謎の美少女芸能界事件簿

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リングへ向けて

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井野貴代の出番が来た。 
気合いを入れてリングに上がる。 
相手は体格がいい芸人の「雪だるま」(女芸人の芸名)であった。 
盛り上げるためリング上で雪だるまが井野に平手打ちをする。 
パア~ン! 
井野がこの平手打ちに切れて雪だるまに殴り返すがかわされてしまう。 
井野「この~野郎~!!」 
井野は我を忘れて雪だるまに組み付く。 
ここでゴングが鳴った。 
井野は組み合って投げようとするが技が決まらない。 
雪だるまが押し倒し二人供マット上を転がり回る。 
井野は髪を振り乱し雪だまるを押さえ込もうとするが雪だまるも井野の髪を引っ張り跳ね返した。 
雪だるまが井野の上になり自分の腕で井野の喉もとにチョークスリーパーを掛ける。 
井野は両足をジタバタしてもがき苦しむが跳ね返すことができない。 
そして井野はマットを叩いてギプアップした。 
井野「ハア~ハア~ハア~」 
井野は涙目になって仰向けのまま暫く動けなかった。 
その時だった。 
「キャハハ」 
笑い声が聞こえた。 
ユウリが座っている方向からである。 

笑っているのはナツキであった。 
あまりにも退屈な試合が続きナツキとルナがお喋りをして笑っていたのである。 
マイクが近いので音声をひろったのだ。 
ナツキとルナは井野の試合を見ていなかった。 

井野はこの笑い声に反応した。 
井野はヨロヨロと立ちあがりトップロープを両手で摑んでリング下の放送席を見ると 
ナツキがルナの方を見てまだ笑っていた。 

カッコいい衣装を着て放送席でチヤホヤされているル・レーヴの3人を見て
井野は怒りが込み上げてきた。 
何度も何度もオーディションに落ちて今では水着姿でマット上で転がり回り
最後にはだらしなく仰向けで倒れている自分がみじめに思えてきたのである。 

段々と今までの悔しい気持ちが込み上げてきて涙も溢れ出てくる。 
負けたことの悔しさも重なり笑われたことをきっかけにとうとうブチ切れたのである。 

井野「おい!お前!」「何が可笑しいんだ!」 
ナツキを指さした。 
ナツキ「え!」 
いきなり怒鳴られたのでキョトンとするナツキ 
井野「そんなに可笑しいならお前がやってみろ!」 
ナツキ「え?え?」「なに?」「どうしたの?」 
ナツキは、事態がわからなくてルナに聞いた。 
ルナ「え?」「わかんないよ・・・」 
ナツキとルナは二人でユウリを見る。 
ユウリ「・・・・」 

この悪い雰囲気にナツキの隣にいるジキルが割ってはいる。 
ジキル「おお~っと~!」「リング上から放送席に向かって井野が吠えている~~!」 
   「負けたのがよほど悔しいのか!」 

レフリー役のハイドも後ろから井野の肩を叩き下がれ下がれとジェスチャーをする。 
そして井野の頭を小突く。 
井野「うるっせえ~~!!」 
井野はハイドを突き飛ばしハイドがマット上で転がり回る。 
ハイド「こわ~~」「なんやねん」 
ハイドが雪だるまに「お前止めてこい!」 
雪だるまが井野に近づき「負けた奴はさっさと降りろよ」 
井野の後ろから左腕を掴む。 
井野は振り向きざま雪だるまの顔にパンチを入れた。 
ちょうど顎にヒットしたため雪だるまが顔を押さえてうずくまる。 
「いって~~!!」「ぎゃ~血がでてる~~!」「ぎゃ~~」 
雪だるまはリングから降りてわめきながら控え室に戻っていった。 

リングにスタッフが数人上がって井野を説得してリング下に降ろそうとするが 
井野は泣きじゃくり暴れまくって手のつけられない状態になっていた。 
観客からもブーイングが飛ぶ 
「早く引っ込めろ~~」「終わったんだろ~~」 
中には面白がっている者もいた。 
「やれやれ~~」 
このままだと収拾が付かなくなる。 
ジキル「アイツ・・こんなに強かったのか・・」 
ジキルが隣にいた元プロレスラーの解説者に「アイツをとめてもらっていいですか」 
とお願いする。 

すると・・・ユウリが席から立ち上がり「私が行くよ」 
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