7 / 56
本文
【別視点:ルボミール】運命の番。
ラージャにある国立中央図書館。
ここには国内外共のあらゆる書物が格納されている。
また過去の重要機密など各部署ごとに存在する。
その中には当然『落ち人』の情報も含まれている
ルボミールはその情報が欲しかった。
『ルミールの谷にから見る月が3つ揃う時、ルミールの鏡・・・すなわち水面に姿を映したとき姿を消す』
京達に事実を少し変えて話したのは、安全性に担保がないこと。そして。
帰さないためだ。
はたから見たら表情金が死んでしまったのかと思うくらい冷たい雰囲気のルボミール。
それが本来の彼である。
そんな彼が今日一日で、京に笑いかけた回数は今まで生きてきた分を大きく抜いたであろう。
京が港に現れた時、すぐに知らされた。
ここら辺では見ない異国の服を着たΩのグループが来たと。
報告にきて指示を仰ぐ兵に『牢に入れて置け』と、言ってしまおうとしたのだが、なぜか気になって街に設置されている水晶を覗き込んだ時。
まるで目が覚めたような感覚に陥る。
体中の血液が沸き起こり一瞬魔力が暴走し、水晶は割れ書類が舞い散った。
アレは・・・俺のだ
まだ会ってもいない、それも水晶越しにそう思った。
そして、瞬時に理解する。
運命の番。・・・もしくは魂の番なのだと。
ルミボールはその話を信じていなかったのだが、水晶越しに見ただけで分かる。
それからの行動は早く、すぐさま京を止めている場所に急いだ。
姿を見て愛しさが一気に吹き上がる。
・・・だが、それはルボミールだけだった。
伝説の様に出会った瞬間に魂が共鳴し惹かれるなんてことはなかった。
その代わりに京は良い香りを振りまき、周りのαを誘うようなフェロモンを垂れ流している。
なのに、その表情は知的な面を持っていて、この国のΩの雰囲気はかけらも感じなかった。
その相反した状況は、あの部屋にいるαを困惑させただろう。
αにおびえたり、かと思えば媚を売ることもない。
乳母を務めたΩでさえルボミールを怯えているというのに、京はそれが一切なかった。
それは好ましくもあり、他人のように振舞うそれに、『自分が運命だ』と言ってしまおうかと思ったが、・・・彼が落ち人だと知る。
おまけに帰る手段を探しているというではないか。
よくあの時咄嗟に捕まえて閉じ込めなかったものだ
今思い返しても冷笑を浮かべる。
自分で自分をほめてやりたい気分だ。
少し話しただけだが、おそらくそんなことをしたら、京は壊れるだろう。
欲しくて手に入れたいのは、入れ物じゃなく心だ。
自分にだけ縛り付けて、自分だけを見ていてほしい。
だが、何故京が気づかないのか不思議だった。
出会った時に、ルボミールは京をフェロモンで包むように誘ったのに、全く反応しなかった。
「・・・必ず手に入れる」
自分に気付かないことに苛立ちも感じるが高揚感も感じていた。
あの細くて綺麗な首筋はどんな味がするのだろうか。
それを思い浮かべるだけで高ぶりそうだ。
早く番ってしまいたい気もするが、Ωは本能的に首筋を触られることにびくつく。
それだけそこが敏感なのだが・・・舐めてあまがみして、優しくてで施しながら逝かせたい。
恐怖と快楽の中で啼く京を思い描くのは酷く興奮する。
この興奮が長引けば長引くだけ、お前が辛くなるだけだぞ?
フッと口元に笑みを浮かべながら、まだ見たこともない肌を溶かすその日を夢に見た。
┬┬┬
早く受けに京に絡みたい。
ここには国内外共のあらゆる書物が格納されている。
また過去の重要機密など各部署ごとに存在する。
その中には当然『落ち人』の情報も含まれている
ルボミールはその情報が欲しかった。
『ルミールの谷にから見る月が3つ揃う時、ルミールの鏡・・・すなわち水面に姿を映したとき姿を消す』
京達に事実を少し変えて話したのは、安全性に担保がないこと。そして。
帰さないためだ。
はたから見たら表情金が死んでしまったのかと思うくらい冷たい雰囲気のルボミール。
それが本来の彼である。
そんな彼が今日一日で、京に笑いかけた回数は今まで生きてきた分を大きく抜いたであろう。
京が港に現れた時、すぐに知らされた。
ここら辺では見ない異国の服を着たΩのグループが来たと。
報告にきて指示を仰ぐ兵に『牢に入れて置け』と、言ってしまおうとしたのだが、なぜか気になって街に設置されている水晶を覗き込んだ時。
まるで目が覚めたような感覚に陥る。
体中の血液が沸き起こり一瞬魔力が暴走し、水晶は割れ書類が舞い散った。
アレは・・・俺のだ
まだ会ってもいない、それも水晶越しにそう思った。
そして、瞬時に理解する。
運命の番。・・・もしくは魂の番なのだと。
ルミボールはその話を信じていなかったのだが、水晶越しに見ただけで分かる。
それからの行動は早く、すぐさま京を止めている場所に急いだ。
姿を見て愛しさが一気に吹き上がる。
・・・だが、それはルボミールだけだった。
伝説の様に出会った瞬間に魂が共鳴し惹かれるなんてことはなかった。
その代わりに京は良い香りを振りまき、周りのαを誘うようなフェロモンを垂れ流している。
なのに、その表情は知的な面を持っていて、この国のΩの雰囲気はかけらも感じなかった。
その相反した状況は、あの部屋にいるαを困惑させただろう。
αにおびえたり、かと思えば媚を売ることもない。
乳母を務めたΩでさえルボミールを怯えているというのに、京はそれが一切なかった。
それは好ましくもあり、他人のように振舞うそれに、『自分が運命だ』と言ってしまおうかと思ったが、・・・彼が落ち人だと知る。
おまけに帰る手段を探しているというではないか。
よくあの時咄嗟に捕まえて閉じ込めなかったものだ
今思い返しても冷笑を浮かべる。
自分で自分をほめてやりたい気分だ。
少し話しただけだが、おそらくそんなことをしたら、京は壊れるだろう。
欲しくて手に入れたいのは、入れ物じゃなく心だ。
自分にだけ縛り付けて、自分だけを見ていてほしい。
だが、何故京が気づかないのか不思議だった。
出会った時に、ルボミールは京をフェロモンで包むように誘ったのに、全く反応しなかった。
「・・・必ず手に入れる」
自分に気付かないことに苛立ちも感じるが高揚感も感じていた。
あの細くて綺麗な首筋はどんな味がするのだろうか。
それを思い浮かべるだけで高ぶりそうだ。
早く番ってしまいたい気もするが、Ωは本能的に首筋を触られることにびくつく。
それだけそこが敏感なのだが・・・舐めてあまがみして、優しくてで施しながら逝かせたい。
恐怖と快楽の中で啼く京を思い描くのは酷く興奮する。
この興奮が長引けば長引くだけ、お前が辛くなるだけだぞ?
フッと口元に笑みを浮かべながら、まだ見たこともない肌を溶かすその日を夢に見た。
┬┬┬
早く受けに京に絡みたい。
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
人気俳優と恋に落ちたら
山吹レイ
BL
男性アイドルグループ『ムーンシュガー』のメンバーである冬木行理(ふゆき あんり)は、夜のクラブで人気俳優の柏原為純(かしわばら ためずみ)と出会う。
そこで為純からキスをされ、写真を撮られてしまった。
翌日、写真はネットニュースに取り上げられ、為純もなぜか交際を認める発言をしたことから、二人は付き合うふりをすることになり……。
完結しました。
※誤字脱字の加筆修正が入る場合があります。