4 / 22
4.なんで浮気相手に順位つけさせられる?
しおりを挟む
さて、リリーのことをつらつらと説明したけれど、私は結局元夫の謝罪など何も受け入れず、ぱぱっと元夫を追い出した。
元夫の要求など理解できるはずありませんものね。
とはいえ、まぁそうやって夫をあっさりと突き放してみせた私だったけれど、しかし実際は心の中はモヤモヤしていた。
浮気で離婚しておいて、リリー目当てに復縁を願うだなんて、馬鹿にしているとしか思えないではないか!
それで、私はすっきりしないこの気持ちをリリーにまた埋めてもらおうと思った。
しかし、呼べども呼べども、リリーは来ない。
侍女たちにリリーを見かけたかと聞いても、みんな首をかしげるばかりである。
なんてことだ! リリーが行方不明!?
確かに昼、元夫の訪問時に退屈そうに部屋を出て行ってから、姿を見ていない。気まぐれな猫のことだしどっかに遊びに行ってるんでしょうと思っていたけど、夕方なっても帰らないことはこれまでなかった。
「もう、どこに行ったのよ」
と言いかけて、私はピンときた。
元夫か!? あの人が盗んだんじゃないかしら!
だってあの人は今日この邸を訪れていたもの。そしてその日にリリーがいなくなるなんて、タイミングが合いすぎるわ。
きっとうまいこと隙を見て連れて行ったのよ。
何ならこの邸を訪問したのは、謝罪のためなんかではなく、はなからリリーを盗むためだったんじゃないかしら?
私はさすがにいらいらした。
「浮気しておきながら、リリーを理由によりを戻そうとして。そしてついにはリリーを盗むなんて。どこまで人の道を逸れたら気が済むのかしら!」
私は、もう夜が近づいている時間だったけど、翌日まで待てばどんな隠蔽工作をされることかと心配して、元夫の邸に押しかけた。
一応使いの者は先に出しておいたけど、勢い任せの私の馬車は思ったより早く着いて、ほぼ突撃した形になっていた。
「ちょっと! ご用件があるんですけど!」
離婚した元嫁が押しかけて来たとなって、元夫の執事が顔色を変えて飛び出してきた。
「すぐに元夫に取り次いでちょうだい」
と私が言うと、執事は畏まって、すぐに下男に指示を出すと、自身は気を落ち着かせて、私を最上級の応接室に通した。
私はちょっと感慨深いものがあった。
ちょっと前までこの屋敷の女主人だったのに、今は応接室に通される身分になったなんて、なんだか変な気分ね。本当に離婚したんだわね。というか、結婚してたんだ。
私が応接室に入るかどうかのタイミングで、元夫がひどい形相で息せき切って応接室に飛び込んできた。
「リリーちゃんが行方不明だと!?」
私は元夫のその様子を見て、犯人は元夫じゃないことを悟った。
「あ、違うのね。じゃあいいです」
「何がじゃあいいです、だ! 状況を説明しろ! いつからいないんだ!」
「昼間はいましたよ。それはあなたもご存じでしょう?」
「そのあといなくなったのか?」
「みたいですね」
私はあんまり元夫と話すと疲れるので、さっさと切り上げたいオーラを前面に出して答えた。
元夫は、何か言いたげだったが、ぐっと口を噤んだ。
そのとき私はようやく元夫の姿をまじまじと見つめた。
もう夕刻で、この後の予定はないのだろう、寝間着は着ていなかったが、だいぶ寛いだ恰好をしていた。ガウンの前が少しはだけている。
髪の毛は相変わらず魔王みたいだったので、私は思わず苦笑した。
私たちは見つめ合っていた。
一体、夫婦やりながら何回こんなふうに目を見た事があったろう? 私は少し残念に思った。
「じゃ、探さなくちゃいけないので」
私はお暇しようとした。
すると元夫が慌てて口を開いた。
「ちょっと待て。心当たりがある」
私は驚いた。
「心当たりがあるならもっと早く言ってちょうだいよ」
「今、思いついたんだ。マリネットに違いない」
「マリネットさん? 何で?」
「嫉妬だろう。私が邸から追い出したものだから」
「マリネットさんはリリーのことは知ってるの?」
「知っていると思う。ストーカー行為も平気な人だから。これも見ているだろう」
そういって元夫は胸元からロケットのペンダントを取り出した。
かっこつけてぱちんとロケットを開くと、中にはリリーの姿絵が入っていた。しかも両面。
「ああ、これは……ねえ」
私は呆れて何とも言えない返事をした。
そしてこのロケットの中身を見ただろうマリネットさんに思いを馳せた。ストーカーかあ。つくづく、マリネットさんってアレな方だと思う。でも中身が猫で、彼女どんな風に思ったかしら?
「リリーちゃんは世にも稀な姿かたちをしている(※いや、ぱっと見は普通の白い長毛種……)。すぐに特定され、捕まってしまったに違いない!」
「じゃあすぐに取り戻して……」
と言いかけて私はやめた。
元夫が取り返したら、元夫はそのまま猫糞すると思ったから。
「ああ、もういいです。あとは私が……」
と私が言いかけると、元夫は私の考えが分かったらしい。
「あ、今、私がリリーちゃんを返さないと思っただろう」
「ええ、そう思いましたよ。その通りでしょ。返すと思える理由がどこにも見当たらない!」
私がつんとして言い返すと元夫もむっとした顔をした。
「なんだと!? 私を愚弄するのか」
「しますよ。3人もの方と浮気しくさって離婚したのに、猫を理由に復縁しようとして。あなたちょっと自由過ぎやしませんか」
「ん? おまえ、私の浮気を知っていたのか?」
「知っていましたとも。というか、バレてないと思ってらした?」
「いや、私に興味があったとは知らなかった」
「なんですって!? 仮にも夫婦だったのに!?」
「夫婦だと思っていてくれたのか?」
「夫婦じゃなかったら、じゃあ何なんですかー!」
私は呆れ返って思わず大声をあげてしまった。
元夫は驚いて、それから目をぱちぱちさせた。そして、気まずそうに答えた。
「……紙切れ一枚の、入籍」
「はい? ……えっと、入籍に違いはありませんけれども」
私は大声を出したことを少し恥ずかしく思いながらふいっと横を向いた。
元夫が黙ったまま私の方を眺めているのが分かった。私はそれを少し居心地悪く感じていると、不意に元夫が口を開いた。
「おまえが私の歴代恋人を知っていたとはね。で、誰が一番いい女だと思った?」
私はパッと元夫を振り返った。
「は? あなた気が狂っているの? なんで元妻に浮気相手の品定めをさせるんですか!」
「聞いているんだよ」
元夫は心なしか目を輝かせながら繰り返した。私が誰の名前を言うか興味があるようだった。
私は心底ばかばかしいと思った。こちらを舐めている元夫なんかに構う必要はないと思った。そう、今はリリーを探しに行かねばならないのだから!
「一番いい女はどう考えたって私ですよ。私は浮気女なんかじゃなくて正妻だったんですからね。心ある人間としてあなたは私を大事にすべきでした」
私はずっと言いたかった一言を言った。
そして言ってしまってから少し後悔して、慌てて口を噤むとくるりと背を向けた。
「……もう離縁した後ですから言っても意味がありませんけど。では、ごきげんよう」
元夫はまさか私に「私ですよ」と返されるとは思っていなかったようだ。
「待てっ」
と声をあげた。
とその時。
応接室に元夫の執事が駆け込んできた。扉が勢いよく開かれたので、元夫と私は驚いた。
この執事は普段は人形かと思うくらい感情を押し殺しているのに、だ。
元夫は驚きの色を隠しもせず
「どうした?」
と聞いた。
執事は、驚かせてしまったことで自分の取り乱しように気付いたらしい。ごくんと一息飲み込むと、また取り澄ました顔をした。
「すみませんでした。あの……旦那様、マリネット様が自殺未遂なさったようで」
こんな時分になんという知らせか。マリネットさんが自殺未遂だなんて!?
元夫の要求など理解できるはずありませんものね。
とはいえ、まぁそうやって夫をあっさりと突き放してみせた私だったけれど、しかし実際は心の中はモヤモヤしていた。
浮気で離婚しておいて、リリー目当てに復縁を願うだなんて、馬鹿にしているとしか思えないではないか!
それで、私はすっきりしないこの気持ちをリリーにまた埋めてもらおうと思った。
しかし、呼べども呼べども、リリーは来ない。
侍女たちにリリーを見かけたかと聞いても、みんな首をかしげるばかりである。
なんてことだ! リリーが行方不明!?
確かに昼、元夫の訪問時に退屈そうに部屋を出て行ってから、姿を見ていない。気まぐれな猫のことだしどっかに遊びに行ってるんでしょうと思っていたけど、夕方なっても帰らないことはこれまでなかった。
「もう、どこに行ったのよ」
と言いかけて、私はピンときた。
元夫か!? あの人が盗んだんじゃないかしら!
だってあの人は今日この邸を訪れていたもの。そしてその日にリリーがいなくなるなんて、タイミングが合いすぎるわ。
きっとうまいこと隙を見て連れて行ったのよ。
何ならこの邸を訪問したのは、謝罪のためなんかではなく、はなからリリーを盗むためだったんじゃないかしら?
私はさすがにいらいらした。
「浮気しておきながら、リリーを理由によりを戻そうとして。そしてついにはリリーを盗むなんて。どこまで人の道を逸れたら気が済むのかしら!」
私は、もう夜が近づいている時間だったけど、翌日まで待てばどんな隠蔽工作をされることかと心配して、元夫の邸に押しかけた。
一応使いの者は先に出しておいたけど、勢い任せの私の馬車は思ったより早く着いて、ほぼ突撃した形になっていた。
「ちょっと! ご用件があるんですけど!」
離婚した元嫁が押しかけて来たとなって、元夫の執事が顔色を変えて飛び出してきた。
「すぐに元夫に取り次いでちょうだい」
と私が言うと、執事は畏まって、すぐに下男に指示を出すと、自身は気を落ち着かせて、私を最上級の応接室に通した。
私はちょっと感慨深いものがあった。
ちょっと前までこの屋敷の女主人だったのに、今は応接室に通される身分になったなんて、なんだか変な気分ね。本当に離婚したんだわね。というか、結婚してたんだ。
私が応接室に入るかどうかのタイミングで、元夫がひどい形相で息せき切って応接室に飛び込んできた。
「リリーちゃんが行方不明だと!?」
私は元夫のその様子を見て、犯人は元夫じゃないことを悟った。
「あ、違うのね。じゃあいいです」
「何がじゃあいいです、だ! 状況を説明しろ! いつからいないんだ!」
「昼間はいましたよ。それはあなたもご存じでしょう?」
「そのあといなくなったのか?」
「みたいですね」
私はあんまり元夫と話すと疲れるので、さっさと切り上げたいオーラを前面に出して答えた。
元夫は、何か言いたげだったが、ぐっと口を噤んだ。
そのとき私はようやく元夫の姿をまじまじと見つめた。
もう夕刻で、この後の予定はないのだろう、寝間着は着ていなかったが、だいぶ寛いだ恰好をしていた。ガウンの前が少しはだけている。
髪の毛は相変わらず魔王みたいだったので、私は思わず苦笑した。
私たちは見つめ合っていた。
一体、夫婦やりながら何回こんなふうに目を見た事があったろう? 私は少し残念に思った。
「じゃ、探さなくちゃいけないので」
私はお暇しようとした。
すると元夫が慌てて口を開いた。
「ちょっと待て。心当たりがある」
私は驚いた。
「心当たりがあるならもっと早く言ってちょうだいよ」
「今、思いついたんだ。マリネットに違いない」
「マリネットさん? 何で?」
「嫉妬だろう。私が邸から追い出したものだから」
「マリネットさんはリリーのことは知ってるの?」
「知っていると思う。ストーカー行為も平気な人だから。これも見ているだろう」
そういって元夫は胸元からロケットのペンダントを取り出した。
かっこつけてぱちんとロケットを開くと、中にはリリーの姿絵が入っていた。しかも両面。
「ああ、これは……ねえ」
私は呆れて何とも言えない返事をした。
そしてこのロケットの中身を見ただろうマリネットさんに思いを馳せた。ストーカーかあ。つくづく、マリネットさんってアレな方だと思う。でも中身が猫で、彼女どんな風に思ったかしら?
「リリーちゃんは世にも稀な姿かたちをしている(※いや、ぱっと見は普通の白い長毛種……)。すぐに特定され、捕まってしまったに違いない!」
「じゃあすぐに取り戻して……」
と言いかけて私はやめた。
元夫が取り返したら、元夫はそのまま猫糞すると思ったから。
「ああ、もういいです。あとは私が……」
と私が言いかけると、元夫は私の考えが分かったらしい。
「あ、今、私がリリーちゃんを返さないと思っただろう」
「ええ、そう思いましたよ。その通りでしょ。返すと思える理由がどこにも見当たらない!」
私がつんとして言い返すと元夫もむっとした顔をした。
「なんだと!? 私を愚弄するのか」
「しますよ。3人もの方と浮気しくさって離婚したのに、猫を理由に復縁しようとして。あなたちょっと自由過ぎやしませんか」
「ん? おまえ、私の浮気を知っていたのか?」
「知っていましたとも。というか、バレてないと思ってらした?」
「いや、私に興味があったとは知らなかった」
「なんですって!? 仮にも夫婦だったのに!?」
「夫婦だと思っていてくれたのか?」
「夫婦じゃなかったら、じゃあ何なんですかー!」
私は呆れ返って思わず大声をあげてしまった。
元夫は驚いて、それから目をぱちぱちさせた。そして、気まずそうに答えた。
「……紙切れ一枚の、入籍」
「はい? ……えっと、入籍に違いはありませんけれども」
私は大声を出したことを少し恥ずかしく思いながらふいっと横を向いた。
元夫が黙ったまま私の方を眺めているのが分かった。私はそれを少し居心地悪く感じていると、不意に元夫が口を開いた。
「おまえが私の歴代恋人を知っていたとはね。で、誰が一番いい女だと思った?」
私はパッと元夫を振り返った。
「は? あなた気が狂っているの? なんで元妻に浮気相手の品定めをさせるんですか!」
「聞いているんだよ」
元夫は心なしか目を輝かせながら繰り返した。私が誰の名前を言うか興味があるようだった。
私は心底ばかばかしいと思った。こちらを舐めている元夫なんかに構う必要はないと思った。そう、今はリリーを探しに行かねばならないのだから!
「一番いい女はどう考えたって私ですよ。私は浮気女なんかじゃなくて正妻だったんですからね。心ある人間としてあなたは私を大事にすべきでした」
私はずっと言いたかった一言を言った。
そして言ってしまってから少し後悔して、慌てて口を噤むとくるりと背を向けた。
「……もう離縁した後ですから言っても意味がありませんけど。では、ごきげんよう」
元夫はまさか私に「私ですよ」と返されるとは思っていなかったようだ。
「待てっ」
と声をあげた。
とその時。
応接室に元夫の執事が駆け込んできた。扉が勢いよく開かれたので、元夫と私は驚いた。
この執事は普段は人形かと思うくらい感情を押し殺しているのに、だ。
元夫は驚きの色を隠しもせず
「どうした?」
と聞いた。
執事は、驚かせてしまったことで自分の取り乱しように気付いたらしい。ごくんと一息飲み込むと、また取り澄ました顔をした。
「すみませんでした。あの……旦那様、マリネット様が自殺未遂なさったようで」
こんな時分になんという知らせか。マリネットさんが自殺未遂だなんて!?
58
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?
3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。
相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。
あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。
それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。
だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。
その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。
その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。
だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。
貧乏伯爵家の妾腹の子として生まれましたが、何故か王子殿下の妻に選ばれました。
木山楽斗
恋愛
アルフェンド伯爵家の妾の子として生まれたエノフィアは、軟禁に近い状態で生活を送っていた。
伯爵家の人々は決して彼女を伯爵家の一員として認めず、彼女を閉じ込めていたのである。
そんな彼女は、ある日伯爵家から追放されることになった。アルフェンド伯爵家の財政は火の車であり、妾の子である彼女は切り捨てられることになったのだ。
しかし同時に、彼女を訪ねてくる人が人がいた。それは、王国の第三王子であるゼルーグである。
ゼルーグは、エノフィアを妻に迎えるつもりだった。
妾の子であり、伯爵家からも疎まれていた自分が何故、そんな疑問を覚えながらもエノフィアはゼルーグの話を聞くのだった。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる