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第12話 コントロール
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秀ちゃんと僕は、靴を履き替えると少し距離を置いて歩き始めた。
秀ちゃんが「ん」と言って僕に手を差し出す。
「いいよ」と僕は言った。
「お前、荷物、いつも持ちすぎなんだから」
「でも秀ちゃんがいない時は、自分で持ってるし」
「⋯⋯だから、一緒の日くらい、持たせてくれてもいいだろう?」
フェロモンがバッと漏れるかと思って、思わずうなじに手をやる。薬のせいか、そんなことはなかった。
僕は素直に荷物を秀ちゃんに手渡した。何も言わずに、彼はそれを受け取った。
沈黙は気まずい。
いくら距離を取って歩いているからと言っても、空気が重い。薬が効いてる今なら隣に並んでも、と思って足を進めようとすると、手で制される。
「今はやたらに近付かないことにしておこう。音寧が安全なのが一番だ」
そう言われて、また一歩後ろに下がる。隣、が遠い。
「俺のフェロモンはΩを狂わせたりはそうそうしないけど、Ωのフェロモンはαには毒だ。何も考えられなくなる。一瞬の判断が、難しくなる」
「⋯⋯そういう経験があるの?」
「音寧が初ヒートの時、あの時は自分でも自分じゃない気がした」
踏切を列車が走る。アールグレイの香りが、僕を包んですり抜けていく。
それは、近付いたのに手をすり抜けていく秀ちゃんの香りにそっくりだった。
手を繋ぎたい――その時ほど、強くそう思ったことはなかった。
ゴウゴウと音を立てて電車は横切る。僕は秀ちゃんから一歩離れた隣にいる。
勇気を出して、隣に立てたら。その時は手を繋げるだろう。
「秀ちゃん」
とびきり勇気を振り絞って、その手に手を伸ばす。
秀ちゃんが「あ」という顔をした時、遮断機が上がって、人々は動き始めた。
「音寧、ダメだよ。今は確かに薬が効いてるけど、俺は万が一、お前のフェロモンが漏れて、他のαの目に留まるのかと思うと我慢ができない。
それに今の俺は、自分で自分のフェロモンの制御ができない。俺のせいでお前のフェロモンが乱れて、熱を出したりするのはダメだ。
また日高先生のところに行って、薬を調整してもらうから、今は我慢だ」
「でも秀ちゃんが隣にって」
「いつか、そうなる。きっと」
電車が行き過ぎても立ち止まって話し合う僕たちの隣を、自転車がベルを鳴らして通り過ぎた。
僕には、秀ちゃんの隣に並ぶ日が永遠に来ないように思えた。
まだ青い線路沿いのススキが揺れる。
線路を越えるのは一瞬なのに、僕たちにはその一瞬が難しかった。
秀ちゃんは僕の家の前に着くと、距離を置いて怖々と僕に荷物を渡した。
「上がってく?」と訊くと「いや、よしておく」と彼は答えた。
僕は痺れを切らせて「何がいけないの? どうせ僕たち、番候補でしょう?」と言った。
「お前さ、番うってことの意味、わかってるだろう? 万に一つでもそうなって、いいと思うか?
俺はそうは思わない。お前はまだ高校生で、この先の未来がある。そんなことになったら、俺の手でお前のその芽生えを刈り取ることになるだろう?
俺は嫌なんだ。お前と一緒に歩きたいんだ」
「だったらもっと近くにいてよ。子供の頃みたいに、秀ちゃんの近くに行きたいよ」
秀ちゃんは少し俯いて、傷付いた顔をした。
「ごめん。俺からのフェロモンがお前に作用するんだよ、お前も先生に聞いただろう? 俺、フェロモンが出るのを抑えられない。だらしないよな。嫌らしいと思われてもいいよ」
くるりと背を向けて、彼は歩き出した。少しだけ傾いた太陽の日差しは意味をなさず、秀ちゃんの背中は汗で湿って見えた。
僕はその湿り気さえ、触れて確かめることができない。あの背中に、手を伸ばすこともできずに、ここに立ち止まったままだ。
いつか、彼の傷付いた背中を抱きしめてあげられる日が来るんだろうか?
僕が彼を癒してあげられる日がくるのか?
そのためのαとΩじゃないのか?
疑問ばかりが浮かんでくる。涙が滲む目を、シャツをまくった一向に日焼けしない腕で拭った。
◇
「いやぁ、君も来るとはね」と日高先生は開口一番、そう言った。
「君もって」
「昨日、榊原くんも来たよ。同じ相談じゃないの?」
秀ちゃん、塾の日だったのに、サボって病院に来たんだ⋯⋯。
「それより、また緊急抑制剤飲むようなことがあったんだって? 体調はどうかな?」
「少しだけ、微熱が出ましたけど」
「うんうん、榊原くんが君のことは気を付けてくれてるから、大丈夫だろうとは思うけど、熱が出てる時にはフェロモンも出てるって思っておいて。それから」
先生はイスを回して僕を見た。
「榊原くんもまだ高校生だからね。彼一人では解決できないこともあるんだよ。αだからと言っても、まだ子供なんだ」
あ、と思う。
僕は秀ちゃんに寄りかかりすぎてる。その重みに耐えかねて、秀ちゃんも倒れそうなんだ。
「静川くん、そんなに重く受け止めないでいいから。榊原くんにも焦らないように言ったよ」
そう言って先生はメガネのブリッジを、指で上げた。
「多くの番候補たちがそうしているように、社会的に独立してやっていけるようになるまでは、番になるには早いだろう。そう思って君たちの結婚は、親たちに大学卒業後に設定されている。
コントロールされるのは嫌かもしれないけどね、大切なことなんだよ」
そこまで言うと、先生はお茶を一口、飲み込んだ。窓の外には、少し高くなった秋空が見えた。
「君たちは本当に相性がいいんだね。まさか榊原くんから漏れ出た少しのフェロモンで、静川くんが反応するなんて。
Ωに影響をそんなに及ぼすαなんてね。榊原くんの体質的なものか、それともそれだけ君を想っているのか――どっちだと思う?」
「わ、わかりません」
先生は意地悪く、くすっと笑った。
「僕にもわからないよ。榊原くんには少し強めの薬を出したから、日常、フェロモンが出ちゃうことは少なくなると思うよ。ただ、αフェロモンを日常的に抑える薬って種類が少ないんだよ」
強いαフェロモンを浴びて困るのはΩで、Ωの方が社会的に立場が悪いので、どちらかと言うと、Ωフェロモンを抑える薬の開発の方が、進んでいる。
「静川くんは自衛のために緊急抑制剤、ちゃんと持っててね。榊原くんのフェロモンに当てられて、君からフェロモンが流れ出たら、危ないのは君だからね。
榊原くんもそれを心配してたよ。僕もね、君たちが自由に手を繋げるよう、手助けするからそんな顔をしないで」
12の時からお世話になっている先生の前で泣くことは、それ程、恥ずかしいことではなかった。
恥ずかしかったのは、そこまで秀ちゃんが僕を想っていてくれているのに、その気持ちを考えられなかった僕だった。
僕が秀ちゃんの隣に並んでもいいのか、本当に疑わしい。
「君たちが普通のαとΩのカップルだったら、きっとその手を繋ぐ姿は美しいだろうにね」
ギュッと目を瞑る。
何も見えなくなる。
暗闇の中で秀ちゃんの傷付いた横顔が、鮮明に浮かび上がる。
「もう少し待ってあげて。彼が君を想う気持ちを、もう少し制御できるようになるまで」
その言葉が、背中に重くのしかかった。
秀ちゃんが「ん」と言って僕に手を差し出す。
「いいよ」と僕は言った。
「お前、荷物、いつも持ちすぎなんだから」
「でも秀ちゃんがいない時は、自分で持ってるし」
「⋯⋯だから、一緒の日くらい、持たせてくれてもいいだろう?」
フェロモンがバッと漏れるかと思って、思わずうなじに手をやる。薬のせいか、そんなことはなかった。
僕は素直に荷物を秀ちゃんに手渡した。何も言わずに、彼はそれを受け取った。
沈黙は気まずい。
いくら距離を取って歩いているからと言っても、空気が重い。薬が効いてる今なら隣に並んでも、と思って足を進めようとすると、手で制される。
「今はやたらに近付かないことにしておこう。音寧が安全なのが一番だ」
そう言われて、また一歩後ろに下がる。隣、が遠い。
「俺のフェロモンはΩを狂わせたりはそうそうしないけど、Ωのフェロモンはαには毒だ。何も考えられなくなる。一瞬の判断が、難しくなる」
「⋯⋯そういう経験があるの?」
「音寧が初ヒートの時、あの時は自分でも自分じゃない気がした」
踏切を列車が走る。アールグレイの香りが、僕を包んですり抜けていく。
それは、近付いたのに手をすり抜けていく秀ちゃんの香りにそっくりだった。
手を繋ぎたい――その時ほど、強くそう思ったことはなかった。
ゴウゴウと音を立てて電車は横切る。僕は秀ちゃんから一歩離れた隣にいる。
勇気を出して、隣に立てたら。その時は手を繋げるだろう。
「秀ちゃん」
とびきり勇気を振り絞って、その手に手を伸ばす。
秀ちゃんが「あ」という顔をした時、遮断機が上がって、人々は動き始めた。
「音寧、ダメだよ。今は確かに薬が効いてるけど、俺は万が一、お前のフェロモンが漏れて、他のαの目に留まるのかと思うと我慢ができない。
それに今の俺は、自分で自分のフェロモンの制御ができない。俺のせいでお前のフェロモンが乱れて、熱を出したりするのはダメだ。
また日高先生のところに行って、薬を調整してもらうから、今は我慢だ」
「でも秀ちゃんが隣にって」
「いつか、そうなる。きっと」
電車が行き過ぎても立ち止まって話し合う僕たちの隣を、自転車がベルを鳴らして通り過ぎた。
僕には、秀ちゃんの隣に並ぶ日が永遠に来ないように思えた。
まだ青い線路沿いのススキが揺れる。
線路を越えるのは一瞬なのに、僕たちにはその一瞬が難しかった。
秀ちゃんは僕の家の前に着くと、距離を置いて怖々と僕に荷物を渡した。
「上がってく?」と訊くと「いや、よしておく」と彼は答えた。
僕は痺れを切らせて「何がいけないの? どうせ僕たち、番候補でしょう?」と言った。
「お前さ、番うってことの意味、わかってるだろう? 万に一つでもそうなって、いいと思うか?
俺はそうは思わない。お前はまだ高校生で、この先の未来がある。そんなことになったら、俺の手でお前のその芽生えを刈り取ることになるだろう?
俺は嫌なんだ。お前と一緒に歩きたいんだ」
「だったらもっと近くにいてよ。子供の頃みたいに、秀ちゃんの近くに行きたいよ」
秀ちゃんは少し俯いて、傷付いた顔をした。
「ごめん。俺からのフェロモンがお前に作用するんだよ、お前も先生に聞いただろう? 俺、フェロモンが出るのを抑えられない。だらしないよな。嫌らしいと思われてもいいよ」
くるりと背を向けて、彼は歩き出した。少しだけ傾いた太陽の日差しは意味をなさず、秀ちゃんの背中は汗で湿って見えた。
僕はその湿り気さえ、触れて確かめることができない。あの背中に、手を伸ばすこともできずに、ここに立ち止まったままだ。
いつか、彼の傷付いた背中を抱きしめてあげられる日が来るんだろうか?
僕が彼を癒してあげられる日がくるのか?
そのためのαとΩじゃないのか?
疑問ばかりが浮かんでくる。涙が滲む目を、シャツをまくった一向に日焼けしない腕で拭った。
◇
「いやぁ、君も来るとはね」と日高先生は開口一番、そう言った。
「君もって」
「昨日、榊原くんも来たよ。同じ相談じゃないの?」
秀ちゃん、塾の日だったのに、サボって病院に来たんだ⋯⋯。
「それより、また緊急抑制剤飲むようなことがあったんだって? 体調はどうかな?」
「少しだけ、微熱が出ましたけど」
「うんうん、榊原くんが君のことは気を付けてくれてるから、大丈夫だろうとは思うけど、熱が出てる時にはフェロモンも出てるって思っておいて。それから」
先生はイスを回して僕を見た。
「榊原くんもまだ高校生だからね。彼一人では解決できないこともあるんだよ。αだからと言っても、まだ子供なんだ」
あ、と思う。
僕は秀ちゃんに寄りかかりすぎてる。その重みに耐えかねて、秀ちゃんも倒れそうなんだ。
「静川くん、そんなに重く受け止めないでいいから。榊原くんにも焦らないように言ったよ」
そう言って先生はメガネのブリッジを、指で上げた。
「多くの番候補たちがそうしているように、社会的に独立してやっていけるようになるまでは、番になるには早いだろう。そう思って君たちの結婚は、親たちに大学卒業後に設定されている。
コントロールされるのは嫌かもしれないけどね、大切なことなんだよ」
そこまで言うと、先生はお茶を一口、飲み込んだ。窓の外には、少し高くなった秋空が見えた。
「君たちは本当に相性がいいんだね。まさか榊原くんから漏れ出た少しのフェロモンで、静川くんが反応するなんて。
Ωに影響をそんなに及ぼすαなんてね。榊原くんの体質的なものか、それともそれだけ君を想っているのか――どっちだと思う?」
「わ、わかりません」
先生は意地悪く、くすっと笑った。
「僕にもわからないよ。榊原くんには少し強めの薬を出したから、日常、フェロモンが出ちゃうことは少なくなると思うよ。ただ、αフェロモンを日常的に抑える薬って種類が少ないんだよ」
強いαフェロモンを浴びて困るのはΩで、Ωの方が社会的に立場が悪いので、どちらかと言うと、Ωフェロモンを抑える薬の開発の方が、進んでいる。
「静川くんは自衛のために緊急抑制剤、ちゃんと持っててね。榊原くんのフェロモンに当てられて、君からフェロモンが流れ出たら、危ないのは君だからね。
榊原くんもそれを心配してたよ。僕もね、君たちが自由に手を繋げるよう、手助けするからそんな顔をしないで」
12の時からお世話になっている先生の前で泣くことは、それ程、恥ずかしいことではなかった。
恥ずかしかったのは、そこまで秀ちゃんが僕を想っていてくれているのに、その気持ちを考えられなかった僕だった。
僕が秀ちゃんの隣に並んでもいいのか、本当に疑わしい。
「君たちが普通のαとΩのカップルだったら、きっとその手を繋ぐ姿は美しいだろうにね」
ギュッと目を瞑る。
何も見えなくなる。
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