17 / 18
17、終局の封印
しおりを挟む
大きな夢。 小さな夢・・・
人は皆、夢を見て成長する。
しかし、あらゆる夢を具現化し、未来を自由に書き換えられるような、
全ての倫理をも超越した大いなる力を手にした時、人は、人でなくなる。
・・そう、夢を実現させようと目的を持ち、己自身の力で邁進する姿こそ
美しいのだ。
勘違いしては、いけない。 夢は、叶える為にあるのではなく、見る為にある
のである。
勿論、夢が叶えられたら、それは素晴らしい事だろう。
だが、夢に向かって歩む日々の努力は、夢を叶える以前に、『 人 』として生きる
為の、大切なファクターである事を忘れてはならない。
夢に向かう事・・ それこそが、人の姿である。
夢を持つという事・・ それこそが、人間の証明である。
「 あれ? アンタは・・・ 」
アパートの階段で、菊地は、初老の女性から声を掛けられた。
「 あ、その節はどうも。 町田・・ 豊子さんでしたっけ。 友美さん、います? 」
「 いるけど・・ 」
友美の部屋を振り返り、彼女は暗い表情を見せた。
「 何だか最近、元気なくってねえ。 明るくないんだよ。 何ていうか、その・・ 浮の空ってカンジでねえ・・・ 話し方も妙に、よそよそしいし。 ・・そのうち、アンタが訪ねて来るから、って言ってたけど、何かあったんかい? 」
友美の様子を気遣う彼女。 どこか、今までの友美とは違う、違和感を覚えているようだ。
菊池は答えた。
「 体調が悪いらしいね。 僕も、よく判らないけど・・ 」
「 ・・そうかい。 それにしても、アンタ・・ 何だい? その包帯は 」
菊地の頭や、手首に巻かれた包帯を見て、彼女は聞いた。
「 いや、その・・ ちょっと階段でコケちゃって・・ 」
「 何だろね、そそっかしい 」
菊地が、負傷者として報道に出ていた事は、気付いていないようだ。
「 友ちゃん、今日は学校休んだらしいから、あんまり長居すんじゃないよ? 友ちゃんが、会いたいって言ってるから、会わせてやるんだからね。 頭に乗るんじゃないよ? 用が済んだら、早く帰んな 」
そう言うと彼女は、1階の管理人室へと、入って行った。
あの日、セントラルホテルで重症を負った菊地は、病院のベッドの上で意識を回復した。
約、2週間の入院の間、テレビのワイドショーなどは、連日、その事故の報道を伝え、入院中の菊地の所へも、取材の記者が来た。
新聞社・大手出版社など各報道機関には、憂国勤皇隊の名で犯行声明文が郵送されて来ており、おそらく、大館がセントラルホテルへ向かう途中、一斉に投函したのだろう。 事故ではなく、事件として後日からは、検証・検分、行動論議などがメディア展開されている。
死傷者も多く、近年には記憶に無い、大きな事件となった。 10階の防災センターと集中管理室の職員、消防士、レスキュー隊員、警備員・・・ 死亡者の合計は、41名。 宿泊客や、一般の買い物客にも数多くの犠牲者が出ており、そのほとんどは、落下して来たガラスの破片によるものであった。 春奈や愛子たちの名も犠牲者名簿の中にあり、もちろん、大館や浩子、社の名前もあった。 損傷が激しく、女性と思われる身元不明の遺体は、所持していた学生証と着衣から、事故発生の2日後、里美であると報道されていた。
病院のベッドで、食い入るようにテレビを見ていた菊地・・・ 友美の名前が一向に発表されない点に、やがて菊地は、事態の全容を把握した。
現場に居合わせて重症を負った記者が退院した、と報道された日、初めて友美からのメールが届く。
菊地は、すべてを知った。 友美が今、どんな状況にあるのかも・・・
ドアの鍵は開いていた。
少しドアを開け、その内側を軽くノックする。
「 どうぞ 」
小さな声が聞こえた。 友美の声である。 菊地には、その声が、妙に懐かしく響いた。
「 友美ちゃん・・ 」
部屋の奥にある、レースカーテンをひいた窓側に置かれたベッドの上に、友美は横になっていた。
じっと天井を見つめたまま、顔は菊池の方には向けず、しかし、優しい口調で友美は言った。
「 お体は・・ もう良いのですか? 」
友美は、制服を着たままであった。 昨日、学校から帰って来て、そのままの様子だ。
菊池は、部屋に入り、静かにドアを閉めながら言った。
「 ああ、まだ抜糸してないトコもあるけどね。 32針、縫ったよ 」
相変わらず、菊池の方には顔を向けず、友美は答えた。
「 色々、ご迷惑をお掛け致しました。 菊地さんがいらっしゃらなかったら、どうなっていた事か・・ 」
妙に、言葉使いが丁寧だ・・・
菊地は、友美が性格的にも、変化している事を感じた。
ベッドの傍らにあった、折りたたみイスを出すと、菊地は友美の横に座った。
「 何も・・ 感じないんだね? 」
友美の手を取り、菊地が尋ねる。
「 ・・はい 」
真っ直ぐ天井を見つめながら、友美は続けた。
「 でも、とても・・・ 満ち足りた気分です。 忘れていた、幼い頃の記憶が・・ 鮮明に甦っています。 私をかわいがってくれた、寮母さまの声が聴こえるのです・・ 」
何も苦痛を感じない友美の意識は、過ぎ去った遠い過去へコンタクトしているのだろう。寂しくはあったものの、何も恐れる事の無かった、穏やかな幼年期へ・・・ 話し方が丁寧なのは、その頃、しつけられていた記憶と、シンクロしている為のようだ。
レースのカーテン越しに差し込む柔らかな光・・・ 友美の穏やかな表情からは、その光と相まって、この世のものとは思えない、まるで聖母のような優しさが感じられた。 すべての煩悩を取り払った友美は、既に、『 神 』の領域に入っているのかもしれない・・・
「 友美ちゃん・・・ 」
菊地は、静かに聞いた。
「 これから、どうするんだい? 」
しばらく間を置いて、友美は目を閉じ、答えた。
「 ・・お母様のところへ、参ります 」
菊地は、それを聞くと目を瞑り、下を向いた。
「 ・・・・・ 」
「 菊地さん。 最期にひとつ、お願いをしてもよろしいですか? 」
「 ・・何だい? 」
顔を上げて、菊地は尋ねた。
「 テープをかけて頂けますか? その棚の・・ 端にあります 」
「 テープ・・・ 」
菊地はデッキを探したが、どこにも無い。 棚には、1枚のCDが置いてあった。
( これの事か・・・ )
机の上にあったポータブルプレイヤーに入れ、再生ボタンを押す。 しばらくすると、バイオリンの音色が聴こえて来た。 静かなオーケストラ演奏曲のようで、かなり古いレコーディングのようである。
菊地には、その曲名が分かった。
「 モダン・タイムス ・・・ 」
チャップリンの、古い映画音楽だ。
「 寮母さまが、お好きだった曲で、『 スマイル 』という曲名なのだそうです。 『 街の灯 』という映画も、観に連れて行って下さいました 」
友美は、静かに目を閉じた。
旅発つ、友美の気配を感じ、菊地はベッドに取り付いて、友美の手を取った。
「 友美ちゃん・・! 」
顔を菊地の方に向け、少し目を開けると、友美は言った。
「 人は愚かです・・・ こんな力を、持ってはいけない・・! 自分で、努力して得たものにのみ、価値は存在するのです 」
「 ・・だからと言って、君が逝く必要はない! 友美ちゃんっ・・! 」
「 菊地さん、ありがとう。 いつまでも、お元気で・・・ 」
友美は、血流の循環を止めた。 それを察知した菊地が叫ぶ。
「 逝っちゃダメだ、友美ちゃんっ・・! 」
「 菊地さんのお顔を、最期にもう1度、拝見したかったのです。 身も知らぬ私に・・ お声をかけて下さいました。 ・・菊地さんが・・ すこやかに・・ お過ごし頂けますように・・・ 」
友美の声が、次第に小さくなっていく。
「 ダメだ、ダメだっ! 早く・・ 血流を戻すんだっ! 友美ちゃんっ・・! 」
菊地の呼びかけには答えず、友美は、呟いた。
「 ・・お母様が・・ お母様が、呼んでいる・・・! 」
今、まさに友美は、旅立とうとしている。 引き戻す事は、誰にも出来ない。 菊地は、それを感じ取った。
「 ・・友美ちゃん・・! 」
ささやくような声で、最期に、友美は言った。
「 お母様・・・ 友美は、ここです・・・ 今、参ります・・・ 」
眠るように、友美は、息を引き取った。
菊地は、暖かさの残る友美の手を握り締めたまま、シーツに顔を埋める。
あの、ユキにも匹敵する力を覚醒させた友美 ・・・ その能力を持ってすれば、生命を維持していく事も出来たはずである。 しかし友美は、生きる屍より、永遠の眠りによる力の封印を選択したのだ。 親身になってくれた菊地に、最後のお別れをして・・・
「 ・・・オレが来るのを、待っていてくれたのか・・ 友美ちゃん・・・! 」
菊地は、友美の頬を、震える手で撫でた。
「 君の事は、忘れない。 壮絶な運命を辿った仲間たちの中で、ただ1人・・ ベッドの上で静かな最期を迎え、安らかに旅立って逝った、伝説の人・・・! その記憶をもって、僕も、全ての記憶を封印する事にするよ・・・ 」
安らかな、永遠の眠りについた友美の顔を、静かに見つめ続ける菊地。
部屋には、オーケストラの音色が、いつまでも流れ続けていた。
『 4429F 完 』
人は皆、夢を見て成長する。
しかし、あらゆる夢を具現化し、未来を自由に書き換えられるような、
全ての倫理をも超越した大いなる力を手にした時、人は、人でなくなる。
・・そう、夢を実現させようと目的を持ち、己自身の力で邁進する姿こそ
美しいのだ。
勘違いしては、いけない。 夢は、叶える為にあるのではなく、見る為にある
のである。
勿論、夢が叶えられたら、それは素晴らしい事だろう。
だが、夢に向かって歩む日々の努力は、夢を叶える以前に、『 人 』として生きる
為の、大切なファクターである事を忘れてはならない。
夢に向かう事・・ それこそが、人の姿である。
夢を持つという事・・ それこそが、人間の証明である。
「 あれ? アンタは・・・ 」
アパートの階段で、菊地は、初老の女性から声を掛けられた。
「 あ、その節はどうも。 町田・・ 豊子さんでしたっけ。 友美さん、います? 」
「 いるけど・・ 」
友美の部屋を振り返り、彼女は暗い表情を見せた。
「 何だか最近、元気なくってねえ。 明るくないんだよ。 何ていうか、その・・ 浮の空ってカンジでねえ・・・ 話し方も妙に、よそよそしいし。 ・・そのうち、アンタが訪ねて来るから、って言ってたけど、何かあったんかい? 」
友美の様子を気遣う彼女。 どこか、今までの友美とは違う、違和感を覚えているようだ。
菊池は答えた。
「 体調が悪いらしいね。 僕も、よく判らないけど・・ 」
「 ・・そうかい。 それにしても、アンタ・・ 何だい? その包帯は 」
菊地の頭や、手首に巻かれた包帯を見て、彼女は聞いた。
「 いや、その・・ ちょっと階段でコケちゃって・・ 」
「 何だろね、そそっかしい 」
菊地が、負傷者として報道に出ていた事は、気付いていないようだ。
「 友ちゃん、今日は学校休んだらしいから、あんまり長居すんじゃないよ? 友ちゃんが、会いたいって言ってるから、会わせてやるんだからね。 頭に乗るんじゃないよ? 用が済んだら、早く帰んな 」
そう言うと彼女は、1階の管理人室へと、入って行った。
あの日、セントラルホテルで重症を負った菊地は、病院のベッドの上で意識を回復した。
約、2週間の入院の間、テレビのワイドショーなどは、連日、その事故の報道を伝え、入院中の菊地の所へも、取材の記者が来た。
新聞社・大手出版社など各報道機関には、憂国勤皇隊の名で犯行声明文が郵送されて来ており、おそらく、大館がセントラルホテルへ向かう途中、一斉に投函したのだろう。 事故ではなく、事件として後日からは、検証・検分、行動論議などがメディア展開されている。
死傷者も多く、近年には記憶に無い、大きな事件となった。 10階の防災センターと集中管理室の職員、消防士、レスキュー隊員、警備員・・・ 死亡者の合計は、41名。 宿泊客や、一般の買い物客にも数多くの犠牲者が出ており、そのほとんどは、落下して来たガラスの破片によるものであった。 春奈や愛子たちの名も犠牲者名簿の中にあり、もちろん、大館や浩子、社の名前もあった。 損傷が激しく、女性と思われる身元不明の遺体は、所持していた学生証と着衣から、事故発生の2日後、里美であると報道されていた。
病院のベッドで、食い入るようにテレビを見ていた菊地・・・ 友美の名前が一向に発表されない点に、やがて菊地は、事態の全容を把握した。
現場に居合わせて重症を負った記者が退院した、と報道された日、初めて友美からのメールが届く。
菊地は、すべてを知った。 友美が今、どんな状況にあるのかも・・・
ドアの鍵は開いていた。
少しドアを開け、その内側を軽くノックする。
「 どうぞ 」
小さな声が聞こえた。 友美の声である。 菊地には、その声が、妙に懐かしく響いた。
「 友美ちゃん・・ 」
部屋の奥にある、レースカーテンをひいた窓側に置かれたベッドの上に、友美は横になっていた。
じっと天井を見つめたまま、顔は菊池の方には向けず、しかし、優しい口調で友美は言った。
「 お体は・・ もう良いのですか? 」
友美は、制服を着たままであった。 昨日、学校から帰って来て、そのままの様子だ。
菊池は、部屋に入り、静かにドアを閉めながら言った。
「 ああ、まだ抜糸してないトコもあるけどね。 32針、縫ったよ 」
相変わらず、菊池の方には顔を向けず、友美は答えた。
「 色々、ご迷惑をお掛け致しました。 菊地さんがいらっしゃらなかったら、どうなっていた事か・・ 」
妙に、言葉使いが丁寧だ・・・
菊地は、友美が性格的にも、変化している事を感じた。
ベッドの傍らにあった、折りたたみイスを出すと、菊地は友美の横に座った。
「 何も・・ 感じないんだね? 」
友美の手を取り、菊地が尋ねる。
「 ・・はい 」
真っ直ぐ天井を見つめながら、友美は続けた。
「 でも、とても・・・ 満ち足りた気分です。 忘れていた、幼い頃の記憶が・・ 鮮明に甦っています。 私をかわいがってくれた、寮母さまの声が聴こえるのです・・ 」
何も苦痛を感じない友美の意識は、過ぎ去った遠い過去へコンタクトしているのだろう。寂しくはあったものの、何も恐れる事の無かった、穏やかな幼年期へ・・・ 話し方が丁寧なのは、その頃、しつけられていた記憶と、シンクロしている為のようだ。
レースのカーテン越しに差し込む柔らかな光・・・ 友美の穏やかな表情からは、その光と相まって、この世のものとは思えない、まるで聖母のような優しさが感じられた。 すべての煩悩を取り払った友美は、既に、『 神 』の領域に入っているのかもしれない・・・
「 友美ちゃん・・・ 」
菊地は、静かに聞いた。
「 これから、どうするんだい? 」
しばらく間を置いて、友美は目を閉じ、答えた。
「 ・・お母様のところへ、参ります 」
菊地は、それを聞くと目を瞑り、下を向いた。
「 ・・・・・ 」
「 菊地さん。 最期にひとつ、お願いをしてもよろしいですか? 」
「 ・・何だい? 」
顔を上げて、菊地は尋ねた。
「 テープをかけて頂けますか? その棚の・・ 端にあります 」
「 テープ・・・ 」
菊地はデッキを探したが、どこにも無い。 棚には、1枚のCDが置いてあった。
( これの事か・・・ )
机の上にあったポータブルプレイヤーに入れ、再生ボタンを押す。 しばらくすると、バイオリンの音色が聴こえて来た。 静かなオーケストラ演奏曲のようで、かなり古いレコーディングのようである。
菊地には、その曲名が分かった。
「 モダン・タイムス ・・・ 」
チャップリンの、古い映画音楽だ。
「 寮母さまが、お好きだった曲で、『 スマイル 』という曲名なのだそうです。 『 街の灯 』という映画も、観に連れて行って下さいました 」
友美は、静かに目を閉じた。
旅発つ、友美の気配を感じ、菊地はベッドに取り付いて、友美の手を取った。
「 友美ちゃん・・! 」
顔を菊地の方に向け、少し目を開けると、友美は言った。
「 人は愚かです・・・ こんな力を、持ってはいけない・・! 自分で、努力して得たものにのみ、価値は存在するのです 」
「 ・・だからと言って、君が逝く必要はない! 友美ちゃんっ・・! 」
「 菊地さん、ありがとう。 いつまでも、お元気で・・・ 」
友美は、血流の循環を止めた。 それを察知した菊地が叫ぶ。
「 逝っちゃダメだ、友美ちゃんっ・・! 」
「 菊地さんのお顔を、最期にもう1度、拝見したかったのです。 身も知らぬ私に・・ お声をかけて下さいました。 ・・菊地さんが・・ すこやかに・・ お過ごし頂けますように・・・ 」
友美の声が、次第に小さくなっていく。
「 ダメだ、ダメだっ! 早く・・ 血流を戻すんだっ! 友美ちゃんっ・・! 」
菊地の呼びかけには答えず、友美は、呟いた。
「 ・・お母様が・・ お母様が、呼んでいる・・・! 」
今、まさに友美は、旅立とうとしている。 引き戻す事は、誰にも出来ない。 菊地は、それを感じ取った。
「 ・・友美ちゃん・・! 」
ささやくような声で、最期に、友美は言った。
「 お母様・・・ 友美は、ここです・・・ 今、参ります・・・ 」
眠るように、友美は、息を引き取った。
菊地は、暖かさの残る友美の手を握り締めたまま、シーツに顔を埋める。
あの、ユキにも匹敵する力を覚醒させた友美 ・・・ その能力を持ってすれば、生命を維持していく事も出来たはずである。 しかし友美は、生きる屍より、永遠の眠りによる力の封印を選択したのだ。 親身になってくれた菊地に、最後のお別れをして・・・
「 ・・・オレが来るのを、待っていてくれたのか・・ 友美ちゃん・・・! 」
菊地は、友美の頬を、震える手で撫でた。
「 君の事は、忘れない。 壮絶な運命を辿った仲間たちの中で、ただ1人・・ ベッドの上で静かな最期を迎え、安らかに旅立って逝った、伝説の人・・・! その記憶をもって、僕も、全ての記憶を封印する事にするよ・・・ 」
安らかな、永遠の眠りについた友美の顔を、静かに見つめ続ける菊地。
部屋には、オーケストラの音色が、いつまでも流れ続けていた。
『 4429F 完 』
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる