転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

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第四十一話 講和会議

魔王国の講和を受け入れた僕はすぐに講和会議の場所としてハマル城の広間を整えた。そしてツララやバルサの軍の一部を残されて、大半を帰還させた。僕らが準備をしていると魔人族の兵士の一団が到着した。そしてその一団の中から一人の魔人族が出てきて、僕の下までくると言った。
「お初にお目にかかります。私は魔王国外務長官をしています、シュードル・レオラルドです。今回の講和会議の魔王国全権大使です」
僕はそのシュードル外務長官の挨拶に対して僕も挨拶で返した。
「こちらこそ。僕はヴォルペ領の領主をしています、リーゼン・フォン・シュラタンです」
僕とシュードル外務長官は互いに挨拶を交わすと講和会議のために椅子に座って話し合った。僕は地図を開いて講和の条件を提示した。

「僕らとしては要求したいのは三つだけです」
「ではその要求について教えていただけますか?」
僕はシュードル外務長官に言った。
「一つ目は土地。具体的には西はアーシェン城、アール城、東はグエニ城までの十の城を頂きたい。二つ目は賠償金。十年間の間、一年に金貨百万枚を支払って下さい。三つ目は不可侵です。賠償金の支払いが終わるまでの間は我が領地へ侵攻しないで頂きたい。以上が僕らの提示する条件です」
その要求にシュードル外務長官は驚いた様子をしながら僕に言って来た。
「さすがにそれは……、今占領されているアール城、リーベ城、デーガ城、アーシェン城の四城は明け渡すので、領土要求に関しては改めていただけないでしょうか?」
しかし僕はこのシュードル外務長官のお願いに関しても読んでいた。そのため僕は温存しておいた切り札を切った。
「それはできません。その代わりに今回の戦で僕らに降伏した総大将、王族ミスレス・ガルグール将軍を解放しましょう。また、ミスレス殿と共に投降した魔王軍の兵士30000人も解放します。これではいかがでしょうか?」
僕がそう言うとシュードル長官は悩んだ末に、苦渋の決断を下した。
「分かりました。その代わりに投降した者を全員解放して下さい。しかしあなたの要求した魔王国西部は鬼人族の多い土地です。反乱が起きたとしても私たちは何もできないので、そのことお忘れなく」
そう言うとシュードル外務長官は投降兵を連れて魔王国本土に帰って行った。一方で僕は魔王国西部改め、ヴォルペ領北部の統治について考えるため、シュラタンに帰還した。
シュラタンに帰還した僕は北部の領地について考えるとともに、北部で反乱が起きないようにした。始めにしたのは北部の城の住民に対してヴォルペ領と同じ税制度を取り入れ、鬼人族と赤狄族を対等に扱った。また、今回の戦いで被害にあった住民に対して補助金を出したりして、不満がでないようにした。そして何より重要だったのは、魔王国時代からいた各城の城主たちだった。彼らを下手に扱えば反乱が起きるし不満が生まれる。そこで僕は、戦時戦後の際の城主たちの行動について調べさせた。そして戦時戦後、僕らと敵対したアール城、リーベ城、アーシェン城、デーガ城、ノーシェン城、グルージェ城、スルシン城の城主たちは死刑にし、城主の地位の継承を禁止した。そして戦後中立を保っていたグエニ城の城主は城と領地を没収して平民に降格処分にした。最後に、戦後に僕らの下に下ったオーガ城とメーガ城の城主には、城と領地を没収し、代わりにそれぞれアーシェン城とデーン城の代官の職と褒賞金を渡した。
そしてとうとう北部の分割が始まった。
この魔王国戦争で活躍した配下に対して褒美を与えることになった。今回活躍したのはツララ、ミツヒデ、バルサ、ムサシ、ベールの五人だった。僕はミーナにも手伝ってもらい、この五人の功績、それに応じた褒賞についてのことを行った。そして五人をシュラタン屋敷の広間に呼ぶと、多くの側近衆や武官たちが見守る中の広間で一人一人の功に応じた褒美を与える論功行賞を行った。そして僕は功のあった者を読み上げていく。
「第一功、バルサ・アルレア将軍。味方の城を救い、敵の城三つを落とした。貴殿には新領地のアール城とその一帯を与える。続いて第二功、ツララ・ロートフォックス将軍。味方の城を救い、敵の城一つを落とした。貴殿にも新領地のデーガ城とその一帯を与える。第三功、ミツヒデ・アケチ将軍。戦全体の補佐をして勝利に導いた。貴殿にも新領地のリーベ城とその一帯を与える。第四功、ムサシ・ミヤモト将軍。見事敵の総大将を捕縛した。貴殿には金貨一万枚を与える。第五功、ベール・ケーラン将軍。突撃してきた敵の背後を攻撃し、敵を分断した。貴殿には金貨九千枚を与える」
こうして五人に領地と褒賞金を渡し終わったが未だにやることは山のようにあった。

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