婚約破棄され売れ残りなのに、粘着質次期宰相につかまりました。

みゆきんぐぅ

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婚約編

誓いたいっていったのに、脅してくるってどうなの。

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最近ふとした時にライガー殿下を思い出して寂しく思うことはなくなった。

その代わりに婚約者に苛立ちを感じていた。
今までちっとも気にならなかったのに・・・、婚約者になって見えることが増えて困っている。

説明おつ!な展開なのだが、この宰相の執務室にはサポートとして数名がいる。
以前は・・・というか数日前まではシャリオンもここにいたのだが、この部屋には6人ほどの男性が身分関係なくいる。
さすがに平民から多くはないが在籍している。
少ない理由はレオンが原石探しに行けないからだそうだ。

そう。ここにいるサポートメンバーはシャリオン以外はレオンがスカウトしてきたメンバー。

つまりそれなりにみんな腹黒いのだが、レオンの息子のシャリオンはコネなわけだが、
誰一人不満に思っていない。
むしろ、つい先日までシャリオンを次期宰相としてサポートする気満々だった。

それはシャリオン自身がレオンの息子であるからここに所属していることや、能力が劣っていることを認めていたし、それを補おうと頑張っていたからだ。
また、容姿もシャーリーに似て綺麗なのもある。
みんな美しく優しく頑張り屋のシャリオンに惹かれないわけがない。(談:宰相サポートメンバー)

シャーリーはニコニコと笑みを絶やさない人物だが、シャリオンも婚約破棄される前はニコニコと笑みを絶やさない人だった。しかし、破棄をしてからは微笑みが控えめになった。
それが儚い色気を醸し出していてそれもまた人気があるのだ。
勿論、本人はそういうのが好きではないので知らされていないのだが。

とにかく、シャリオンはこのメンバーに気に入られているのだが、そのうちの一人にシャリオンは問いかけた。
周りに聞かれないようにこっそりとだ。
瞬時に何かを察したが、それを顔に出さないのが彼らである。

「ガリウスはあんなだったか・・・?」

話しかけられたのは年下の男爵のロイ。
自然とタメ語になるのは見逃してほしい。
というか、ロイ本人は貴重なことなので嬉しく思っている。

「あんな・・・とは?」
「こう、・・・なんか、あんな感じだ」

シャリオン自身何を言っているのか良くわからないが、他に言いようがなくて救いを求めるように男爵を見る。
しかし、ロイのほうは何を言われているか何となく察した。
いや、正しくはわからないが、ガリウスと婚約したことは話に聞いているからだ。

「シャリオン様の認識通りですよ」
「そうじゃないから聞いているんだが・・・」
「シャリオン様はどう思われているんですか?」
「前は・・・笑っているけど細かいところによく気が付いて、でも見逃すようなこともないような感じだな。だけど、本当によく気が付くから、僕はそこに関心しつつも・・・ちょとと嫌だったな」

婚約前の愚痴か?と思いつつ聞いているロイは、わくわくしていた。

「これから婚約されるんですよね・・・・?」
「そうなんだ。・・・あ。さっき言った「嫌だった」というのは勘違いというか、・・・僕は次期宰相だっただろう?・・・だから・・・その、拗らせたな」

苦笑しながら言うと、男爵は「なるほど」とにこっりと笑みを浮かべつつ頷いていてれた。

「それで、苦手意識があってあまり近寄らなかったんだが。・・・今日きてみてふと思ったのだが、あの男笑いすぎじゃないか?」

人に浮気するなと言いつつ、自分はニコニコと笑みを振りまき、みんなから相談されている様を今もこうしてみているとなんだかイライラする。

そういう対象としてガリウスを見ていなかったから、さしてきにしていなかったのだが、ガリウスは一般的にモテる類の人種だ。背はすらりと伸び、肩幅もあり文官だというのに、筋肉もある。
いうなればシャリオンの真逆だ。
顔についても夜会で良く話に出るくらいだ。

遊びでいいから一夜を共にしたい・・・

とか

今お相手いないのなら・・・

とか

それを聞いていたころは次期宰相の立場だったので、正直才能もあってモテるなんて面白くなかった。

が、今は別の意味で面白くない。
自分はいろいろなところでフェロモンを垂れ流しているのに、なぜシャリオンばかり浮気者扱いなのか。
本当に不服である。

「周りがその気になったらどうする」

しかし、そういうとロイは苦笑を浮かべるだけだ。

「それは・・・私ではなく、ご本人に聞かれた方が良いかと思いますよ。ほら、みてください」
「?・・・なにが?」

言われるがままロイがさすほうを見るが、先ほどと変わらずニコニコと話すガリウス。

「どう言うことだ」
「・・・私は馬に蹴られたくないので、直接聞いてみてください」
「え」

言っていることが理解できなかったが、ロイはそれ以上説明してくれる気は無いようで、書類に視線を戻した。
まだ聞きたいところではあるが、仕事を邪魔するのは不本意だ。
シャリオンも自分のデスクに戻ると、持ち帰るものを仕分けし始めた。持ち込んでいる荷物は少なく、そろそろ終わるそんなころだった。
後ろから声がかかる。

「シャリオン。承認されましたよ」

振り向きつつ、思わず苦い顔をしてしまう。
承認されるようなものは一つしか心当たりがない。婚約だ。

「・・・、・・・。そうか」
「嫌そうな顔をして。・・・いいんですか?」

ニヤリと笑みを浮かべるその顔には「お子が欲しいんでしょう?」と書いてある気がする。

「駄目だ」
「私はまだ何も言っていないんですが」

苦笑を浮かべるガリウスを無視しつつ、ガリウスから受け取った書状を読む。
本当に王家からの承認は通ってしまったようだ。
ガリウスには感謝しているが、はめられた気がして素直に喜べないのが複雑だ・・・。

そんな様子はいったんしまう。
2年ほどはここで学んだ。
振り返れば色々なことがあった。
そう、それは悲しみを忘れられる時間が長くなるほど。
様々な気持ちを込めて感謝を述べ、シャリオンはその部屋を後にした。



■■


早上がりをしたガリウスと共に、王都にあるハイシア家に戻ってきた。
婚約に当たっての書類を記載するためだ。

「では、正式に誓約書を書きましょうか」
「・・・あぁ」

【シャリオンの要望】
・ガリウスが望むなら領主としての権限譲渡する
・子は1人のみ
・世継ぎが出来たら性行為はしない
・必要以上の接触をしない
・干渉を拒否する
〈違約〉離縁

【ガリウスの要望】
・子供をなすことを最優先にする
・子供を1番に考えること
・浮気をしないこと
・自分以外の子供ができた場合、ハイシア家の跡取りには出来ないこと
〈違約〉シャリオンの監禁


改めて見ると酷い。
・・・ガリウスからの要望が、だ。
シャリオンが尻軽のような内容に眉を潜めた。

「僕が遊んでいるように見えないって言ったじゃないか」
「ですが、流されやすいところがあるので」
「・・・不可抗力でということ?」
「そういうこともあり得ると。浮気は浮気ですからね?」
「・・・」
「不可抗力がなしとなれば、貴方も気を張ってくれるでしょう?」
「まるで僕が抜けていると言われているような気がするんだが」
「抜けている人が領主にはなれないです」

そこでふと領主をしているシャーリーを思い浮かべたが、悔しいのでそれ以上は言わないことにした。

「・・・とても不本意ではあるが。・・・僕は貴方と結婚するのであればそれで別に誰かを探したりはしない。つまり無駄な事項なわけだど、それで安心するならもういい」

ムッすりしてそう答えると、クスと笑い声が聞こえてきてちょっとムッとした。

「それよりも、受け入れる側についてだけど、・・・僕なのか?」

核をどちらかの体内に入れられれば良いわけで、自分より魔力のあるガリウスのほうが向いていると言えば向いている。
二っと口角をあげながらガリウスの上げた「子供をなすことを最優先にする」「子供を1番に考えること」の事項を指さす。

しかし。

「貴方、私に勃つんですか?」
「・・・、・・・、・・・」
「確かに私のほうが魔力がありますので向いてますが」

そう言われて固まってしまうシャリオン。

「あと。怒らないで頂きたいのですが。・・・そもそも、貴方閨どちらを習いましたか?」
「・・・、・・・どちら、とは?」
「相手を解すとかそういった類のものです」
「っくっ」

そこまで言われて自分が抱く側の閨のレッスンを受けていないことに気が付いた。とても恥ずかしい思いをしたこともあり、先生となってくれた人物に文句を言いたくなってくる。

「私は貴方に勃ちますし、・・・痛くさせませんよ?・・・お子は一人なので私に任せていただけませんか?」
「・・・・、・・・、・・・わかった」

不服そうに頷くシャリオンに、ガリウスは見えないところでほくそ笑んでいたいたのは言うまでもない。



☆☆

ハイシア家(シャリオンの実家)とガディーナ家(ガリウスの実家)と、親しい間柄には報告を済ませ、半年後には結婚する事になり、絶賛新居を建設中だ。

そして、結局シャリオンは王都から出られていない。
次期宰相のガリウスがそんな頻度で王都を開けられないからだ。

一応。
子を成す行為は結婚後なのだから、それまで領地にいても良いのではないか?といったのだが、ガリウスが結婚までに二人で覚えないこともあるし、
今はシャーリーが残っているのだから、王都で領地の仕事をしてほしいと丸め込まれた。

離れると、やっぱり不要では?と思うのに、面と向かって話すとなぜか王都残留になっている。解せぬ・・・。

シャーリーの方もなぜかガリウスの味方で、なんなら仕事を王都でしてくれるなら、蜜月終わるまで構わないとまで言われてしまった。
2人の婚約は政略結婚なのに蜜月なんてないというのに。

それで家に篭って仕事をしてるのだが、ガリウスは頻繁にこの家に帰ってくる。
おまけに、以前は父上と一緒だったのに今は1人でも帰ってくる。
本当に、屋敷に帰らなくて良いのだろうか?

そして、今日も帰ってきていたのだが、その顔には疲れが見えた。
一応結婚相手になるので出迎えたわけだが、顔に滲み出るそんな所は初めてみた。
だが、シャリオンの姿を見るなり、シュンと消えて笑顔になる。

「器用だな。おかえり」
「ただいま戻りました。何がですか?」
「いや。なんでも。食事はどうした?」
「食べてないです。貴方は?」
「僕もこれからだ」

その言葉に少し驚いたようにする。

「待っていてくださったんですか?」
「いや、そういう訳では、・・・いや。そういう事にしておこうか」

単純に仕事をしていただけだ。
没頭して伸ばし伸ばしにしすぎて、面倒になったから執事にガリウスが帰ってからでいいと言ったのだ。
そう答えればガリウスは苦笑を浮かべた。

サロンで少し話をし、呼ばれたので食堂に向かう。

「そんなに忙しいなら無理に帰って来なくても良いんじゃないか?」
「浮気したいという申告として受け取って良いですか」

嬉しそうに言う男に、眉を潜める。
そんなに監禁したいのか。

「違う。父上だって忙しい時は城に篭るだろう?現に今日だってそうじゃないか。それに結婚前に婚約者の家に寝泊まりってどうなんだ」

「貴方もご存知かと思いますが、今日は王都にシャーリー様がお見えになられたでしょう?
なので定刻には帰られました。
婚前前の寝泊まりについては、たしかに一般的にはそうですが、私は以前よりここにきてますし、今更でしょう。
それに今は貴方に私を慣れてもらわないとなので、子を成すために必要な事ですよ?
いざ結婚して貴方が先日のように拒否をするようだと、出来るものも出来ないでしょう」
「・・・よくもまぁポンポンと・・・。
それと、抵抗したのはお前が話があると言ったのに、いきなりしてきたからだ」
「シャリオン。ちゃんと『キス』と言ってくださいね?外でそんなこと言ったら私が婚前前の貴方に手を出したように聞こえます」
「外ではいわないっそれに、あれは実際手を出したと言っても良いと思うけど?」

先日の出来事を思い出しジト目で見たがすっとぼけている。
仕方なしに話を逸らすことにした。

「というか、父上は定刻に上がられたのか。仲が良いことだ」

それなのに、ガリウスがこんなに遅くなったのも不思議だ。

「たとえ弟君や、妹君が出来ても離縁はしませんからね?」

考え事をしていたシャリオンがそんなことを思っていると、そんなことを言い出して、思わずむせそうになったのをこらえた。

「っ・・・僕が責任逃れするとでも?
例え下ができても押し付けたりはしない」
「失礼。貴方はそんなことしない人ですね。
私のこと嫌いなあまり何かしでかすんじゃないかと勘繰ってしまいました」

ふぅ。と、ため息をつくガリウスに、同じくため息をついた。
疑われた内容は不快だとは思ったが、そんなに離縁したくないとは思わなかった。
それほど、ハイシア家(公爵)の人間になりたいのか?そんな良いものとは思わないのだが。

「前から思っていたが、お前は父上に気に入られているんだ。だからお前が何か不祥事でも起こさない限り、父上はきっと離縁なんて認めないから安心しろ」

現当主が否と言ったら否だろう。
父上もガリウスのことを懐に入れておきたいだろうし。

「そこでなぜレオン様が出てくるのですか?」
「何故ってお前は父上を・・・」

何を言っているんだと、言葉をつまらせた。
しかしだ。


「あぁ。なるほど。貴方が急に聞き分けが良くなった理由がようやく見えてきました」
「?なんのことだ」
「私は私の父をちゃんと慕っていますし、レオン様のことは尊敬であってあの方の息子になりたい訳じゃないですよ」
「ん?そう、なのか?」
「レオン様も息子は貴方1人でいいと思っているでしょうし、何より貴方のことを溺愛してますから」
「それは・・・そうか。すまない」

謝罪しつつ頬が熱くなっていくのを感じた。
子供じみた反応をガリウスにはバレてしまっているだろう。もう、皿から目が離せない。
・・・というか、ガリウスを見られない。

「レオン様にもお話ししないので安心して下さい」
「っ・・・たすかる」
「誓いましょうか?」
「!」

思わず先日の出来事が脳裏に浮かび、顔上げるとニヤリ笑みを浮かべるガリウスと視線が合う。

「僕はっなにも!」
「シャリオンがではなく、私が口外しないという誓いですよ」
「っ~・・・しなくて、いい」
「いいんですか?喋ってしまうかもしれないですよ?」
「駄目だっ」

揶揄われているのはわかっているけども、打開策が見つけられなかった。

「私は誓いたいんですがねぇ。駄目ですか?」
「!」
「じゃないと喋ってしまいそうです」
「!!」


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