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10.何一つ失うことなど出来ない責任を背負って
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雲ひとつない晴れ渡る青空が爽やかで、けれど少し風があるから暑すぎない。
わくわくと気持ちが上がるのは、きっとこの素晴らしい天気と。
「いよいよ本日ですね、オペラ」
「そうね」
きっと、今日が私の人生はじめての『本人との』デートだからだ。
もちろん婚約者のいる身で他の男性とデート、というといけないことをしているように思えるが……
“当の婚約者本人がいつも送り込んでくる身代わりの婚約者だし”
何より一度も会いに来ない婚約者本人は繁華街に入り浸り。
他の令嬢とデートをしているどころか何人もをとっかえひっかえしているのだ。
ならば私だって、少々は構わないはず。……なんて自分を納得させる。
どうせ私たちの間に愛も恋もない、政略だけの結婚なのだから。
“任せて、なんてハンナは言っていたけれど”
流石にこれは着飾りすぎなのでは?と思うほどふんだんに生花が髪に差し込まれていた。
「アザレアとカスミソウです。クラウリー伯爵領は花栽培が盛んですから、喜ばれるのでは」
「そう、かしら……?」
「えぇ、もちろんです」
“確かに、最近はいつも花束を持ってきてくれるものね”
髪に飾られたその少し大きめのアザレアも、カスミソウと同じく白い花のお陰かミルキーベージュの髪に馴染んでいて。
「ドレスも少し華やかすぎる気がするのだけれど」
「そんなことはございませんよ、オペラなのですからこれくらい当然です」
やたらと自信満々にそう言いきるハンナ。
そこまで断言されるならばそうなのかもしれないが……
“薄紫のドレスにパールがこんなに。デビュタントのドレスより凝ってる気がするんだけれど”
「あとはこのネックレスで完成ですよ」
「えぇ、ありが――……そのネックレスもつけるの!?」
「はい、薄紫に紺色はとても合いますから」
ふふ、と圧の強い笑顔にコクコクと頷くしか出来ないが、それでもこの色の組み合わせは。
“まんまレヴィンの瞳と髪色じゃない……!”
誰よりもベネディクトとの間を知っているハンナだからこそ、いつも来てくれ気遣ってくれているレヴィンに好感を持っているのは知っているが、それでも流石にこのあからさまな色合いに焦りが隠せない。
何よりも、この姿の私を見たレヴィンがどんな反応をするのかがわからなくて冷や汗が滲んだ。
もしレヴィンが本物の婚約者なら、きっとこんなに焦る必要なんてないのだろうが……
“レヴィンはあくまでもベネディクトの身代わり役をやってくれているだけなのに……!”
どれだけ望んでも、どれだけ願っても私の婚約者はベネディクトであってレヴィンではないから。
「さ、もうすぐ約束の10分前ですよ。玄関に向かいましょう」
「で、でも、ハンナっ」
「さぁさぁ」
楽しそうなハンナに背中を押されるようにして私室を出る。
迫る時間、近付く玄関。
流石にここまで来たら覚悟を決めるしかない。
“今日は『レヴィン』とのデートなんだからこれでいいのよ……!”
必死で自分に言い聞かせながら玄関を開けると、こちらへ歩いてきていたレヴィンと丁度会った。
「あら、今日も時間に正確なのね」
レヴィンが口を開く前に慌てて話題を振る。
まずは心を落ち着けるために返事のしやすい当たり障りのない話から入ったつもり、だったのだが。
“?”
一向に返事がなく、ついでに他の話題……例えば私のドレスや宝飾品についても何も触れられない。
余りにも無言の時間が続き、つい怪訝な顔でレヴィンを見上げた私の目に飛び込んできたのは。
「!」
あからさまなほど真っ赤に頬を染めたレヴィンだった。
「れ、レヴィン?」
「! あ、失礼しました。あまりにその、美しくて見惚れてしまいました」
「そ、そう。その、気に入って貰えたなら良かったわ」
“そんな反応をされると私もいたたまれなくなるじゃない……!”
レヴィンに釣られて頬が熱くて堪らない。
もじもじと指遊びをしながら、ハンナの言うことを聞いて良かったと内心感謝していると、ハッとしたようにレヴィンから花束が手渡された。
「ガーベラの花束です」
「まぁ! 今日もとっても可愛いわね」
赤とピンクがメインで作られたガーベラの花束に、白いガーベラが馴染んで色の纏まりがいい。
「これもレヴィンからよね?」
「はい」
「えぇ! ならいいの。とっても嬉しいわ、ありがとう!」
花束を抱えながらにこりと微笑むと、太陽の下だからだろうか?
良かったです、なんて笑うレヴィンの濃紺の髪だけでなくその笑顔すらもがキラキラと輝いて見えた。
一輪一輪が大きめのガーベラだったので持ち歩くには適さず、見送りに出てきてくれていたハンナに頼んで寝室に飾るように頼む。
すっと出してくれたレヴィンの腕に手を添えた私は、レヴィンにエスコートされるのは二度目だな、なんてぼんやりと考えていた。
“前回はあくまでもベネディクトの代理として身代わり婚約者のレヴィンとのお出かけだったけれど”
今回は正真正銘の、レヴィン・クラウリー伯爵令息とのデート。
それも、ハッキリとデートと銘打ったお出かけで。
“それだけでこんなにくすぐったいだなんて”
胸だけでなく足元すらもほわほわとしながら、クラウリー伯爵家の馬車で劇場まで向かった。
「評判がいいと聞いていたけれど、どんなお話なのかしら」
「よくある不幸な立場の令嬢が運命の相手と恋に落ちて幸せになる物語らしいですよ」
馬車内で向かい合って座ってそんな会話をする。
もちろんオペラの内容が気になっているのは嘘ではない、嘘ではないのだが。
“向かい合わせ、なのよね”
いつも茶会で見る距離感。
テーブルを挟んだ向かい合わせ。
けれどここは馬車内で、そして今私たちはデートをしているのだから……
“隣同士でもいいんじゃないかしら”
両親と出掛ける時は、必ず寄り添って座る両親を向かいの席から眺めていた。
だからこそ、好きな人とは隣同士で座りたいと私もずっと思っていて――
「って! それだと私がレヴィンを……っ」
「俺を?」
「へっ!?」
あっと思った時にはもう遅く、口から飛び出してしまっていた言葉。
“最近レヴィンといるとダメだわ”
私はこんなではなかったはずなのに、彼といると淑女の仮面どころかいつも通りの私ですらいられない。
明らかに幼子のような振る舞いだってしてしまうのに、それでも彼が受け入れてくれるから甘えてしまう。
“私は次期公爵なのだから……!”
だから、ちゃんと自制しなくてはならないとわかっているのに。
「突然立ち上がっては危ないです」
心配そうに手を差し伸べられると取らずにはいられず、そっと手を重ねると導かれるように引き寄せられて彼の隣に腰を下ろす。
“こんなの、ダメなのに”
きゅ、と握られたままの手が熱いのに気持ちいいのは、雲ひとつない晴れ渡る青空が爽やかで、けれど少し風があるからかもしれない。
「足元、気をつけて」
「えぇ」
レヴィンの手を借りて馬車から下りる。
さすがターンバル国一と呼ばれる劇場なだけありとても豪華だった。
“いよいよ始まるのね……!”
案内されたBOX席のソファに二人で並んで座り開演を待つ。
馬車内と同じ距離感、けれど馬車内とは違い手は繋がない。
距離は近いはずなのにその事実が少し寂しく感じ、そしてそんな妄想を振り払うように私はオペラグラスを手に取った。
始まったオペラは、レヴィンが簡単に説明してくれた通り婚約者に見向きもされていない令嬢がヒロインの物語で、序盤にその婚約者から婚約破棄をされるシーンから始まる。
「……っ」
“婚約破棄……”
婚約破棄された令嬢は全てを失いかけるが、婚約破棄の場面に居合わせた国の王太子が現れて彼女に婚約を申し込んだ。
そこから王太子妃になるまで、決して身分の高い二人とは思えないような川遊びをしたり、遠駆けをしたりして穏やかに恋心を育む。
そんなまさに大逆転とも言えるストーリーで。
“あり得ないわ”
――そう、これはあくまでも物語。
そもそも王族のいる前で婚約破棄を持ち出すだなんて、実際ならば場を乱し陥れたとして男の方が断罪されるだろう。
それに王太子の結婚は誰よりも政略を重視せねばならず、目の前で可哀想な令嬢がいたから、と同情で進めるなんてこともあり得ない。
「……面白かったわ」
「幸せになるまでが丁寧に描かれていて応援したくなりましたね」
「それに、どこか庶民的であり身分があるのに偉ぶらないからこそまるで身近な友人のようにも感じられた」
穏やかに微笑むレヴィンに私もそう返す。
あり得ないとは思っても、面白いと思ったのも真実で、レヴィンが言ったように応援したくなったのも事実。
物語として本当に良くできており、この熱く燃え上がるような恋心にトキメキだって感じた、の、だが。
“でも、あくまでもこれは物語”
序盤で起きた婚約破棄の騒動。
ベネディクトから婚約破棄を言い出すことはなく、もし言い出したとしても私たちの婚約を破棄することは出来ない。
何故なら三男のベネディクトにとって私以上に適した婚約者はおらず、そしてそれは私にとっても同じことだった。
“婿入り出来て、経済状況や領民との間も悪くなく、そして権力に……公爵という爵位に興味を持たない人材”
私が公爵になる為に望む全てを備えているのは、やはりベネディクトだけだから。
“物語のヒロインのように、私も全て失ってしまえれば……”
そんな考えがふっと芽生えすぐに頭を左右に振る。
私はエングフェルト公爵家の後継者として、何一つ失うことなど許されないのだから。
わくわくと気持ちが上がるのは、きっとこの素晴らしい天気と。
「いよいよ本日ですね、オペラ」
「そうね」
きっと、今日が私の人生はじめての『本人との』デートだからだ。
もちろん婚約者のいる身で他の男性とデート、というといけないことをしているように思えるが……
“当の婚約者本人がいつも送り込んでくる身代わりの婚約者だし”
何より一度も会いに来ない婚約者本人は繁華街に入り浸り。
他の令嬢とデートをしているどころか何人もをとっかえひっかえしているのだ。
ならば私だって、少々は構わないはず。……なんて自分を納得させる。
どうせ私たちの間に愛も恋もない、政略だけの結婚なのだから。
“任せて、なんてハンナは言っていたけれど”
流石にこれは着飾りすぎなのでは?と思うほどふんだんに生花が髪に差し込まれていた。
「アザレアとカスミソウです。クラウリー伯爵領は花栽培が盛んですから、喜ばれるのでは」
「そう、かしら……?」
「えぇ、もちろんです」
“確かに、最近はいつも花束を持ってきてくれるものね”
髪に飾られたその少し大きめのアザレアも、カスミソウと同じく白い花のお陰かミルキーベージュの髪に馴染んでいて。
「ドレスも少し華やかすぎる気がするのだけれど」
「そんなことはございませんよ、オペラなのですからこれくらい当然です」
やたらと自信満々にそう言いきるハンナ。
そこまで断言されるならばそうなのかもしれないが……
“薄紫のドレスにパールがこんなに。デビュタントのドレスより凝ってる気がするんだけれど”
「あとはこのネックレスで完成ですよ」
「えぇ、ありが――……そのネックレスもつけるの!?」
「はい、薄紫に紺色はとても合いますから」
ふふ、と圧の強い笑顔にコクコクと頷くしか出来ないが、それでもこの色の組み合わせは。
“まんまレヴィンの瞳と髪色じゃない……!”
誰よりもベネディクトとの間を知っているハンナだからこそ、いつも来てくれ気遣ってくれているレヴィンに好感を持っているのは知っているが、それでも流石にこのあからさまな色合いに焦りが隠せない。
何よりも、この姿の私を見たレヴィンがどんな反応をするのかがわからなくて冷や汗が滲んだ。
もしレヴィンが本物の婚約者なら、きっとこんなに焦る必要なんてないのだろうが……
“レヴィンはあくまでもベネディクトの身代わり役をやってくれているだけなのに……!”
どれだけ望んでも、どれだけ願っても私の婚約者はベネディクトであってレヴィンではないから。
「さ、もうすぐ約束の10分前ですよ。玄関に向かいましょう」
「で、でも、ハンナっ」
「さぁさぁ」
楽しそうなハンナに背中を押されるようにして私室を出る。
迫る時間、近付く玄関。
流石にここまで来たら覚悟を決めるしかない。
“今日は『レヴィン』とのデートなんだからこれでいいのよ……!”
必死で自分に言い聞かせながら玄関を開けると、こちらへ歩いてきていたレヴィンと丁度会った。
「あら、今日も時間に正確なのね」
レヴィンが口を開く前に慌てて話題を振る。
まずは心を落ち着けるために返事のしやすい当たり障りのない話から入ったつもり、だったのだが。
“?”
一向に返事がなく、ついでに他の話題……例えば私のドレスや宝飾品についても何も触れられない。
余りにも無言の時間が続き、つい怪訝な顔でレヴィンを見上げた私の目に飛び込んできたのは。
「!」
あからさまなほど真っ赤に頬を染めたレヴィンだった。
「れ、レヴィン?」
「! あ、失礼しました。あまりにその、美しくて見惚れてしまいました」
「そ、そう。その、気に入って貰えたなら良かったわ」
“そんな反応をされると私もいたたまれなくなるじゃない……!”
レヴィンに釣られて頬が熱くて堪らない。
もじもじと指遊びをしながら、ハンナの言うことを聞いて良かったと内心感謝していると、ハッとしたようにレヴィンから花束が手渡された。
「ガーベラの花束です」
「まぁ! 今日もとっても可愛いわね」
赤とピンクがメインで作られたガーベラの花束に、白いガーベラが馴染んで色の纏まりがいい。
「これもレヴィンからよね?」
「はい」
「えぇ! ならいいの。とっても嬉しいわ、ありがとう!」
花束を抱えながらにこりと微笑むと、太陽の下だからだろうか?
良かったです、なんて笑うレヴィンの濃紺の髪だけでなくその笑顔すらもがキラキラと輝いて見えた。
一輪一輪が大きめのガーベラだったので持ち歩くには適さず、見送りに出てきてくれていたハンナに頼んで寝室に飾るように頼む。
すっと出してくれたレヴィンの腕に手を添えた私は、レヴィンにエスコートされるのは二度目だな、なんてぼんやりと考えていた。
“前回はあくまでもベネディクトの代理として身代わり婚約者のレヴィンとのお出かけだったけれど”
今回は正真正銘の、レヴィン・クラウリー伯爵令息とのデート。
それも、ハッキリとデートと銘打ったお出かけで。
“それだけでこんなにくすぐったいだなんて”
胸だけでなく足元すらもほわほわとしながら、クラウリー伯爵家の馬車で劇場まで向かった。
「評判がいいと聞いていたけれど、どんなお話なのかしら」
「よくある不幸な立場の令嬢が運命の相手と恋に落ちて幸せになる物語らしいですよ」
馬車内で向かい合って座ってそんな会話をする。
もちろんオペラの内容が気になっているのは嘘ではない、嘘ではないのだが。
“向かい合わせ、なのよね”
いつも茶会で見る距離感。
テーブルを挟んだ向かい合わせ。
けれどここは馬車内で、そして今私たちはデートをしているのだから……
“隣同士でもいいんじゃないかしら”
両親と出掛ける時は、必ず寄り添って座る両親を向かいの席から眺めていた。
だからこそ、好きな人とは隣同士で座りたいと私もずっと思っていて――
「って! それだと私がレヴィンを……っ」
「俺を?」
「へっ!?」
あっと思った時にはもう遅く、口から飛び出してしまっていた言葉。
“最近レヴィンといるとダメだわ”
私はこんなではなかったはずなのに、彼といると淑女の仮面どころかいつも通りの私ですらいられない。
明らかに幼子のような振る舞いだってしてしまうのに、それでも彼が受け入れてくれるから甘えてしまう。
“私は次期公爵なのだから……!”
だから、ちゃんと自制しなくてはならないとわかっているのに。
「突然立ち上がっては危ないです」
心配そうに手を差し伸べられると取らずにはいられず、そっと手を重ねると導かれるように引き寄せられて彼の隣に腰を下ろす。
“こんなの、ダメなのに”
きゅ、と握られたままの手が熱いのに気持ちいいのは、雲ひとつない晴れ渡る青空が爽やかで、けれど少し風があるからかもしれない。
「足元、気をつけて」
「えぇ」
レヴィンの手を借りて馬車から下りる。
さすがターンバル国一と呼ばれる劇場なだけありとても豪華だった。
“いよいよ始まるのね……!”
案内されたBOX席のソファに二人で並んで座り開演を待つ。
馬車内と同じ距離感、けれど馬車内とは違い手は繋がない。
距離は近いはずなのにその事実が少し寂しく感じ、そしてそんな妄想を振り払うように私はオペラグラスを手に取った。
始まったオペラは、レヴィンが簡単に説明してくれた通り婚約者に見向きもされていない令嬢がヒロインの物語で、序盤にその婚約者から婚約破棄をされるシーンから始まる。
「……っ」
“婚約破棄……”
婚約破棄された令嬢は全てを失いかけるが、婚約破棄の場面に居合わせた国の王太子が現れて彼女に婚約を申し込んだ。
そこから王太子妃になるまで、決して身分の高い二人とは思えないような川遊びをしたり、遠駆けをしたりして穏やかに恋心を育む。
そんなまさに大逆転とも言えるストーリーで。
“あり得ないわ”
――そう、これはあくまでも物語。
そもそも王族のいる前で婚約破棄を持ち出すだなんて、実際ならば場を乱し陥れたとして男の方が断罪されるだろう。
それに王太子の結婚は誰よりも政略を重視せねばならず、目の前で可哀想な令嬢がいたから、と同情で進めるなんてこともあり得ない。
「……面白かったわ」
「幸せになるまでが丁寧に描かれていて応援したくなりましたね」
「それに、どこか庶民的であり身分があるのに偉ぶらないからこそまるで身近な友人のようにも感じられた」
穏やかに微笑むレヴィンに私もそう返す。
あり得ないとは思っても、面白いと思ったのも真実で、レヴィンが言ったように応援したくなったのも事実。
物語として本当に良くできており、この熱く燃え上がるような恋心にトキメキだって感じた、の、だが。
“でも、あくまでもこれは物語”
序盤で起きた婚約破棄の騒動。
ベネディクトから婚約破棄を言い出すことはなく、もし言い出したとしても私たちの婚約を破棄することは出来ない。
何故なら三男のベネディクトにとって私以上に適した婚約者はおらず、そしてそれは私にとっても同じことだった。
“婿入り出来て、経済状況や領民との間も悪くなく、そして権力に……公爵という爵位に興味を持たない人材”
私が公爵になる為に望む全てを備えているのは、やはりベネディクトだけだから。
“物語のヒロインのように、私も全て失ってしまえれば……”
そんな考えがふっと芽生えすぐに頭を左右に振る。
私はエングフェルト公爵家の後継者として、何一つ失うことなど許されないのだから。
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