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第三章 ドワーフ国編
赦しの灯火、戦火の号砲
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やがて、涙も少しずつ落ち着きはじめたティアは、静かに息を整え、ぽつりぽつりと過去を語り出した。
その声は震えながらも、どこか覚悟を決めたような、静かで真っ直ぐな響きを帯びていた。
「……私、本当は『ティア』じゃないの。本当の名前は、レティシア・アーデン。……ミレナ王国の、アーデン公爵家の娘だった」
仲間たちは、言葉を挟まず静かに耳を傾けていた。
ティア──いや、レティシアは、視線をどこにも定めず、まるで自分の罪を噛み締めるように続けた。
「けど、アーデン公爵とは……血の繋がりはなかったかもしれない。物心つく頃には、本当の母はもう亡くなっていて、継母に育てられた。父も……私に興味なんてなかった。だから私は、愛されることを知らずに育ったの。誰かに必要とされたいって、そればかりを願って……」
そこまで語ると、彼女は小さく目を伏せた。
そして、今でも心の奥に残る光のような存在──彼のことを口にした。
「そんなときに……ジークハルト殿下に出会ったの。第二王子で、聡明で、優しくて……私なんかを見つけて、声をかけてくれた。あの方の一言で、世界が変わったように感じた。初めて、誰かが“私”をちゃんと見てくれた気がした。だから……あの方のためなら、何でもしようと思った。すべてを捧げてもいいって、心からそう思ってたの」
けれど、その信仰に近い想いは、一人の少女の登場で次第に揺らいでいった。
「……マリエルって女の子が現れてから、すべてがおかしくなったの」
その名前を出すとき、ティアの声にはかすかに棘が混じった。
けれどそれは憎しみではなく、後悔に満ちた棘だった。
「彼女は元は平民で、子爵家の後妻として迎えられた女性の連れ子だった。けれど誰よりも朗らかで、純粋で、誰にでも物怖じしないで接することができる子だった。……ジークハルト様にも、分け隔てなく笑いかけた。遠慮なく、まっすぐに」
ティアは苦しげに唇を噛みしめる。
「気づいたの。……あの人は、マリエルを見ていた。私に向けていたあの優しい目を……彼女に向けるようになっていた。私は彼だけがすべてだったのに……あの人にとって私は、代わりの誰かでしかなかったのかもしれない」
そこから、歯車が狂っていった。
「最初は……ほんの小さないたずらだった。ドレスを汚したり、パーティの場所を間違えて教えたり……。でも、止められなかった。どんどん、私の中の黒い感情が膨らんでいって……」
そして、とうとう一線を越えてしまった。
「……私は、暗殺を依頼したの。マリエルを……この世から消してしまおうと」
部屋の空気が凍りつくような静けさに包まれた。
「でも……未遂で終わったわ。すぐに露見して、私は断罪された。婚約は破棄されて、公爵家からも追放され……砂漠へと、捨てられたの」
ティアは、膝の上に手を握り締め、深く俯いた。
「私は……浅ましくて、醜い女。自分の弱さに負けて、誰かを傷つけた。こんな私が、誰かに優しくされていいはずがない。……幸せになんて、なってはいけないの。……私なんか、生きていちゃいけない人間なのよ」
その声には、深く、長い年月をかけて積み重なった罪悪感と自己否定が滲んでいた。
誰かのせいにすることもせず、ただ自分自身を責め続ける──それが、今の彼女だった。
ティアが震える声で語り終えたころ、部屋の窓の外にはすでに淡い橙色の光が広がっていた。
空は茜色に染まり、遠くの雲の輪郭を金色に縁取っている。
街の灯りがぽつりぽつりと灯り始め、穏やかだった午後はいつの間にか、静かな夕暮れへと移ろっていた。
部屋の中には誰の声もなく、しばしの間、ただ外の風が窓を揺らす音と、鳥の帰巣を告げる声だけが響いていた。
ティアの告白は、あまりにも重く、真っ直ぐで──だからこそ、誰も軽はずみな言葉を挟むことができなかった。
けれどその沈黙は、冷たいものではない。
ティアの過去を受け止めようとする、仲間たちの誠実な沈黙だった。
最初に静けさを破ったのは、エリーだった。
「……それでも、私はティアのことが好きだよ」
ティアが顔を上げる。エリーの瞳には涙が浮かんでいたが、その唇は優しく緩んでいた。
「誰だって間違える。……でも、その間違いを悔いて、こうして打ち明けてくれたティアは、もうその頃とは違うよ。自分の過去に向き合って、こうして話してくれる勇気が……どれだけすごいことか、私、分かってる」
続いて、ノアが少し鼻をすすりながら、けれど強い瞳で彼女を見た。
「辛かったんだね、ティア……レティシア。貴女がどれほど孤独で、必死に誰かに愛されたかったのか、少しだけ分かる気がする。私も、そうだったから。──でも、その過去があるからって、今のティアを否定なんてしない。私にとっては、今ここにいるティアが、大切な仲間だから」
ルゥナがティアにそっと歩み寄り、その手を握った。
「ティア、ルゥナのこと、助けてくれた。ティアの優しさ、ルゥナ、ちゃんと知ってる。大丈夫。ティアは、いていい人。ここに、いてほしい人……」
ティアの目から、また涙がこぼれた。けれど、先ほどまでとは違い、その頬を伝う涙には温かさがあった。
そして最後に、カイが一歩前に出た。
その表情はどこまでも真剣で、そして、まっすぐだった。
「ティア。お前の過去は、お前のすべてじゃない。過去に何をしたかより、これからどうするかのほうが、よっぽど大事だ」
ティアの瞳が揺れる。
「誰かを傷つけたことを後悔してるなら、これからの人生でその罪と向き合えばいい。そして、お前が自分を赦せる日まで……俺たちは、お前の隣にいる」
その言葉に、ティアの肩が震えた。
長い間、誰にも許されないと思っていた。
自分を憎むことでしか、罪を償えないと信じていた。
けれど今、自分の罪を知ってなお、自分のことを「いてほしい」と言ってくれる人たちがいる。
仲間として、傍にいてくれると言ってくれる人たちがいる。
──自分は、本当に生きていてもいいのかもしれない。
ほんの少しだけ、そんな希望が心に灯った。
ティアは、声にならない嗚咽と共に、皆に向かって深く頭を下げた。
「……ありがとう……。ごめんなさい……本当に……ありがとう……」
その姿に、誰もが静かに頷いた。
まだ完全に赦されたわけではない。
自分自身を赦すには、時間がかかるだろう。
けれど、もう一人で背負う必要はない。
それが、今のティアにとって何よりの救いだった。
そのときだった。
──ドォン!!
突如、地鳴りのような轟音が空気を裂き、建物全体を大きく揺らした。
「──ッ!?」
「きゃっ……!」
床が波打つように軋み、部屋がぐらりと揺れる。
ティアは反射的に目の前にいたルゥナを抱き寄せ、その小さな頭を胸にかばうように包み込んだ。
ルゥナはきゅっと目を閉じ、ティアの腕の中にうずくまる。
両隣に座っていたエリーとノアも、驚きと恐怖でティアにしがみついた。
「大丈夫か!?」
駆け寄ってきたカイとレイ。
即座にレイが片手をかざし、防御魔法を展開する。淡い光が部屋の空間を覆い、余震のような揺れを和らげた。
「落ち着け、深呼吸しろ……!」
カイの声が響く中、揺れは徐々に静まり、ようやく室内に静けさが戻る。
しかし、安堵する間もなく、再び遠くで爆発音が轟いた。
「……今の、何……?」
誰かの呟きが室内に落ちる。
窓の外を見たレイが、目を細めて警戒の声を上げた。
「……あそこだ。門の方……煙が上がってる」
王都を囲う東門の方向。
見上げた空に、黒煙がゆっくりと立ち昇っていた。
その声は震えながらも、どこか覚悟を決めたような、静かで真っ直ぐな響きを帯びていた。
「……私、本当は『ティア』じゃないの。本当の名前は、レティシア・アーデン。……ミレナ王国の、アーデン公爵家の娘だった」
仲間たちは、言葉を挟まず静かに耳を傾けていた。
ティア──いや、レティシアは、視線をどこにも定めず、まるで自分の罪を噛み締めるように続けた。
「けど、アーデン公爵とは……血の繋がりはなかったかもしれない。物心つく頃には、本当の母はもう亡くなっていて、継母に育てられた。父も……私に興味なんてなかった。だから私は、愛されることを知らずに育ったの。誰かに必要とされたいって、そればかりを願って……」
そこまで語ると、彼女は小さく目を伏せた。
そして、今でも心の奥に残る光のような存在──彼のことを口にした。
「そんなときに……ジークハルト殿下に出会ったの。第二王子で、聡明で、優しくて……私なんかを見つけて、声をかけてくれた。あの方の一言で、世界が変わったように感じた。初めて、誰かが“私”をちゃんと見てくれた気がした。だから……あの方のためなら、何でもしようと思った。すべてを捧げてもいいって、心からそう思ってたの」
けれど、その信仰に近い想いは、一人の少女の登場で次第に揺らいでいった。
「……マリエルって女の子が現れてから、すべてがおかしくなったの」
その名前を出すとき、ティアの声にはかすかに棘が混じった。
けれどそれは憎しみではなく、後悔に満ちた棘だった。
「彼女は元は平民で、子爵家の後妻として迎えられた女性の連れ子だった。けれど誰よりも朗らかで、純粋で、誰にでも物怖じしないで接することができる子だった。……ジークハルト様にも、分け隔てなく笑いかけた。遠慮なく、まっすぐに」
ティアは苦しげに唇を噛みしめる。
「気づいたの。……あの人は、マリエルを見ていた。私に向けていたあの優しい目を……彼女に向けるようになっていた。私は彼だけがすべてだったのに……あの人にとって私は、代わりの誰かでしかなかったのかもしれない」
そこから、歯車が狂っていった。
「最初は……ほんの小さないたずらだった。ドレスを汚したり、パーティの場所を間違えて教えたり……。でも、止められなかった。どんどん、私の中の黒い感情が膨らんでいって……」
そして、とうとう一線を越えてしまった。
「……私は、暗殺を依頼したの。マリエルを……この世から消してしまおうと」
部屋の空気が凍りつくような静けさに包まれた。
「でも……未遂で終わったわ。すぐに露見して、私は断罪された。婚約は破棄されて、公爵家からも追放され……砂漠へと、捨てられたの」
ティアは、膝の上に手を握り締め、深く俯いた。
「私は……浅ましくて、醜い女。自分の弱さに負けて、誰かを傷つけた。こんな私が、誰かに優しくされていいはずがない。……幸せになんて、なってはいけないの。……私なんか、生きていちゃいけない人間なのよ」
その声には、深く、長い年月をかけて積み重なった罪悪感と自己否定が滲んでいた。
誰かのせいにすることもせず、ただ自分自身を責め続ける──それが、今の彼女だった。
ティアが震える声で語り終えたころ、部屋の窓の外にはすでに淡い橙色の光が広がっていた。
空は茜色に染まり、遠くの雲の輪郭を金色に縁取っている。
街の灯りがぽつりぽつりと灯り始め、穏やかだった午後はいつの間にか、静かな夕暮れへと移ろっていた。
部屋の中には誰の声もなく、しばしの間、ただ外の風が窓を揺らす音と、鳥の帰巣を告げる声だけが響いていた。
ティアの告白は、あまりにも重く、真っ直ぐで──だからこそ、誰も軽はずみな言葉を挟むことができなかった。
けれどその沈黙は、冷たいものではない。
ティアの過去を受け止めようとする、仲間たちの誠実な沈黙だった。
最初に静けさを破ったのは、エリーだった。
「……それでも、私はティアのことが好きだよ」
ティアが顔を上げる。エリーの瞳には涙が浮かんでいたが、その唇は優しく緩んでいた。
「誰だって間違える。……でも、その間違いを悔いて、こうして打ち明けてくれたティアは、もうその頃とは違うよ。自分の過去に向き合って、こうして話してくれる勇気が……どれだけすごいことか、私、分かってる」
続いて、ノアが少し鼻をすすりながら、けれど強い瞳で彼女を見た。
「辛かったんだね、ティア……レティシア。貴女がどれほど孤独で、必死に誰かに愛されたかったのか、少しだけ分かる気がする。私も、そうだったから。──でも、その過去があるからって、今のティアを否定なんてしない。私にとっては、今ここにいるティアが、大切な仲間だから」
ルゥナがティアにそっと歩み寄り、その手を握った。
「ティア、ルゥナのこと、助けてくれた。ティアの優しさ、ルゥナ、ちゃんと知ってる。大丈夫。ティアは、いていい人。ここに、いてほしい人……」
ティアの目から、また涙がこぼれた。けれど、先ほどまでとは違い、その頬を伝う涙には温かさがあった。
そして最後に、カイが一歩前に出た。
その表情はどこまでも真剣で、そして、まっすぐだった。
「ティア。お前の過去は、お前のすべてじゃない。過去に何をしたかより、これからどうするかのほうが、よっぽど大事だ」
ティアの瞳が揺れる。
「誰かを傷つけたことを後悔してるなら、これからの人生でその罪と向き合えばいい。そして、お前が自分を赦せる日まで……俺たちは、お前の隣にいる」
その言葉に、ティアの肩が震えた。
長い間、誰にも許されないと思っていた。
自分を憎むことでしか、罪を償えないと信じていた。
けれど今、自分の罪を知ってなお、自分のことを「いてほしい」と言ってくれる人たちがいる。
仲間として、傍にいてくれると言ってくれる人たちがいる。
──自分は、本当に生きていてもいいのかもしれない。
ほんの少しだけ、そんな希望が心に灯った。
ティアは、声にならない嗚咽と共に、皆に向かって深く頭を下げた。
「……ありがとう……。ごめんなさい……本当に……ありがとう……」
その姿に、誰もが静かに頷いた。
まだ完全に赦されたわけではない。
自分自身を赦すには、時間がかかるだろう。
けれど、もう一人で背負う必要はない。
それが、今のティアにとって何よりの救いだった。
そのときだった。
──ドォン!!
突如、地鳴りのような轟音が空気を裂き、建物全体を大きく揺らした。
「──ッ!?」
「きゃっ……!」
床が波打つように軋み、部屋がぐらりと揺れる。
ティアは反射的に目の前にいたルゥナを抱き寄せ、その小さな頭を胸にかばうように包み込んだ。
ルゥナはきゅっと目を閉じ、ティアの腕の中にうずくまる。
両隣に座っていたエリーとノアも、驚きと恐怖でティアにしがみついた。
「大丈夫か!?」
駆け寄ってきたカイとレイ。
即座にレイが片手をかざし、防御魔法を展開する。淡い光が部屋の空間を覆い、余震のような揺れを和らげた。
「落ち着け、深呼吸しろ……!」
カイの声が響く中、揺れは徐々に静まり、ようやく室内に静けさが戻る。
しかし、安堵する間もなく、再び遠くで爆発音が轟いた。
「……今の、何……?」
誰かの呟きが室内に落ちる。
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