甘すぎるのも悪くない

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とけたそのあとで

パフェ・アラモード

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 これはおれが先輩と恋人同士だからそう思うのかもしれないけど……。先輩が物を食べる仕草は、凄くエロイ。
 と言っても女性らしいとか艶めいてるってことじゃない。食べている物は乙女でも、どっちかというと仕草は男らしい。
 たまに手についたクリームを舐めるところとか、好きな物に食いつくところとか。
 ガツガツしているところをまったく見せない先輩が見せるから、きっとエロく感じるんだと思う。
 きっとこの人、こうだから見た目以上に女性にもてるんだろうな。
 モデルやってる画面からは伝わってこない空気。勿体ない。おれとしてはライバルが減るからありがたいけど。
 
「どうした?」
 
 おれの作ったパフェを食べながら、先輩が顔を上げる。じっと見てたの、気付かれた。
 
「どうせお前のことだから、食べ方エロイとか思ってたんだろ」
 
 そう言って笑う。エスパーですか……。いや、多分おれが判りやすい顔してるんだろう。
 
「言ってくれれば食べ方くらい、サービスしてやるのに」
「ちょっ……。人の顔に……クリーム」
 
 先輩が指先でクリームをすくって、おれの顔に塗りたくってそれを舐めた。
 確かにエロイけど……。おれが思ってるのはこういう、エロイじゃなくって。
 クリームのついてない首筋を舐められて、そのまま舌が鎖骨を吸い上げる。
 
「んっ……」
「景ちゃん、可愛い」
 
 こういう時に名前呼んでくるの、狡い。というか、先輩も……頬についてる、し。
 引き寄せられるようにクリームを舐めて、そのまま口唇を重ねた。
 
「パフェがとけるー」
「ま、またそんな……。誘ったの貴方なんですから、最後まで、責任とってください」
 
 そのまま、どっとダイニングの床に押し倒した。
 
「え、ここで?」
「せっかくだから、瑞貴さんをパフェみたいにエロく盛りつけしてあげます。材料あまってるし」
「だからそういう、変態っぽいのは──……」
 
 言葉の続きを遮って、キスをした。そうだな。食べる仕草とか、そんなんじゃない。
 何につけてもエロイこの人に、おれはメロメロな訳です。
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