14 / 14
14.海の平和
しおりを挟む
アシェッド王太子とマリアンヌの断罪劇が終わり、茶番の結婚式を中止にしたクーデンベルグ公爵は、メリーウェザーとリカルドを残し、大聖堂から参列者を捌けさせた。
人気が無くなるとクーデンベルグ公爵は「ふうっ」と大きくため息をつき、メリーウェザーの方を振り返った。
そして、
「娘よ。色々な目に遭ったようだな。つらかったろう。よく生きて帰ってきてくれた」
と目に涙を浮かべて娘との再会を喜んだ。
しかし、メリーウェザーの方は再会はまあ嬉しいことだったけれども、別の用件があって何やら気がそぞろである。
「お久しぶりですお父様。あのね、あのね、実は結婚を認めていただきたい方が!」
「は!? おまえ、いきなり……ああだが、分かっている、さっき言っていたリカルド殿下だね」
クーデンベルグ公爵は頷いた。
娘の脈絡のなさには慣れっこなのだ。
「さっきの断罪劇はなんだったのかという話の転換っぷりだね」
「だってだって、だって! リカルド殿下とはゆっくりと愛を育んでいたんですけど、お父様に結婚のご許可をいただきに帰ってきたら、まさかのアシェッド王太子とマリアンヌさんの結婚式と日にちがかぶっているんだもの! びっくりしたわ。マリアンヌさんのことはリカルド殿下が調べてくれていて、いつかアシェッド王太子との結婚は阻止しなくちゃと思っていたところだったから、慌ててこんな飛び入り断罪劇をやってしまいましたけれど。私を殺そうとしたことも怒ってやらなくちゃと思ってましたしね」
メリーウェザーはてへっと笑った。
クーデンベルグ公爵は苦笑した。
「彼らにとってはとんでもない飛び入り参加だっただろうが。しかし彼らの正体が分かってよかった。まあ、あの二人は殺人(未遂)罪でもう二度と外には出てこれんだろうがな」
メリーウェザーは微笑んだ。
「それでね、お父様。こちらがリカルド殿下。海竜族の長をされているんだけど」
「知っているよ」
「え? あ、それでさっき名前も……」
メリーウェザーは父の顔を見てから、ハッとしてリカルド殿下の方も見た。
リカルドもゆったりと微笑んでいる。
「知っている、クーデンベルグ公爵は海運を統べる政府の要職に就いておられるからね。何度か話し合いをした事がある。海竜の一族は海に強いから、貿易船の難破などで救助する機会がヒト族より多いからね」
「そうだったの!」
「あのマリアンヌって女の祖父の海賊の件もそうだよ。海賊の被害のことはよく把握していた。海竜族は嵐を呼べるから、海賊船を撃退するのも手伝ったりね。だからマリアンヌって女の素性を知ったときは呆れた」
リカルドは苦笑した。
「マリアンヌという女の親族の海賊まがいの船団は、今後まともに航海できないようにしてやろう」
「うわ。リカルド殿下ったらなかなかの強カードだったわ。そんなおまけ付きだとは思わなかった。というか、そんな協力関係にあったなんて知らなかったわ」
メリーウェザーは目を丸くした。
「ウォルトンと勉強したんじゃなかったのかい」
リカルドは悪戯っぽく目を細めた。
メリーウェザーは赤面する。
「ウォルトン秘書官には私が知らなかったことは内緒よ」
リカルドはクーデンベルグ公爵の方を向いた。
「クーデンベルグという名前であなたの娘さんだということは存じていた。殺されかかっていた手前、しばらく保護していたのだが。すまない、あなたには娘さんが生きていることをずっと黙っていた」
「いや、助けてくれて礼を言う。不肖の娘だが、これでも私にとっては世界一大事な娘でね」
「クーデンベルグ公爵。そういう言い方をするのはわざとですか? 私がどういう理由であなたを訪ねてきたかもう薄々お分かりだろうに」
リカルドは苦笑した。
クーデンベルグ公爵は楽しそうに笑った。
「じゃあ、改めて聞こう。どういった理由ですかな?」
「だから! 私、結婚したい人がいるって……!!!」
そうメリーウェザーが横から口を挟もうとしたので、リカルドはそっとメリーウェザーの腕をつついた。
「クーデンベルグ公爵は私に言わせたいんだよ」
「え……?」
メリーウェザーが怪訝そうに顔を上げたが、リカルドはメリーウェザーににこっと笑顔を向けた後、クーデンベルグ公爵の方を向いた。
「娘さんとの結婚を許していただけないでしょうか」
クーデンベルグ公爵はもうリカルドが言いはじめる前からニヤニヤしていたのだが、その言葉を聞くと嬉しそうに万歳をした。
「よかった、よかった! あのクズ王太子に散々イライラしていたところだったのだ! うちの娘ばっかり不幸な目に遭っていると神に文句を言おうと思っていた! ざまあみろ、神は見捨てなかった!」
「お父様、言い方……」
メリーウェザーがそっと父を窘める。
が、急にクーデンベルグ公爵は真面目な顔になって、
「しかし、リカルド殿、本当にうちの娘でいいんですかな? 流されやすそうに見えるわりには、わりかし性格は強めですぞ」
と念を押す。
リカルドは笑顔でゆったりと首を振った。
「私は彼女の逆境で挫けないところに惹かれたので」
「ふむ、なんだかんだへこたれないところはあるかな……」
とクーデンベルグ公爵はあごを撫でながらぶつぶつと相槌を打とうとしたとき、待ちきれないメリーウェザーが口を挟んだ。
「そういうのはもういいから。ねえ、お父様、結婚は認めてくださるわよね?」
クーデンベルグ公爵はせっかちのメリーウェザーに苦笑した。
「私に許可を? あんなに人前で堂々と宣言しておいて?」
メリーウェザーは赤くなった。
クーデンベルグ公爵は両腕を組んだ。
「クズ男にひどい目に遭ってたいへんだったろうから、今回はおまえの好きな通りにさせてやろうと思っている。リカルド殿、娘を頼みますよ」
リカルドは微笑み、メリーウェザーの肩に手を乗せた。
「ええ、頼まれますよ。海の発展にご尽力ください」
「何よ、結局政略結婚なの!?」
メリーウェザーが抗議の声をあげる。
それをリカルド殿下がそっと制した。
「いいや、私たちの愛が海上の友好関係を結ぶのさ」
「なんじゃそりゃ」
メリーウェザーは突っ込んで見せたが、まあそれも悪くないかもと思って、にっこりとリカルドに微笑みかけた。
人気が無くなるとクーデンベルグ公爵は「ふうっ」と大きくため息をつき、メリーウェザーの方を振り返った。
そして、
「娘よ。色々な目に遭ったようだな。つらかったろう。よく生きて帰ってきてくれた」
と目に涙を浮かべて娘との再会を喜んだ。
しかし、メリーウェザーの方は再会はまあ嬉しいことだったけれども、別の用件があって何やら気がそぞろである。
「お久しぶりですお父様。あのね、あのね、実は結婚を認めていただきたい方が!」
「は!? おまえ、いきなり……ああだが、分かっている、さっき言っていたリカルド殿下だね」
クーデンベルグ公爵は頷いた。
娘の脈絡のなさには慣れっこなのだ。
「さっきの断罪劇はなんだったのかという話の転換っぷりだね」
「だってだって、だって! リカルド殿下とはゆっくりと愛を育んでいたんですけど、お父様に結婚のご許可をいただきに帰ってきたら、まさかのアシェッド王太子とマリアンヌさんの結婚式と日にちがかぶっているんだもの! びっくりしたわ。マリアンヌさんのことはリカルド殿下が調べてくれていて、いつかアシェッド王太子との結婚は阻止しなくちゃと思っていたところだったから、慌ててこんな飛び入り断罪劇をやってしまいましたけれど。私を殺そうとしたことも怒ってやらなくちゃと思ってましたしね」
メリーウェザーはてへっと笑った。
クーデンベルグ公爵は苦笑した。
「彼らにとってはとんでもない飛び入り参加だっただろうが。しかし彼らの正体が分かってよかった。まあ、あの二人は殺人(未遂)罪でもう二度と外には出てこれんだろうがな」
メリーウェザーは微笑んだ。
「それでね、お父様。こちらがリカルド殿下。海竜族の長をされているんだけど」
「知っているよ」
「え? あ、それでさっき名前も……」
メリーウェザーは父の顔を見てから、ハッとしてリカルド殿下の方も見た。
リカルドもゆったりと微笑んでいる。
「知っている、クーデンベルグ公爵は海運を統べる政府の要職に就いておられるからね。何度か話し合いをした事がある。海竜の一族は海に強いから、貿易船の難破などで救助する機会がヒト族より多いからね」
「そうだったの!」
「あのマリアンヌって女の祖父の海賊の件もそうだよ。海賊の被害のことはよく把握していた。海竜族は嵐を呼べるから、海賊船を撃退するのも手伝ったりね。だからマリアンヌって女の素性を知ったときは呆れた」
リカルドは苦笑した。
「マリアンヌという女の親族の海賊まがいの船団は、今後まともに航海できないようにしてやろう」
「うわ。リカルド殿下ったらなかなかの強カードだったわ。そんなおまけ付きだとは思わなかった。というか、そんな協力関係にあったなんて知らなかったわ」
メリーウェザーは目を丸くした。
「ウォルトンと勉強したんじゃなかったのかい」
リカルドは悪戯っぽく目を細めた。
メリーウェザーは赤面する。
「ウォルトン秘書官には私が知らなかったことは内緒よ」
リカルドはクーデンベルグ公爵の方を向いた。
「クーデンベルグという名前であなたの娘さんだということは存じていた。殺されかかっていた手前、しばらく保護していたのだが。すまない、あなたには娘さんが生きていることをずっと黙っていた」
「いや、助けてくれて礼を言う。不肖の娘だが、これでも私にとっては世界一大事な娘でね」
「クーデンベルグ公爵。そういう言い方をするのはわざとですか? 私がどういう理由であなたを訪ねてきたかもう薄々お分かりだろうに」
リカルドは苦笑した。
クーデンベルグ公爵は楽しそうに笑った。
「じゃあ、改めて聞こう。どういった理由ですかな?」
「だから! 私、結婚したい人がいるって……!!!」
そうメリーウェザーが横から口を挟もうとしたので、リカルドはそっとメリーウェザーの腕をつついた。
「クーデンベルグ公爵は私に言わせたいんだよ」
「え……?」
メリーウェザーが怪訝そうに顔を上げたが、リカルドはメリーウェザーににこっと笑顔を向けた後、クーデンベルグ公爵の方を向いた。
「娘さんとの結婚を許していただけないでしょうか」
クーデンベルグ公爵はもうリカルドが言いはじめる前からニヤニヤしていたのだが、その言葉を聞くと嬉しそうに万歳をした。
「よかった、よかった! あのクズ王太子に散々イライラしていたところだったのだ! うちの娘ばっかり不幸な目に遭っていると神に文句を言おうと思っていた! ざまあみろ、神は見捨てなかった!」
「お父様、言い方……」
メリーウェザーがそっと父を窘める。
が、急にクーデンベルグ公爵は真面目な顔になって、
「しかし、リカルド殿、本当にうちの娘でいいんですかな? 流されやすそうに見えるわりには、わりかし性格は強めですぞ」
と念を押す。
リカルドは笑顔でゆったりと首を振った。
「私は彼女の逆境で挫けないところに惹かれたので」
「ふむ、なんだかんだへこたれないところはあるかな……」
とクーデンベルグ公爵はあごを撫でながらぶつぶつと相槌を打とうとしたとき、待ちきれないメリーウェザーが口を挟んだ。
「そういうのはもういいから。ねえ、お父様、結婚は認めてくださるわよね?」
クーデンベルグ公爵はせっかちのメリーウェザーに苦笑した。
「私に許可を? あんなに人前で堂々と宣言しておいて?」
メリーウェザーは赤くなった。
クーデンベルグ公爵は両腕を組んだ。
「クズ男にひどい目に遭ってたいへんだったろうから、今回はおまえの好きな通りにさせてやろうと思っている。リカルド殿、娘を頼みますよ」
リカルドは微笑み、メリーウェザーの肩に手を乗せた。
「ええ、頼まれますよ。海の発展にご尽力ください」
「何よ、結局政略結婚なの!?」
メリーウェザーが抗議の声をあげる。
それをリカルド殿下がそっと制した。
「いいや、私たちの愛が海上の友好関係を結ぶのさ」
「なんじゃそりゃ」
メリーウェザーは突っ込んで見せたが、まあそれも悪くないかもと思って、にっこりとリカルドに微笑みかけた。
24
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。
aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
無能な悪役令嬢は静かに暮らしたいだけなのに、超有能な側近たちの勘違いで救国の聖女になってしまいました
黒崎隼人
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私の夢は、破滅フラグを回避して「悠々自適なニート生活」を送ること!そのために王太子との婚約を破棄しようとしただけなのに…「疲れたわ」と呟けば政敵が消え、「甘いものが食べたい」と言えば新商品が国を潤し、「虫が嫌」と漏らせば魔物の巣が消滅!? 私は何もしていないのに、超有能な側近たちの暴走(という名の忠誠心)が止まらない!やめて!私は聖女でも策略家でもない、ただの無能な怠け者なのよ!本人の意思とは裏腹に、勘違いで国を救ってしまう悪役令嬢の、全力で何もしない救国ファンタジー、ここに開幕!
離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる!
前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。
「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。
一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……?
これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる