滅亡の天獄

フライハイト

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8話 初日

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入学式の後は教室に戻り簡単なガイダンスをしてすぐ下校になった。

その日は特に何も無く一日を終え、次の日になり今日から早速授業があるようだ。

朝のルーティンを終えて学園に登校し、今は自分の席でまた窓の外を黄昏ている。

自分以外のクラスメイトはお話で賑わっている。

正直、僕は友達を作ろうとは思わない。

何故なら邪魔だからだ。

僕は実力、そして裏の顔をを隠している。

親しい者を作ればいつか必ずボロが出る。

そんなことにならないためにもできるだけ誰にも関わらず学園生活を送りたい。

そんなことを考えていると

「皆さん、おはようございます!今日から授業が始まりますよ!」

先生こと、マリナ先生が教室に挨拶をしながら入ってくる。

クラスメイトたちは各々自身の席に着く。

「えー朝のホームルームを始めます。」

ホームルームでは今日は初めての授業があるということで簡単な説明を受け、今日ある授業を聞いた。

他にも色々説明を受け朝のホームルームは終了した。

「ではホームルームを終わります。1限目は魔術の実技ですので皆さん訓練場に向かってください。」

皆んな席を立ち上がり訓練場に向かいだす。

さて、僕も向かうとしよう。

訓練場までは少し教室から離れているが休み時間が長めなので少し余裕があった。

訓練場に着くとまずその広さには圧巻だ、一度、入学試験の時に入っているが今一度見ると驚かされる。

訓練場に着くとクラスメイトたちはガヤガヤと話をしていた。

教室ではずっと外を見ていたから気づいていなかったが、こう広い場所だともうグループができているのがわかる。

その中で僕は一人、端の方で目立たないように立っている。

すると話し声が聞こえてきた。

「ねえ、スキアー家の養子が一人ですわよ。」
「かわいそうですわね。」
「あいつ入試では筆記は凄かったらしいが実技はまるでダメだったらしいぞ。」
「マジかよ、辺境伯だろ?国の武力の要じゃないか。」
「それは、今からの授業が楽しみだな。」
「スキアー家というだけでも浮く原因なのにそのような形でこのAクラスいるとはますます浮きますわね。」

まあ、このような陰口?が出てくるのは多少仕方ないだろう。

そのうち慣れるだろうしあまり気にする気は無い。

そういえば昨日話しかけてきた隣の席のケイン・ブラウンはどうだろう。

探してみると少し離れた場所でクラスメイトと話している姿があった。

昨日の様子から浮くかと思われたが、そうでも無いようだ。

自身の身分を弁えつつ、上手く立ち回っているようだ。

ゴォォーン!ゴォォーン!

授業開始の鐘が鳴る。

鐘の音と同時に訓練場に男の先生が入ってきた。

「注目!」

見た目は40代半ばといったところだろうか、メガネをかけており優しそうな雰囲気を醸し出していて。少し細身の男の先生だ。

「私はマギ・ウィザール、魔導士だが此処では基礎魔術の実技講師としてお前たちを指導していく。」

なるほど魔導士か、いかにもって感じだな。

この学園に入学したものの大半は魔術師となり公務員に就職する。

魔術師とは魔力を使う術を身につけたものの総称。

魔術師にも種類があり大きく分けて5種。

まずは魔導士、魔導士は魔術を極めた者がなる。

魔導士にも色々細かく役割があるが魔術だけを使うのが魔導士だ。

二つ目は魔剣士、魔剣士は主に剣術と魔術、身体強化を織り交ぜ戦う者だ。

三つ目は魔弓士、魔弓士は弓術と魔術を主に織り交ぜて戦う者。

四つ目は魔拳士、身体強化と魔術を主に織り交ぜ戦う者。

五つ目はここ最近新しくできた魔銃士、魔銃士は魔銃と魔術を織り交ぜ戦う者。

威力や全体的な火力は魔弓士に劣るものの戦術に汎用性が魔弓士比べ幅広いのが特徴だ。

「まずは、そうだな、、君たちの大体の技量は入試成績で確認しているが実際に見てみようと思う。今から一人ずつ呼ぶから私に得意な魔術を放て。まずはソウシ・サカバリー。」

一人目に呼ばれたのはサカバリー伯爵家のソウシ・サカバリー。

呼ばれる順はおそらく入試の成績順だろうことがそれで分かった。

ソウシ・サカバリーはこのAクラスでは最も入試成績が良かった生徒だ。

正直あまりいい噂を聞かない一家だが、魔術の腕前はどうだろう。

「ソウシ・サカバリーです。」
「よし、放て。」

サカバリーは先生の前に立ち、炎魔術"フレイムスピアー"を放つ。

「はぁ!」

放たれた炎の槍は先生に向かって一直線に飛んでいく。

そして槍が先生に当たる前に激しい風が発生した。

「なっ!」

先生の周りには激しい風が吹いていてそれがファイアースピアーを弾いたようだ。

「これは風魔術"ウィンドブロック"私は以前騎士団に所属していた。君たち新入生のヘナヘナの魔術を防ぐことなど容易い。後に続くものも安心して私に魔術を放て。では次は・・・」

その後も先生が生徒の名前を呼び呼ばれた生徒は自分の得意な魔術を放つ。

それを繰り返した。

「最後に、アゼル・スキアー。」

まあ、案の定最後に呼ばれた。

実技はおそらくこのクラスでは最下位なのは間違いないだろうから。

「はい。」

返事をして先生の前に立つ。

「何時でもいい、自分のペースで放て。」
「分かりました。」

正直、ただ手を抜くだけじゃ面白く無い。

わざと思い切り普通に放つよりも難しいくらい下手な魔術を放ってやろう。

『ワールド・フォーミュラー・リプレイス・フリーズ・ロック・フェノメノン』

氷塊を一つ生成。

『ディスチャージ』

放った氷塊は不安定な軌道で、なおかつ速度がかなり遅かった。

正直言って及第点ってところだ。

もう少し不自然感をなくすことができたはずだと心の中でつぶやく。

そして氷塊だが先生がウィンドブロックを発動するまでもなく体に当たっただけで砕け散った。

強度は結構上手く弱められたみたいだ。

「何あれ、どうやったらあんなへなちょこな魔術になるの?」
「本当だ、同じAクラスとは思えない。」

周りからわそんな話し声が、ヒソヒソとかではなくしっかりと聞こえる声量だった。

「まあ気に病むことはない、魔術はこれから伸ばしていけばいい。」

何か先生がフォローしてくれているが正直どうでも良い。

僕にとっては茶番でしかない。

まあ一応、フォローしてくれたため礼はしておくとしよう。

「ありがとうございます。」

ゴォォーン、ゴォォーン。

ちょうど授業終わりの金がなる。

「よし、本日はここまで次の授業に遅れないように!」

そうして、皆んなは次の授業に向かう。

そして僕は思った。

毎日こんな茶番をするのはちょっと疲れるかもと。
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