしまったなぁ
たまには同僚と飲みにも行くけど、そんなに多くもない。
スマホに音がなってみるとメールが来てた。
<今度の金曜日、お伺いしたいのですが>
あっ、藤野さんからだ。
夫の親友の藤野さんで、中学生時代からずっと仲がよかったらしい。
2~3か月に1度は夫にお線香をしに来てくれる。
「いつもありがとうございます」
「いえ、暇人なんで」
っといって、お線香をして手をあわせる。
「そういえば、先日いい焼酎みつけて買ってきたんで」
と言って、焼酎と簡単なおつまみをだした。
「お仕事忙しそうですね」
藤野さんは出版社の会社に勤めていて、よく締め切りがと言っている。
「相変わらずで」
「藤野さんもそろそろ身を固めるとかないんです?雄介さん心配してそう」
「あははは」
っと、笑って
「そうだなぁ~、どうなんだろ?」
「凛花さんはどうなんです?」
「え?」
「雄介は前に進んでほしいと思ってますよ」
「う~ん」
と、2人で焼酎を飲みながら話してると
「あっ、美味しい焼酎頂いて忘れるところでした」
と言って、鞄から箱を出した。
「えっ、なんですか?」
「雄介に言われてたんです。3~4年たっても凛花さんが前に進んでなかったらこれを渡すようにって」
「雄介さんが?」
でも...
「これ、鍵がついてますね」
「そうなんですよ、俺も無理やりこじあけようかと思ったんだけど、まぁ凛花さん宛てなんでね」
「ずっと持ってたんですか?」
「まぁ、雄介から最後に会ったときに言われてたんで」
「そうですか」
なんだろ?
「あ、あと、引き出しの鍵だったかな?とか言ってたかな」
「引き出しの鍵?」
なんだろ?引き出しの鍵って...
あ、もしかしてマンションの鍵をいつも下から2番目の引き出しに入れてたけど。
と気になって、下から2番目の引き出しを開けた。
見てみたが
「う~ん」
やっぱり気になったのはない。
「どうしたんです?」
「ああ、もしかしてマンションの鍵を当時はここに置いてたのでここかと思ったんですけど」
「ああ、なるほど」
藤野さんも引き出しを少しみた。
ペンとかハサミとかセロテープとかボンドとかそういうのしかなく
「やっぱり違うか」
「あっ!?まてよ」
と言って、藤野さんは引き出しの裏側を見た
「あ、あった」
鍵がテープで張り付いていた。
「ええ!?よくわかりましたね?」
「昔、自転車の鍵をいたずらで隠されたことあって、引き出しの裏にこうやって張り付いて隠しやがった」
と言って笑った。
さすが親友。
藤野さんが鍵をあけると、
「手紙?」
一通は『篠崎凛花様』と書いてある。
もう一通は
「俺!?」
『藤野利通様』と書かれてた。
「私達2人に手紙?」
なんかバクバクする。久しぶりに見る雄介さんの手紙だ
『藤野凛花様
この手紙を見てるということは、既に俺はこの世には居ないということだろう。
そして凛花は未だ俺の死を受け入れることが出来ず、前に進めてないのかもと思ってる。
俺自身が先に行くことも無念だが、凛花を1人してというのが後悔で仕方ない。
ただ今の俺には、どうすることもできない。
もしこの手紙を読んでる時、利通が近くにいるのであればきっと利通は凛花を未だ想ってるはずだ。
俺の幸せは凛花が幸せになってほしい事。
どうか俺の分まで幸せになってほしい。
俺はずっと空でお前を見守っている。
だから幸せになってくれ!
俺の妻になってくれてありがとう
藤野雄介』
これは、この手紙は...
「な、なんだよ!あいつ!!」
隣りで叫ぶ藤野さん。
「藤野さん、これ...」
「あいつ!」
藤野さんは手紙を握りしめて涙を堪えてた。
「なんて書いてあったんですか?」
手紙を見ようとしたが
「いや、あいつに言われるのが腹が立つ!」
と言って見せてくれなかった。
「藤野さん?」
「雄介に背中押されるなんて腹立つ!」
涙目ででも
「でも押された勢いも大事か」
っといって
「凛花さん、雄介の気持も含めて貴方の気持が欲しいです」
「え?」
「俺と一緒に前に進んでくれませんか?」
「あ、あの」
「だから、好きだっと言ってるんです」
「ええええ!?」
確かに、雄介さんの手紙には未だ想ってると書いてあったが
「今は雄介の気持が大きくっていい。そして雄介の気持を消さないでいい。その気持ちも含めて貴方が好きです」
ビックリして言葉が出ない。
「くっそ!あいつ!」
雄介さんはもしかして藤野さんにこうなってほしい事を後押しした手紙を書いてたのかな?
藤野さんの顔が赤くなって、そして少し涙目で、焼酎を飲みだした。
もしかしたら、ずっと想ってくれてたのかも?っと...
「藤野さん、あの今はまだわかりません」
私は今の気持を正直に言った。
「でも、一緒に少しずつ進んでくれるのであればお願いできませんか?」
藤野さんはびっくりして私の顔を見た。
「時間がかかるかもしれませんが」
藤野さんは笑顔で
「一緒に進みましょう」
っと言ってくれた。
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