恋愛審査員〜俺達の恋は何点ですか?私達の愛は何点ですか?〜

がーりっくとーすと

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4話 「高校2年生編(4)」

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高校2年生。2日目。204の教室。


今日は教室に一番乗りしました。
齋藤君と佐々木さんの進展を一瞬でも見逃さないようにね。

それなのに、二人とも時間ギリギリに到着。
なんでだよ!って言いたいところだが、恐らく朝練があったんだろうな、
帰宅部の俺には何も言うことができません(笑)


さて、今日の二人の様子は…


『瑞穂おはよ』
『おはよ、湊くん』


は?


え、、聞き間違いですか?


『…昨日瑞穂がさ…』


『…でも、湊君が~…』


聞き間違いじゃない、


なんで
なんで名前で呼び合ってるの!
昨日まで、「齋藤君」と「佐々木さん」だったよね?

昨日の帰り何があったの??

連絡先交換したの??

クラスのグループから追加して、それで連絡取り合って、、
「瑞穂って呼んでいい?//」
「いいよ//。私も湊君って呼んでも…」
「もちろんいいよ!」
みたいな??

最高じゃないですか!

二人でどんなこと連絡するの?

「明日の授業は、これと、これと、これであってる?」とか?

「兄弟はいるの?」「私は一人っ子!」とか?

「いつもは朝何時に学校行ってるの?」「私は朝練があるから7時半に家出るんだよね。」「え、まじで、俺も俺も!」とか?

想像が膨らんで膨らんで爆発しちゃうって(笑)


恋愛初期の連絡って、一通一通の価値が大きい。
1つの返信にドキドキして、
1つの返信に頭を悩ませる、

その過程をこの二人もしてると考えると

どうしようもなく愛おしくなってしまう。

このドキドキを、時間が経っていっても大切にしてほしいな…


『…昨日勉強した?』
『いや、ちょっとしか出来てないの。』
『だよな、俺もなんだって、』

いきなり勉強の話してるの??
二人とも熱心なんだなぁ

『全然できなかったらどうしよう、』
『俺もめっちゃ不安なんだよね…』

ん?何の話してるの?

『それでそれで…』
「それじゃあ、昨日伝えていた通り、1年生の範囲の復習テストやるぞ!!荷物片付けて!」



は?



「守田…」



「守田…」



「守田!」
「は、はい!」
「ボーっとしてないで早く荷物を片付けなさい」
「は、はい…」


テスト?
そんなの聞いてないぞ…。
「じゃあ一時間目は英語…」
知らないぞ、
そんなこと昨日言ってたはずがない。


「おい蒼汰、今日テストがあるとか言ってたか?」
「何言ってんだ?昨日先生が言ってただろ?」
「今日から授業がはじまる的なことは言ってた気がするけど…」
「だから各教科授業の前に確認テストがあるって言ってたんだよ!」
「そんな記憶は…」
「また、ぼーっとして聞いてなかったのかよ!」
「それで、今からは何の科目??」
「それも聞いてないのかよ!英語だよ英語!今言ってただろ!」


齋藤君と佐々木さんはこの話をしてたのか…。

テスト、テスト、テスト、
英語、英語、英語、
やりたくない、やりたくない、やりたく…

「はじめ!」

うげぇ…。

始まっちゃったよ…。
さっさと終わらせて、みんなの様子を観察しようかな。

「Listening Test」

リスニングだとかなんだとかどっちでもいいって、

「マイクとメアリーの会話を聞いて、次の問いに答えなさい」

「Hi Mary…」

リスニングめんどくさいなぁ、
マイクが齋藤君で、メアリーが佐々木さんだとすると…
齋藤君が後ろから佐々木さんに声をかけて…、佐々木さんが振り向いたところに…

いや、もっと別のシーンがいいな、
例えば二人が映画デートしてるときに…

いや違う、やっぱり野球部の試合に…

あ、違うなぁ、あの二人が一番似合う設定は…

「……Come with me! …… Question 1…」

やばいやばい!妄想してたら会話文終わってた!
どうすればいいんだ、

「Where is the conversation taking place?」

A、教室。

「What was Mary doing when Mike spoke to her?」

A、マイクのことを意識しちゃってソワソワしていた。


「What will Mike probably do next?」

A、メアリーを遊びに誘おうとするもためらい、男友達と遊びに行く。



って書いてみたはいいものの、こんな答えなわけないだろ…




《採点シート⑴齋藤湊君、佐々木瑞穂さん》
4月10日、出会ってから2日目

【採点】
名前呼び。関係性を決める上でも本当に大きな一歩。将来この二人が末永く続いていったときにも、同じ呼び方の可能性もあるからね。(+8点)

※連絡の内容。素晴らしい。王道のやりとりをしている。(+5点)

※「訂正」
こちらの内容は俺の頭の中で勝手に考えてただけでした(笑)。ついつい想像してしまって…。

ただ!二人の会話内容から、昨日連絡した上で距離が縮まってることが伺われる。よって取り消しではなく、(+3)に変更で


【コメント】
突然の名前呼びには驚いた。
俺の知らない間に二人が進展していたと思うと、もどかしい。
連絡先を追加するときってどんな感じだったのかな?
あの瞬間、「追加」ってボタンを押すあの瞬間、
指を数センチ動かすだけなのに、心臓が高ぶってしまう。
懐かしいなあ…。
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