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9.お別れの口付けと次回の約束を
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私とレヴィンの間に特別な変化の起きた四十七回目の茶会を終え、そしてその翌月である今日は四十八回目の茶会日。
“当然レヴィンが来るのよね?”
ドキドキしながら時計を確認すると、まだ約束の時間の二十分前だった。
「どんな顔をしたらいいのかしら」
しれっとすればいいのか、それとも少し照れてはにかんだ方がいいのか。
どちらがレヴィンは好きだろう? というか、レヴィンはどんな様子で来るのだろう。
“また以前のような無愛想にも見えるクールな表情に戻ってしまっているのかしら”
こういった時どんな反応をするのが正解かの見当もつかず頭を抱えた時だった。
「アルベルティーナお嬢様、婚約者の代理の方がいらっしゃっております」
「も、もうっ!?」
声をかけてきたメイドの言葉にハッとした私は、わたわたと立ち上がりながらチラッとポケットに入れている懐中時計で時間を確認して。
「……キッカリ十分前だわ、いつの間に……」
どうやらさっき時計を見てからもう十分もたっていたらしい。
慌てて立ち上がったせいで乱れた髪を必死で撫で付けていると、完全にいつも通りのクールなレヴィンが温室に入ってきた。
お辞儀をする様も、口に出す言葉もあまりにもいつも通り過ぎて拍子抜けしてしまう。
“気にしてたの、私だけだったのね”
なんだかその事実に少しだけ気分が下がった、そんな時。
「……ふふ、慌てられたんですか? 珍しいですね」
必死で撫で付けていたところとは反対の耳の上をレヴィンの手のひらがそっと撫でる。
ふっと優しげに目元をレヴィンが細めたからか、その手つきがとても優しかったからなのか。
“乱れた髪を直してくれただけ”
それだけだとわかっているのに、なんだかとても想われている錯覚に陥り、下がった気分が急浮上した。
「こちらはアルベルティーナ嬢に」
「え?」
「え?」
さっと今日も目の前に出された花束……だが、その花束よりも気になったことがひとつ。
「アルベルティーナ嬢、ですか……?」
私の質問に不思議そうな顔をしたレヴィンは、すぐに思い当たったのかわざとらしくこほんと咳払いをした。
「……ティナに、こちらの花束を。受け取ってくださいますか」
「はい、もちろんですわ。レヴィン!」
ちゃんと言い直された呼び方に思わず私の頬が緩むと、入室した時は変わらなかった表情にふわりと笑みが灯る。
それだけのことなのに、なんだかとても嬉しくなった。
「可愛い花。色とりどりでとても美しいわ」
「アネモネの花束です」
「今日もベネディクト様から?」
実際そうであろうとそうでなかろうと、レヴィンは肯定する。
何故なら彼は本物の婚約者の『身代わり』でしかないから。
――そう、思っていたのだが。
「俺から、です」
「え?」
「だからその、俺から、です」
「そ、そうだったんですか⋯!?」
その予想外の答えに唖然とし、それと同時に心臓がドクドクと暴れだした。
“レヴィンから!”
きっと前回も、前々回もレヴィンが選んだ花束だった。
けれどそれはあくまでもベネディクトの代理として選んだものだったのに、この花束は……
「どうしよう、とても嬉しいわ」
いつもはすぐにメイドに頼んで私室に飾って貰うが、なんだか今は手放すのが惜しくぎゅっとそのアネモネの花束を抱き締める。
赤やピンクの色もあるが、青と白が多めに束ねられたこの花束を見て、レヴィンはこういったブルー系統の花が好きなのかしら? なんて思った。
“最初に貰ったスカビオサの花束は綺麗な薄紫で、ハナニラの花束も青かったし”
花を潰してしまわないように注意しつつ抱き締めていると、ふと彼の腕がキラリと光る。
「……それ、つけてくださったのね」
「これは代理としてではなく、俺がいただいたものですから」
少し気恥ずかしそうしながらレヴィンが着けているカフスボタンを撫でる。
そのカフスは、私の瞳と同じ薄水色をしていた。
「ねぇ、今日はお茶を飲んで行くでしょう?」
「ティナが許可をしてくれるなら」
「まぁ! レヴィンなら大歓迎よ、だって今は私の婚約者でしょう?」
少し悪戯っぽくそう口にすると、その悪戯に乗る少年のようにレヴィンも笑みを浮かべる。
悪巧みをする子供のように、私たちは席についた。
「そういえば、今流行りのオペラがあるそうです」
「オペラですか?」
「えぇ、花屋の店主がそう言ってました」
“そういえば、オペラなんて随分観に行ってないわね”
幼い頃に両親と観に行ったのが最後。
大きくなった今では、定番デートのひとつであるオペラをわざわざ両親と観る気がしない……と、いうか。
“『愛する妻と二人っきりで観たいから、可愛いティナはベネディクト君と行くのがいいよ』なんて言ってそもそも連れて行って貰えないのよね”
相変わらず仲睦まじすぎる両親を思い出し思わず苦笑すると、私のその様子を見て察したのか、そもそもベネディクトが茶会に一度も参加していないのだからデートなんてしたことがないと気が付いたからなのか、レヴィンがこほんと咳払いをして。
「ティナがよろしければ、俺と観に行くのはどうでしょうか」
「え?」
「そのオペラです。流行っているということはそれなりに面白いものだということですし」
「私とレヴィンが、ですか?」
こくりと頷くレヴィンの提案にきょとんとしてしまう。
そして気になるのはもちろんひとつだ。
「それは、ベネディクトの身代わりとして?」
私の質問に、ピクリとティーカップを持つ指が揺れ小さくカチンとティーソーサーが音を立てた。
「……俺とティナで、です」
「!」
“もしかして私、今デートに誘われているのかしら”
それもベネディクトの身代わりとしてではなく、レヴィン本人から。
驚きと戸惑いで心臓が痛いくらい跳ねる。
落ち着こうと私もティーカップに手を伸ばしたが、レヴィン以上にガチャガチャと音を立ててしまいそうだと伸ばした手を引っ込めた。
そして普段ならそんなミスをしないレヴィンが音を立てたということは。
“レヴィンも緊張してるのかしら”
そう思うとこれ以上跳ねないと思っていた心臓がよりバクバクとより大きな音を立てていて。
「……行くわ」
「え」
「楽しみに、しています」
ただオペラを観に行くだけなのに。
なんだか彼の顔を見るのが恥ずかしく、私はティーカップに注がれている紅茶だけを見ながらそう返事したのだった。
「では当日に迎えに来ます」
「はい、お待ちしております」
まだ気恥ずかしさが抜けず、足元へ視線を落としながら返事をする。
“ベネディクトとの茶会日以外で二人っきりなんてはじめてね”
それも次は身代わりとしてではなく、レヴィン本人としてなのだ。
むず痒いような心地いいような気持ちで胸がほわほわとなんだか温かい。
言葉にし辛いこの感情に私自身が戸惑っていると、彼がお辞儀し私に背を向けたことに気が付いて。
「ま、待ってっ」
「ティナ?」
「あ、その……」
思わず彼の服を掴んでしまい、わたわたと慌てる。
けれど義務でしかなかった茶会が終わることを寂しく感じているだなんて当然身代わりでしかない彼には言えなくて。
「そ、そのっ、……き、キス! まだお別れのキスをしておりません」
「キスですか?」
“な、何を言ってるの私はぁぁあっ!”
自身の口から出たその爆弾に頭を抱えてしゃがんでしまいたい衝動に駆られるが、公爵令嬢としてそんなはしたない行動なんて出来るはずなくて。
けれど口に出してしまったことを今更どう撤回したものか、とぐるぐる思考を巡らせていた、その時だった。
「愛しい貴女に祝福を」
「ッ」
私の左手をそっと取ったレヴィンが、手の甲にそっと口付けを落とす。
そして。
「……いい、夢を」
そのまま左手を引かれた私は彼の方に一歩進むと、レヴィンの腕がそっと私の腰に回された。
「んっ」
ちゅ、と重ねるだけの可愛い口付けがひとつ。
彼から与えられたその口付けにぽわんとしていると、少しだけ頬に朱を差したレヴィンがふっと笑みを浮かべた。
「こんなに楽しみなオペラはきっとこの先ありません」
離れる彼の熱が、離れた傍から恋しくて苦しい。
――どうして彼は身代わりなのかしら。
そんな考えてはいけない考えが私の中にぽつりと芽生え、小さなシミのように心に影を落とした。
「ハンナ」
「はい、お嬢様」
「で、デートってどんな服がいいのかしら?」
「でっ、デートでございますか……!?」
夜着に着替えながらそうハンナに問いかけると、何故か唖然としたハンナが突然ジト目になって私の前にパッと立った。
「誰とのデートですか」
「れっ、レヴィンに、その、オペラに……」
「それはクラウリー伯爵令息としてでしょうか? それともニークヴィスト侯爵令息の代理としてでしょうか?」
「く、クラウリー伯爵令息として、よ」
私の答えをジト目で聞いていたハンナは、レヴィンがレヴィンとして誘ったことを聞いてにっこりと笑って。
「では、当日は私にお任せくださいませ!」
誰よりも力強くそう断言した。
“当然レヴィンが来るのよね?”
ドキドキしながら時計を確認すると、まだ約束の時間の二十分前だった。
「どんな顔をしたらいいのかしら」
しれっとすればいいのか、それとも少し照れてはにかんだ方がいいのか。
どちらがレヴィンは好きだろう? というか、レヴィンはどんな様子で来るのだろう。
“また以前のような無愛想にも見えるクールな表情に戻ってしまっているのかしら”
こういった時どんな反応をするのが正解かの見当もつかず頭を抱えた時だった。
「アルベルティーナお嬢様、婚約者の代理の方がいらっしゃっております」
「も、もうっ!?」
声をかけてきたメイドの言葉にハッとした私は、わたわたと立ち上がりながらチラッとポケットに入れている懐中時計で時間を確認して。
「……キッカリ十分前だわ、いつの間に……」
どうやらさっき時計を見てからもう十分もたっていたらしい。
慌てて立ち上がったせいで乱れた髪を必死で撫で付けていると、完全にいつも通りのクールなレヴィンが温室に入ってきた。
お辞儀をする様も、口に出す言葉もあまりにもいつも通り過ぎて拍子抜けしてしまう。
“気にしてたの、私だけだったのね”
なんだかその事実に少しだけ気分が下がった、そんな時。
「……ふふ、慌てられたんですか? 珍しいですね」
必死で撫で付けていたところとは反対の耳の上をレヴィンの手のひらがそっと撫でる。
ふっと優しげに目元をレヴィンが細めたからか、その手つきがとても優しかったからなのか。
“乱れた髪を直してくれただけ”
それだけだとわかっているのに、なんだかとても想われている錯覚に陥り、下がった気分が急浮上した。
「こちらはアルベルティーナ嬢に」
「え?」
「え?」
さっと今日も目の前に出された花束……だが、その花束よりも気になったことがひとつ。
「アルベルティーナ嬢、ですか……?」
私の質問に不思議そうな顔をしたレヴィンは、すぐに思い当たったのかわざとらしくこほんと咳払いをした。
「……ティナに、こちらの花束を。受け取ってくださいますか」
「はい、もちろんですわ。レヴィン!」
ちゃんと言い直された呼び方に思わず私の頬が緩むと、入室した時は変わらなかった表情にふわりと笑みが灯る。
それだけのことなのに、なんだかとても嬉しくなった。
「可愛い花。色とりどりでとても美しいわ」
「アネモネの花束です」
「今日もベネディクト様から?」
実際そうであろうとそうでなかろうと、レヴィンは肯定する。
何故なら彼は本物の婚約者の『身代わり』でしかないから。
――そう、思っていたのだが。
「俺から、です」
「え?」
「だからその、俺から、です」
「そ、そうだったんですか⋯!?」
その予想外の答えに唖然とし、それと同時に心臓がドクドクと暴れだした。
“レヴィンから!”
きっと前回も、前々回もレヴィンが選んだ花束だった。
けれどそれはあくまでもベネディクトの代理として選んだものだったのに、この花束は……
「どうしよう、とても嬉しいわ」
いつもはすぐにメイドに頼んで私室に飾って貰うが、なんだか今は手放すのが惜しくぎゅっとそのアネモネの花束を抱き締める。
赤やピンクの色もあるが、青と白が多めに束ねられたこの花束を見て、レヴィンはこういったブルー系統の花が好きなのかしら? なんて思った。
“最初に貰ったスカビオサの花束は綺麗な薄紫で、ハナニラの花束も青かったし”
花を潰してしまわないように注意しつつ抱き締めていると、ふと彼の腕がキラリと光る。
「……それ、つけてくださったのね」
「これは代理としてではなく、俺がいただいたものですから」
少し気恥ずかしそうしながらレヴィンが着けているカフスボタンを撫でる。
そのカフスは、私の瞳と同じ薄水色をしていた。
「ねぇ、今日はお茶を飲んで行くでしょう?」
「ティナが許可をしてくれるなら」
「まぁ! レヴィンなら大歓迎よ、だって今は私の婚約者でしょう?」
少し悪戯っぽくそう口にすると、その悪戯に乗る少年のようにレヴィンも笑みを浮かべる。
悪巧みをする子供のように、私たちは席についた。
「そういえば、今流行りのオペラがあるそうです」
「オペラですか?」
「えぇ、花屋の店主がそう言ってました」
“そういえば、オペラなんて随分観に行ってないわね”
幼い頃に両親と観に行ったのが最後。
大きくなった今では、定番デートのひとつであるオペラをわざわざ両親と観る気がしない……と、いうか。
“『愛する妻と二人っきりで観たいから、可愛いティナはベネディクト君と行くのがいいよ』なんて言ってそもそも連れて行って貰えないのよね”
相変わらず仲睦まじすぎる両親を思い出し思わず苦笑すると、私のその様子を見て察したのか、そもそもベネディクトが茶会に一度も参加していないのだからデートなんてしたことがないと気が付いたからなのか、レヴィンがこほんと咳払いをして。
「ティナがよろしければ、俺と観に行くのはどうでしょうか」
「え?」
「そのオペラです。流行っているということはそれなりに面白いものだということですし」
「私とレヴィンが、ですか?」
こくりと頷くレヴィンの提案にきょとんとしてしまう。
そして気になるのはもちろんひとつだ。
「それは、ベネディクトの身代わりとして?」
私の質問に、ピクリとティーカップを持つ指が揺れ小さくカチンとティーソーサーが音を立てた。
「……俺とティナで、です」
「!」
“もしかして私、今デートに誘われているのかしら”
それもベネディクトの身代わりとしてではなく、レヴィン本人から。
驚きと戸惑いで心臓が痛いくらい跳ねる。
落ち着こうと私もティーカップに手を伸ばしたが、レヴィン以上にガチャガチャと音を立ててしまいそうだと伸ばした手を引っ込めた。
そして普段ならそんなミスをしないレヴィンが音を立てたということは。
“レヴィンも緊張してるのかしら”
そう思うとこれ以上跳ねないと思っていた心臓がよりバクバクとより大きな音を立てていて。
「……行くわ」
「え」
「楽しみに、しています」
ただオペラを観に行くだけなのに。
なんだか彼の顔を見るのが恥ずかしく、私はティーカップに注がれている紅茶だけを見ながらそう返事したのだった。
「では当日に迎えに来ます」
「はい、お待ちしております」
まだ気恥ずかしさが抜けず、足元へ視線を落としながら返事をする。
“ベネディクトとの茶会日以外で二人っきりなんてはじめてね”
それも次は身代わりとしてではなく、レヴィン本人としてなのだ。
むず痒いような心地いいような気持ちで胸がほわほわとなんだか温かい。
言葉にし辛いこの感情に私自身が戸惑っていると、彼がお辞儀し私に背を向けたことに気が付いて。
「ま、待ってっ」
「ティナ?」
「あ、その……」
思わず彼の服を掴んでしまい、わたわたと慌てる。
けれど義務でしかなかった茶会が終わることを寂しく感じているだなんて当然身代わりでしかない彼には言えなくて。
「そ、そのっ、……き、キス! まだお別れのキスをしておりません」
「キスですか?」
“な、何を言ってるの私はぁぁあっ!”
自身の口から出たその爆弾に頭を抱えてしゃがんでしまいたい衝動に駆られるが、公爵令嬢としてそんなはしたない行動なんて出来るはずなくて。
けれど口に出してしまったことを今更どう撤回したものか、とぐるぐる思考を巡らせていた、その時だった。
「愛しい貴女に祝福を」
「ッ」
私の左手をそっと取ったレヴィンが、手の甲にそっと口付けを落とす。
そして。
「……いい、夢を」
そのまま左手を引かれた私は彼の方に一歩進むと、レヴィンの腕がそっと私の腰に回された。
「んっ」
ちゅ、と重ねるだけの可愛い口付けがひとつ。
彼から与えられたその口付けにぽわんとしていると、少しだけ頬に朱を差したレヴィンがふっと笑みを浮かべた。
「こんなに楽しみなオペラはきっとこの先ありません」
離れる彼の熱が、離れた傍から恋しくて苦しい。
――どうして彼は身代わりなのかしら。
そんな考えてはいけない考えが私の中にぽつりと芽生え、小さなシミのように心に影を落とした。
「ハンナ」
「はい、お嬢様」
「で、デートってどんな服がいいのかしら?」
「でっ、デートでございますか……!?」
夜着に着替えながらそうハンナに問いかけると、何故か唖然としたハンナが突然ジト目になって私の前にパッと立った。
「誰とのデートですか」
「れっ、レヴィンに、その、オペラに……」
「それはクラウリー伯爵令息としてでしょうか? それともニークヴィスト侯爵令息の代理としてでしょうか?」
「く、クラウリー伯爵令息として、よ」
私の答えをジト目で聞いていたハンナは、レヴィンがレヴィンとして誘ったことを聞いてにっこりと笑って。
「では、当日は私にお任せくださいませ!」
誰よりも力強くそう断言した。
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