3 / 56
本文
なるほど。トシマ区ごと異世界転生ね。
しおりを挟む
2カ月前に異世界転生した。
トシマ区ごと・・・だ。
この異世界に来たばかりのころは、区・・・トシマ区以外は周りが海になっていて沈んでしまったものかと思った。
しかし、羽風ことハカセの調査により、沈んだわけではなくそもそも地球ではないことが分かった。
不思議な物質にハカセは燃え上がり・・・おっと脱線した。
とにかく、このハカセのおかげで様々なことが分かり、混乱は最小限に収めた。
俺?俺は東雲 京。
一応、財閥の次期当主だったのだが、異世界に転移したのだから関係ない。
むしろ、様々な責任から解放された!と、喜んでいたのに、喜べたのは3時間程度。
蓋を開けてみたら、いろいろな人間が俺に聞いてきて、いつの間にかトシマ区のリーダーみたいなことをしている。
責任要らないんだけどな。
なんで、区長とか人を率いることに長けた人間が1人として残っていないのだろうか。
みんな、「THE☆日本人」みたいな感じで譲り合い精神を極めた人間ばかりで、自分がこのトシマ区リーダになると言ってもだれも反対しなかった。
むしろ、「え。そんなメンドクサイの嫌なんだけど。財閥の次期当主の予定だった???だったら統率するのすきじゃん。やってよ。向き不向きあるじゃん」と、・・・誰かが言って・・・それを皆が便乗して・・・結果こうなった。
ちなみに区民全員が来ているわけではなく 大分少ない5000人程度。
残りの30万人くらいはどこか消えてしまった。
・・・いや、地球に残っているのかもしれない。
そんな理由で、今トシマ区には建物と、5000人の人口しかない。
2か月間。
リーダに祭り上げられた京は、必死に生活基盤を整え区の外、海原へと探索を進めた。
本来、リーダーがそんな所に先人切っていかないのだろうが、こちらには科学力がある。
京はハカセの力を疑うこともなく、開発に挑んだ。
なんて言ったら聞こえがいいのだが。
勿論、ハカセは信用しているが、どちらかと言えば楽しんでいた。
与えられた財閥の責任の重圧からたった5000人の責任に減ったたのだ。
え?多い?
まぁ5000人は多いか少ないかで言ったら多いのであろうが、東雲財閥にかかわる人口とくらべたら比ではない。
それにハカセの報告で核兵器などを使った武装は近隣の国は所有していなかったことは受けている。
その代わりに地球とは違う物質(無・有)や理に概念があるのは聞いていて、完全に安心できる状態ではないというのはあるが、恐怖で動けなくと言うよりも解明したい気持ちが強かった。
そんなわけで、レーダーに映った直近の国にやってきた。
海の無い区トシマ区だが、知識も廃車などの材料もありそれで船を造った。
一応ヘリもあるのだが、音が大きいためまずは海から向ったのだが・・・・、上陸するなり相手に包囲された。
服装もあるし、使っている物質、デザインが異なるから騒ぎになるのは見えていた。
周囲を囲む人物らは、武装している。
だが武装と言ってもゲームや漫画に出てくるような中世ヨーロッパのような恰好である。
失礼ながら貧相に見えてしまったのだが、ハカセによるとこの星の特殊効果が発生しているため、舐めるなと助言を受ける。
例え、その効果がなかったとしても、剣などの相手に銃で交戦するには圧倒的支配になってしまう。
なにより自分達は争いをしに来たわけじゃない。
無抵抗でいると彼等はそれをくみ取ったのか、無抵抗でも傷をつけるような者はいなかった。
彼等は皆京達よりも体格が良く、力では勝てないようには見える。
のだが。
時間が経つにつれて男達の態度が悪くなっていく。
暴力は無いのだが・・・。
厳しい顔をしていたのに、今ではニヤニヤと笑っていた。
それはまるで夜のお店のお姉さんを見るような下品さだった。
「・・・これは明らかに馬鹿にしているようだけど」
京はため息をついた。ちなみに当然言語は異なっており、彼等に京達のはなす言葉は伝わっていない。
少し頬にかかった髪を煩わしそうに掻き上げた。
すると途端に口笛が聞こえた。
「・・・何なんだこいつらは」
隣にはハカセが可愛らしい顔でほほ笑みを浮かべながらタブレットを操作している。
「そうだねぇ~気にしなくていいんじゃない?服装も下っ端そうだし」
そうは言っても、人の顔を見るなりニヤニヤと笑う表情はなんだか気分が悪い。
「あはは!」
そんな時に急にハカセが笑い出した。
何事かとそちらをみるとニヤリと笑った。
「どうやら、京様のことを犯したいって思ってるみたいだよ」
「は?」
対面している人間達の言葉は分からないのだが、ハカセは翻訳できているらしい。
流石変態である。
後ろではSP達が殺気立った。
「まぁ京様だけでなく、僕たち全員みたい」
「「・・・・」」
「僕下手くそはお断りなんだけど」
ハカセが的外れなことを言うからため息をついた。
「いやそういうことじゃないだろう。こいつらは俺達が男だと分かっていないのか」
「いや?言ったからわかってると思うけど。・・・なんかよくわからないこと言っているんだよね。
『おめが』とかなんとか」
どうやらハカセがすでに性別は伝えてくれているらしい。
というか『おめが』とやらは一体何なのだろうか。
そんなことをしていると、大陸の人間達がざわめき始めた。
どうやら、警備兵がやってきたらしい。
相手の制圧はいつでもできる。
京達はその警備兵に捕縛されまた別の場所へと連れていかれたていった。
☆☆☆
連れていかれた先に期待をしていたのだが、全くのはずれの様だ。
ハカセに翻訳機を使い話しているのだが、全く相手にならないことが分かった。
見下し話にならない。
この国に何しに来た
あの船はなんだ
『おめが』が何故あのような船を持っている
何故『おめが』だけできた?テロでも行うつもりか?
などなど。
一応すべてに返答したのだが、男は聞くつもりがないのか繰り返し聞いてくる。
「なんだか時間の無駄のようだね」
「んーそうみたいだねぇ。でも唐突にやってきた人間達にエライ人になんて会えるわけないよ」
「〇〇〇〇ッ!」
「あーもううるさいな。怒鳴るしかできないのかコイツらは」
「どこから来たんだって言ってるよ」
「何度も同じ説明をさせるな。その頭には綿でも詰まってるのか」
「・・・。それ伝えちゃっていいの?」
「駄目に決まってるだろ」
そういうとハカセは笑った。
「えーっと。じゃぁまぁそうだなぁ。すこーし、痛いことしてみる?」
「・・・。暴力なんて振ったら戦争の切っ掛けになる」
あきれながら京が言うと、『だめかぁ~』と、へらへらと笑い出した。
そんなときだった。
ゾクリと体に寒気が走る。
この異世界にきて2度目だ。
途端に体が熱くなる。
「っ・・・また、来たみたいだ」
「えー?ちょっとまってて。ボク、持ってきてるから」
ハカセによるとこの悪寒は病気ではないらしい。
ここの独自のものらしい上に、体の構造が変わったらしい。
体の構造が変わってしまったなら、まぁ仕方ない。受け入れよう
だが、四六時中、熱が上がりセックスの事ばかり考えるようになるのは困った。
おまけに男は尻からおもらしのごとく濡れて尻を弄りたくなる。
だが幸いなことに、特効薬がありそれが無かったら大変なことになっていた。
是非研究チームには解明してもらいたい。
そんなことを思っていると、ハカセが特効薬を出した。
瓶を受け取るとパキリと封を開け京は一気に煽った。
「っ・・・ふう」
あの症状は本当に困るが、この特効薬があるからまだいい。
「市販品の風邪薬が聞くような症状で本当に良かった」
「だよねぇ~ケー様が見つけてなかったら、みんなヤリまくりだね」
『ケー様』とは京のことだ。
ハカセは出会った時からわざとこう呼ぶ。
ふざけてそんな呼び方をするが、ハカセの能力を考えたらそれを指摘するのも馬鹿らしくなってくる。
ハカセがいなかったらトシマ区だってもっと荒れすさんでいたと思う。
そんな一目置いているハカセに、京はこの地に来た時に突如今みたいに体調を崩したときに市販の風邪薬を飲んだら、状態が改善したことを話した。
たったそれだけなのに、ハカセは何かピンと来たのか、どんな症状だったのかまた何を服用しどうしたのか聞いてきた。それを聞き終えた後、ハカセは一つの可能性として、このことを復旧させたトシマ区民が使えるネットワークに情報を流した。
「早く原因と対策が分かればいいんだけど」
「というか、雅様に知られたら大変だよね」
「・・・そうなんだよ」
雅とは京の双子の妹で、生粋の腐女子である。
今この世界にきて追っていた神(腐の創造主)がいなくなり絶望の末に、アニ〇メイトに籠っている困った妹である。
なお、アニメ〇イトには生まれて初めて行けたため、神を亡くした悲しみと神域に行けた喜びに今はフィーヴァーしているらしい。
そんな妹に尻が濡れるようになったなんて知られたら・・・なんて考えるだけでも恐ろしい。
「・・・京様方・・・一応、偵察にきていて相手国の手前なので私語はそろそろ」
そう言って止めてきたのは、SP統括の如月である。
「さっきから内容がないことばかりしか聞いてないから大丈夫だよ~」
「とはいえ、失礼になるかと」
「礼がない者に礼を尽くす必要があるか?」
「・・・」
如月の言わんとしていることも分かるのだが。
「こちらの要望は『トシマ区』から来た使者であることは伝えた。
それをどの程度重要視するかは相手次第」
そう言ったところで唐突に扉が開け放たれた。
ガンッ
荒々しい物音に驚き視線が寄せられると、そこには燃え上がるよう赤い髪を持った男がそこにいた。
着ている服は周りよりも上質であることが分かる。
どうやら、目の前でがなっていた男よりも身分は上の様だ。
それを表すように、目の前の男はこの男を見るなり慌て始めている。
「ハカセ」
「OK~『私はトシマ区という島から来た使者です』」
「!〇〇〇〇ッ!?」
「ハカセ」
「『私の運命の番はどこだ』だ、そうですよ」
「はい?」
「さぁ」
首をかしげるハカセに同じように首をかしげる京。
なんだか面倒になってハカセに手を差しだす。
「タブレットかして」
「はーい。・・・あ。このアプリを使って、このイヤフォン使えば普通に話せるよ?」
『使う?』ときょとんとして言うハカセにデコピンする。
「あるならなんでさっさと寄こさないんだ」
「だってぇ。あまりにも下種なことばかりいってるからぁ~」
「・・・はぁ」
翻訳してくれていた以上なことを言っていたのか?
それは嫌な話である。
ハカセからそのイヤフォンを受け取ると耳にセットした。
「あーあー。どう?」
「うん。大丈夫」
そういうとハカセはタブレットの音量を大きくする。
「私は東雲京です。まずは唐突な訪問申し訳ありません」
「!・・・ルボミール・ラージャだ」
「お話をしたいのですが・・・」
「あ、・・・あぁ」
そういうと、男がこちらに近寄ってくると目の前に座っていた男が立ち上がるとそこに掛けた。
「殿下!」
「「「(殿下!)」」」
真っ赤に燃えるような髪と、宝石のガーネットのような瞳を持ち、男として羨ましくなるような体格を持つ男が、まさか王族だとは思わなかった。
責任者が出てきてほしいとは思っていたが、いきなり・・・彼等からしたら不審者の自分達に王族が現れるなんて誰が思う?
文化が現在の日本より低く、石畳の街並みの中で少し大きめの建物だなとは思っていたが、遠目に見える城とは離れていたのだが。
もしかして、末席当たりの者なのだろうか。
良くわからないが王族と言うものはこんなところに歩いているものなのだろうか。
引きつりそうになりつつも、まぁ結果オーライだろう。
「お時間いただきありがとうございます。私たちはここから少し離れたトシマ区と言う島からやってきました」
その言葉に男・・・ルボミールは眉をひそめた。
「そのような島などあっただろうか」
「えぇ。・・・そのことなのですが、・・・私達も正確な原因は現在調査中ですが、ここは私達の住んでいた地球という星ではないようなのです」
「ホシ・・・?チキュウ・・・?」
疑問は声色に反映されていた。
それは本当に地球じゃないと言われている様だった。
「ここは何という大陸になりますか?」
「ラージャだ」
先ほど、『ラージャ』と名乗った男。
もしかして、この国は大陸一の国なのだろうか。
「そうですか。やはり、我々の星には存在しない大陸です」
そういうと、ルボミールは何か考えているようだった。
「いや、まさかそんな」
「なにかご存じなのですか?」
「貴方達はどうやら落ち人の様だ」
「落ち人?」
「異世界より落ちてきた人という意味だ。・・・だが島ごときたなんて聞いたことがない」
「島ごとというか、区ごとと言いますか」
「ク?」
「まぁ街が一つだけ来てしまったと思ってください」
「なるほど」
「落ち人という言葉は逆に私達の世界にはない言葉でした。
異世界という言葉もどちらかと言うと空想的な言葉で現実ではありませんでした。
・・・この国、・・・いや世界には『落ち人』という言葉があるのであれば、帰る方法などわかりませんでしょうか」
しかし、男は渋い顔をする。
「知らないな」
「・・・殿下」
「京様~」
ハカセの呼びかけにコクリと頷いた。
「どうやら対話は難しいようですね」
「!」
そういうと男が驚いたようにこちらを見てくる。
「誠意なき会話に意味はないでしょう」
「・・・」
「ここに居ても無駄の様です。失礼しました」
「っ・・・待ってくれ」
「・・・」
ハカセがコクリと頷き、京はルボミールのガーネットのような瞳を見つめる。
「先ほどの言葉には続きがある。聞いてはくれないか」
「・・・。えぇ」
すると、ルボミールはホッと息をついた。
「まずは、詫びよう。紛らわしい言い方をした。すまない」
そう言って男が頭を下げる。
ここにきて見下したりやにさがる笑みを浮かべる者達が多かった中、この様子は信用がおけるような気がした。
俺が早とちりしたのかな
「いえ。こちらも早とちりをしてしまったようです」
「ただ、まだ安心しないでほしい」
「どういうことです・・・?」
「落ち人がまず街ごと落ちてきたことがない」
「・・・」
「また、その方法で帰れるかは保証が出来ない」
「どういうことですか?」
「ルミールの谷という渓谷があり、そこに月が3つ揃う時、落ち人がその渓谷に立ちルミールの鏡に姿を映したとき元の世界に戻れると言われている」
まるで辺境の地の言い伝えのようなそんな内容に、チラリとハカセを見るが頷かれてしまった。
どうやらルボミールが言っていることは事実らしい。
ハカセは人が嘘を言っているかどうか判断が出来るアプリを見ているのだ。
「それに、その方法では街ごと戻れないだろう」
「・・・そうですね」
とはいえ、ここに居るよりはマシなのだろうか。
「『保障が出来ない』というのはどういう意味なのでしょうか」
「それは・・・帰ったものにちゃんと帰れたかなどを確認する方法がないからだ」
つまり、帰れたわけではなく、消滅かもしくは別の異世界に飛ばせられたのか分からないということらしい。
「なるほど。理解しました」
そういうと今日はため息をついた。
ここにきて、当主とかなくなって自由になれたと思ったんだけどな。
それはどうやら思い違いの様だ。
トシマ区ごと・・・だ。
この異世界に来たばかりのころは、区・・・トシマ区以外は周りが海になっていて沈んでしまったものかと思った。
しかし、羽風ことハカセの調査により、沈んだわけではなくそもそも地球ではないことが分かった。
不思議な物質にハカセは燃え上がり・・・おっと脱線した。
とにかく、このハカセのおかげで様々なことが分かり、混乱は最小限に収めた。
俺?俺は東雲 京。
一応、財閥の次期当主だったのだが、異世界に転移したのだから関係ない。
むしろ、様々な責任から解放された!と、喜んでいたのに、喜べたのは3時間程度。
蓋を開けてみたら、いろいろな人間が俺に聞いてきて、いつの間にかトシマ区のリーダーみたいなことをしている。
責任要らないんだけどな。
なんで、区長とか人を率いることに長けた人間が1人として残っていないのだろうか。
みんな、「THE☆日本人」みたいな感じで譲り合い精神を極めた人間ばかりで、自分がこのトシマ区リーダになると言ってもだれも反対しなかった。
むしろ、「え。そんなメンドクサイの嫌なんだけど。財閥の次期当主の予定だった???だったら統率するのすきじゃん。やってよ。向き不向きあるじゃん」と、・・・誰かが言って・・・それを皆が便乗して・・・結果こうなった。
ちなみに区民全員が来ているわけではなく 大分少ない5000人程度。
残りの30万人くらいはどこか消えてしまった。
・・・いや、地球に残っているのかもしれない。
そんな理由で、今トシマ区には建物と、5000人の人口しかない。
2か月間。
リーダに祭り上げられた京は、必死に生活基盤を整え区の外、海原へと探索を進めた。
本来、リーダーがそんな所に先人切っていかないのだろうが、こちらには科学力がある。
京はハカセの力を疑うこともなく、開発に挑んだ。
なんて言ったら聞こえがいいのだが。
勿論、ハカセは信用しているが、どちらかと言えば楽しんでいた。
与えられた財閥の責任の重圧からたった5000人の責任に減ったたのだ。
え?多い?
まぁ5000人は多いか少ないかで言ったら多いのであろうが、東雲財閥にかかわる人口とくらべたら比ではない。
それにハカセの報告で核兵器などを使った武装は近隣の国は所有していなかったことは受けている。
その代わりに地球とは違う物質(無・有)や理に概念があるのは聞いていて、完全に安心できる状態ではないというのはあるが、恐怖で動けなくと言うよりも解明したい気持ちが強かった。
そんなわけで、レーダーに映った直近の国にやってきた。
海の無い区トシマ区だが、知識も廃車などの材料もありそれで船を造った。
一応ヘリもあるのだが、音が大きいためまずは海から向ったのだが・・・・、上陸するなり相手に包囲された。
服装もあるし、使っている物質、デザインが異なるから騒ぎになるのは見えていた。
周囲を囲む人物らは、武装している。
だが武装と言ってもゲームや漫画に出てくるような中世ヨーロッパのような恰好である。
失礼ながら貧相に見えてしまったのだが、ハカセによるとこの星の特殊効果が発生しているため、舐めるなと助言を受ける。
例え、その効果がなかったとしても、剣などの相手に銃で交戦するには圧倒的支配になってしまう。
なにより自分達は争いをしに来たわけじゃない。
無抵抗でいると彼等はそれをくみ取ったのか、無抵抗でも傷をつけるような者はいなかった。
彼等は皆京達よりも体格が良く、力では勝てないようには見える。
のだが。
時間が経つにつれて男達の態度が悪くなっていく。
暴力は無いのだが・・・。
厳しい顔をしていたのに、今ではニヤニヤと笑っていた。
それはまるで夜のお店のお姉さんを見るような下品さだった。
「・・・これは明らかに馬鹿にしているようだけど」
京はため息をついた。ちなみに当然言語は異なっており、彼等に京達のはなす言葉は伝わっていない。
少し頬にかかった髪を煩わしそうに掻き上げた。
すると途端に口笛が聞こえた。
「・・・何なんだこいつらは」
隣にはハカセが可愛らしい顔でほほ笑みを浮かべながらタブレットを操作している。
「そうだねぇ~気にしなくていいんじゃない?服装も下っ端そうだし」
そうは言っても、人の顔を見るなりニヤニヤと笑う表情はなんだか気分が悪い。
「あはは!」
そんな時に急にハカセが笑い出した。
何事かとそちらをみるとニヤリと笑った。
「どうやら、京様のことを犯したいって思ってるみたいだよ」
「は?」
対面している人間達の言葉は分からないのだが、ハカセは翻訳できているらしい。
流石変態である。
後ろではSP達が殺気立った。
「まぁ京様だけでなく、僕たち全員みたい」
「「・・・・」」
「僕下手くそはお断りなんだけど」
ハカセが的外れなことを言うからため息をついた。
「いやそういうことじゃないだろう。こいつらは俺達が男だと分かっていないのか」
「いや?言ったからわかってると思うけど。・・・なんかよくわからないこと言っているんだよね。
『おめが』とかなんとか」
どうやらハカセがすでに性別は伝えてくれているらしい。
というか『おめが』とやらは一体何なのだろうか。
そんなことをしていると、大陸の人間達がざわめき始めた。
どうやら、警備兵がやってきたらしい。
相手の制圧はいつでもできる。
京達はその警備兵に捕縛されまた別の場所へと連れていかれたていった。
☆☆☆
連れていかれた先に期待をしていたのだが、全くのはずれの様だ。
ハカセに翻訳機を使い話しているのだが、全く相手にならないことが分かった。
見下し話にならない。
この国に何しに来た
あの船はなんだ
『おめが』が何故あのような船を持っている
何故『おめが』だけできた?テロでも行うつもりか?
などなど。
一応すべてに返答したのだが、男は聞くつもりがないのか繰り返し聞いてくる。
「なんだか時間の無駄のようだね」
「んーそうみたいだねぇ。でも唐突にやってきた人間達にエライ人になんて会えるわけないよ」
「〇〇〇〇ッ!」
「あーもううるさいな。怒鳴るしかできないのかコイツらは」
「どこから来たんだって言ってるよ」
「何度も同じ説明をさせるな。その頭には綿でも詰まってるのか」
「・・・。それ伝えちゃっていいの?」
「駄目に決まってるだろ」
そういうとハカセは笑った。
「えーっと。じゃぁまぁそうだなぁ。すこーし、痛いことしてみる?」
「・・・。暴力なんて振ったら戦争の切っ掛けになる」
あきれながら京が言うと、『だめかぁ~』と、へらへらと笑い出した。
そんなときだった。
ゾクリと体に寒気が走る。
この異世界にきて2度目だ。
途端に体が熱くなる。
「っ・・・また、来たみたいだ」
「えー?ちょっとまってて。ボク、持ってきてるから」
ハカセによるとこの悪寒は病気ではないらしい。
ここの独自のものらしい上に、体の構造が変わったらしい。
体の構造が変わってしまったなら、まぁ仕方ない。受け入れよう
だが、四六時中、熱が上がりセックスの事ばかり考えるようになるのは困った。
おまけに男は尻からおもらしのごとく濡れて尻を弄りたくなる。
だが幸いなことに、特効薬がありそれが無かったら大変なことになっていた。
是非研究チームには解明してもらいたい。
そんなことを思っていると、ハカセが特効薬を出した。
瓶を受け取るとパキリと封を開け京は一気に煽った。
「っ・・・ふう」
あの症状は本当に困るが、この特効薬があるからまだいい。
「市販品の風邪薬が聞くような症状で本当に良かった」
「だよねぇ~ケー様が見つけてなかったら、みんなヤリまくりだね」
『ケー様』とは京のことだ。
ハカセは出会った時からわざとこう呼ぶ。
ふざけてそんな呼び方をするが、ハカセの能力を考えたらそれを指摘するのも馬鹿らしくなってくる。
ハカセがいなかったらトシマ区だってもっと荒れすさんでいたと思う。
そんな一目置いているハカセに、京はこの地に来た時に突如今みたいに体調を崩したときに市販の風邪薬を飲んだら、状態が改善したことを話した。
たったそれだけなのに、ハカセは何かピンと来たのか、どんな症状だったのかまた何を服用しどうしたのか聞いてきた。それを聞き終えた後、ハカセは一つの可能性として、このことを復旧させたトシマ区民が使えるネットワークに情報を流した。
「早く原因と対策が分かればいいんだけど」
「というか、雅様に知られたら大変だよね」
「・・・そうなんだよ」
雅とは京の双子の妹で、生粋の腐女子である。
今この世界にきて追っていた神(腐の創造主)がいなくなり絶望の末に、アニ〇メイトに籠っている困った妹である。
なお、アニメ〇イトには生まれて初めて行けたため、神を亡くした悲しみと神域に行けた喜びに今はフィーヴァーしているらしい。
そんな妹に尻が濡れるようになったなんて知られたら・・・なんて考えるだけでも恐ろしい。
「・・・京様方・・・一応、偵察にきていて相手国の手前なので私語はそろそろ」
そう言って止めてきたのは、SP統括の如月である。
「さっきから内容がないことばかりしか聞いてないから大丈夫だよ~」
「とはいえ、失礼になるかと」
「礼がない者に礼を尽くす必要があるか?」
「・・・」
如月の言わんとしていることも分かるのだが。
「こちらの要望は『トシマ区』から来た使者であることは伝えた。
それをどの程度重要視するかは相手次第」
そう言ったところで唐突に扉が開け放たれた。
ガンッ
荒々しい物音に驚き視線が寄せられると、そこには燃え上がるよう赤い髪を持った男がそこにいた。
着ている服は周りよりも上質であることが分かる。
どうやら、目の前でがなっていた男よりも身分は上の様だ。
それを表すように、目の前の男はこの男を見るなり慌て始めている。
「ハカセ」
「OK~『私はトシマ区という島から来た使者です』」
「!〇〇〇〇ッ!?」
「ハカセ」
「『私の運命の番はどこだ』だ、そうですよ」
「はい?」
「さぁ」
首をかしげるハカセに同じように首をかしげる京。
なんだか面倒になってハカセに手を差しだす。
「タブレットかして」
「はーい。・・・あ。このアプリを使って、このイヤフォン使えば普通に話せるよ?」
『使う?』ときょとんとして言うハカセにデコピンする。
「あるならなんでさっさと寄こさないんだ」
「だってぇ。あまりにも下種なことばかりいってるからぁ~」
「・・・はぁ」
翻訳してくれていた以上なことを言っていたのか?
それは嫌な話である。
ハカセからそのイヤフォンを受け取ると耳にセットした。
「あーあー。どう?」
「うん。大丈夫」
そういうとハカセはタブレットの音量を大きくする。
「私は東雲京です。まずは唐突な訪問申し訳ありません」
「!・・・ルボミール・ラージャだ」
「お話をしたいのですが・・・」
「あ、・・・あぁ」
そういうと、男がこちらに近寄ってくると目の前に座っていた男が立ち上がるとそこに掛けた。
「殿下!」
「「「(殿下!)」」」
真っ赤に燃えるような髪と、宝石のガーネットのような瞳を持ち、男として羨ましくなるような体格を持つ男が、まさか王族だとは思わなかった。
責任者が出てきてほしいとは思っていたが、いきなり・・・彼等からしたら不審者の自分達に王族が現れるなんて誰が思う?
文化が現在の日本より低く、石畳の街並みの中で少し大きめの建物だなとは思っていたが、遠目に見える城とは離れていたのだが。
もしかして、末席当たりの者なのだろうか。
良くわからないが王族と言うものはこんなところに歩いているものなのだろうか。
引きつりそうになりつつも、まぁ結果オーライだろう。
「お時間いただきありがとうございます。私たちはここから少し離れたトシマ区と言う島からやってきました」
その言葉に男・・・ルボミールは眉をひそめた。
「そのような島などあっただろうか」
「えぇ。・・・そのことなのですが、・・・私達も正確な原因は現在調査中ですが、ここは私達の住んでいた地球という星ではないようなのです」
「ホシ・・・?チキュウ・・・?」
疑問は声色に反映されていた。
それは本当に地球じゃないと言われている様だった。
「ここは何という大陸になりますか?」
「ラージャだ」
先ほど、『ラージャ』と名乗った男。
もしかして、この国は大陸一の国なのだろうか。
「そうですか。やはり、我々の星には存在しない大陸です」
そういうと、ルボミールは何か考えているようだった。
「いや、まさかそんな」
「なにかご存じなのですか?」
「貴方達はどうやら落ち人の様だ」
「落ち人?」
「異世界より落ちてきた人という意味だ。・・・だが島ごときたなんて聞いたことがない」
「島ごとというか、区ごとと言いますか」
「ク?」
「まぁ街が一つだけ来てしまったと思ってください」
「なるほど」
「落ち人という言葉は逆に私達の世界にはない言葉でした。
異世界という言葉もどちらかと言うと空想的な言葉で現実ではありませんでした。
・・・この国、・・・いや世界には『落ち人』という言葉があるのであれば、帰る方法などわかりませんでしょうか」
しかし、男は渋い顔をする。
「知らないな」
「・・・殿下」
「京様~」
ハカセの呼びかけにコクリと頷いた。
「どうやら対話は難しいようですね」
「!」
そういうと男が驚いたようにこちらを見てくる。
「誠意なき会話に意味はないでしょう」
「・・・」
「ここに居ても無駄の様です。失礼しました」
「っ・・・待ってくれ」
「・・・」
ハカセがコクリと頷き、京はルボミールのガーネットのような瞳を見つめる。
「先ほどの言葉には続きがある。聞いてはくれないか」
「・・・。えぇ」
すると、ルボミールはホッと息をついた。
「まずは、詫びよう。紛らわしい言い方をした。すまない」
そう言って男が頭を下げる。
ここにきて見下したりやにさがる笑みを浮かべる者達が多かった中、この様子は信用がおけるような気がした。
俺が早とちりしたのかな
「いえ。こちらも早とちりをしてしまったようです」
「ただ、まだ安心しないでほしい」
「どういうことです・・・?」
「落ち人がまず街ごと落ちてきたことがない」
「・・・」
「また、その方法で帰れるかは保証が出来ない」
「どういうことですか?」
「ルミールの谷という渓谷があり、そこに月が3つ揃う時、落ち人がその渓谷に立ちルミールの鏡に姿を映したとき元の世界に戻れると言われている」
まるで辺境の地の言い伝えのようなそんな内容に、チラリとハカセを見るが頷かれてしまった。
どうやらルボミールが言っていることは事実らしい。
ハカセは人が嘘を言っているかどうか判断が出来るアプリを見ているのだ。
「それに、その方法では街ごと戻れないだろう」
「・・・そうですね」
とはいえ、ここに居るよりはマシなのだろうか。
「『保障が出来ない』というのはどういう意味なのでしょうか」
「それは・・・帰ったものにちゃんと帰れたかなどを確認する方法がないからだ」
つまり、帰れたわけではなく、消滅かもしくは別の異世界に飛ばせられたのか分からないということらしい。
「なるほど。理解しました」
そういうと今日はため息をついた。
ここにきて、当主とかなくなって自由になれたと思ったんだけどな。
それはどうやら思い違いの様だ。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる