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第零章

蘇った断片

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「お母さん、皆んなと遊んでくるね!」

僕は、お母さんに皆んなと遊んでくる事を伝えて、出かけた。
村の広場に行くと皆んなが僕を待っていた。

「遅いぞメッシュ!みんな待ちくたびれちまったよ」
「ごめーん」

僕は皆んなに謝った。僕に一番に声こかけたのがエーブル、金色の髪をしている。年は僕よりも一つ上

「まあまあ、メッシュが遅いのはいつものことでしょ」
「まあ、メッシュの家って村の端だもんな」
「許してやるか」

僕を庇ってくれたのは、金髪のショートヘアーの女の子はエメルだ。

この二人は双子の兄妹なのだが先にエーブルが生まれて年を跨いだので僕と同年代だ。エメルはいつも僕に優しい。

「そんな事より今日は何して遊ぶの?」

そして最後に、コールド

蒼色の髪をしていて少しクールな性格をしている。

ちなみに同い年。

「よし、今日は鬼ごっこしようぜ」

エーブルが、鬼ごっこを提案して来た。

特に反対する理由もないから賛成しておく。

「いいじゃんやろうやろう」
「じゃあ誰が鬼をやるの?」

コールドとエメルも賛成のようだ。

まあここは無難にじゃんけんと提案しておこう。

「じゃあここはじゃんけんにしよう」

皆んなはじゃんけんに賛成した。

「じゃあいくよ、じゃんけん、、ぽん!」

エメルが掛け声をして皆んな同時に手を出した。

僕とエメル、コールドはチョキ、エーブルだけがパーを出した。

「くっそぉー」
「じゃ、お兄ちゃん鬼、頑張ってねー」

エーブルが十数え始めた瞬間にみんな逃げ始めた。

範囲は村の四分の一なので意外と広い。

なので僕らの鬼ごっこは結構長引く。

そして、案の定、最後にエメルを捕まえる時には日が落ち始めていた。

「やっと捕まえたぜ、エメルの逃げ足速すぎだろ」

エーブルは息を切らしながらとても苦しそうにしている。

「エメルを追いかけてる時間がほとんどだったね」
「僕たち女の子に負けちまったな」

息を切らしている二人を僕とコールドは並んで情けなく立ち尽くしていた。
そんな時、

「やあ、君たちもう日が暮れかけているよ、子供は危ないから早く家に帰りなさい!」

僕たちに声をかけて来たのは、この村からは離れて魔境森林の近くに住んでいるアークおじさんだった。

アークおじさんは見た目は30代後半で鍛え上げられた体をしている。

時々この村に顔を出しに来て、食べ物などの生活用品を買いに来る。

「あ、アークおじさんだ、こんにちは」
『こんにちは』

エメルが最初に挨拶をして、それに続いて僕たちも挨拶をする。

「はいこんにちは」

アークおじさんも僕たちに挨拶を、返す。

「なんでアークおじさんがいるの、この前来たばかりだよね」
「いや少し村長に用があってね。村長は今、村にいるかい?」
「うん、いるよ」

エーブルがアークおじさんの問いに答えた。

「そうか、ありがとう。もういいから君たちは早く帰りなさいおうちの人が心配するよ」
『はーい』

皆んなはアークおじさんに言われたとおり皆んなバイバイをして帰路についた。

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皆んなが別れた後、アークは村長の元に向かおうとした。その時、

「ん?」

アークはなにかを感じ取った。

そして村長と家に行く道をすぐに振り返り、メッシュの家へと猛ダッシュした。

「間に合ってくれ!」

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「お母さん、ただいまー、聞いて聞いて、村にアークおじさんが来てた、、よって、え?」

メッシュは突然の光景に理解が追いつかないでいた。

目の前で母親が何者かにナイフで刺されていたのだ。

「メッシュ、、逃げて」

マリーが手を伸ばし最後の力を振り絞ってメッシュにそう言った。

「おっ、ラッキー探さずに済んだじゃん」
「おいガキそこを動くなよ」

メッシュは目の前の光景を見てまだ混乱していた。

そして、近づいてきた細身の男に、腹を刺された。

その時、激痛と恐怖、絶望感に襲われた。

「おっと、傷つけてしまったな」
「ちょっと勘弁してくれよ。せっかくの商品なのに」
「まあ、取り押さえるにはちょうどいいだろう。回復魔法を後でかければいいだろう。」
「それもそうだな。」

二人の男たちは少し焦った様子をしていたが、メッシュはそれどころではなく、
メッシュの目からは段々光が失われて行く。

だが、次の瞬間メッシュの黒かった右目の瞳がだんだん紅蓮に染まって行く。

「うわぁぁぁー」

メッシュは突然叫び声を上げた。そして、みるみる傷が治っていく。

「なんだなんだ?どうなっていやがる?」

男たちは混乱して状況が掴めないでいた。

「ガキ、なにをした!?」

そして男たちはメッシュの右目を見た。

「なんだあの目は?」

細身の男が理解不能の表情を浮かべて言った。

そしてその瞬間、細身の男の右手がなくなっていた。

「くぅっ」

細身の男は右手を押さえてひざをついた。

「このやろー。何しやがる!」

堅いのいい男が、殴りかかろうとした時だった。

メッシュの両手のひらから紅蓮の刃が浮き出ていた。

そしてメッシュが手を振った瞬間、男の首は胴体から切り離された。

「なんだ、と」

それを見た細身の男は魔法を使おうとした。

だが、そのとき、メッシュから流れ出た血が燃えた。

「熱い熱いぃぃ!」

メッシュの返り血を浴びていた男は燃えた血によって灰になり骨だけとなった。

燃えた血から家に引火し燃え盛る中メッシュは母親、マリーの元へ近づく。

だが、メッシュはその途中で倒れてしまった。
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