巻き込まれた薬師の日常

白髭

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3E-状況と周知

3E-13 果物の奇跡

「ぬ!? 動ける者は……学院長、頼めるか? さすがに状況を聞いたからには、捨て置くことはできん」

 エーベルス王が気持ちを切り替え、鋭く指示を飛ばした。その声音には、王としての威厳と焦燥が入り混じっていた。

「はっ。最速で向かうには夜通しの運用となり、一日での到達が可能かと存じます。使役獣はワイヴァンに限定されますが、問題ございませんでしょうか?」
「今回は前触れが居る。問題はあるまい。先方のキケロに伝えておけば良い。レイモン、よろしく頼む」

「はっ。承知いたしました」

 ――なるほど。学院長の使役獣……。鷲だけでなく、ワイヴァンまで手持ちにあるとは。ワイヴァンといえば下位の竜種。どこで拾い、どうやって従えたのだろうか。


「さて、運搬方法は片付いた。次は治療薬だ。レッド=ベルナル君、君はこれまで多くのウオルク熱対策を担ってきた。先の瘧薬でも良いが、他に有効な案があればぜひ示してほしい。助言を頼む」

 エーベルス王は、その声音に、重責を背負う者の苦悩が滲んでいた。ここまで頼まれては、返事は一つしかない。自分はパラケル師に視線を送る。師は軽く頷いた。

「……了解しました。罹患者はどのような方でしょうか?」
「レイモン、願う。先方に返答を依頼してくれ」
「すでに聞いております。キケロ男爵の令嬢、アガサ様。当年十歳とのことです」

「お身丈はどのくらいでしょうか?」
「ここでそれをお話するのは……」
「治療には必要な情報です。この場では配慮が不足しているように思われます。体重も含め、後ほど教えていただきたく」
「了解した」


 エーベルス王は宰相ランベールと小声で二、三のやり取りを交わした後、声を張り上げた。

「一旦会を締めよう。現地はこれからさらに深刻になることが予想される。魔導師会はハイポーションを。学院は治癒薬と魔導具を。各事項を鋭意進めよ。その他の準備も念入りに。提供された黒キンコンは二つに分ける。魔導師会と現地へ。大半は現地とせよ。正式な決定は追って連絡する。宮廷魔導師、学院の魔術科の派遣者には早期に連絡を。魔導騎士団にも要請を請う。皆、準備を始めてくれ」

「「「承知いたしました」」」

「会はこれまで。王のご発言通り、決定事項は早めに通知する。少なくとも三日以内には」

 宰相の締めで諮問会は解散となった。王は退席し、次いで会長も立ち去る。その際、会長は自分をぎろりと睨みつけていった。教授や魔導師会の面々も順次席を立っていく。


 会の終了後、宰相が自分のもとへ歩み寄ってきた。学院長とゲオルク教授も同行している。先ほどの続きの話だろう。

「レッド=ベルナル君。これから軍部のレイモン、学院長との打ち合わせを行いたい。良いかね?」
「……はい。パラケル師、同席をお願いしたいです」
「やれやれ。ワシは引退した身だがな。……ゲオルク、君も来るのだ。指導者の一人としてな」
「了解した」

「私たちも良いかしら? ランベール様」
「カルラ? イゾルテ? どうしたのだ?」
「会長を放っておいて良いのか?」

「パラケル……もともと私たちは会長派ではないの。レッド君、良いかしら? あなたが行う錬金術を直接見てみたい。我々の錬金術を追い抜いたその力。『界上の賜物』……いえ、あなた自身の深淵を覗いてみたい。これから何かしら行うのでしょう?」

「小僧?」
「これから行うのは大したものではありませんよ。カルラ様、イゾルテ様。アガサ様に合わせた物を作るだけですから」

「それでも良いわ。私たちはあなたが錬金術を行使するところを見たい。直接見るだけで納得するから」
「謙遜のし過ぎだわ。即興で作るなんて、普通はできない」


 まばらとなった会場で、先ほどの続きを始める。残っているのは自分たちと警備の近衛騎士のみ。

「レイモン。令嬢の情報をレッド君へ」
「はい。先ほど、身長一三〇センチ、体重三〇キロと伝えられていた」
「現在の状態は?」

「侍医であり司祭のデルヴスによると、重度のウオルク熱。しばらく進行はなく小康状態を保っていたが、活動期に入ったと聞いた。長らく感染が続いたため体力も少ない。貧血、発熱、悪寒が主症状。何度かキンコンを服用させたが、その苦味のためか今は服薬を拒否している。主位様の神聖魔法で凌いでいるそうだ」

「なるほど……苦味があると飲まないか。状態は悪そうだ」
「マスター、どうするのよ?」
 リンネが心配そうに自分の腕をつつく。

「そうだね……。すでにキンコンは嫌か。苦味も拒否されている。状態も悪そうだ。服用しなければ治癒は望めない」

「ルフスの瘧薬一号は?」
「量が多い。ここまでの重度を想定していない。おそらく食も細くなっている。少し苦味がある薬だし、ここは最低限の液量としたいところだ」

「レッド君。彼らはこの国の貴族だ。金に糸目は付けない。この件の採算は度外視してよい。王宮が費用を持とう。存分に行ってくれ」
 宰相が背中を押すように言った。費用は気にするな――か。

「ならば、使える手段が一つございます。ただ、ここで行うには……」
ちらりと師と目を合わせ宮廷魔導師の二人を見る。
「レッド君。私たちは口を塞ぐわ。パラケル、契約を望みます」
 イゾルテとカルラが、この場に残ることをパラケルに懇願する。

「ふむ。帰らんなら致し方ない。ランベール、この会議室ごとまとめて行うぞ!」
「了解した」

 一括契約――警備の騎士を含め、この諮問室にいる全員の口外を強制的に封じる契約魔法。会議室に座する遺構が契約を強制するらしい。ランベール様が用意した羊皮紙を取り出し、パラケル師が条件を付与する。条件は「レッド=ベルナルがこの場で一時間の範囲で行った魔術行使」。再度ランベールが責任者として血印を押すと、闇の魔力が羊皮紙から溢れ、遺構が光る。諮問室全体を包み込むように効力が広がった。空気が一瞬ひやりと冷たくなり、結界の内側に閉じ込められたかのような圧迫感が室内全体を覆った。これが一括契約――口外を許さぬ強制の魔法。近衛騎士たちも息を呑み、誰一人として声を発しなかった。

「小僧。これで制限なくできるだろう。存分に尽くせ!」
 パラケル師の声が、結界の中に低く響いた。

「……了解しました。ここは自由に行わせていただきます」
 自分は深く息を吸い込み、心を静めた。

 本来ならば、王女や侯爵令嬢に課題として与え、錬金を超えた先へ導くための題材だった。だが今は急ぎだ。命がかかっている。ならば自分がやるしかない。

 罹患するのは大人だけではない。小児もまた病魔に倒れる。服用の方法を考え、ヒントを見つけ、組み立てる――本来なら学びの副題としたかったが、今はただ救うために。

 王女から借り受けたシンセパルムを取り出す。
 この素材、そのままでは何も起きない。舌に触れた動物だけに作用する、極めて限定的な香草だ。その作用は次に来る味の変化。

 だが、自分は推測していた。
 香草の魔纏化は、素材の潜在能力を引き上げる。
 酒精に浸すことで、力はさらに広がる。
 自分の中で【適応拡大】と名付けた現象。
 魔素によって、働きを大きく広げるのではないか――と。
 
 バニラを酒精に浸したとき、バニラチンキとなり、食材の美味を引き上げた。あれは偶然ではない。魔素を含んだ香草を酒精に移すことで、性質そのものが伝播するのだ。

 モルテームの例もある。エリクシールよりも強い眠りを誘ったのは、曼羅華と恋茄根の相乗効果に加え、魔素酒精の力が働いたからだろう。神酒よりも魔素酒精の方が、濃度が高い。香草の効果を強く引き出す――そう考えると辻褄が合う。

 ならば、シンセパルムもまた同じはずだ。
 味覚を変容させる潜在能力ポテンシャルを、魔素酒精に移せば――苦味を甘味へと変える「奇跡の果物ミラクルフルーツ」となるだろう。


 自分は冷乾処理を施したシンセパルムを取り出した。
 水分を極限まで抜かれ、しわしわになった姿は、ただの枯れた果実のように見える。
「これは冷乾処理を施したシンセパルムです。王女より賜り、自作の魔導具で処理いたしました」
 アイソレータを展開し、魔素酒精を魔素水で割る。

 シンセパルムの要素は化学物質ではない。過度な酒精は要素を壊す恐れがある。だから濃度は10%に調整した。
 ポーション瓶に冷乾シンセパルムを入れ、魔素酒精を注ぐ。
 ジュワワワッ――と音を立て、反応が始まる。
 さらに魔石を二、三個投入し、魔素を補給させる。溶液全体を魔素で飽和させるためだ。

【*シンセパルムチンキ。別名:ミラクルエッセンス。特級品。10%酒精浸漬液。無臭。魔素含。変容効果20。[錬金材料。要素変性無。接触物の味変化(初限)]】
 鑑定結果に、自分は小さく頷いた。

 ――やはりだ。味覚変容の効果が顕在化している。


「チンキ剤が補薬として事象を改変します。リンネ、反対側に回って白糖シロップと器具を準備して」
「マスター、了解しました」
 ドラフトチャンバを操作し、対面にもう一つの界面を開く。

 自分は続けて指示を飛ばす。

「リンネ、極限までクイニンを溶かしたい。濃度は1mg/mL。次いでシンセパルムチンキを鑑定して。調製に癖があるはずだ。レシピを変える。踏襲してくれ」
「マスター、了解しました。鑑定内容、理解しました」

 #######
 Rp.
 1)【魔纏】硫酸クィニン100mg
 2) 魔素水10mL 加熱。沸騰状態
 3)【魔纏】シンセパルムチンキ数滴
 4)【魔纏】白糖シロップ 適量
 --------
 全量100mL(クイニン量1mg/mL)
 1-2)を混和。溶解。3)を滴下。鑑定しながら反応を待つ。4)を徐々にいれ、希釈。100mLにメスアップ。
 #######

 さらに自分は土魔法でガラス製のスポイト――駒込ピペットを作成した。
 滴数を数え、20滴で1mLと定量。水と同じ性質を持つ今回のシロップなら、誤差はない。

 メモリを刻み、加硫グミ製のキャップを嵌めれば完成だ。
【*ルフスの瘧薬3号。ウオルク熱効果120。特級品。魔素有。甘味。専用ピペット付[小児専用(<50kg)。1回0.1mL/kg(2滴/kg)を1日3回。5日間服用]】

「完成いたしました。名称はといたします。令嬢の体重は三〇キロ。付属のスポイトで一回三ミリリットルを口唇に垂らし、染み込ませるように服用させてください。これなら、より小さな子供にも使用可能です」

レシピ通りに作成し、すべてを終えた。急にウオルク熱の叙述詩を思いだした。さらに頭の片隅に一片の詩が浮かんでくる。思い浮かんだそのままに、口ずさむ。

$$$$$$

黒き粉末は夜の欠片。  
熱湯に溶け、静かに沈む。  
底に鎮座し、力を待つ器となる。  

酒精を滴らせれば、  
一滴ごとに異界の音が鳴り渡る。  
液は震え、魔力を吸い込み、  
秘められた界を呼び覚ます。  

白き糖を散らせば、  
苦みは甘き幻へと姿を変える。  
魔素は交じり合い、  
目に映る景色を柔らかく包み込む。  

やがて糖液は薬へと昇華し、  
物質は瘧薬へと変じる。  
子らが口にできるよう、  
その量を慎重に定める。  

$$$$$$

 振り返ると、カルラとイゾルテの両魔導師は涙を流し、手を組んで自分を拝んでいた。
「マスター……纏う魔力に神力が混じっていたわ。唐突に詩? 言霊のようだわ」

 リンネの言葉に、自分ははっとした。

 集中しすぎたのか、救いたいという想いがそうさせたのか――知らずに神力を行使していたのだ。杖を使わずとも神力を扱えるようになっていた。


 自分の成長に、驚きを隠せなかった。
感想 9

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