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第2章 希望と憎悪
カクシゴト
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「あのさぁ、ゼクス。……使っただろ」
「ん? なんのことかな?」
はて、何を言っているのやら、俺にはさっぱり分からないな。
とぼける俺に、アマツの顔は厳しい。
「ここで俺が目覚める前に、お前の【顕現】のどれか、使っただろ」
医者に絶対にあり得ない速度で回復した、って言われたぞと彼はいう。
確かに、結構時間がかかりそうだということは聞いた。
アマツは【顕現】の【容量】に関して、特別秀でていると言うことはない。
基本的に平均的である、というのは俺も聞き及んでいる。
彼の顕現力の回復量も、そんなに良い数値を示していないことは認識出来ていた。
――だからこそ、もっとゆっくり休養しなければ目覚めないはずなのに、現状そうでないことが問題なのだろう。
まあ、俺がやったんだけどな。
「やっぱり気づいてたか」
正直、するのは難しかった。
冷撫は離れようとしないから、どうやって自身の顕現力をアマツに分けるか、機会をうかがっていた時間の方が長いだろう。
――結果的に治ったんだからいいんじゃないの、という俺に対して。
アマツは納得いっていないようだ。
「身体に変な負荷はかかっていないか? もしかしたら、そのせいで【熾火結晶】が割れたのかも知れない」
「いや、昨日から青い方しか使ってなかったよ。赤い方は冷撫に渡してたし」
まあ試作品だからな、とアマツ。理由が分からないなら仕方ない。
「あれだ。俺達の為に無理はしないほうがいい。ゼクスが蒼穹城と対峙する前に、なにか不測の事態が起こっても困るだろ?」
「確かに。――でも、無理はしてないよ」
この程度なら、全然問題ない。
「あの、そろそろいいですか?」
外の方からノックがして、少しだけスライド式のドアが開く。
冷撫は、隙間からじとっとこちらを見つめていた。
……怖い。
「どんな話をしていたのか、残念ながらここからはなーんにも聞こえませんでした」
「それはよかった」
「良くないです。……でも、ゼクスくんが無理をしているかも知れないと言うことは分かりました」
それ、本質を穿ってるじゃないか。
「……俺は起きたし、鈴音は飯食ってこいよ」
話は終わり、というふうに入院食を食べ始めたアマツは、俺を見つめながら冷撫を連れて行くように指示をした。
どうも、今日の朝から何も食べていないらしい。
目覚めてから、彼女の相手をずっとしていたんだろうな。
冷撫は「食べましたから!」なんて言っているが、直後に腹が鳴って赤面。
うん、連れて行く事にしよう。
「じゃあ、また明日」
「ああ、また明日」
――――
「で? さきほどは、何の話をしていたんですか?」
冷撫は不機嫌であった。
俺が無理矢理、食堂へ連れてきたのがいけなかったのかも……しれない。
しかし、正直言えば。
アマツは自分が動けない状況で、ずっと傍に人が居るのが嫌みたいだ。
「いや? 別に何も?」
「私が追い出されたと言うことは、私が聞くと不都合なことがあるということですよね!」
変に心配されるのがわかりきってるからなぁ。
――あとで、どうして隠してたんですか? って聞かれても困るし。
それよりも、と俺はお茶を濁して、何が食べたいか彼女に聞く。
まだ午後の範疇だ。
こちらとしても、何も食べていなかったし丁度いい。
「唐揚げ丼がいいです」
「ほいほい、食券かってくるね」
飲み物は冷撫に任せることとした。
今でこそ、まだ人はまばらだが……。
授業が始まればここも、人の海に沈むだろう。
――その時が憂鬱だ。
「ん? なんのことかな?」
はて、何を言っているのやら、俺にはさっぱり分からないな。
とぼける俺に、アマツの顔は厳しい。
「ここで俺が目覚める前に、お前の【顕現】のどれか、使っただろ」
医者に絶対にあり得ない速度で回復した、って言われたぞと彼はいう。
確かに、結構時間がかかりそうだということは聞いた。
アマツは【顕現】の【容量】に関して、特別秀でていると言うことはない。
基本的に平均的である、というのは俺も聞き及んでいる。
彼の顕現力の回復量も、そんなに良い数値を示していないことは認識出来ていた。
――だからこそ、もっとゆっくり休養しなければ目覚めないはずなのに、現状そうでないことが問題なのだろう。
まあ、俺がやったんだけどな。
「やっぱり気づいてたか」
正直、するのは難しかった。
冷撫は離れようとしないから、どうやって自身の顕現力をアマツに分けるか、機会をうかがっていた時間の方が長いだろう。
――結果的に治ったんだからいいんじゃないの、という俺に対して。
アマツは納得いっていないようだ。
「身体に変な負荷はかかっていないか? もしかしたら、そのせいで【熾火結晶】が割れたのかも知れない」
「いや、昨日から青い方しか使ってなかったよ。赤い方は冷撫に渡してたし」
まあ試作品だからな、とアマツ。理由が分からないなら仕方ない。
「あれだ。俺達の為に無理はしないほうがいい。ゼクスが蒼穹城と対峙する前に、なにか不測の事態が起こっても困るだろ?」
「確かに。――でも、無理はしてないよ」
この程度なら、全然問題ない。
「あの、そろそろいいですか?」
外の方からノックがして、少しだけスライド式のドアが開く。
冷撫は、隙間からじとっとこちらを見つめていた。
……怖い。
「どんな話をしていたのか、残念ながらここからはなーんにも聞こえませんでした」
「それはよかった」
「良くないです。……でも、ゼクスくんが無理をしているかも知れないと言うことは分かりました」
それ、本質を穿ってるじゃないか。
「……俺は起きたし、鈴音は飯食ってこいよ」
話は終わり、というふうに入院食を食べ始めたアマツは、俺を見つめながら冷撫を連れて行くように指示をした。
どうも、今日の朝から何も食べていないらしい。
目覚めてから、彼女の相手をずっとしていたんだろうな。
冷撫は「食べましたから!」なんて言っているが、直後に腹が鳴って赤面。
うん、連れて行く事にしよう。
「じゃあ、また明日」
「ああ、また明日」
――――
「で? さきほどは、何の話をしていたんですか?」
冷撫は不機嫌であった。
俺が無理矢理、食堂へ連れてきたのがいけなかったのかも……しれない。
しかし、正直言えば。
アマツは自分が動けない状況で、ずっと傍に人が居るのが嫌みたいだ。
「いや? 別に何も?」
「私が追い出されたと言うことは、私が聞くと不都合なことがあるということですよね!」
変に心配されるのがわかりきってるからなぁ。
――あとで、どうして隠してたんですか? って聞かれても困るし。
それよりも、と俺はお茶を濁して、何が食べたいか彼女に聞く。
まだ午後の範疇だ。
こちらとしても、何も食べていなかったし丁度いい。
「唐揚げ丼がいいです」
「ほいほい、食券かってくるね」
飲み物は冷撫に任せることとした。
今でこそ、まだ人はまばらだが……。
授業が始まればここも、人の海に沈むだろう。
――その時が憂鬱だ。
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