マニアックヒーロー

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イエロー

バナナ

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 風に揺れるブロンド。青い目。誰か見てもわかる整った顔。これでモテない訳がない。
 ストーカーにあったり、痴漢されたり、目の前で取り合いが起こったり、そのせいでバイトをクビになったりと散々だ。

「サム……」

 マフラーに顎を埋めながら身体を縮こまらせると、眼鏡が白く曇った。僕の誕生日はクリスマス。まだ少し早いけど、世間はすっかりクリスマスカラー。サンタさんはたくさんくる。プレゼントはいらないから海外に逃げたい。返り血に染まるサンタクロースたちに『誰からプレゼントを受け取るの?』と詰め寄られた時は恐怖でチビるかと思った。すっかりトラウマになってしまった。

「ケーキなんてなんでもいいだろ。そこらのコンビニで予約すれば」
「有名店のがいい!」
「大体なんで俺がつきあわされてんだよ……」
「そりゃあ、サプライズにしたいしー?」

 歳が離れた兄弟が、ケーキ屋から出てきて言い合いをしている。
 両親へのサプライズかな? 兄弟にしては似てない。普通に会話してるだけなんだけど、弟が天使のような可愛さなので視線を奪われた。他の通行人もチラチラと2人を見ている。僕がつい見てしまったのは、兄のほうが赤いジャケットを着ていたせいもある。この季節になると、赤い服に敏感になる。

「おっ……」

 赤いほうと目があった。
 え。なんで、どんどん近づいてくるんだ。ちょっと見てただけなのに。

「待て。逃げるなって」
「どうしたの? まさかこの人……」
「ああ。イエローだ」

 逃げたけど回り込まれた。前門の赤ジャケ、後門のカワイコちゃん。

「あー……。この瞬間が一番気まずいんだよなぁ」
「もう8人連続で断られてるって言ってたもんね」
「いや、昨日2桁になった……」

 ナンパという感じでもなさそうだけど、会話や流れ的に……絵とか、ツボ? 僕、フリーターでそんなにお金持ってないのに。

「あんたさ、最近起こってる白昼夢事件、知ってる?」

 まったく予想外なことを言われた。しかもその話題は、僕が今一番興味を惹かれてやまない、不思議現象!

「もちろん! 新聞からニュースから全部チェックして保存しててます! 原因まだわからないんですよね。最近は起こってないそうですけど、僕一度でいいから当事者になってみたくて、休みの日は意味もなく街を歩き回ってるんです! 夢の中では戦隊ヒーローのような姿を見た人もいるとか、それに」
「す、ストップストップ! 記者かなんかかよ!」

 思わずまくしたててしまった。恥ずかしい。
 だって、似てない兄弟に急に声をかけられて、こんなふうに訊かれて……。なんか、不思議なことでも起こるような予感がしたんだ。

「それにしても……ボクが知ってる限り、赤城サンが声をかけるのってみんな顔がいいよね。絶対に趣味で選んでるでしょ」
「たまたまだ。それにモモは俺の好みじゃない」
「ボクも赤城サンのコト欠片も好みじゃないけど、そう言われるのはムカツク」

 名前で呼んでるし、兄弟じゃないのか。
 さっきまで怖かったけど、今はもうなんかドキドキする。

 兄弟でないとしたら2人はどんな関係なんだろう。

「なってみるか? 当事者に」
「えっ……?」

 まさか、この人たちが白昼夢事件の首謀者とか。いや、それはさすがにドラマの見すぎか。

 ……僕は、オカルト……超常現象が大好きだ。それを題材にした研究書は何冊も読んでるし、超能力が使いたくて練習もしたし、黒魔術を試して食中毒で入院したこともある。
 日常から足を踏み外せるような誘いに目がくらむ。
 もし声をかけてきたのがこの赤い男だけだったら即ナンパだと判断していたけど、こういう2人組はフィクションの世界ではまず道標になる。
 それに天使みたいな男の子が仲良くしてるのなら、そんなに危険もなさそうかなって……。洗脳されていたら話は別だけど。

「なっ……、なってみたいです!」
「こんなにスムーズにいったの初めてでちょっと感動するな。あんた、開運ブレスレットとか買ったり、変な宗教にハマッたりしないよう注意しろよ」
「そ、それは大丈夫です! あのあたりはニセモノなんで……」
「でも鏡の前で変な呪文を唱えてそうではあるよね」
「…………」
「図星かよ!」

 無言になったら、いいタイミングで赤い人にスパーンと突っ込まれた。実はお笑いの方たちかもしれない。ちなみに図星だ。

「あー……。とりあえず……シロにここまで来てもらうか。秘密基地見せたら警戒しまくるだろ、この顔だと」
「そうだね、これだけ綺麗だと」

 天使の子が見てるの、顔じゃないんだけど……。それに警戒しまくるような秘密基地とか怪しすぎる。
 でも不思議な世界を見るために、背に腹は替えられない。

「えっと、まずは自己紹介かな。ボクは美作桃壱。この赤いのが赤城英雄。好きに呼んでいいからね」
「僕は黄原蜜人(きはらみつと)っていいます。よろしくお願いします!」
「よろしくな、キイ」
「ミツでなくそっちで呼ぶんだ。わざわざ色を入れてるんだ。本当にこだわるよね、オタクは」
「わかりやすくていいってだけでオタクではない」
「僕もオカルトマニアなので大丈夫です!」
「だから俺は違うって!」

 赤城さんとは趣味が合いそうな気がする……。
 本当に、この人たちについていけば白昼夢事件のことがわかるのかな。僕の日常が、非日常に変わるのかな。不思議な力が使えるようになったりするのかな。

 嬉しくって、少しズレた眼鏡を直しながら笑った。

「ホント……あんた、絶対に変な人についていくなよ」
「赤城サンがそれ言っちゃう? ダンゼン変な人だよ」
「俺は普通だ!」

 僕は……それよりも、桃くんが尻ばかり見てくるのが、ちょっと気になったけど。
 目の前にぶら下げられた餌は極上で、それ以外のことは割とどうでもよくなっていた。




 喫茶店でシロさんという人の到着を待つ。僕と桃くんはパフェを注文し、赤城さんはコーヒーを飲んでいる。

「18なんだ。若いな」
「もうすぐ19になりますけどね」

 赤城さんは24、桃くんはなんと13歳だ。若いというか、まだ幼い。ずいぶんしっかりして見えるのは、大人にならなきゃいけない環境からかもしれない。これだけ可愛ければ、色々あるだろうし。

「シロさんて、どんな人なんですか?」
「凄くカッコイイよ!」

 桃くんが目をキラキラさせながら言う。どうやらシロさんのことが好きらしい。

「どんな人っていうか、人間ではない、みたいな……」

 赤城さんは気まずそうに目を逸らしながら言う。

「人間ではない」

 思わずゴクリと喉が鳴った。いや、期待はするな。まさかの犬とかいうパターンも有り得る。それはそれでちょっと見てみたい。

「オカルトマニアなら、実は幽霊! とかのが嬉しいのかな?」
「オカルトはホラーと思われがちだけど、超能力とかUFOとか、そういうもの全般をさすんだよ。僕が主に好きなのは魔術や超能力かな。いい歳をして恥ずかしいけど」
「それならほぼ毎日戦隊ヒーロー上映会やらかしてる赤城サンのほうが恥ずかしいから大丈夫だよ」
「俺の場合は参考のためだろ、参考の!!」

 なんの参考なんだろうか……。

「でもまあ、それならシロに会ったら感動で泣き出すかもな」
「そ、そんなに……?」
「ネタバレしちゃってもいいけど、これは是非直接会わせたいね」

 2人ともウンウンと頷き合っている。
 さっきは両親のためにケーキを買おうとしてるのかと思ってたけど、流れ的にサプライズの相手はシロさんという人なのかも。いや、犬? 幽霊?

「あ! そういえば、ケーキ探すのは良かったんですか?」
「良くないけど仲間探しが優先なんだよね」
「そもそも命にも関わってくるからな」
「い、命……?」

 物騒な会話なのに、嘘みたいに胸が高鳴っている。期待しないようになんて、無理な話だった。僕は2人に誘われた時点で、イキそうなくらい昂ぶっている。これがいい歳をした大人が中学生のごっこ遊びに付き合ってるパターンだったとしても構わない。むしろ僕もその仲間に入れてほしい。こういう話題に付きあってくれる友達いないし。

「あっ! 司令官サン来た!」

 司令官……? とりあえず、犬ではなかった。人に見える。でも幽霊かもしれない。

「お待たせしました」

 そして僕らの席まで急いで走ってきて、テーブルの上を見て顔を強張らせた。

「イエローなのに、どうしてカレーじゃないんですか?」
「えっ?」

 確かに僕が頼んだのは、特大チョコレートサンデーだけれども。
 それに辛いものは苦手なのでカレーはカレーの王子様しか食べられない。

「それは俺も気になっていた……」

 赤城さんまで!?
 そもそも僕がカレーを頼まないといけないという脈絡がわからない。桃くんだけは呆れた顔をしている。

「どうせオタクな理由でしょ。それより早いとこ説明してあげようよ。戦いに巻き込まれるとわかってて、素直に仲間になってくれる人なんて貴重だよ!」

 いや戦いとか初耳なんですけど……。

「ですが、イエローなら3食カレーくらいの勢いでないと!」

 なんという無茶振り。どんな食生活? もしかしてこの人たちカレー愛好会かなんかなの? 僕の髪はイエローじゃなく金だし、そこも納得いかない。

「同感だが、仲間集めのツラさはシロが一番よく知ってるだろ。最近じゃ声をかけるのも疲れてきたぞ」
「割と楽しそうにしてるじゃないですか。おととい秘密基地をラブホテルがわりに使ったこと、知ってるんですからね!」
「……正しすぎる使い方だろ……」
「赤城サン、不潔……!」

 これは僕、やはりAVにでも出演させられるのでは。

「あ、あの、僕、やっぱり帰りま……」
「ほら、シロ! 彼を引き留められるのはあんただけだぞ!」
「……正義の、ヒーローに……なって、みませんか?」

 凄いシブシブした様子で、シロさんが声をしぼりだした。

「急にヒーローとか言われてもちょっと」
「何を隠そう、コイツは宇宙人だぞ! 好きなんだろ、そういうのが!」
「う、宇宙人!?」

 頭から爪先まで眺めてみる。どこからどう見ても人間だ。
 ただ、かなりの美形ではある。桃くんが赤城さんは仲間を顔を基準に選んでるみたいなことを言ってたのも頷ける話。

「それは自称宇宙人じゃなくてですか?」
「自称。確かにまあ、外見だけだと証拠がねーな」
「ここまでの美尻は、地球人では有り得ないと思うんだけど……」
「お前は何を言ってるんだ」

 証拠と言っても手品を見せられて終わりな気がする。僕がオカルト好きだとわかると、そういうアプローチをしてくる人は結構いた。幼い頃にそれで誘拐されかかったのも、苦い思い出だ。
 ……まあ、ああいうエンターテイメントは、嫌いではないけど。

「ええと。私が宇宙人だという証拠を見せればいいんですね」
「おっ、なんかあんのか?」
「ヒーロースーツを身体にあててもらえれば一発だと思うんですけど」
「……この場でそれは、可哀想すぎるでしょ」
「2人が変身してみせれば解決では?」
「それは俺たちが可哀想すぎるだろ」
「あ、あの。白昼夢事件は、どうなったんですか?」

 もし今ここで、それが起これば僕も信じられると思う。ただその場合はこの人たちが犯人ということになってしまうけど。
 でも、それでも良かった。実害が出ているわけではないし、夢として楽しんだというネットニュースもよく見る。

「ボクらはね、それを解決する側なんだよ。だから、白昼夢を狙って起こせるかっていうと……」
「シロならできるかもしれねえけどな……」
「機械が奪われてるのでそれは無理なんですが……。こういうのはどうでしょう」

 シロさんが目を閉じて開けると、茶色だった瞳が綺麗な金色になった。まばたきする度に、色が変わる。

「え、司令官サン、何!? 姿形を変えられるの!? お尻は!? これは天然!?」
「ピ、ピンク……! 揉まないでください! ソコは天然ですから! 今のは科学の力によるものなんです」
「なるほど。発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。ってヤツか。昔のやつらから見れば、これも充分魔法だもんな」

 赤城さんはそう言って、スマホの画面に動画を映した。それは見覚えのある、超能力モノのドラマだった。
 確かに……昔の人から見れば、板の中に人が閉じ込められてるとでも思うのかもしれない。シロさんが今、どのようにしたかはわからないけど、僕には充分不思議な力に見えた。
 下世話に考えるなら……今のが科学の力であれば、きっと売れる。それだけの能力を持った人間が、僕なんか騙しても仕方ない。よってシロ。シロさんだけに。むしろ騙されても本望!

「わかりました! ヒーローになります!」

 胸を撫でおろす赤城さん、ニコニコする桃くん。ただ、シロさんだけはまだ納得いかないような顔をしていた。僕に決心させたのは他でもない彼だというのに。

「ところで、この喫茶店はカレーが美味しいんですよ?」

 それ諦めてなかったのか……。

「僕、辛いものが苦手で、子供用のでないと無理なんですよ。喫茶店とかのは大体中辛なんで……」
「大丈夫です、特訓すれば!」
「まあまあ。カレーが苦手なイエローもキャラづけとしてはアリだろ。そもそもピンクだって男なんだ」

 戦隊ヒーローのピンクが女性であることくらいは僕も知っている。桃くんは可愛いけれど男の子で、言われてみればシロさんの基準からは外れるのでは。何故僕だけ。

「苦手というだけではインパクトが薄すぎます。そんなことで視聴者の気が引けるとでも思ってるんですか!?」
「いやまずいねーだろ、視聴者が」

 うん。清々しいくらいヒーロー感がないな。お笑いしたいのかヒーローごっこしたいのかどっちだよ。
 インパクトと言われると困るけど、カレーを食べさせられるのはもっと困る。

「そもそも、イエローでカレーが好きって設定自体、そんなにあるわけじゃない」
「それはそうなんですけど……」

 そ、そうなのか。なんだこの無駄な豆知識は。
 でも、それなら……。

「バナナ……じゃ、ダメですかね。黄色いし。甘いものは好きなので……」
「ちょっとゴリラかよって感じはするけど、ルックスにもあってるし、ボクはアリだと思うな」
「カレーではなく、バナナですか。そうですね。ありな気がしてきました」
「フフ……。常にバナナを食べてるイエローか。いいな……。それはいい」

 別に常に食べていたいわけでもなかったけど、何故か赤城さんは今日見た中で一番いい笑顔をしていた。
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