ゼロ・オブ・レディ~前世を思い出したら砂漠に追放され死ぬ寸前でした~

茗裡

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第四章 澄幻国編

紅き瞳の集い

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 翠琴は薄暗がりの廊下を進み、とある一室の前で足を止めた。
 静かに障子を開けば、中は四隅に淡い光を放つ照明が置かれているだけで、広い空間の奥には紋様のあしらわれた襖がひとつ。
 翠琴は迷いなくその中へと足を踏み入れ、襖を開いた。

 開け放たれた先は、深い闇だった。
 しかし翠琴は一切ためらうことなく、その闇の中へと歩みを進める。続いて朧雅とラズフェルドが後に続き、襖が閉じられた瞬間──周囲にふっと蝋燭が灯った。

 漂う闇の中で、五つの灯火が宙に浮かび上がり、まるで意思を持つかのようにゆっくりと散開していく。揺れる明かりは、そこに座す人影を浮かび上がらせた。

「みんな、急な招集に応じてくれてありがとう」

 翠琴が顔を上げ、目を細めながら言葉を紡ぐ。目の前には、四角く組まれた台座にそれぞれ腰を下ろす五人の男女がいた。

「礼は不要。巫女様がお呼びとあらば、どんな時だろうと駆けつけるのは当然」

 八尺はあろう巨躯の大男が、丸太のような腕を掲げてパンッと音を響かせた。乾いた合掌が部屋に重くこだました。

「ちょっと、大きな音立てないでくれる!?びっくりするじゃない」

 隣に座していた女が肩をすくめ、鬱陶しげに大男を睨む。白磁のような肌に艶やかな黒髪。少しはだけた衿元からは、盛り上がる双丘が溢れんばかりにのぞいている。妖艶さと苛立ちが入り混じる視線は、見る者の心をかき乱す。

「あはは。おばさんはすぐ声を荒げるよね。その甲高い声の方が、正直、俺たちにとっては耳障りなんだけど」
「だな。更年期ってやつ?ただ手を合わせただけで文句言うとか、言いがかりでしょ」

 下段に並んで座す年若い二人が、同時に声をあげて女をからかう。瓜二つの顔立ち、寸分違わぬ体格。唯一の違いといえば、前髪の分け目が左右逆という程度──誰が見ても双子だと分かる。

「なんですって、このクソガキども!本当にいけ好かないわね!……ねぇ、ゼルヴァン。貴方もそう思うでしょ?」

 女は声を荒げながら、残る一人──鋭い眼光を放つ男へと助けを求めるように視線を向けた。

「どちらも煩い。……俺は今、ミレナ王国から呼び戻されて苛立っているんだ」

 低く唸るような声とともに、ゼルヴァンの周囲に重苦しい殺気がにじむ。女も双子も、言葉を詰まらせて動きを止めた。鋭い眼差しがさらに吊り上がり、緊張が走る。

「ゼルヴァンには調べ物を頼んでいたからね。タイミングが悪かったのは分かるけど……まぁまぁ、落ち着きなよ。僕たち高位魔族の殺気は、他の連中にはキツすぎる」

 いつの間にか他の五人と同じく台座に腰を下ろしていたラズフェルドが、飄々とした調子で口を挟んだ。
 懐から豆袋を取り出し、「食べる?」とゼルヴァンへ差し出すが、当然のように無視され、自分でぽいと口に放り込む。

 ──こっちの双子は正反対だな。

 誰もが心の内でそう思った。

「皆さん、お静かに」

 翠琴のすぐ前に歩み出た朧雅が、穏やかな声で場を収める。

「突然お呼び立てして申し訳ございません。ただ、話が終わればすぐに元の場所へと転移させます。安心して下さい」

 この場に集められた五人を呼び寄せたのは、他ならぬ朧雅の力だ。転移系の術に長けた彼は、あらかじめ刻印しておいた者ならば、どこにいようと瞬時に呼び寄せ、また元の場所に送り返すことができる。

 こうして部屋には八人の男女が集っていた。翠琴を除く七人には、一つだけ共通する特徴がある。──紅く輝く瞳。
 そのうち三人の瞳には、さらに紋様が刻まれていた。高位魔族の証である、冷たく禍々しい光がそこに宿っている。

 大男の名は荒陀アラダ。女は紅玲クレイ。双子はリオとリクと呼ばれていた。

「みんなに集まってもらったのは、他でもないわ」

 翠琴がにこやかに口を開いた瞬間、室内の空気がぴんと張り詰める。

「そろそろ……動こうと思うの」

 その言葉に、一同は一瞬だけ驚きの色を浮かべたが、すぐにそれぞれの表情を取り戻した。

「巫女様の御心のままに」

 荒陀は分厚い掌を合わせ、恭しく頭を垂れる。

「……やっと、なのね」

 紅玲は大きな胸を持ち上げるように腕を組み、頬を淡く染めた。艶めいた声が期待を滲ませる。

「ようやく旦那様と、穏やかに暮らせる日が来るのかしら」
「俺は楽しければ何でもいいよ」

 軽口を叩くようにリオが笑う。

「人間って愚かだけど、発想力は面白いしさ」
「そーそー」

 隣でリクが頷き、唇の端を吊り上げた。

「惨殺も悪くないけど、皆殺しはもったいないよね。人間が消えた現世なんて、魔界と変わらなくなっちゃうじゃん。そしたら退屈で死んじゃうよ」

 その言葉にラズフェルドが「ふふっ」と喉を鳴らし、愉快そうに指を鳴らした。

「あの子が今、澄幻国に来ている。リオリクには頼んでいた捜索を中断して、この国に残ってもらうよ」
「全然見つかる気配なかったし、俺は別にいいよ~。こっちの方が楽しそうだし」
「あるかどうかも分からないモン探すより、面白そうな事に首突っ込んだ方が断然マシだよね!」

 双子が飄々と声を揃えると、紅玲が不機嫌そうに眉を寄せた。

「……ラズフェルドやゼルヴァンが“必要な人物”だと言うから待っていたけど、その女……本当に役に立つの?」
「紅玲。何度も言ったはずよ」

 翠琴の声音は、やわらかだが一切の迷いがなかった。

「彼女は私と同じ──歴史から消された『白の種族』の末裔だと」

 しかし紅玲は納得していない様子で吐き捨てる。

「彼女はまだ、私たちの存在を知らないんでしょう?すんなり協力するとは思えないわ。それに……私たちだけで事を運ぶことは出来ないの?」

 その声には苛立ちと、失敗を恐れる気配が滲んでいた。

「良く知りもしない娘を計画に加えて、全部を台無しにされたくないのよ」

 紅玲の言葉にラズフェルドが軽く肩を竦める。

「まあ、計画の全容を聞いたところで、彼女が即座に頷くとは思ってないよ。でも、ティアには母親の力を受け継いでいる可能性がある」
「計画って言ってもさ、肝心の《シルヴァリエ》はまだ見つかってないよ」
「八方手を尽くしたけど、手がかりひとつ出てこないしね。白の種族が虐殺されたとき、一緒に滅びたんじゃないの~?」

 リオとリクが後頭部で腕を組みながら軽い調子で言う。

「《シルヴァリエ》は必ずあるわ」

 翠琴は即座に遮った。その声音は、根拠を超えた確信に満ちていた。

「見つけるのはここを出てからでもいい。……まずはティアに、この国を壊してもらう」
「そんなにうまくいくかしら。それに、彼女の母親の力だって、必ずしも遺伝するとは限らないわ」

 紅玲がまだ渋い顔で食い下がる。だが翠琴はきっぱりと首を振った。

「いいや。ティアは受け継いでいるよ」

 翠琴の瞳が深い青の輝きを帯びる。

「彼女の精神に触れたとき……私は主導権を握られないよう警戒していたのに、一瞬とはいえ、私の過去を見抜かれた。それに、彼女自身も無意識に“扉”を開いた気配がしたもの」

 翠琴は断言した。

「私は初代と同じく“巫女”としての力を持っている。けれど、世界に干渉する力はない……。だけどティアは違う。まだ覚醒していないけれど、彼女の中に確かに“世界を変える力”が眠っている。そして彼女は、この国を壊してくれる」
「それも、巫女の力か」

 ゼルヴァンが低く問う。翠琴は薄く微笑み、静かに頷いた。

「そう。先読みの力よ。彼女の周りには大きな力が蠢いている。逃れられぬ大きな歯車として……望もうと望むまいと、彼女が起こす結果は必ず歴史を揺るがす」

 蝋燭の灯が揺れ、八人の影が不吉に伸びた。

「私には壊せない。澄幻国を滅ぼすには彼女の力が必要。そして、彼女ひとりでは足りない。だから、貴方たちに力を貸してほしいの」
「その為に呼ばれた、というわけか」

 ゼルヴァンの低い声に、翠琴は「そういうことっ」と唇を弧にして微笑んだ。

「でも、ゼルヴァン。あなたはミレナ王国に戻ってね。こちらは人数が足りている。一応、報告のために呼んだだけだから」
「なっ──もしものことがあったらどうする!一国を敵に回すんだぞ!」

 険しく詰め寄るゼルヴァンの声を、ラズフェルドが軽やかに遮った。

「安心しなよ。あの子は、僕が護る」

 長い脚を組み、肘を突いて薄く笑む。挑発にも似た声色に、ゼルヴァンは睨みつけるように視線を落とした。

「貴様……ドワーフ国で、アイツを殺そうとしただろう」
「やだなぁ。僕がいつ殺そうとしたって言うのさ?」
「スピナが召喚したアモン……あれが完全体だったなら、ドワーフ国は灰になっていた。その時、ティアも巻き込まれて死んでいたはずだ」
「でも、そうはならなかっただろ?それに、僕がスピナを止めていたら──“あの人”に伝わって、謀反を疑われていたと思うけどね」

 ピキリ、と。見えぬ火花が散る。
 ラズフェルドとゼルヴァン、二人の圧がせめぎ合い、部屋の空気を押し潰すように張り詰めさせた。

「巫女様の前で言い争いはやめよ。みっともない」

 これまで黙していた荒陀が、重々しい声で割って入る。

「ラズフェルド殿ひとりで心配ならば、私も行こう。私なら顔も知られていないし、接触もしやすかろう」
「アラダがいるなら安心だな」

 ゼルヴァンがわずかに息を緩める。
 だがラズフェルドは肩を竦め、皮肉げに笑みを深めた。

「え~?僕は?一応、僕の方が高位魔族だし……アラダより強いんだけどなぁ」

 その様子に翠琴はやれやれと小さく息を吐く。

「必要ないよ」

 青い瞳に冷ややかな光を宿し、翠琴は静かに告げた。

「彼女はしばらく自由にさせる。この国でどう動くのか……見てみたいの。恐らく彼女の性格上、澄幻国の膿を見て見ぬふりは出来ないはずだから」
「手を貸して欲しいって言ってたのは?」
「彼女を護れってことじゃないの?」

 リオとリクが同時に問いかけると、翠琴の唇が艶やかに弧を描いた。

「護る必要なんてないわ。障害を取り除いてくれるだけでいいの」

 その声は甘やかで、しかし氷刃のように鋭い。

「貴方たちには、将軍付きの隠密──斑影はんえいを始末してもらう。そして……呪詛を扱える者を生け捕りにして、ここへ連れて来てほしいの」

 その場に一瞬、冷気のような沈黙が降りた。
 紅玲はうっとりと翠琴を見つめ、荒陀は恭しく頭を垂れる。
 双子は顔を見合わせ、同時ににやりと笑った。

 その直後、風もないのに蝋燭の火が大きく揺らめき、八人の影がひときわ伸びる。
 チリン、と鈴の音が鳴る。
 光が戻ったときには、翠琴・朧雅・ラズフェルドを残し、他の五人の姿は煙のように掻き消えていた。

「僕は自由にさせてもらうよ」

 ラズフェルドが襖を開け放ち、振り返る。その口元にはいつもの薄笑いが浮かんでいた。

「待て、ラズフェルド。翠琴様の言ったこと──」

 朧雅が言い終わる前に、ラズフェルドの気配は掻き消えていた。

「いいわ」

 翠琴は朧雅を手で制し、息を吐くように言った。

「彼は元から掴めない人だもの。制御しようとして、取り返しのつかないしっぺ返しを受けるくらいなら……放っておく方がましよ」

 翠琴はわずかに目を伏せ、青い瞳に燈る光を隠した。
 彼女にとってもラズフェルドは、無頓着で軽薄かと思えば、底知れぬ思慮を垣間見せる、もっとも読みづらい存在だった。
 この手合いは縛るほどに牙を剥く。だからこそ、彼を泳がせ、外から観察し、決して信じすぎぬこと。それが唯一の「距離感」だった。

「私もこれから外に出かけてくるから、留守番お願いね」
「こんな時間に……どちらへ?」

 朧雅の問いに、翠琴は楽しげに目を細める。

「ティアと一緒に滝壺に落ちて、別の場所に漂流したもう一組に会ってくるの」

 まるで子供が秘密を打ち明けるような笑みを浮かべると、その身はしゅるりと歪み、しわだらけの老婆の姿へと変じた。
 次の瞬間、残ったのは燭火に揺れる影と、妙に甘い香だけ。

 翠琴の気配は完全に消えていた。
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