Lost Chaos〜本当の英雄とはなんなのか?〜

フライハイト

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第一章

思い出す幼少期

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俺たちはオーガを倒した後、森の外へ向けて歩いていた。

その間、シニーは俺とは一定の距離をあけて俺の後ろを着いてきていた。

「どうしてそんなに離れているんだ?」
「いや、その、、」

俺は立ち止まり何故距離を空けるのかシニーに問いかける。

「貴方には迷惑をかけたし他にも失礼な態度を取ったし、」
「なんだそんなことか、まあ気にするな。俺は全然気にしてないし」
「でも、」

気にするなと言っても俯いて申し訳なさそうにしている彼女を見てなんか俺が悪いことをしたような気になってきた。

「ほら、もう良いからいくぞっ」
「あ、ちょっと」

俺はシニーの手を掴み半ば強引に引っ張る。

またしばらく沈黙が続く。

正直言ってこういう空気は苦手だ。

なんとか話の種を作ろうと考えていると先にシニーの方が口を開いた。

「貴方さっきの紅いのはなんなの?」
「ああ、あれか。それはこういうことだ」
「!?」

俺は彼女の方を向き紅く染まった眼を見せる。

「それはもしかして?」
「そうだ、これは吸血鬼の怪眼だ。これのおかげで俺は吸血鬼の能力を使うことができる。この世界で開眼したのは俺が2人目らしいが」

俺はシニーに俺が怪眼の開眼者ということを打ち明けた。

まあ目の前で使っているところを見られたので仕方がないだろう。

そしてシニーは俯き、まだ何か聞きたそうな表情をしていた。

「まだ何か俺に聞きたいことがあるのか?」
「うん」

シニーは小さな声で小さく頷いた。

そしてシニーは予想外のことを聞いてきた。

「昔、小さい頃この髪色と同じ女の子を魔鏡森林で助けたことはない?」

シニーは自分の髪を撫でながらそう呟く。

そして俺はシニーの髪を見つめ記憶を遡る。

すると確かに昔、初めて魔鏡森林で修行しに入った時、それと同じ髪色をした小さな女の子を助けた記憶があった。

「まさか!?」
「そう、多分それ私」
「マジか、」

俺はびっくりして上手く思考が回らない。

「私ね、貴方の剣を見て私も剣を握ろうと思ったの」
「えっ?確か逃げたはずじゃ?」

確かあの時俺は女の子をオークから逃したはず、ならば俺の剣を見れるはずはない。

俺は疑問になりつつシニーの話に耳を傾ける。

「あの時、私は確かに一度逃げたの。でも貴方が心配になって戻ったの。そこで貴方はオークとの戦いでボロボロになっていた。助けなきゃって私は思ったけど初めて見る魔物に怯えて無理だった。だけど貴方は諦めずにオークに立ち向かった。その時思ったの美しいって。そして貴方が急にオークに突っ込んだと思ったら気づいたら体が吹き飛んでいてそこから私の記憶は途切れてる」
「・・・」

正直めちゃくちゃ驚いている。

あの時助けた女の子とこんなところで再開するとは夢にも思ってなかった。

「さっき貴方がオーガと戦っている姿があまりにもあの時と重なったの。それで私は貴方があの時助けてくれた男の子だって」

そう彼女が言い終えた後俺は立ち止まった。

「ちょっとどうしたの?」

俺は体ごと彼女の方に向き、こう呟く。

「無事で良かった、本当に良かった。あの後ちゃんと逃げ切れていたのか心配だったんだ」

俺は彼女を咄嗟に抱きしめ涙をこぼす。

「ちょっと何?!」
「よかった、よかった、、」

あの女の子のことが頭の片隅でいつも気になっていた。

ちゃんと逃げられたのか今はどうしているのか気になって寝られない夜だってあった。

「ちょっと話しなさいよ、って貴方泣いてるの?」

彼女は抱きついた俺を剥がそうとするがその手は俺の背中へ回される。

「もう泣かなくていいから私は無事だったんだから」

俺は彼女を離し、涙を裾で拭い、彼女の方を見る。

「もう、泣くほどのことじゃないのに」
「いいだろう別に」

シニーは笑顔を浮かべ泣いた俺をからかう、だがそれは意外にも心地いいものだった。

「ほら、行きましょうお爺様が心配しているわ」
「そうだな」

さっきとは逆になり俺が彼女に手を引かれる。

そうしているうちに森の外へ出ることができちょうどそこには学園長がいてそのまま事情や報告をした。

その時、学園長には森から出てきた時何故手を繋いでいたのか聞かれたが俺たちは顔を赤らめて答えられず、学園長は何かを察したかのようにニヤニヤしながら

「こんな短時間で中が良くなるとは若いっていいなぁ」

と言いそれを聞いたシニーが

「ちょっとからかわないでよ別にそうゆうんじゃないし!」
「そうか、そうか」
「もう、本当にそうゆうんじゃないんだからね!」

そのやりとりを俺は見ていたが終始それがどういうことか理解できなかった。
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