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【宝石少年と霧の国】
罠
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霧巻いていた辺りは一変し、元の緑豊かな木々の中に変わっていた。枝を彩る葉は太陽の光を透き通して美しい。
出発時は意気込んで先頭を立ったルルだったが、道が分からない事に気付いて結局真ん中に収まっていた。彼は隣を歩くアウィンの手をそっと握り、自分の指を絡める。
「ご機嫌ですね、何かありましたか?」
『いい夢、見たの。二人に撫でられた』
「二人? 一体どんな夢を?」
『内緒』
一人目は大方予想がつくが、二人目が分からない。しかし、声も無くクスクスと笑うのを見ると、自分の中に留めたいくらいにいい夢だったのは伝わってくる。
ルルは未だ嬉しそうにしながら、最後尾として続くコーパルに振り向く。本人はは微笑まれた事に目を瞬かせ、一体何だと首をかしげた。
ここは歩くだけで楽しい。新緑が空の色を吸い込んだような青緑をした草の絨毯を踏むと、足元を追いかけるように小さな花が何輪も咲く。草の影に隠れた蕾が可愛らしい花びらを開く時、ポーンと聞き知った音もした。
淡く青色をした枝の隙間から、そこを住処とする小さな魔獣たちがこちらを覗いている。ルルはその視線に怯えと緊張、そして隠しきれていない好奇心を感じ取った。
少しだけ足を止め、ジプスから貰った果物を見せる。興味を持って近付いて来た彼らの前に、試しに置いてみる。ここには実らないタイプの果実なのだろう、どんな物なのかと不思議そうにしている。
「あげても大丈夫ですよ」
先頭から見ていたジプスからの声に、早速ルルは果物を二つに割った。魔獣は互いに顔を見合わせて恐る恐る口にした。小さな丸い目は途端に輝き、彼らは嬉しそうに飛び跳ねる。
魔獣たちはプレゼントにすっかり警戒心を解いたようだ。キュルキュルと可愛らしい声を喉から鳴らしながら、ルルの手に体を擦り付けて甘え出す。置いていかれないよう歩き始めた彼について行き、体を登ると肩に乗った。
魔獣たちはルルの肩からポンポン飛んだり、纏う小さな羽毛をぶわっとさせて体を膨らませたりと遊ぶ。ルルはそんな彼らの遊びを手伝うように手を差し出したり、その場でくるりと回ったりしてみせた。
「ふふふ、懐かれましたね」
「大丈夫なのか……?」
『この子たち、とてもいい子』
「僕らはその魔獣をスモウと呼んでます。とても懐っこいんです」
集団でこの辺りに多く住んでいる魔獣だそうだ。警戒心はあるようだが好奇心旺盛な性格で、多種族との間にあまり壁が無い。
懐っこいという言葉の通り、気付けばアウィンやコーパルの足元に、仲間と思われるスモウたちがまとわり付いている。言われて気付いたコーパルは、驚きのあまりその場に転んだ。拍子、手元に居たスモウがむにゅっと潰れる。殺してしまったかと慌てたが、平たくなった体は空気を入れたようにすぐ戻った。
「この子たちは簡単には死なないから、大丈夫ですよ」
「そ、そうか」
痛くも痒くも無いのか、彼らはコーパルの周りをキャッキャと飛び回った。
サクサクと三人の落ち着いた足音に、キュルキュルという複数の声と一人の踊るような足音が賑やかに混ざる。いつの間にか、スモウと戯れていたルルがまた先頭を楽しげに歩いていた。
一列で歩くほどだった道が少しずつ広くなってきた。よく見ると、木の種類も変わってきている。太い幹には花が咲く蔓が巻き、緑だけじゃなく青の葉が茂っていた。葉はガラスのようで、陽を吸収して木漏れ日を作っている。
そんな頃、ジプスは辺りをキョロキョロしはじめた。微笑ましく先頭のルルを見ていたアウィンは、視界の端に映るそんな様子に首をかしげる。
「どうかしましたか?」
「なんだか、動物たちが少ないと思って」
「スモウだけじゃないのか?」
「ここは、いろんな種類の動物が住んでいるんです」
警戒しているのだろうか。それだったら様子を見に来てもおかしくないのに、気配自体が少ない。
嫌な予感がする。ただのなんとなくで片付けてはいけないと、胸の奥が警告していた。ジプスは顎に指を絡め、顔を俯かせて考える。その時、土に妙なへこみを見た。それは、イリュジオンではみない模様をした靴の裏。
白いジプスの目がそれを捉えた時、彼は反射的に叫んだ。
「ルルさん、止まって!」
『え?』
ルルはその場で回るようにして振り返る。しかし呼び止めの声よりも前に、その足は一歩を踏んでいた。瞬間、足元から彼を囲うようにして、無数の蔓が刃のように土から突き出す。
「ルル!」
「なんだ?!」
しかし森に詳しいだろうジプスは、ただ驚いて目を見開いて首を横に振る。この地の植物は熟知している。だが突如現れたその蔓は、全く見た事が無い異質の物だった。
突然の音に咄嗟に伏せたためか、ルルに怪我は無い。しかし灰色をした蔓は胴回りほど太く、さらには石のようにびくともしない。剣でどうにか砕こうとしたが、傷すら入らなかった。
「ルル、少し後ろへ下がれますか?」
壁を通したアウィンの声に頷いて、ルルは出来るだけ背後の蔓へ背を近付けた。彼は愛用の杖の持ち手をグッと握り、まるで引き抜くような仕草をする。手元が小さく反射したと思えば、艶のある黒い杖から現れたのは鋭い剣だった。
アウィンが常に杖を手放さないのには、足の不自由さとは別にもう一つの理由があった。それがこの隠し武器。
吟遊詩人である彼の荷物は、楽器がほとんどを占めていると言っていい。そのため、出来るだけ軽量化したいと思った結果、杖と武器を組み合わせてしまおうと結論出た。本当は魔法だけで充分だと思っていたのだが、友であるリッテが不充分だと言って、作ってくれたのだ。つまりこの刃はただの金属ではなく、宝石で作られている。加えて母が旅の護りにと、魔術を表面に掘ってくれていた。
ルルの頑丈な剣で壊れずとも、流石に魔術を施したものであれば多少の傷はつくはずだ。少しでも外傷を与えられれば、あとは魔法で畳み掛けられる。しかしいざ振りかぶった時、コーパルは影から何かがアウィンを覗いている事に気付く。
(あれは……!)
そこからは明らかに意図的な敵意があった。コーパルは咄嗟に駆け出し、アウィンに体をぶつける。すると、転んだ彼の代わりに立ったコーパルの背中に、種がぶつけられた。種は急速に成長して体に蔓草を生やし、素早く土に根を生やす。
「う、ぐっ」
「コーパル殿!」
比較的蔓は細い。しかし千切ろうと身動ぐと、細かくも鋭い棘が食い込んで余計に拘束の強さが増した。
コーパルを拘束している蔓は、ルルを囲う物より確実に殺傷能力を持つ。今は攻撃能力を持つ方を優先して倒した方がいい。しかし剣の切先を向けたと同時、阻止するかのように蔓が巻き付いた。素早く切り裂くが、植物の速さはそれを上回り、剣に食らいつく。振り払おうとするが動かない。
蔓は持ち手へ侵食し、やがてアウィンの手へ触れた。だが蔓はそれ以上成長する事はしなかった。蔓にベージュと白の模様をした羽根が突き刺さると、たちまち無機物となってバラバラに崩れたのだ。それはジプスの羽根。彼は腕だけを本来の姿に戻していた。
切られた蔓はより強度を増し、なんとか二人を捕らえようと襲いかかる。逃げ続けるも徐々に追い詰められた。
このままでは全員捕まるのも時間の問題だろう。ルルは意識を自身の鼓動へ集中させた。この蔓の檻は簡単に壊せない。しかしここで見ているだけというのも無理だ。鉱石を出して、少しは彼らが有利な道を開きたい。
ルルの手元が淡く白の光を浮かべる。しかしそれは形になる前に、元の色へ溶けて無くなった。
(鉱石が、作れない?)
何度試しても、欠けらすら作り出せなかった。こんな事は今までに無かった。考えられるのはこの檻。コーパルを捉えた蔓は攻撃性があるのに対し、自分を囲う蔓には全く意思を感じない。もしやこの罠は偶然ではないのだろうか。
手が出せず狼狽するルルの後ろで、何かが静かに動いた。それを見つけたのはコーパル。薄暗い金の目に映ったのは、宝石の糸で編まれた網。その大きさは、確実に檻ごと包めるだろう。それを収めた時、頭に鈍い痛みが走った。脳の奥を針で刺されたような痛みと共に、映像が一瞬だけ見える。
音も無く通り過ぎ去ったそこには、あの網と誰かの手。そしてそれが散った映像。
(俺はアレを、知っている……?)
コーパルは記憶が途絶える直前に襲った目の痛みに顔をしかめる。思わず閉じた瞼裏に突き刺さるのは、複雑な模様を描いた陣。
「魔法、陣?」
意思とは関係なく、ポロリと零れた言葉。その呟きをアウィンの耳は聞き逃さなかった。深い青の目が忙しなく、それでも冷静に隅々を睨むように見渡す。
あった。その複雑な呪術を込めた魔法陣は、自らの姿を隠すように草陰に潜んでいる。抵抗によって戦場が乱されて顔を出したのだ。
「そこか!」
アウィンは剣を片手に持ち直すと、切先を向けて思い切り投げた。鋭い光を描き、刃は一直線に魔法陣の中心を捉える。直後、今まさに蔓の檻に触れそうだった宝石の網が、ガシャンと派手な音を立てて散った。
出発時は意気込んで先頭を立ったルルだったが、道が分からない事に気付いて結局真ん中に収まっていた。彼は隣を歩くアウィンの手をそっと握り、自分の指を絡める。
「ご機嫌ですね、何かありましたか?」
『いい夢、見たの。二人に撫でられた』
「二人? 一体どんな夢を?」
『内緒』
一人目は大方予想がつくが、二人目が分からない。しかし、声も無くクスクスと笑うのを見ると、自分の中に留めたいくらいにいい夢だったのは伝わってくる。
ルルは未だ嬉しそうにしながら、最後尾として続くコーパルに振り向く。本人はは微笑まれた事に目を瞬かせ、一体何だと首をかしげた。
ここは歩くだけで楽しい。新緑が空の色を吸い込んだような青緑をした草の絨毯を踏むと、足元を追いかけるように小さな花が何輪も咲く。草の影に隠れた蕾が可愛らしい花びらを開く時、ポーンと聞き知った音もした。
淡く青色をした枝の隙間から、そこを住処とする小さな魔獣たちがこちらを覗いている。ルルはその視線に怯えと緊張、そして隠しきれていない好奇心を感じ取った。
少しだけ足を止め、ジプスから貰った果物を見せる。興味を持って近付いて来た彼らの前に、試しに置いてみる。ここには実らないタイプの果実なのだろう、どんな物なのかと不思議そうにしている。
「あげても大丈夫ですよ」
先頭から見ていたジプスからの声に、早速ルルは果物を二つに割った。魔獣は互いに顔を見合わせて恐る恐る口にした。小さな丸い目は途端に輝き、彼らは嬉しそうに飛び跳ねる。
魔獣たちはプレゼントにすっかり警戒心を解いたようだ。キュルキュルと可愛らしい声を喉から鳴らしながら、ルルの手に体を擦り付けて甘え出す。置いていかれないよう歩き始めた彼について行き、体を登ると肩に乗った。
魔獣たちはルルの肩からポンポン飛んだり、纏う小さな羽毛をぶわっとさせて体を膨らませたりと遊ぶ。ルルはそんな彼らの遊びを手伝うように手を差し出したり、その場でくるりと回ったりしてみせた。
「ふふふ、懐かれましたね」
「大丈夫なのか……?」
『この子たち、とてもいい子』
「僕らはその魔獣をスモウと呼んでます。とても懐っこいんです」
集団でこの辺りに多く住んでいる魔獣だそうだ。警戒心はあるようだが好奇心旺盛な性格で、多種族との間にあまり壁が無い。
懐っこいという言葉の通り、気付けばアウィンやコーパルの足元に、仲間と思われるスモウたちがまとわり付いている。言われて気付いたコーパルは、驚きのあまりその場に転んだ。拍子、手元に居たスモウがむにゅっと潰れる。殺してしまったかと慌てたが、平たくなった体は空気を入れたようにすぐ戻った。
「この子たちは簡単には死なないから、大丈夫ですよ」
「そ、そうか」
痛くも痒くも無いのか、彼らはコーパルの周りをキャッキャと飛び回った。
サクサクと三人の落ち着いた足音に、キュルキュルという複数の声と一人の踊るような足音が賑やかに混ざる。いつの間にか、スモウと戯れていたルルがまた先頭を楽しげに歩いていた。
一列で歩くほどだった道が少しずつ広くなってきた。よく見ると、木の種類も変わってきている。太い幹には花が咲く蔓が巻き、緑だけじゃなく青の葉が茂っていた。葉はガラスのようで、陽を吸収して木漏れ日を作っている。
そんな頃、ジプスは辺りをキョロキョロしはじめた。微笑ましく先頭のルルを見ていたアウィンは、視界の端に映るそんな様子に首をかしげる。
「どうかしましたか?」
「なんだか、動物たちが少ないと思って」
「スモウだけじゃないのか?」
「ここは、いろんな種類の動物が住んでいるんです」
警戒しているのだろうか。それだったら様子を見に来てもおかしくないのに、気配自体が少ない。
嫌な予感がする。ただのなんとなくで片付けてはいけないと、胸の奥が警告していた。ジプスは顎に指を絡め、顔を俯かせて考える。その時、土に妙なへこみを見た。それは、イリュジオンではみない模様をした靴の裏。
白いジプスの目がそれを捉えた時、彼は反射的に叫んだ。
「ルルさん、止まって!」
『え?』
ルルはその場で回るようにして振り返る。しかし呼び止めの声よりも前に、その足は一歩を踏んでいた。瞬間、足元から彼を囲うようにして、無数の蔓が刃のように土から突き出す。
「ルル!」
「なんだ?!」
しかし森に詳しいだろうジプスは、ただ驚いて目を見開いて首を横に振る。この地の植物は熟知している。だが突如現れたその蔓は、全く見た事が無い異質の物だった。
突然の音に咄嗟に伏せたためか、ルルに怪我は無い。しかし灰色をした蔓は胴回りほど太く、さらには石のようにびくともしない。剣でどうにか砕こうとしたが、傷すら入らなかった。
「ルル、少し後ろへ下がれますか?」
壁を通したアウィンの声に頷いて、ルルは出来るだけ背後の蔓へ背を近付けた。彼は愛用の杖の持ち手をグッと握り、まるで引き抜くような仕草をする。手元が小さく反射したと思えば、艶のある黒い杖から現れたのは鋭い剣だった。
アウィンが常に杖を手放さないのには、足の不自由さとは別にもう一つの理由があった。それがこの隠し武器。
吟遊詩人である彼の荷物は、楽器がほとんどを占めていると言っていい。そのため、出来るだけ軽量化したいと思った結果、杖と武器を組み合わせてしまおうと結論出た。本当は魔法だけで充分だと思っていたのだが、友であるリッテが不充分だと言って、作ってくれたのだ。つまりこの刃はただの金属ではなく、宝石で作られている。加えて母が旅の護りにと、魔術を表面に掘ってくれていた。
ルルの頑丈な剣で壊れずとも、流石に魔術を施したものであれば多少の傷はつくはずだ。少しでも外傷を与えられれば、あとは魔法で畳み掛けられる。しかしいざ振りかぶった時、コーパルは影から何かがアウィンを覗いている事に気付く。
(あれは……!)
そこからは明らかに意図的な敵意があった。コーパルは咄嗟に駆け出し、アウィンに体をぶつける。すると、転んだ彼の代わりに立ったコーパルの背中に、種がぶつけられた。種は急速に成長して体に蔓草を生やし、素早く土に根を生やす。
「う、ぐっ」
「コーパル殿!」
比較的蔓は細い。しかし千切ろうと身動ぐと、細かくも鋭い棘が食い込んで余計に拘束の強さが増した。
コーパルを拘束している蔓は、ルルを囲う物より確実に殺傷能力を持つ。今は攻撃能力を持つ方を優先して倒した方がいい。しかし剣の切先を向けたと同時、阻止するかのように蔓が巻き付いた。素早く切り裂くが、植物の速さはそれを上回り、剣に食らいつく。振り払おうとするが動かない。
蔓は持ち手へ侵食し、やがてアウィンの手へ触れた。だが蔓はそれ以上成長する事はしなかった。蔓にベージュと白の模様をした羽根が突き刺さると、たちまち無機物となってバラバラに崩れたのだ。それはジプスの羽根。彼は腕だけを本来の姿に戻していた。
切られた蔓はより強度を増し、なんとか二人を捕らえようと襲いかかる。逃げ続けるも徐々に追い詰められた。
このままでは全員捕まるのも時間の問題だろう。ルルは意識を自身の鼓動へ集中させた。この蔓の檻は簡単に壊せない。しかしここで見ているだけというのも無理だ。鉱石を出して、少しは彼らが有利な道を開きたい。
ルルの手元が淡く白の光を浮かべる。しかしそれは形になる前に、元の色へ溶けて無くなった。
(鉱石が、作れない?)
何度試しても、欠けらすら作り出せなかった。こんな事は今までに無かった。考えられるのはこの檻。コーパルを捉えた蔓は攻撃性があるのに対し、自分を囲う蔓には全く意思を感じない。もしやこの罠は偶然ではないのだろうか。
手が出せず狼狽するルルの後ろで、何かが静かに動いた。それを見つけたのはコーパル。薄暗い金の目に映ったのは、宝石の糸で編まれた網。その大きさは、確実に檻ごと包めるだろう。それを収めた時、頭に鈍い痛みが走った。脳の奥を針で刺されたような痛みと共に、映像が一瞬だけ見える。
音も無く通り過ぎ去ったそこには、あの網と誰かの手。そしてそれが散った映像。
(俺はアレを、知っている……?)
コーパルは記憶が途絶える直前に襲った目の痛みに顔をしかめる。思わず閉じた瞼裏に突き刺さるのは、複雑な模様を描いた陣。
「魔法、陣?」
意思とは関係なく、ポロリと零れた言葉。その呟きをアウィンの耳は聞き逃さなかった。深い青の目が忙しなく、それでも冷静に隅々を睨むように見渡す。
あった。その複雑な呪術を込めた魔法陣は、自らの姿を隠すように草陰に潜んでいる。抵抗によって戦場が乱されて顔を出したのだ。
「そこか!」
アウィンは剣を片手に持ち直すと、切先を向けて思い切り投げた。鋭い光を描き、刃は一直線に魔法陣の中心を捉える。直後、今まさに蔓の檻に触れそうだった宝石の網が、ガシャンと派手な音を立てて散った。
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