1 / 1
小さなキッカケで始まる新しい特別のはなし
しおりを挟む
「熱いコーヒーが飲みたい」
「飲めばいいじゃん」
なんて、当然のようにしれっと言うのは一緒に住んでいる相方の幼なじみだ。
「飲めるならとっくに飲んでんだっつの」
「牛乳入れたらいいだろ?」
「薄まるんだよぉ~」
「は?冷めるじゃなくて?」
「いや、温度が下がるのもそうなんだけどさぁ⋯」
コトリと小さな音を立てて目の前に置かれたのは、ミルクで薄められた熱々“だった”コーヒーだ。
「薄まってるぅ⋯」
「いや、牛乳なんだから薄まってねぇって。つかそもそもお前ブラック飲めねぇだろ」
「味はな!確かにブラック飲めねぇけど!」
「だったらこれで正解だろ。猫舌のお前でも飲める温度、そんで子供舌のお前でも飲める味」
「子供舌ぁ!?」
なんだと、と文句を言おうと睨み付けるが、そんな俺の様子なんか無視して俺の飲みたかった熱々のブラックコーヒーを片手にこの少し生意気な幼なじみが隣に座る。
「うぁ、いい匂い⋯」
思わず溢すようにそう呟くと、チラリとこっちを見たと思ったらこれ見よがしに一気に飲み干して。
「⋯あっ、おまっ、俺の絶対出来ないこ⋯⋯っ、ん、んんっ!?」
一瞬何が起きたのかわからず、ただ視界いっぱいに広がる幼なじみの顔をただ見ていた。
そして一拍置き、火傷しそうなほど熱い舌が自身の舌を絡めとるように口内に入れられている事をその熱と、“薄まっていない”強いコーヒーの香りで気付かされる。
反射的に腕を突っ張って無理やり剥がそうとし⋯
想像よりもアッサリと幼なじみはコーヒーの香りだけを残し離れて。
「⋯な、え、は⋯?」
「薄まってなかったろ?」
「え⋯あ、まぁ、薄まってはなかった⋯けど、え、え?」
「そうか、良かったな」
“よ、良かったな⋯⋯!?”
それは確かに求めていた“薄まっていない”香りだったし、猫舌の俺ではなかなか感じられないものではあったのだけれども。
「お、おま⋯っ、お前今⋯」
「おかわりいるか?」
「ふへっ!?」
「って、あぁ、お前まだ飲んでねぇのか」
「あ、おかわりってそっちの⋯?」
そっちの、なんて聞いてすぐにハッとし顔に熱が集まるのを感じる。
“そっちの、ってなんだよ!他にどのコーヒーのおかわりがあるんだっつの!?”
「⋯へぇ、お前が望むなら“どっちの”でも俺はいいけど」
「いらんわ!!」
怒鳴るように叫んだ俺は、赤くなった顔を隠すようにくるりと背を向けてキッチンに向かった。
「熱々のブラックコーヒーをご希望で?」
「砂糖を取りに来たんだよッ」
「ふぅん、残念」
「な⋯っ!?」
まだ僅かに残る“薄まってない”その香りをふわりと感じ、無意識にくしゃりと髪を搔き上げた。
くすぐっているのは鼻なのか、それともこの胸なのかはまだわからないままー⋯
「飲めばいいじゃん」
なんて、当然のようにしれっと言うのは一緒に住んでいる相方の幼なじみだ。
「飲めるならとっくに飲んでんだっつの」
「牛乳入れたらいいだろ?」
「薄まるんだよぉ~」
「は?冷めるじゃなくて?」
「いや、温度が下がるのもそうなんだけどさぁ⋯」
コトリと小さな音を立てて目の前に置かれたのは、ミルクで薄められた熱々“だった”コーヒーだ。
「薄まってるぅ⋯」
「いや、牛乳なんだから薄まってねぇって。つかそもそもお前ブラック飲めねぇだろ」
「味はな!確かにブラック飲めねぇけど!」
「だったらこれで正解だろ。猫舌のお前でも飲める温度、そんで子供舌のお前でも飲める味」
「子供舌ぁ!?」
なんだと、と文句を言おうと睨み付けるが、そんな俺の様子なんか無視して俺の飲みたかった熱々のブラックコーヒーを片手にこの少し生意気な幼なじみが隣に座る。
「うぁ、いい匂い⋯」
思わず溢すようにそう呟くと、チラリとこっちを見たと思ったらこれ見よがしに一気に飲み干して。
「⋯あっ、おまっ、俺の絶対出来ないこ⋯⋯っ、ん、んんっ!?」
一瞬何が起きたのかわからず、ただ視界いっぱいに広がる幼なじみの顔をただ見ていた。
そして一拍置き、火傷しそうなほど熱い舌が自身の舌を絡めとるように口内に入れられている事をその熱と、“薄まっていない”強いコーヒーの香りで気付かされる。
反射的に腕を突っ張って無理やり剥がそうとし⋯
想像よりもアッサリと幼なじみはコーヒーの香りだけを残し離れて。
「⋯な、え、は⋯?」
「薄まってなかったろ?」
「え⋯あ、まぁ、薄まってはなかった⋯けど、え、え?」
「そうか、良かったな」
“よ、良かったな⋯⋯!?”
それは確かに求めていた“薄まっていない”香りだったし、猫舌の俺ではなかなか感じられないものではあったのだけれども。
「お、おま⋯っ、お前今⋯」
「おかわりいるか?」
「ふへっ!?」
「って、あぁ、お前まだ飲んでねぇのか」
「あ、おかわりってそっちの⋯?」
そっちの、なんて聞いてすぐにハッとし顔に熱が集まるのを感じる。
“そっちの、ってなんだよ!他にどのコーヒーのおかわりがあるんだっつの!?”
「⋯へぇ、お前が望むなら“どっちの”でも俺はいいけど」
「いらんわ!!」
怒鳴るように叫んだ俺は、赤くなった顔を隠すようにくるりと背を向けてキッチンに向かった。
「熱々のブラックコーヒーをご希望で?」
「砂糖を取りに来たんだよッ」
「ふぅん、残念」
「な⋯っ!?」
まだ僅かに残る“薄まってない”その香りをふわりと感じ、無意識にくしゃりと髪を搔き上げた。
くすぐっているのは鼻なのか、それともこの胸なのかはまだわからないままー⋯
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ポメった幼馴染をモフる話
鑽孔さんこう
BL
ポメガバースBLです! 大学生の幼馴染2人は恋人同士で同じ家に住んでいる。ある金曜日の夜、バイト帰りで疲れ切ったまま寒空の下家路につき、愛しの我が家へ着いた頃には体は冷え切っていた。家の中では恋人の居川仁が帰りを待ってくれているはずだが、家の外から人の気配は感じられない。聞きそびれていた用事でもあったか、と思考を巡らせながら家の扉を開けるとそこには…!※12時投稿。2025.3.11完結しました。追加で投稿中。
《一時完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ
MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
続編執筆中
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした
たっこ
BL
【加筆修正済】
7話完結の短編です。
中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。
二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。
「優、迎えに来たぞ」
でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる