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イエロー
好きになっちゃうかも
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ギンタになって、青山さんとプールで遊ぶ夢を見た……ような、気がする。
目が醒めると横に青山さんが寝ていて、僕は反射的に起き上がった。
心臓は寝る前よりも凄い音を立てている。ギンタは青山さんの横で丸まって寝てた。ロボットのくせに寝るのかお前。
よく拭かなかったらしく、青山さんの髪の毛はしっとりと濡れている。それを一房、掴んで離す。指ざわりが少し軋んだ。毛先は揃ってないし、痛んでる。素材は良さそうなのに、手入れがされてないのは勿体ないな。
シャツから覗く肌に水滴が垂れるのを見て、思わず指先で拭った。
「んっ……」
予想外に高い声が上がって、慌てて手を離す。広いベッドだけど、後退りしすぎて落ちそうになった。
「黄原……? あれ、オレ寝てた? ヨダレたれてないかな」
眠そうな顔で、口元をコシコシと擦っている。
背中のほうがなんだかくすぐったい。喉がやたらと乾く。腰から下も重くて視線を落とすと、案の定、勃っていた。
「あの……。青山さん。やっぱり、同室はやめておいたほうがいいかも」
「えっ? なんでだ? 何かあったのか?」
「どうしてか勃っちゃうんですよ、貴方といると」
「……そ、それは。じ、条件反射、とかでは……。今日、あんなことがあったのだし……」
「だとしても普通に考えて、自分に勃つような相手と同室でいるのなんて嫌でしょ?」
少なくとも、僕なら嫌だ。自分に欲情するような相手と床まで共にするなんて正気の沙汰じゃない。
「少し気まずいが、オレは別に構わないぞ」
おかしいだろ、この人。
「構わないって……青山さん」
「君はオレを襲ったりするのか?」
「し、しませんよっ!」
「ならいい。ギンタのこともあるし、同室でいるべきだ」
そうか。僕らが同室なのは望んだからではなく、理由あってのことだもんな。命と秤にかけたら、欲情されるくらいは構わな……いの、か? そんなに軽いようなことでも、ない気がするんだけど……。
「あの。でも、やっぱりダメです」
「どうしてだ?」
「だって……こんな、ずっと一緒にいたら、す……好きになっちゃうかもしれないじゃないですか!」
叫ぶように言い切って俯くと、青山さんが無言になった。
そりゃそうだよね。こんなこと言われたら困るよね。欲情するとか勃起するとかも大概だけど、トドメでしかないよね、コレ。
「それは、さすがに……」
「いいんです。スミマセン、変なこと言って」
「可愛いがすぎる」
「え?」
「いや……。なんでもない」
顔を上げると、青山さんは茹でだこのように真っ赤になっていた。
「……好きになったら、責任とってくれるんですか?」
「わ、わからない」
「わからないって」
「オレは君より歳上だが、色恋沙汰には本当に慣れてないんだ。き、訊かれても……その、こ、困る」
この人のほうこそ可愛いがすぎない?
「僕も慣れてませんよ」
巻き込まれたり言い寄られたりすることは多いけど……。それはまあ、言わなくてもいいことだ。
「その顔でか?」
「そっくりそのままお返しします」
青山さんだって絶対に、言い寄られたりしてる。赤城さんがいい例だし、何かあったに違いないし、想像するとムカムカしてくる。
「好きになってくれるのなら嬉しいが、歳もだいぶ離れているし……男同士だし、きっと気の迷いで終わるだろう」
大人としての、無難な答えが返ってきた。
気の迷いで終わらなかったらどうしてくれるんだ。
「無責任すぎます」
「そうは言ってもな……。まず、好きになるかどうかもわからないのに」
「それはそうですけど……」
見合ったまま、お互い固まってしまった。困らせているとは思う。でも僕自身、どうしていいかわからない。予防策として同室を避けることくらいしか、思い浮かばなかった。
「問題、それだけじゃないですし。同じ部屋はやめたほうがいいと思うんです」
何しろすでに勃ってる。惚れた腫れたはともかく、下半身は簡単に腫れるのだ。
「だが、ギンタが……」
「ギンタは青山さんが一緒にいてあげてください。僕のほうは…、そうですね、昼間とか顔を合わせてれば、それで大丈夫かもしれないし」
「2人と1匹で過ごすの、楽しそうだと思っていたから残念だな」
「ッ……、そ、そういうことを言わないっ!」
キュンときちゃうだろ、もう! 胸じゃなく下半身にだよ!
なんだってこう自分の思う通りにならないのか。せっかく勃ったと思ったらこれって、つらすぎる。
「僕はシロさんに話して別室へ移るので、これ……部屋の鍵、渡しておきます」
「こんな凄い部屋、オレだけで使うのはなんだか悪いな」
「ギンタと同室ですから、まあいいんじゃないですかね。確かに少し、羨ましい気はしますけど……。僕はプールにも入らないし。それじゃっ!」
そそくさと部屋を出ようとすると、服の裾を引かれた。
「な、なんですか」
「……待ってくれ。わかった。もし、好きになったとしたら……。せ、責任を、とる」
「なんだってそんな……。追い詰められたようなことを口にしてるんですか」
「やはり君とギンタは一緒にいたほうがいいと思うし」
「それは僕も、そう思いますけど」
「だろう?」
自分一人が犠牲になればいいとか考えてるんじゃないだろうな。
責任とってくれるとしても、そんなの絶対に切ない展開にしかならない。
「言葉だけじゃ、信用できませんね」
「一筆したためるか?」
「そんなの書面にされても……」
結局は同じことだ。むしろ契約のようになることで、余計に泥沼。確かに『責任を取る』としては正しい形かもしれないけど。
「うーん。なら、キスしてみてもいいですか? それか、身体に触らせてもらうか……」
「はっ!? な、何故そうなるんだ」
「青山さんが僕に生理的嫌悪感があったら、責任を取るのはつらすぎるでしょ。僕だって悲しい。だから、あらかじめ」
「……なるほど」
って、なんかする展開になってるけど、むしろ僕のほうがいいのか。キスなんてしたら、その時点で恋に落ちちゃわないか? そもそも僕、男とキスなんてできるのか……?
そして青山さんがアッサリ納得しすぎてて心配になるんですけどコレ。
まあいい大人だし、キスくらいはたいしたことないのかもな。
もし、やっぱり気持ち悪いから無理って言われたら、同室をやめればいいだけだ。少しはショックだろうけど傷は浅くて済む。
「オレは目をつぶって待てばいいのか?」
「はい。そんな感じで……」
青山さんがきちっと正座して、目をつぶる。僕からのキスを待っている。
なんか、想像以上に緊張する。された回数ならかなり多いけど、思えば自分から仕掛けるのは初めてだ。甘い恋を経験する前に女の人が怖くなって、トドメにEDになってしまったから。
膝立ちになって顎に手を添え上向かせると、青山さんの睫毛が震えた。形のいい唇もキュッと引き結ばれている。
ああ……。なんだこれ。心臓の音がヤバすぎる。
僕はキスの味を想像しながら、ゆっくりと顔を近づけた。
「んっ……」
唇同士が触れただけ。なのに、酷く甘いような気がした。
僕のほうには嫌悪感は微塵もなく、もっとしたい、深くしたいって心が騒ぐ。
青山さんがこわごわ目を開ける。気持ち悪かったかどうか、答えを聞くのが怖くて、唇から声が出る前にまた塞いだ。
「ッ……。あ、黄原……、待っ」
もう昼間に食べたパフェの味なんてするはずもないのに、その舌は甘い蜜のようだった。
長い禁欲生活から解き放たれたせいか、欲望は留まることを知らず、僕は青山さんの肩を引き寄せる。身体に触らせてもらうって言ったんだしと、訊かれてもない言い訳を頭の中で呟いて……。
指先を背筋を添ってズボンの中に差し入れたところで、スマホからラインの着信音が響いた。その音でギンタも目を覚まし、ぎゃあぎゃあ騒ぎ出す。飛んできたギンタに頭をガブガブ噛まれた。
「や、やめろって! 別に虐めてたんじゃないから!」
「襲った……」
「スミマセン!」
「グルルルル……」
どう考えてもやりすぎではあった。青山さんの寛大な心に甘えすぎた。
「冗談だ。キスする、触る。初めからそういう話だった」
「で、ですよね!」
一体どこまで触れてセーフだったんだろうか……。
「それであの……。嫌悪感、ありました?」
「不思議となかった。だから同室でも大丈夫だ」
「本当に? 無理してません?」
「ああ」
ズボンの中にまで手を突っ込まれそうになっておいて、そう言えるって凄い。
青山さんの中では僕は、あくまで宣言内のことしかしてない、ってことになってるのかもしれない。スマホが鳴らなかったらどうなってたかわからないのに。でも言わないでおこう。とりあえず嫌悪感はなかった。能力のためには同室がいい。万一があれば責任をとってもらえる。問題は何もない。
「ラインは確認しなくていいのか?」
「あ。僕のほうか。えっと……僕の歓迎会してくれるそうです。焼き肉で!」
「また焼き肉か……」
「嫌いですか?」
「いや。人の金で焼き肉が食えるなんて最高だと思っている」
「ですよね」
これには完全同意だ。焼き肉最高。青山さんは細くて青白くて、肉が好きそうな感じはしないから少し意外ではあるけれど。
見た目に反して大食いだったりして。シロさんみたいに。
「司令官さんが焼き肉好きらしくて、何かにつけて焼き肉なんだ」
「いいじゃないですか! 何度でも行きたい。飽きない」
「……そうだな」
焼き肉好きという割には、あまり乗り気じゃなさそう。
胃でも壊してるのか、行き過ぎて飽きたのかもしれない。
「あっ。そういえば、ギンタはどうしましょう」
「ロボットとはいえ店内に連れ込むのはまずい気もするな」
ちらりとギンタを見る。留守番なんて嫌だというような顔をしている。いや、表情はよくわかんないけど……。
「キュキュイ」
「青山さんと離れたくないって言ってますね」
「今のはオレにもわかった」
「めっちゃしがみつかれてますからね」
置いていくのは無理そうだ。
「オレがギンタと残ろうか」
「えっ……。歓迎会なのに」
思わず拗ねたような声を出してしまった。恥ずかしい。
でも青山さんが来てくれないのは、素直に寂しい。
「そうだな。オレも歓迎会というなら、できれば参加はしたい」
「キュイー!」
「むしろギンタのほうが行く気満々っぽいんですけど。自分の歓迎会でもある! ってことなのかな」
「なるほど」
青山さんがフフッと笑った。
とりあえずギンタ、お前は図々しすぎるぞ。本当に僕の感情が元になってるんだと思うと恥ずかしい。
「そういえばギンタはやはり電気で動いてるんだろうか。さすがに焼き肉は食えなさそうだが……」
「いや。シロさんの星の技術なら、ソーラーとかで電力まかなえるのかも!」
「ついでにギンタでスマホが充電できたりすると便利だな」
「キュ、キュイ……」
申し訳なさそうにしてる。残念ながら充電のほうは無理そうだ。
何か言われたらロボットですと説明すればいいかと、結局はギンタも連れて行くことにした。幸い見た目がメカっぽいからなんとかなるだろう。
青山さんいわく、行きつけの焼き肉屋には殺し屋のような風貌の店員がいるとのこと。赤城さんは何故か声をかけないけど、もしかするとオーラが見えてる可能性があると教えてくれた。そして正直怖いとも言っていた。
まあ、これは確かに声をかけづらいなと思った第一印象。殺し屋にもほどがある……。
ギンタをチラチラ見ていたので、ロボットだと伝えると特に咎めることなくテーブルから去った。
「おとなしくしてろよ」
「ピィ……」
きちんと鳴き声も小さい。常識とかそういうのは理解してるんだ。僕の感情だけでなく知識もインプットされているのかもしれない。
「そういやコイツはなんか食うのか? ドラゴンだし、肉いけるか?」
「食べられますが、主なエネルギーは水になります。リーズナブルでしょ」
「へー。お前、水で動くんだ。凄いな、ギンタ」
撫でようとすると、逃げて青山さんの膝におさまった。
クッ……。可愛くない。
「ギンタって名前つけたんだ。いいね。よく似合ってる」
桃くんはシロさんの隣でニコニコしている。基本彼はシロさんが近くにいれば愛想がいい。
「しかし他の客からの視線が痛いな。動くロボットはさすがに目立つか……。まあ、実際に生き物じゃねーから、連れて入ることに問題はないだろうけどよ」
赤城さんはギンタから一番遠い端っこだ。僕はそんなに赤城さんのことを嫌いなわけじゃないのに、ギンタは酷く嫌っている。
青山さんが赤城さんを警戒してるから、いっちょまえに守ってるつもりなのかな。
「さっきの烏丸って店員もジロジロ見てましたもんね。注意されるかとヒヤヒヤしましたよ」
「いつもはあの店員、シロばっか見てんのにな」
「まったくだよ! アイツ最悪だから! ボクの司令官サンをタダ見しようだなんて!」
「私は別にピンクのモノではないのですが……」
もしかして声をかけない一番の理由はコレか。
赤城さんの話によるとオーラが見える相手は『候補』に過ぎず、必ずしも仲間にしなれけばいけないわけじゃない。
桃くんがこの様子では、彼が仲間に入った途端チームワークがカケラもなくなりそうだ。ただでさえ、元からあんまりなさそうなのに。
それにしてもシロさんの肉を食べるスピードがヤバすぎる。
焼き肉は飲み物という間違った知識がギンタにインプットされそうだ。
「こんなに飲み食いして大丈夫なんですか?」
「俺が出すわけじゃねーけど、平気だ平気。正義の味方代。キイは若いんだからもっとイケるだろ。ぼんやりしてるとシロに全部飲まれるぞ」
正義の味方凄すぎる。最高。肉美味しい。これは高いやつ。回ってない寿司とかも是非連れてってほしい。
「そういえば、レッドに頼まれて作ってた武器ができましたよ。さすがに丸腰ではキツイでしょうし」
「おお、やっとか……。これからどんな敵が現れるかわからねーからな」
「むしろ今まで武器なかったって、おかしくないですか?」
「創ってる途中で盗まれたんで、そこまで手がまわってなかったんですよ。元々私は平和にヒーローごっこを楽しむつもりだったのです。それがこんなことになってしまって」
溜息をつきながらも肉を食べる手はノンストップ。どうやって喋っているのか。さすが宇宙人。
「ボクは前回もろくに戦ってないし、今回なんて司令官サンとお茶飲んでただけで終わったからね……。次はその武器で頑張りたいな。司令官サンにカッコイイトコ見せたいしね!」
可愛い顔して桃くんは殺る気満々だ。そんな桃くんを『さすがオレの推し』と青山さんがデレデレした顔で見ている。そんな青山さんを見て、ギンタは不機嫌そうにしている。ヤキモチ焼きめ。
「肉……追加、お待たせしました……」
ドスのきいた声で先程の殺し屋店員が肉の皿を運んでくる。あと、小さなプリンも。
「あれ? これ、注文してないですけど。プリン」
「……オマケ、です」
彼はそう言ってシロさんの前に、プリンを置いた。全員分じゃないのか。なんというあからさまなアプローチ。殺し屋みたいな眼光といい、接客業としてどうなんだ。カフェ店員をやってるからこそ、態度が気になる。
そして桃くんも負けじと殺し屋みたいな顔になっている。
ヒロイン役であるピンクとして、その顔はいけない。
「大好きです、プリン! ありがとうございます!」
下心などわからなさそうなシロさんは素直に厚意を受け取った。
店員はシロさんとギンタを交互にチラチラ見て、他は特に何もアクションを起こさず席を離れた。
「もう! 司令官サン、そんなの食べないでよ。何が入ってるかわかったもんじゃな……って、すでに食べ終わってる!?」
「え。普通に美味しかったですよ?」
焼き肉に比べれば軽いのかもしれないけど速度が異次元すぎる。
プリンはもう本当に飲み物だな……。
「ギンタのことも興味深そうに見てたな」
青山さんが膝に乗っているギンタの頭を撫でながら言う。少食なのか、もう肉は食べてない。
「いやー。普通に見るだろ。こんな精巧なロボット、男の子回路刺激されちゃうだろ。正直キイが羨ましい。ドラゴン使役するとかカッコ良すぎる……」
赤城さん、そんなふうに思ってたのか。羨望の目で見られて悪い気はしない……けど。
「そんないいものじゃないですけどね。僕よりも青山さんに懐いてるし」
一応僕がご主人様なのに、触ろうとしても素っ気ないとか悲しすぎる。
むしろコイツ、僕のこともライバルだとか思ってそう。生意気な。
そんな感じで和やかに歓迎会は終わり……件の殺し屋店員も、あれ以上何も言ってこなかった。会計は目をむくような金額で、あとで見たらプリンもしっかり会計に含まれていた。実は嫌がらせだったのかもしれない。
シロさんは、美味しかったからいいんですよと笑っていた。
天使かな? いや、宇宙人か。
そして再び、ラブホテル。同室初日の夜。
気まずい雰囲気になってるのは、きっと僕だけなんだろうなと思ってたのに、青山さんも落ち着かない様子でソワソワしてる。僕も意識して、更にソワソワする。
明らかに仲間同士って空気じゃない。緊張ってただでさえ伝染るし。
このまま一晩っていうのは、あまりよろしくはない。
「黄原、体調は大丈夫か?」
なんて声をかけようか迷っていると、青山さんから話しかけてきた。しかも何故か体調の心配をしてくれてる。
今日、初めての戦いだったから心配してくれたのかな。
……まあ、僕は特に何もしてないんだけど。
「はい、ありがとうございます」
青山さんは何か言いにくそうに、口をはくはくさせている。
それがなんであれ言ってほしくて、僕は促すように首を傾げた。
「……や、焼き肉を……食べると、ムラムラ、する、という……ので……」
「えっ!? し、しませんよ!?」
「……忘れてくれ」
肩にギンタを乗せたまま部屋から出て行こうとする青山さんの腕を、掴んで引き留める。
顔が、凄い……。火でも噴きそうなくらい、まっかっかだ。
「ま、待ってください! なんですか? 今の。それとも……青山さんは、ム、ムラムラするんですか?」
「違う! 赤城がそう言っていたから! クソ、アイツ今度殴ってやる!」
「それは返り討ちに合いそうだからやめておいたほうが……」
殴り返してはこないだろうけど、貞操の危険的なものが。
青山さんは逡巡のあと、唇をキュッと引き結んで素直に頷いた。
「おかしなことを言って悪かったな」
「い、いえ……」
真っ赤な顔でムラムラするなんて言われて、少しムラッとしてしまったのは、絶対に秘密にしておこうと思った。
僕は今、ヒーローになった時よりも、先行きが不安で仕方ない。
目が醒めると横に青山さんが寝ていて、僕は反射的に起き上がった。
心臓は寝る前よりも凄い音を立てている。ギンタは青山さんの横で丸まって寝てた。ロボットのくせに寝るのかお前。
よく拭かなかったらしく、青山さんの髪の毛はしっとりと濡れている。それを一房、掴んで離す。指ざわりが少し軋んだ。毛先は揃ってないし、痛んでる。素材は良さそうなのに、手入れがされてないのは勿体ないな。
シャツから覗く肌に水滴が垂れるのを見て、思わず指先で拭った。
「んっ……」
予想外に高い声が上がって、慌てて手を離す。広いベッドだけど、後退りしすぎて落ちそうになった。
「黄原……? あれ、オレ寝てた? ヨダレたれてないかな」
眠そうな顔で、口元をコシコシと擦っている。
背中のほうがなんだかくすぐったい。喉がやたらと乾く。腰から下も重くて視線を落とすと、案の定、勃っていた。
「あの……。青山さん。やっぱり、同室はやめておいたほうがいいかも」
「えっ? なんでだ? 何かあったのか?」
「どうしてか勃っちゃうんですよ、貴方といると」
「……そ、それは。じ、条件反射、とかでは……。今日、あんなことがあったのだし……」
「だとしても普通に考えて、自分に勃つような相手と同室でいるのなんて嫌でしょ?」
少なくとも、僕なら嫌だ。自分に欲情するような相手と床まで共にするなんて正気の沙汰じゃない。
「少し気まずいが、オレは別に構わないぞ」
おかしいだろ、この人。
「構わないって……青山さん」
「君はオレを襲ったりするのか?」
「し、しませんよっ!」
「ならいい。ギンタのこともあるし、同室でいるべきだ」
そうか。僕らが同室なのは望んだからではなく、理由あってのことだもんな。命と秤にかけたら、欲情されるくらいは構わな……いの、か? そんなに軽いようなことでも、ない気がするんだけど……。
「あの。でも、やっぱりダメです」
「どうしてだ?」
「だって……こんな、ずっと一緒にいたら、す……好きになっちゃうかもしれないじゃないですか!」
叫ぶように言い切って俯くと、青山さんが無言になった。
そりゃそうだよね。こんなこと言われたら困るよね。欲情するとか勃起するとかも大概だけど、トドメでしかないよね、コレ。
「それは、さすがに……」
「いいんです。スミマセン、変なこと言って」
「可愛いがすぎる」
「え?」
「いや……。なんでもない」
顔を上げると、青山さんは茹でだこのように真っ赤になっていた。
「……好きになったら、責任とってくれるんですか?」
「わ、わからない」
「わからないって」
「オレは君より歳上だが、色恋沙汰には本当に慣れてないんだ。き、訊かれても……その、こ、困る」
この人のほうこそ可愛いがすぎない?
「僕も慣れてませんよ」
巻き込まれたり言い寄られたりすることは多いけど……。それはまあ、言わなくてもいいことだ。
「その顔でか?」
「そっくりそのままお返しします」
青山さんだって絶対に、言い寄られたりしてる。赤城さんがいい例だし、何かあったに違いないし、想像するとムカムカしてくる。
「好きになってくれるのなら嬉しいが、歳もだいぶ離れているし……男同士だし、きっと気の迷いで終わるだろう」
大人としての、無難な答えが返ってきた。
気の迷いで終わらなかったらどうしてくれるんだ。
「無責任すぎます」
「そうは言ってもな……。まず、好きになるかどうかもわからないのに」
「それはそうですけど……」
見合ったまま、お互い固まってしまった。困らせているとは思う。でも僕自身、どうしていいかわからない。予防策として同室を避けることくらいしか、思い浮かばなかった。
「問題、それだけじゃないですし。同じ部屋はやめたほうがいいと思うんです」
何しろすでに勃ってる。惚れた腫れたはともかく、下半身は簡単に腫れるのだ。
「だが、ギンタが……」
「ギンタは青山さんが一緒にいてあげてください。僕のほうは…、そうですね、昼間とか顔を合わせてれば、それで大丈夫かもしれないし」
「2人と1匹で過ごすの、楽しそうだと思っていたから残念だな」
「ッ……、そ、そういうことを言わないっ!」
キュンときちゃうだろ、もう! 胸じゃなく下半身にだよ!
なんだってこう自分の思う通りにならないのか。せっかく勃ったと思ったらこれって、つらすぎる。
「僕はシロさんに話して別室へ移るので、これ……部屋の鍵、渡しておきます」
「こんな凄い部屋、オレだけで使うのはなんだか悪いな」
「ギンタと同室ですから、まあいいんじゃないですかね。確かに少し、羨ましい気はしますけど……。僕はプールにも入らないし。それじゃっ!」
そそくさと部屋を出ようとすると、服の裾を引かれた。
「な、なんですか」
「……待ってくれ。わかった。もし、好きになったとしたら……。せ、責任を、とる」
「なんだってそんな……。追い詰められたようなことを口にしてるんですか」
「やはり君とギンタは一緒にいたほうがいいと思うし」
「それは僕も、そう思いますけど」
「だろう?」
自分一人が犠牲になればいいとか考えてるんじゃないだろうな。
責任とってくれるとしても、そんなの絶対に切ない展開にしかならない。
「言葉だけじゃ、信用できませんね」
「一筆したためるか?」
「そんなの書面にされても……」
結局は同じことだ。むしろ契約のようになることで、余計に泥沼。確かに『責任を取る』としては正しい形かもしれないけど。
「うーん。なら、キスしてみてもいいですか? それか、身体に触らせてもらうか……」
「はっ!? な、何故そうなるんだ」
「青山さんが僕に生理的嫌悪感があったら、責任を取るのはつらすぎるでしょ。僕だって悲しい。だから、あらかじめ」
「……なるほど」
って、なんかする展開になってるけど、むしろ僕のほうがいいのか。キスなんてしたら、その時点で恋に落ちちゃわないか? そもそも僕、男とキスなんてできるのか……?
そして青山さんがアッサリ納得しすぎてて心配になるんですけどコレ。
まあいい大人だし、キスくらいはたいしたことないのかもな。
もし、やっぱり気持ち悪いから無理って言われたら、同室をやめればいいだけだ。少しはショックだろうけど傷は浅くて済む。
「オレは目をつぶって待てばいいのか?」
「はい。そんな感じで……」
青山さんがきちっと正座して、目をつぶる。僕からのキスを待っている。
なんか、想像以上に緊張する。された回数ならかなり多いけど、思えば自分から仕掛けるのは初めてだ。甘い恋を経験する前に女の人が怖くなって、トドメにEDになってしまったから。
膝立ちになって顎に手を添え上向かせると、青山さんの睫毛が震えた。形のいい唇もキュッと引き結ばれている。
ああ……。なんだこれ。心臓の音がヤバすぎる。
僕はキスの味を想像しながら、ゆっくりと顔を近づけた。
「んっ……」
唇同士が触れただけ。なのに、酷く甘いような気がした。
僕のほうには嫌悪感は微塵もなく、もっとしたい、深くしたいって心が騒ぐ。
青山さんがこわごわ目を開ける。気持ち悪かったかどうか、答えを聞くのが怖くて、唇から声が出る前にまた塞いだ。
「ッ……。あ、黄原……、待っ」
もう昼間に食べたパフェの味なんてするはずもないのに、その舌は甘い蜜のようだった。
長い禁欲生活から解き放たれたせいか、欲望は留まることを知らず、僕は青山さんの肩を引き寄せる。身体に触らせてもらうって言ったんだしと、訊かれてもない言い訳を頭の中で呟いて……。
指先を背筋を添ってズボンの中に差し入れたところで、スマホからラインの着信音が響いた。その音でギンタも目を覚まし、ぎゃあぎゃあ騒ぎ出す。飛んできたギンタに頭をガブガブ噛まれた。
「や、やめろって! 別に虐めてたんじゃないから!」
「襲った……」
「スミマセン!」
「グルルルル……」
どう考えてもやりすぎではあった。青山さんの寛大な心に甘えすぎた。
「冗談だ。キスする、触る。初めからそういう話だった」
「で、ですよね!」
一体どこまで触れてセーフだったんだろうか……。
「それであの……。嫌悪感、ありました?」
「不思議となかった。だから同室でも大丈夫だ」
「本当に? 無理してません?」
「ああ」
ズボンの中にまで手を突っ込まれそうになっておいて、そう言えるって凄い。
青山さんの中では僕は、あくまで宣言内のことしかしてない、ってことになってるのかもしれない。スマホが鳴らなかったらどうなってたかわからないのに。でも言わないでおこう。とりあえず嫌悪感はなかった。能力のためには同室がいい。万一があれば責任をとってもらえる。問題は何もない。
「ラインは確認しなくていいのか?」
「あ。僕のほうか。えっと……僕の歓迎会してくれるそうです。焼き肉で!」
「また焼き肉か……」
「嫌いですか?」
「いや。人の金で焼き肉が食えるなんて最高だと思っている」
「ですよね」
これには完全同意だ。焼き肉最高。青山さんは細くて青白くて、肉が好きそうな感じはしないから少し意外ではあるけれど。
見た目に反して大食いだったりして。シロさんみたいに。
「司令官さんが焼き肉好きらしくて、何かにつけて焼き肉なんだ」
「いいじゃないですか! 何度でも行きたい。飽きない」
「……そうだな」
焼き肉好きという割には、あまり乗り気じゃなさそう。
胃でも壊してるのか、行き過ぎて飽きたのかもしれない。
「あっ。そういえば、ギンタはどうしましょう」
「ロボットとはいえ店内に連れ込むのはまずい気もするな」
ちらりとギンタを見る。留守番なんて嫌だというような顔をしている。いや、表情はよくわかんないけど……。
「キュキュイ」
「青山さんと離れたくないって言ってますね」
「今のはオレにもわかった」
「めっちゃしがみつかれてますからね」
置いていくのは無理そうだ。
「オレがギンタと残ろうか」
「えっ……。歓迎会なのに」
思わず拗ねたような声を出してしまった。恥ずかしい。
でも青山さんが来てくれないのは、素直に寂しい。
「そうだな。オレも歓迎会というなら、できれば参加はしたい」
「キュイー!」
「むしろギンタのほうが行く気満々っぽいんですけど。自分の歓迎会でもある! ってことなのかな」
「なるほど」
青山さんがフフッと笑った。
とりあえずギンタ、お前は図々しすぎるぞ。本当に僕の感情が元になってるんだと思うと恥ずかしい。
「そういえばギンタはやはり電気で動いてるんだろうか。さすがに焼き肉は食えなさそうだが……」
「いや。シロさんの星の技術なら、ソーラーとかで電力まかなえるのかも!」
「ついでにギンタでスマホが充電できたりすると便利だな」
「キュ、キュイ……」
申し訳なさそうにしてる。残念ながら充電のほうは無理そうだ。
何か言われたらロボットですと説明すればいいかと、結局はギンタも連れて行くことにした。幸い見た目がメカっぽいからなんとかなるだろう。
青山さんいわく、行きつけの焼き肉屋には殺し屋のような風貌の店員がいるとのこと。赤城さんは何故か声をかけないけど、もしかするとオーラが見えてる可能性があると教えてくれた。そして正直怖いとも言っていた。
まあ、これは確かに声をかけづらいなと思った第一印象。殺し屋にもほどがある……。
ギンタをチラチラ見ていたので、ロボットだと伝えると特に咎めることなくテーブルから去った。
「おとなしくしてろよ」
「ピィ……」
きちんと鳴き声も小さい。常識とかそういうのは理解してるんだ。僕の感情だけでなく知識もインプットされているのかもしれない。
「そういやコイツはなんか食うのか? ドラゴンだし、肉いけるか?」
「食べられますが、主なエネルギーは水になります。リーズナブルでしょ」
「へー。お前、水で動くんだ。凄いな、ギンタ」
撫でようとすると、逃げて青山さんの膝におさまった。
クッ……。可愛くない。
「ギンタって名前つけたんだ。いいね。よく似合ってる」
桃くんはシロさんの隣でニコニコしている。基本彼はシロさんが近くにいれば愛想がいい。
「しかし他の客からの視線が痛いな。動くロボットはさすがに目立つか……。まあ、実際に生き物じゃねーから、連れて入ることに問題はないだろうけどよ」
赤城さんはギンタから一番遠い端っこだ。僕はそんなに赤城さんのことを嫌いなわけじゃないのに、ギンタは酷く嫌っている。
青山さんが赤城さんを警戒してるから、いっちょまえに守ってるつもりなのかな。
「さっきの烏丸って店員もジロジロ見てましたもんね。注意されるかとヒヤヒヤしましたよ」
「いつもはあの店員、シロばっか見てんのにな」
「まったくだよ! アイツ最悪だから! ボクの司令官サンをタダ見しようだなんて!」
「私は別にピンクのモノではないのですが……」
もしかして声をかけない一番の理由はコレか。
赤城さんの話によるとオーラが見える相手は『候補』に過ぎず、必ずしも仲間にしなれけばいけないわけじゃない。
桃くんがこの様子では、彼が仲間に入った途端チームワークがカケラもなくなりそうだ。ただでさえ、元からあんまりなさそうなのに。
それにしてもシロさんの肉を食べるスピードがヤバすぎる。
焼き肉は飲み物という間違った知識がギンタにインプットされそうだ。
「こんなに飲み食いして大丈夫なんですか?」
「俺が出すわけじゃねーけど、平気だ平気。正義の味方代。キイは若いんだからもっとイケるだろ。ぼんやりしてるとシロに全部飲まれるぞ」
正義の味方凄すぎる。最高。肉美味しい。これは高いやつ。回ってない寿司とかも是非連れてってほしい。
「そういえば、レッドに頼まれて作ってた武器ができましたよ。さすがに丸腰ではキツイでしょうし」
「おお、やっとか……。これからどんな敵が現れるかわからねーからな」
「むしろ今まで武器なかったって、おかしくないですか?」
「創ってる途中で盗まれたんで、そこまで手がまわってなかったんですよ。元々私は平和にヒーローごっこを楽しむつもりだったのです。それがこんなことになってしまって」
溜息をつきながらも肉を食べる手はノンストップ。どうやって喋っているのか。さすが宇宙人。
「ボクは前回もろくに戦ってないし、今回なんて司令官サンとお茶飲んでただけで終わったからね……。次はその武器で頑張りたいな。司令官サンにカッコイイトコ見せたいしね!」
可愛い顔して桃くんは殺る気満々だ。そんな桃くんを『さすがオレの推し』と青山さんがデレデレした顔で見ている。そんな青山さんを見て、ギンタは不機嫌そうにしている。ヤキモチ焼きめ。
「肉……追加、お待たせしました……」
ドスのきいた声で先程の殺し屋店員が肉の皿を運んでくる。あと、小さなプリンも。
「あれ? これ、注文してないですけど。プリン」
「……オマケ、です」
彼はそう言ってシロさんの前に、プリンを置いた。全員分じゃないのか。なんというあからさまなアプローチ。殺し屋みたいな眼光といい、接客業としてどうなんだ。カフェ店員をやってるからこそ、態度が気になる。
そして桃くんも負けじと殺し屋みたいな顔になっている。
ヒロイン役であるピンクとして、その顔はいけない。
「大好きです、プリン! ありがとうございます!」
下心などわからなさそうなシロさんは素直に厚意を受け取った。
店員はシロさんとギンタを交互にチラチラ見て、他は特に何もアクションを起こさず席を離れた。
「もう! 司令官サン、そんなの食べないでよ。何が入ってるかわかったもんじゃな……って、すでに食べ終わってる!?」
「え。普通に美味しかったですよ?」
焼き肉に比べれば軽いのかもしれないけど速度が異次元すぎる。
プリンはもう本当に飲み物だな……。
「ギンタのことも興味深そうに見てたな」
青山さんが膝に乗っているギンタの頭を撫でながら言う。少食なのか、もう肉は食べてない。
「いやー。普通に見るだろ。こんな精巧なロボット、男の子回路刺激されちゃうだろ。正直キイが羨ましい。ドラゴン使役するとかカッコ良すぎる……」
赤城さん、そんなふうに思ってたのか。羨望の目で見られて悪い気はしない……けど。
「そんないいものじゃないですけどね。僕よりも青山さんに懐いてるし」
一応僕がご主人様なのに、触ろうとしても素っ気ないとか悲しすぎる。
むしろコイツ、僕のこともライバルだとか思ってそう。生意気な。
そんな感じで和やかに歓迎会は終わり……件の殺し屋店員も、あれ以上何も言ってこなかった。会計は目をむくような金額で、あとで見たらプリンもしっかり会計に含まれていた。実は嫌がらせだったのかもしれない。
シロさんは、美味しかったからいいんですよと笑っていた。
天使かな? いや、宇宙人か。
そして再び、ラブホテル。同室初日の夜。
気まずい雰囲気になってるのは、きっと僕だけなんだろうなと思ってたのに、青山さんも落ち着かない様子でソワソワしてる。僕も意識して、更にソワソワする。
明らかに仲間同士って空気じゃない。緊張ってただでさえ伝染るし。
このまま一晩っていうのは、あまりよろしくはない。
「黄原、体調は大丈夫か?」
なんて声をかけようか迷っていると、青山さんから話しかけてきた。しかも何故か体調の心配をしてくれてる。
今日、初めての戦いだったから心配してくれたのかな。
……まあ、僕は特に何もしてないんだけど。
「はい、ありがとうございます」
青山さんは何か言いにくそうに、口をはくはくさせている。
それがなんであれ言ってほしくて、僕は促すように首を傾げた。
「……や、焼き肉を……食べると、ムラムラ、する、という……ので……」
「えっ!? し、しませんよ!?」
「……忘れてくれ」
肩にギンタを乗せたまま部屋から出て行こうとする青山さんの腕を、掴んで引き留める。
顔が、凄い……。火でも噴きそうなくらい、まっかっかだ。
「ま、待ってください! なんですか? 今の。それとも……青山さんは、ム、ムラムラするんですか?」
「違う! 赤城がそう言っていたから! クソ、アイツ今度殴ってやる!」
「それは返り討ちに合いそうだからやめておいたほうが……」
殴り返してはこないだろうけど、貞操の危険的なものが。
青山さんは逡巡のあと、唇をキュッと引き結んで素直に頷いた。
「おかしなことを言って悪かったな」
「い、いえ……」
真っ赤な顔でムラムラするなんて言われて、少しムラッとしてしまったのは、絶対に秘密にしておこうと思った。
僕は今、ヒーローになった時よりも、先行きが不安で仕方ない。
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