184 / 217
執着旦那と愛の子作り&子育て編
【別視点:ガリウス】
しおりを挟む
核は言えば魔法道具の一種。
シャリオンの魔力とガリウスの魔力が合わさると始動し、その状態で互いの組織が混ざることで子を授かる。
他人が作ったものをシャリオンに使うのは本来耐え難いが、初めの頃はシャリオンから信用を得るためにハイシア家で用意する核を用いるしかなかった。
当時は魔力を封印した状態で黒魔術を使えるほどの魔力がなかったからどちらにしても無理であったが。
赤の他人が作ったものより、ヴィンフリートが作るものの方が安心できる。
そう思っていたのだが、箱を開けた時に感じた魔力に違和感を感じた。
しかし、焦るシャリオンを止めて手に取って確認してもおかしなところは無かった。
ヴィンフリートから試されているのかとも思い、ハイシア家で用意したものに替えようとしたが、その時見えたシャリオンの傷付いたような表情にそうも言えなかった。
シャリオンの魔力とガリウスの魔力で作動した核が振動をはじめたのはヴィンフリート仕業だとすぐにわかる。
感じる事で核が子供をなしやすい為そんな事をしたのだろう。
しかし、核に感じるシャリオンを見ていると、自分以外にも感じているかの様で面白くない。
核が振動するのはガリウスに影響されてなのだが、慣れ親しんだ感触に別の何か・・・核があるのが気に食わない。
だが、その核を剥がすわけにはいかないジレンマ。
要はその核に嫉妬をした。
射精を禁ずるとシャリオンは必死にそれに応えてくれる。
逝ってしまってもそれだけの刺激を与えているのだがら仕方がないのにも関わらず、シャリオンはガリウスの嫉妬心が薄れるまで、自分の手で押さえ耐えた。
それはガリウスの嫉妬心を欲情に変える。
ベッドの上でくたりと崩れるシャリオンに罪悪感と、高揚感が募る。
自分しか見た事がないあられもないそんな姿がガリウスを満たすのだ。
ゆっくりと指を抜き去ると、それにすら感じている様でビクビクと体を振るわせるシャリオン。
「よく頑張りました」
強い快感を与えられ続けるのは辛かったはずだ。
今度はシャリオンを愛し甘やかす番。
シャリオンの愛蜜でドロドロになった手を取ると、指先に口付けた。
「っ」
するとガリウスの首に腕を回ししがみついてきた。
その体を抱き寄せ自分に跨がらせると、空いた手で固く実った果実を指でなでる。
シャリオンの好きな愛撫を繰り返すと、耳元に可愛い声がもれる。
「あっんっぅ・・・はぁ・・・ぁ」
無意識に腰を擦り寄せシャリオンのモノが腹に擦られ、ガリウスの臍に引っ掛かる。
その刺激が強くなる様にシャリオンの尻を掴み引き寄せた。
「んぁっ」
「我慢しなくていいですよ・・・?」
そう尋ねれば首を振って嫌がるシャリオン。
少々意地悪をしすぎたようだ。
そんな事を言うガリウスにムゥっとした様にこちらを見て来る。
「っ」
「すみません。
ですが、本当に貴方の感じる様にしたいのです」
鷲掴んだ尻の奥に手を伸ばすと、先程まで散々解していた孔を人撫でする。
期待にひくつく孔に人差し指と中指を差し込むとくぱっと開く。
「力を抜いてくださいね」
「っ」
その言葉にコクコクとうなづくシャリオン。
崩れ落ちない様にしっかりと抱き寄せながらも、猛ったモノを充てるとまるでガリウスのモノに吸い付く様に迎えてくれる。
耳元に心地よい喘ぎ声を響かせながら、ガリウスの強欲を飲み込んでいく。
それと共にガリウスのモノが触れ合う面積が広くなる分だけ振動が強くなる。
「んぁぁっ」
「っ・・・シャリオン、そんな、締め付けないで下さい」
「!っ・・・ぅっ」
柔らかくほぐれていたそこは喜んで吸い付く様だ。
ガリウスの言葉に必死に耐えようとしているが締め付けてしまうシャリオンの緊張をほぐす様に乳首を優しく指でこねる。
「んんんぅ」
「っ」
同時に緩く腰を動かす。
核の振動はガリウスにも当然刺激を送っており、いつもより大きくさせていた。
繋がっている部分の縁を撫でてもそれがわかる。
「ゃぁっ・・・んっ・・・」
必死に広げようとしていら最中に邪魔する行為で、
切なげな声をあげる唇に重ねる。
批判めいていた声も簡単にキスに夢中になっていく。
柔らかな舌を吸い上げ絡めた。
「ぁっ・・・が、りぃ」
細い腰を掴み押し進め指では届かない所を押し開いていく感覚にシャリオンは目を見開き小さく喘ぎ、
そんな姿にも興奮する。
「っ・・・!」
シャリオンにもそれが通じたのか驚いた様に目を見開いて瞼に口付けた。
無自覚に全身で煽って来るのだから仕方がない。
シャリオンに責任をとって貰おう。
「愛しています」
「っ・・・ぼ、くもっ・・・あっんんぁぁっ」
答えてくれるシャリオンの唇を塞ぎながら、腰を動かすガリウス。
なんども愛を囁きながら、シャリオンが気を失うまでその体と心を貪った。
★★★
とある日の午後。
宰相の執務室から出て資料室に向かう途中でルークに出会う。
この廊下の先はここまでで部屋の主であるレオンは大抵陛下であるブルーノの近くにいる。
つまり、ルークは自分に用があるのだろう。
「やぁ。忙しさそうだね」
「ルーク様」
礼を取りつつほぼ習慣で結界をはる。
この人物は大抵聞かれては困る事を持ってくるのだ。
「少し良いかな」
「はい」
「よかった。じゃついてきて」
ここの場から離れさせることに、ガリウスは頷きその後ろについて行くとついた先は私室だった。
中にいた使用人にお茶の準備を指示するとその後はさがらせた。
ルークの従者も入室しない部屋に、ガリウスの従者も同様に退出させる。
「ここなら誰も来ないからね」
「アンジェリーン様は?」
「来るわけない。・・・あぁ一回だけきたな」
「あるのですね」
仮面夫婦である彼等だと知っているが、まさか一回でもあるとは思わなかったガリウスが驚くと、ルークは眉を顰めた。
「わかってて聞いた~?相変わらず人が悪い」
「失礼致しました」
「はぁ・・・」
そうため息をつくルークには疲れが見えた。
以前だったらケラケラと面白がるところだ。
「シャリオン何か言っていた?」
「いいえ。おめでたい事だと喜んでおりました」
「そっか。変に聡い時があるから何か感づくかと思ったけどよかった」
ルークの生みの父親であるルーティが正式に王配になる話だ。
「そこまでして頂かなくて良いのですが」
ガリウスはため息を吐く。
「これはシャリオンの為じゃない。
俺達の自己満足だよ。
じゃなければ、悲しませなかった。
・・・泣かせた、・・・よな」
いつもの飄々としたルークではなく鎮痛な面持ちだ。
ここで自己満足だと言わなかったならどうしてくれようかとも思った。
しかし、ガリウスも自分の願望の為に、長くキュリアスにいすぎた。
その結果、攫われたガリウスとレオンまでが国をあけたのだが、それによりハイシア家に文句を言う家が出てきた。
それなりに力を持っている家が、ハイシア家ばかり優遇していると言ってきているのだ。
これまでもそんな声はあったが、前回ばかりは多かった。
その中にはアンジェリーンの生家であるアルカス家も含まれていた。
文句を言ってきた家にはハイシア家には後継を養子に出す事に決まったと告げた。
貴族の家で後継を取り上げられることは重大問題だ。
双子とはいえ子を成しにくい世界で、それは重い罰であり、皆その罰を聞くと納得して大人しく帰っていった。
勿論その時は養子先が王家だとは告げなかったが。
しかし、アルカス家がそれをストッパーになる役目を今後してくれるだろう。
アンジェリーンが居るにも関わらず、養子を取ると言うことは、子を成さない理由はルークとアンジェリーンのどちらかにあるわけだ。
実際。
2人の間に子供が居ないのは、アンジェリーンが当初から拒否をしていたがアンジェリーンの所為だ。
それを、アルカス家にアンジェリーンが告げたからどうかわからないが、今のところアルカス家から新たな問い合わせはない。
アルカス家が自分達の立場が悪くなる可能性のある事を、明確にしそれも公開するような真似しないだろう。
その様子からも自覚しており、今後『ハイシア家は十分に罰を受けた』と言うしかないのだ。
それが、例えガリオンという後継が居ても、そう通すしかない。
現存の公爵家の中で純粋に家の力でみたら1番強い家が、そう言うならば他の貴族達も納得いかなくとも表面上はそれに従う。
そうする事でシャリオンを守ろうとしているのだ。
このお節介な兄弟とその伴侶は。
ルーティが王配になる様に願ったのはライガーである。
ずっと胸にあったが言えなかった、自分の親はルーティだと幼い頃からずっと思ってきた事を告げた。
『俺の親だと思えたのはルーティ様だけです』
ルーティのライガーの産みの親だからと大切にしてくれようとする気持ちは嬉しいが、ブルーノの王配となってくれた方が嬉しい。
彼とてブルーノの王配になりたくなかった訳ではないのを知っていたからだ。
今は若かりし頃に男爵家の家の出がありえない。なんて言う者はいない。
そう言わせないだけ、ルーティは亡き王妃の代理として務めてきたのだ。
ライガーがもっと早く言い出せば良かったと詫びれば、ルーティは「かたちなんて関係ない。陛下と私は十分に愛し合っているし、貴方も私の息子です。でも、そうする事で都合が良くなることがあるなら、私も貴方の父になります」と言った。
それはライガーの目的が分かっているかのように。
文句を言ってきた家には罰を与えたことは告げた。
アンジェリーンの生家と言うストッパーもあるが、アシュリーが正式に王族になると公開する日と合わせら事で、アシュリーに向かう目を暖和させるのが目的である。
ルーティとシャーリーは親友であり、ハイシア家が窮地に立たされるのは嫌なのだろう。
なにも言わなくとも、その日に合わせたいとルーティから言ってきたそうだ。
そんな考えを聞いた時、回りくどいがたしかにそうかもしれない。とは、思った。
しかし、そもそも罰を現金にしてもらいたかった。
他貴族からの文句は当然上がってくるのはわかっていたし、もしかしたら次期宰相と言うのも剥奪されるかも知れなかったが、その方が断然都合が良かったのだが。
そんな思いもあって自分の事を棚に上げて、ガリウスは冷たく言い放った。
ガリウスが本当は洗脳されていなかったことは、ヴィンフリートにしか気付かれていない。
「えぇ。アシュリーとガリオンを引き離し、寂しい思いをさせたのは私欲を優先し国を空けたせいだと、自分をひどく責めています」
「っ」
「シャリオンを王都に縛り付けようとするからです」
「!・・・なんのことかわからないな」
「ライガー様にも聞いていただきましょうか」
「それは困る」
そう良いながらルークは手を前に出して止めてくる。
ライガーはシャリオンを悲しませるのだけは許せない人間だ。
ルークとてそうしたくてしたわけじゃない。
王都にもいるし、そんな悲しむとは思わなかったのだ。
「アンジェリーン様にもくれぐれそのようにお伝えください」
「っ」
見かけによらずアンジェリーンが図太いのは知っている。
そんな彼が王配になるのが不安だから相談役が欲しいだなんて嘘にしか聞こえない。
100歩譲ってまだミクラーシュの方が洗脳されたいたとはいえ、それまで振る舞っていた行動に不安があるというのはわかるが。
「王都の屋敷に戻る事を聞いたらしくて、かなりご立腹だったよ」
はぁ。と、深い溜息をつくルーク。
ため息を吐きたいのはこちらである。
本当に厄介なものに好かれてしまうシャリオンを本気で閉じ込めたくなってくる。
ヴィスタの事もそうである。
自分が空けていても大丈夫なように、次期宰相になりうる人材の強化と環境を早急に整えねば。と、思うガリウスだった。
シャリオンの魔力とガリウスの魔力が合わさると始動し、その状態で互いの組織が混ざることで子を授かる。
他人が作ったものをシャリオンに使うのは本来耐え難いが、初めの頃はシャリオンから信用を得るためにハイシア家で用意する核を用いるしかなかった。
当時は魔力を封印した状態で黒魔術を使えるほどの魔力がなかったからどちらにしても無理であったが。
赤の他人が作ったものより、ヴィンフリートが作るものの方が安心できる。
そう思っていたのだが、箱を開けた時に感じた魔力に違和感を感じた。
しかし、焦るシャリオンを止めて手に取って確認してもおかしなところは無かった。
ヴィンフリートから試されているのかとも思い、ハイシア家で用意したものに替えようとしたが、その時見えたシャリオンの傷付いたような表情にそうも言えなかった。
シャリオンの魔力とガリウスの魔力で作動した核が振動をはじめたのはヴィンフリート仕業だとすぐにわかる。
感じる事で核が子供をなしやすい為そんな事をしたのだろう。
しかし、核に感じるシャリオンを見ていると、自分以外にも感じているかの様で面白くない。
核が振動するのはガリウスに影響されてなのだが、慣れ親しんだ感触に別の何か・・・核があるのが気に食わない。
だが、その核を剥がすわけにはいかないジレンマ。
要はその核に嫉妬をした。
射精を禁ずるとシャリオンは必死にそれに応えてくれる。
逝ってしまってもそれだけの刺激を与えているのだがら仕方がないのにも関わらず、シャリオンはガリウスの嫉妬心が薄れるまで、自分の手で押さえ耐えた。
それはガリウスの嫉妬心を欲情に変える。
ベッドの上でくたりと崩れるシャリオンに罪悪感と、高揚感が募る。
自分しか見た事がないあられもないそんな姿がガリウスを満たすのだ。
ゆっくりと指を抜き去ると、それにすら感じている様でビクビクと体を振るわせるシャリオン。
「よく頑張りました」
強い快感を与えられ続けるのは辛かったはずだ。
今度はシャリオンを愛し甘やかす番。
シャリオンの愛蜜でドロドロになった手を取ると、指先に口付けた。
「っ」
するとガリウスの首に腕を回ししがみついてきた。
その体を抱き寄せ自分に跨がらせると、空いた手で固く実った果実を指でなでる。
シャリオンの好きな愛撫を繰り返すと、耳元に可愛い声がもれる。
「あっんっぅ・・・はぁ・・・ぁ」
無意識に腰を擦り寄せシャリオンのモノが腹に擦られ、ガリウスの臍に引っ掛かる。
その刺激が強くなる様にシャリオンの尻を掴み引き寄せた。
「んぁっ」
「我慢しなくていいですよ・・・?」
そう尋ねれば首を振って嫌がるシャリオン。
少々意地悪をしすぎたようだ。
そんな事を言うガリウスにムゥっとした様にこちらを見て来る。
「っ」
「すみません。
ですが、本当に貴方の感じる様にしたいのです」
鷲掴んだ尻の奥に手を伸ばすと、先程まで散々解していた孔を人撫でする。
期待にひくつく孔に人差し指と中指を差し込むとくぱっと開く。
「力を抜いてくださいね」
「っ」
その言葉にコクコクとうなづくシャリオン。
崩れ落ちない様にしっかりと抱き寄せながらも、猛ったモノを充てるとまるでガリウスのモノに吸い付く様に迎えてくれる。
耳元に心地よい喘ぎ声を響かせながら、ガリウスの強欲を飲み込んでいく。
それと共にガリウスのモノが触れ合う面積が広くなる分だけ振動が強くなる。
「んぁぁっ」
「っ・・・シャリオン、そんな、締め付けないで下さい」
「!っ・・・ぅっ」
柔らかくほぐれていたそこは喜んで吸い付く様だ。
ガリウスの言葉に必死に耐えようとしているが締め付けてしまうシャリオンの緊張をほぐす様に乳首を優しく指でこねる。
「んんんぅ」
「っ」
同時に緩く腰を動かす。
核の振動はガリウスにも当然刺激を送っており、いつもより大きくさせていた。
繋がっている部分の縁を撫でてもそれがわかる。
「ゃぁっ・・・んっ・・・」
必死に広げようとしていら最中に邪魔する行為で、
切なげな声をあげる唇に重ねる。
批判めいていた声も簡単にキスに夢中になっていく。
柔らかな舌を吸い上げ絡めた。
「ぁっ・・・が、りぃ」
細い腰を掴み押し進め指では届かない所を押し開いていく感覚にシャリオンは目を見開き小さく喘ぎ、
そんな姿にも興奮する。
「っ・・・!」
シャリオンにもそれが通じたのか驚いた様に目を見開いて瞼に口付けた。
無自覚に全身で煽って来るのだから仕方がない。
シャリオンに責任をとって貰おう。
「愛しています」
「っ・・・ぼ、くもっ・・・あっんんぁぁっ」
答えてくれるシャリオンの唇を塞ぎながら、腰を動かすガリウス。
なんども愛を囁きながら、シャリオンが気を失うまでその体と心を貪った。
★★★
とある日の午後。
宰相の執務室から出て資料室に向かう途中でルークに出会う。
この廊下の先はここまでで部屋の主であるレオンは大抵陛下であるブルーノの近くにいる。
つまり、ルークは自分に用があるのだろう。
「やぁ。忙しさそうだね」
「ルーク様」
礼を取りつつほぼ習慣で結界をはる。
この人物は大抵聞かれては困る事を持ってくるのだ。
「少し良いかな」
「はい」
「よかった。じゃついてきて」
ここの場から離れさせることに、ガリウスは頷きその後ろについて行くとついた先は私室だった。
中にいた使用人にお茶の準備を指示するとその後はさがらせた。
ルークの従者も入室しない部屋に、ガリウスの従者も同様に退出させる。
「ここなら誰も来ないからね」
「アンジェリーン様は?」
「来るわけない。・・・あぁ一回だけきたな」
「あるのですね」
仮面夫婦である彼等だと知っているが、まさか一回でもあるとは思わなかったガリウスが驚くと、ルークは眉を顰めた。
「わかってて聞いた~?相変わらず人が悪い」
「失礼致しました」
「はぁ・・・」
そうため息をつくルークには疲れが見えた。
以前だったらケラケラと面白がるところだ。
「シャリオン何か言っていた?」
「いいえ。おめでたい事だと喜んでおりました」
「そっか。変に聡い時があるから何か感づくかと思ったけどよかった」
ルークの生みの父親であるルーティが正式に王配になる話だ。
「そこまでして頂かなくて良いのですが」
ガリウスはため息を吐く。
「これはシャリオンの為じゃない。
俺達の自己満足だよ。
じゃなければ、悲しませなかった。
・・・泣かせた、・・・よな」
いつもの飄々としたルークではなく鎮痛な面持ちだ。
ここで自己満足だと言わなかったならどうしてくれようかとも思った。
しかし、ガリウスも自分の願望の為に、長くキュリアスにいすぎた。
その結果、攫われたガリウスとレオンまでが国をあけたのだが、それによりハイシア家に文句を言う家が出てきた。
それなりに力を持っている家が、ハイシア家ばかり優遇していると言ってきているのだ。
これまでもそんな声はあったが、前回ばかりは多かった。
その中にはアンジェリーンの生家であるアルカス家も含まれていた。
文句を言ってきた家にはハイシア家には後継を養子に出す事に決まったと告げた。
貴族の家で後継を取り上げられることは重大問題だ。
双子とはいえ子を成しにくい世界で、それは重い罰であり、皆その罰を聞くと納得して大人しく帰っていった。
勿論その時は養子先が王家だとは告げなかったが。
しかし、アルカス家がそれをストッパーになる役目を今後してくれるだろう。
アンジェリーンが居るにも関わらず、養子を取ると言うことは、子を成さない理由はルークとアンジェリーンのどちらかにあるわけだ。
実際。
2人の間に子供が居ないのは、アンジェリーンが当初から拒否をしていたがアンジェリーンの所為だ。
それを、アルカス家にアンジェリーンが告げたからどうかわからないが、今のところアルカス家から新たな問い合わせはない。
アルカス家が自分達の立場が悪くなる可能性のある事を、明確にしそれも公開するような真似しないだろう。
その様子からも自覚しており、今後『ハイシア家は十分に罰を受けた』と言うしかないのだ。
それが、例えガリオンという後継が居ても、そう通すしかない。
現存の公爵家の中で純粋に家の力でみたら1番強い家が、そう言うならば他の貴族達も納得いかなくとも表面上はそれに従う。
そうする事でシャリオンを守ろうとしているのだ。
このお節介な兄弟とその伴侶は。
ルーティが王配になる様に願ったのはライガーである。
ずっと胸にあったが言えなかった、自分の親はルーティだと幼い頃からずっと思ってきた事を告げた。
『俺の親だと思えたのはルーティ様だけです』
ルーティのライガーの産みの親だからと大切にしてくれようとする気持ちは嬉しいが、ブルーノの王配となってくれた方が嬉しい。
彼とてブルーノの王配になりたくなかった訳ではないのを知っていたからだ。
今は若かりし頃に男爵家の家の出がありえない。なんて言う者はいない。
そう言わせないだけ、ルーティは亡き王妃の代理として務めてきたのだ。
ライガーがもっと早く言い出せば良かったと詫びれば、ルーティは「かたちなんて関係ない。陛下と私は十分に愛し合っているし、貴方も私の息子です。でも、そうする事で都合が良くなることがあるなら、私も貴方の父になります」と言った。
それはライガーの目的が分かっているかのように。
文句を言ってきた家には罰を与えたことは告げた。
アンジェリーンの生家と言うストッパーもあるが、アシュリーが正式に王族になると公開する日と合わせら事で、アシュリーに向かう目を暖和させるのが目的である。
ルーティとシャーリーは親友であり、ハイシア家が窮地に立たされるのは嫌なのだろう。
なにも言わなくとも、その日に合わせたいとルーティから言ってきたそうだ。
そんな考えを聞いた時、回りくどいがたしかにそうかもしれない。とは、思った。
しかし、そもそも罰を現金にしてもらいたかった。
他貴族からの文句は当然上がってくるのはわかっていたし、もしかしたら次期宰相と言うのも剥奪されるかも知れなかったが、その方が断然都合が良かったのだが。
そんな思いもあって自分の事を棚に上げて、ガリウスは冷たく言い放った。
ガリウスが本当は洗脳されていなかったことは、ヴィンフリートにしか気付かれていない。
「えぇ。アシュリーとガリオンを引き離し、寂しい思いをさせたのは私欲を優先し国を空けたせいだと、自分をひどく責めています」
「っ」
「シャリオンを王都に縛り付けようとするからです」
「!・・・なんのことかわからないな」
「ライガー様にも聞いていただきましょうか」
「それは困る」
そう良いながらルークは手を前に出して止めてくる。
ライガーはシャリオンを悲しませるのだけは許せない人間だ。
ルークとてそうしたくてしたわけじゃない。
王都にもいるし、そんな悲しむとは思わなかったのだ。
「アンジェリーン様にもくれぐれそのようにお伝えください」
「っ」
見かけによらずアンジェリーンが図太いのは知っている。
そんな彼が王配になるのが不安だから相談役が欲しいだなんて嘘にしか聞こえない。
100歩譲ってまだミクラーシュの方が洗脳されたいたとはいえ、それまで振る舞っていた行動に不安があるというのはわかるが。
「王都の屋敷に戻る事を聞いたらしくて、かなりご立腹だったよ」
はぁ。と、深い溜息をつくルーク。
ため息を吐きたいのはこちらである。
本当に厄介なものに好かれてしまうシャリオンを本気で閉じ込めたくなってくる。
ヴィスタの事もそうである。
自分が空けていても大丈夫なように、次期宰相になりうる人材の強化と環境を早急に整えねば。と、思うガリウスだった。
0
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる