異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

夏休み編

第三十三話

　私は急いでロナブルク王国の大都市ローズに向かった。

　しかし私がそこで見たのは都市だったものだった。

　恐らくローズは半日以上前には陥落していたのであろう。

　アーヴァル兵の大部分がローズに入っており、アーヴァル兵がローズの住人を捕えていた。

　しばらく遠くから様子を見ているとアーヴァル兵の中にいた魔法使いが前に出てきて、なにやら儀式の様なことをし始めた。

　私がなんだろうと思っているとアーヴァル兵がローズの人間を殺し始め、殺した人の血で魔法陣を描き、その死体を魔法陣の中心に起き始めた。

　次の瞬間だった。

　魔法陣の中心に大量に置かれた死体が消滅し、魔法陣の中心に一体の悪魔が出現した。

　しかしその悪魔の様子はおかしかった。

　突如としてその悪魔は周りにいたアーヴァルの魔法使いを皆殺しにし、駆けつけたアーヴァル兵を惨殺した。

　そしてこちらを睨むと同時に、ものすごい殺気を感じた。

　まさかここがバレてる？

　私がそう思ったのも束の間、その悪魔はものすごい速度でこちらに向かってきた。

　瞬きをするとその悪魔は私の目の前にいた。

「お初にお目にかかります。私の名前はアイスと申します。では自己紹介も終えたのでいざ！　勝負スタート！」

　そんな声と同時にアイスという悪魔は攻撃をしてきた。