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お初編
ブラザーコンプリート2(R18
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で……いざ、ことを始めたわけだが。
ねっとりと乳首を舐めたり吸ったりする俺を、兄貴がじいっと見ている。
あまりに見られすぎて、俺のほうが恥ずかしくなってきた。
「ダメ? ここ感じない?」
「くすぐったいような感じはする」
背を撫でたり髪を撫でたりしてくれる兄貴の手のひらが気持ちいい。
だが、リラックスしたいわけじゃないんだ。
甘い空気は悪かないが。
「ごめんな、平べったくて。楽しくないんじゃないか?」
「兄貴が喘いでくれたら楽しくなるけどな……。あっ、演技は禁止だからな?」
何度か触りっこはしてるし、キスもしてる。
でもその先を前提として触れるのはこれが初めてだ。
女と違って自然に濡れないから、厳密に言えば穴を突っ込めるように広げる以外はあまりしなくてもいいんだけどな。
でも愛があるセックスなら様式美というかマナーというか、きちんと手順はふんでおきたい。
兄貴は少し恥ずかしそうに、でも幸せそうな顔で俺を見る。
なんかエッチしてるって感じじゃない。これは間違いなく、乳首に吸い付く俺を可愛いとか思ってる顔だ。別に可愛いって思われるのが嫌なわけじゃないが、こういう時はやっぱり男らしいとか思ってほしい。
乳首の開発を諦めてズボンの中に手を差し入れると、意外にもはっきりと勃ちあがっていた。
「なんだ、もう勃ってんじゃん。実は気持ちいいの我慢してたんじゃないだろうな」
「好きな相手とキスして抱き合って、いやらしいことをしていたら興奮して当たり前じゃないか?」
一応これがやらしいことだって認識はあるのか……。
そりゃそうか。最後までやる宣言もしてるんだし。
兄貴が俺で反応してくれているのは嬉しいし、興奮もする。
かたくなな兄貴の乳首に萎えかけていた心と下半身も、力を取り戻した。
うん、よし。気を取り直して兄貴の攻略を再開しよう。
乳首に関しては今はまだレベルが足りないようだと心の隅に書き記しておく。
この前は拒否られたが、今日こそは兄貴のチンコを舐めてみせる。
他の男のモノは絶対に嫌だが、兄貴のだと思うと舐めたくなる不思議。
「あ、和彰、そこは……」
股間に顔を埋めようとすると、兄貴が軽く俺の髪を引いた。でもこの前のような強い抵抗じゃない。
困ったように目を潤ませている。戸惑っている程度なら押しきれそうだ。
「今日はもっと恥ずかしいこともするんだから、いいだろ?」
「だが気持ち悪くないのか、そんなところ」
「全然。兄貴の身体なら舐められないとこなんてない。恥ずかしそうにされるとグッとくるし」
兄貴は何度か目を瞬かせたあと、ぎゅうっとつぶった。
そしてゆっくり、頷く。震える手を後ろについてシーツを握りしめている。そういう動作全部がもう可愛くて困る。がっついちまいそうで。
もうちょっと堂々としてるほうが兄貴らしいが、滅多に見られない姿は興奮する。
俺しか見たことのない、これから先もきっと俺しか見られない、姿。
たまんねえな。
そしてズボンを脱がせて、下着も脱がせてご開帳。
おお、これが……大人になってからは多分、俺しか見たことのない兄貴の……。
「あまりじろじろ見るな……」
「ごめん。なんかつい、感動して」
よし。な、舐めるぞ……。
兄貴のだってわかっててもちょっと勇気のいる形だが、これを舐めれば兄貴が感じるんだと思えば嫌悪感なんてどっかに吹っ飛んでいく。
ふっと軽く息を吹きかけて怯えるような反応を楽しんでから、思いきって口に含んでみた。ボディソープの強い香りがした。
相当洗ったな、ここ。味がしない。匂いに誘発されて石鹸を舐めているような気がしてくる。
「っ……かずあ、き」
上ずるような兄貴の声。内腿がびくりと震えるのがやらしい。
気持ちいいのかな。良かった。口でされるの最高だよな、わかるぜ。
唾液でねっとりした舌を絡めて、締め付ける。男のしゃぶるなんて俺も初めてだしあんま上手くはないだろうが、どこをどうしたら気持ちいいのかはなんとなくわかる。
された時の快感を思い出してこっちまで気持ちいい感じがするし、抑えた兄貴の喘ぎにも煽られる。
丁寧に舐めるうち、先端のほうからようやく味が滲んできた。確認するように舌先を押し込んでから啜り上げる。
苦しょっぱくて、少しピリピリする。
飲みたい……な。兄貴が吐き出す熱を。味を、匂いを覚えておきたい。
「っあ、あ……ッ」
「今の気持ちよかった?」
指先で幹を擦りながら口を離して訊くと、兄貴はとろんとした瞳で俺の髪を撫でた。
少しだけ、身体が震えている。快感をお預けにされて焦れているのかもしれない。
「和彰がしてくれることは、いつも……なんでも気持ちよくて、困る。キスも、僕に触れる指先も、全部」
可愛いことを言ってくれる。
その言葉に俺がどんだけ煽られるか、きっと兄貴はわかってない。
「別に困らないだろ。気持ちいいなら、たくさん声出して、そんでイッてくれたら俺は嬉しい」
再びちゅっと吸い上げると、止められていた快感が一気にきたのか足も熱もびくびくと震えた。射精まではしてないが、先から蜜がとめどなく溢れ出してくる。
「っふ、う……ッ」
こらえなくても、イッてよかったのに。速いのが恥ずかしかったのか?
羞恥心なんてどうでもよくなるほど、沢山イカせてやりてえなあ。男の身体的には何度もイクのは結構キツイってわかっちゃいるんだがな。
「和彰、口を……離して、くれ」
「飲んでやるから出していいぜ」
「や、嫌だ……ッ」
「あまり抵抗するなよ。噛んじまったら困るだろ」
俺の言葉に噛まれる想像をしたのか、兄貴がびくりと震える。
「恋人の口の中で射精するとかゴックンしてもらうとか、結構男のロマンだと思うんだけど。何がそんなに嫌なの?」
もう本当は無理矢理にでもイカせてやりたかったが、はやる気持ちを抑えて優しい声で訊いてみる。
「今日は、やっと、きちんとできる、日だろう……」
「うん」
「なのに僕だけ先に出すのは嫌だ。和彰ので……イキたい」
は、と熱い息をこぼしながら、涙声でそんな台詞。
凶悪すぎて時が止まった。
っ……一緒にとかじゃなく、俺のでって言ったよこの人。
半端ない。エロイ。可愛い。やばい。
俺の後ろにくわえこんで、中で感じちゃって、それでイッてもいいと思ってんだ。
てか、それを望んで……。もう、馬鹿! うっかり俺が出しそうになったろ! 兄貴の舐めてたくらいでまだ何もされてないのに!
「初めてだから、気持ちよくなんかなくて、痛くて苦しいだけかもしれねえよ? そんでもいい?」
「痛くても、苦しくてもいい。ただ……手加減はしてくれ」
「ワガママ」
「はは……」
寸止めになってるから、この時点で既にちょっと苦しそうだよな。
可哀想なことしたなー。イキそうになるの早かったし、想像以上の気持ちよさだった、とかなら嬉しい。嫌がられてなかったのも嬉しいが。
兄貴の息が落ち着いてきたのを見計らって、持参したローションを手で軽く温めてから後ろに指を滑らせる。
「っう……」
なんか、柔らかい。もしかして準備って、広げるほうもしたのか?
やべ、頭に血が昇って鼻血出そう。いや、股間に分散されてるから平気か……。
「ここも、たくさん洗った?」
「ん……」
兄貴が目をつぶりながらこくこくと頷く。
俺は思いきって、そこに舌を伸ばしてみた。
「和彰……ッ!」
「本当だ。ここもボディソープみたいな味する」
実際にはローションの味だが。ちなみにメイプル味だ。
「馬鹿、舐めるな……!」
「コレ舐めても平気なローションだから大丈夫だぞ」
「そういうことじゃない、そ、そんなところ……」
まあ、さすがにここは恥ずかしいよな。わかる。
でも恥ずかしがる姿を見たいのも男のサガ。
甘いのは当然ローションの味だが、兄貴の身体だから甘いんだって錯覚しそうになる。
気持ちいいのか、中に差し込んだ舌先がきゅうきゅうと締め付けられ、押さえた兄貴の足が連動するように震える。
やらしくて、中の熱さを舌で確認できるのが嬉しくて、夢中で舐めた。
粘膜を舌先で擦る感覚は久し振りだ。でもその狭さは女のそれとは全然違う。
本当にこんなとこに入んのかな、俺の……。
どうしても挿れたいから、いっぱい舐めて拡げとこ。
準備してたってだけあって、柔らかくて舌と指くらいなら難なく受け入れる。
「っあ、やあ、それ……やめてくれ」
前も一緒に擦ると、兄貴が啜り泣くような声を上げた。
「これ、同時にされると気持ちいい?」
「ん……。だから、まずい。堪えられ、ない……」
目に涙を溜めながらこくこくと頷く姿に、思わず生唾を飲み込む。
俺のほうが堪えられなくなる、こんなの。
「か、和彰、もう……頼む。早くお前のを挿れてくれ」
燃える台詞だが、気持ちいいからってより、恥ずかしいからって感じだ。
正直に言えば、俺ももう挿れたくて仕方ない。我慢できない。早く兄貴とひとつになりたい。俺のもんにしたい。
そんな状態で誘われたら、もう無理だった。傷つけたくなかったのにな。挿れたら絶対に優しくできない自信がある。
「その、兄貴。俺、本当に大好きだから。愛してる。絶対大切にするから。痛いと思うけど、今だけちょっと我慢して」
返事を聞く前に、兄貴の腰を引き寄せて貫いた。どうせ答えなんてわかってる。
ゴムも持ってきてたが、つける余裕なんてなかった。いや、つけたくなかった。兄貴の負担になるとわかってはいたが、それでも直に兄貴を感じたかった。
押し入る肉の感触が先端に伝わる。深いところをめりめりとこじ開けていく。これは絶対に痛い。
表情を窺えば、眉根を寄せて唇を噛み締めていた。
「もうちょっとだ。きちんと飲み込んでってる。唇噛まないで、息吐いて……」
指先で唇を割って、ぬるい空気を確認しながら腰を押し進める。浅いところへ潜らせるだけで、すっげえ気持ちいい。
渾身の力を込めて俺を入らせまいとするんじゃなく、きゅうっと締め付けてくれたらどんだけ気持ちがいいだろう。
「は……もっと簡単に入ると思ってたのに、結構……きつい、ものだな」
兄貴が俺の腕を掴んでそう言ったあと、大きく息を吐く。
「大丈夫。大丈夫だから、もっと深く……ひとおもいにやってくれ」
殺される前の台詞かよ。
でもまあ、身体串刺しにされてるんだし、それくらい痛いのかも。
声を出したことで少し中が締まって、息にあわせて軽く開く。
今ならいける。
「っ……。入った……」
凄い、熱い。先端だけじゃなく、根本まで俺のをくわえこんだそこが、ひくひくと動く。
ぬかるんでて、とろけそう。少し揺すっただけで刺激にイキそうになる。
そういや俺、セックス久し振りな上に禁欲強いられてたんだよな。これはやばい。しばらく挿入したまんまで……動かずなじませよう……。
「和彰……」
兄貴が苦しそうに浅く息を吐きながら、俺の名前を呼ぶ。
「ごめん。苦しいよな。平気か?」
頬を撫でてやると、少しだけ表情を和らげて手のひらに擦り付けてきた。動作のひとつひとつがもう愛しすぎて。
「大丈夫、だから……。動いても、いいぞ……」
すまねえ、兄貴。気遣ってジッとしてるわけじゃねえんだ。出ちまいそうなんだよ……。
俺の情けない葛藤など知らない兄貴は、健気に俺の背中を撫でてくる。
「いや、俺は挿れてるだけでも出そうなくらい気持ちいいから、もう少しこのままで。ゆっくり味わいたい」
優しいなーみたいな瞳で見るのはやめてくれ。俺は事実しか言ってない。
でも、本当……気持ちいい。男にも名器なんて言葉が存在するなら、まさにそれだと思う。こんなところまでハイスペックだとでもいうのか。恐ろしい。
中を慣らすように、たまに腰を揺らしてみたり、キスをしたり。そのまましばらくいちゃいちゃして、ようやく少し落ち着いてきた。
大丈夫と言いながらもやっぱり大丈夫じゃなかったんだろう兄貴は、ようやく本当に楽になったみたいで安堵の表情を浮かべている。
そろそろ動いてもよさそうかな。突き上げて、擦って兄貴の中で出したい。俺ので気持ちよくなってイッてほしい。
「じゃ、動くけど……。早くても、笑わないでくれよ?」
「笑う? それだけ僕で気持ちよくなってくれたということだろう? 嬉しいだけだ」
天使だ、天使がいる。頑張ろう。
兄貴は少しだけ身体を強張らせて衝撃に耐えるように俺を見ている。
それが可愛すぎて、動くと見せかけて何度かフェイントしてやろうかと思ったが、一度突き上げてしまえばもう止まらなかった。
「やば、気持ちい……。すげーよ、兄貴」
こんなんじゃ駄目だ。兄貴も気持ちよくしてやりたいのに、俺ばっか。でも凄い。こんなの味わったことない。少し突く度に中がきゅうっとしまって、引いてる時も吸い付いて擦りあげてるような感覚。
思わず無茶苦茶に突いてしまったせいで、さすがの兄貴もつらそうにしてる。さっき挿れたままおとなしくしててよかった……。いきなりだったら、相当酷いことになったはずだ。
顎をべろりと舐めあげて、こめかみにつたう汗も舌ですくいとる。
「兄貴、中……どこが感じる? 俺、余裕なくてごめん」
「っ……わ、わから、な……っ」
兄貴のほうが俺よりもずっと余裕がなさそうだった。
反応を見ながら探せばいい話なんだが、どこを突いてもうねって収縮するもんだから気持ちよさすぎて集中できない。
それでも兄貴のイイ場所は、割りとすぐに判明した。嘘みたいに反応が違ったからだ。
「ああっ……!」
兄貴の唇からようやく艶めいた声が漏れる。すげえ、そそる顔。でもって締め付けがやばい。これはもたない。
「ごめん、出る……。ゴムつけてないけど出していい? 兄貴の中……」
俺の言葉に一瞬瞳が揺れる。
でもすぐに頷いて、俺の背中に柔らかく爪を立てた。
「気持ちいいから、そのまま……」
いつもと違う甘い声でそんな台詞まで。
あとは小さく上がる喘ぎとびくびくと締め付ける内部に誘われて、今まで溜めてたもん全部兄貴の中に吐き出した。
「っ……、は……。すげ……」
「和彰のが中で……出てる……」
どこかぼんやりと言う兄貴の頬が朱に染まっていく。
イッたばかりなのに更に揉み込むように中が動いて、俺は兄貴の上に崩れ落ちた。
「それヤバい。兄貴手加減して気持ちよすぎ」
「そ、そんなこと言われてもだな」
兄貴の指先が俺の背中を優しく撫でる。
さっき少し痛みが走ったあたりだから、きっと傷がついてないか確認しているのだろう。
「俺のでイカせられなくてごめん」
「そんなの気にするな。凄く気持ちよかった」
リップサービスかな……。
俺もすげーよかったから、お世辞ではなく相性がいいのだと思いたいが。
「今まで経験したことのない感覚で興味深かった」
でも研究者みたいな目と発言をするのはやめてほしい。
普通エッチしたあとで、興味深いとかいう台詞出てこねーよ。
「あと、凄く幸せで、ますますお前が愛しくなった。もう、抜け出せないな……」
兄貴が小さく笑って、俺の頬を撫でる。
今更抜け出されても困るんだが。こっちはとっくにどっぷり浸かってんだよ。
「今度はちゃんと俺のでイカせるから、もっと俺にはまってくれよ」
「っ……、待て、今度って……今か!?」
まだ若いし、ずっと我慢の日々だったんだから一回で終わるはずがない。
ただでさえ兄貴の中はゆるゆると俺を締め付けていて、こんなん簡単に復活するし。
少し腰を動かせばあっという間に元の固さを取り戻した。
「待て、中が……ッ、まだ、さっきの……」
俺の出したもので粘着質な水音が部屋に響き渡る。それが恥ずかしいのか、兄貴は嫌がって身をよじった。
「すげー音だね。兄貴が俺を欲しがって濡れてるみたい」
「っ……そういうのは」
言葉責めってほどじゃないが、言われんの恥ずかしいのかな。涙目、可愛い。
暴れる兄貴の身体を容易く押さえ込んで、突き上げながら顔に口づける。
奥が悦んで、俺を気持ちよくする。
「さっき擦れなかったトコ、いっぱい擦るなー。ほら、ここだろ」
「あ、嘘……やだ……っ」
「やだじゃないだろ?」
「……き、もちいい。あ……っ、んんッ」
兄貴が目をつぶって、喉をひくりと鳴らした。拍子に、目の端から涙が溢れたので舌で舐めとる。
「イケそう? 俺ので」
「や、ああっ……、も……」
首を横に振ってはいるが、身体は今にも弾けそうだ。いや、もしかすると中だけでどうイッたらいいのかわからないのかもしれない。初めてなんだし。
「和彰、和彰……」
切なく名前を呼ばれ、腹に兄貴の屹立が押しあてられる。俺に擦りつけてくんの、エロすぎ……。
俺もそろそろヤバイが、今度こそ兄貴にもイッてもらわないと。俺がイカせないと。
射精を促すように先端を指の腹で撫でると中が勢いよくきゅうっと締まった。同時にしがみつかれ下からキスをされて、口の中を思い切り吸い上げられる。
「ふ、あ……ッ」
離れた唇から高い声が漏れて、腹にねとつく液体が吐き出された。
すご……。締まって、さっきより全然イイ。
兄貴の締め付けがやばすぎて、堪えようなんて考える前に俺もイッた。
「ん……」
兄貴が浅く息を吐きながら目をつぶって俺にしがみついてくる。
いや、抱き締めて……くれてる。胸の奥があったかくって、触れたとこもあったかくって、その存在が愛しくてたまらない。
「和彰、気持ちよかった。ありがとう」
「そんなの俺こそ……。てか、身体平気か?」
「少し痛いが、多分問題ないと思う。上手いんだな」
「そう? 兄貴ってば嫉妬? 可愛い」
この台詞、前に言った時は沈黙の肯定を返されたが、今ならさりげなくかわすか、さらりと認めるかと思った。
でも兄貴は唇を噛んで視線を逸らした。
「可愛いもんか。悔しくてたまらない。何故初めてが僕ではないのだろうと。僕の知らない時間を、和彰は知らない女性と過ごしていて、僕はその彼女ができたことすら聞かされていなかった」
「ご、ごめん。マジで……ごめん」
兄貴は俺が避け始めた時も平然としていたから、そんなに気にしていたとは知らなかったんだ。
いや、俺がよそよそしかったことにどうやら心を痛めていたらしいというのは最近知ったんだが、まさかここまでだったとは……。
兄弟といっても大きくなれば他の友人を優先するものだし、彼女ができたなんて家族には恥ずかしくて言えない時期もある。
それでも兄弟仲が良ければ自慢くらいはしただろうし、下ネタを話題にしたかもしれない。
でもな、兄貴は……気軽にそういうことを言えない雰囲気があるんだよ。正直今もだよ。ネトゲがなければ俺の中で兄貴の印象はクールでゲームとか馬鹿にしそうな大人の男だ。
それがこんなふうに俺のことで泣いちゃうとか可愛いすぎてたまらんよ、マジで。
「正直お前には嫌われていると思っていたから、好きだと言われた時は凄く嬉しかった。まあ、初めは、こういう意味だとは思わなかったが……」
元々嫌ってはいなかったさ。むしろ好きだった。ただ、それは尊敬や憧れの部類で、俺もこういう意味だとは思ってなかったがな……。
愛しいって気持ちを前面に押し出しながら、兄貴がキスをくれる。
「お前の気持ち……兄としてなら、断るべきだった。でも、どうしても欲しかった」
「兄貴……」
やばい。もう愛しすぎる。たくさん抱き締めてキスしちまえ。
少し苦しそうに、んって息を漏らすのがとてもいい。
「俺はさあ、どんな兄貴のワガママでも許すから。俺と別れるってこと以外ならな」
泣いていた兄貴が、ようやくふんわりと笑った。
「ふふ……。僕は、自制心があるほうだと思っていたんだがな。お前はネットゲームより依存度が高くて、タチが悪い」
「ネトゲは引退してもいいけど、俺はすんなよ」
「しないさ、どっちもしない」
いや、ネトゲはいつか、引退してもいいんだぞ……。
そこは和彰だけは引退しないとか言うべきだろ。これだから兄貴は。
まあこういうところも、憎めなくて好きなんだが。
「あー……あのさ、兄貴。ネトゲよりハマりそうな俺と、もっかいどう?」
「なっ……もう一回!?」
びくっとされると中がきゅっとしてヤバイ。
そう、ずっと挿れっぱで話してたんだが、泣いて煽ってくれたりしちゃうもんだから興奮してくるし、物理的にも気持ちいいし。抜くタイミングも失ってたし……って、これは言い訳だな。俺がまだ兄貴の中から出たくなかっただけだ。
「お前、さっきから全部僕の中に出して……。こ、これ以上は、いっぱいで入らない、溢れる……」
無自覚エロッ。なんでこんなにエロイんだよ、うちの兄貴。
「もう、少し溢れてきちゃってるもんな?」
結合部を指でなぞると、甘い震えが指先につたわる。少し中へ潜り込ませるようにすると、精液がごぽりと溢れ落ちた。
「ほら」
「うあっ……」
睨まれてゾクリとする。俺にだけ優しい兄貴も大好きだが、こういう表情もクる。カッコいい。ブラコンすぎる自覚はある、うん。
「……わ、わかった。こうなったら、とことん、やってやる」
でもこうこられるのは予想外。
「マジで?」
「さっきは余裕がまったくなくて、お前を気持ちよくさせてやれていたのかわからないし、今度はきちんとどのタイミングで締めたらいいか覚える」
勉強熱心すぎるだろ。
兄貴がいかにしてハイスペックに育ったか、凄くよくわかるわ……。
「そうしたら、お前……僕から離れられなくなるだろう?」
勝ち誇ったような顔してる。
……や、なんつーか、もう既に。
「そんな努力しなくても、充分気持ちよかったし、離れる気はねーから、あんま頑張らなくてもいいぜ。兄貴が気持ちよくなってくれたらそれだけで嬉しいし」
「……わかった。なら、想いは一緒ということだ。二人で頑張ろう」
「お、おう」
まだ挿さったままなんだけどな。そんなキリッとされると、俺のほうは頑張る力が……。
「そうだ。次はきちんとコンドームをつけてくれ」
「ここまでナマでしてたのに、今更?」
「つけた時の感覚も知っておきたい」
アンタのそれ、ほんとに愛なんだろうな。探究心じゃねえだろうな。
でも、ま。未知の感覚に目を輝かせる姿が可愛いから、いいか。
図書館の時みたいに本に嫉妬して兄貴を避け出すほどガキではないし、そのベクトルは俺に向かっているんだから。
で、お互いノリノリで始めた三回戦目は、兄貴の体力不足による脱落で決着がついた。
目が覚めると、隣には既に恋人の姿がない。腕枕をしていたはずの腕も痺れてない。一瞬夢だったんじゃないかと思ったが、兄貴は傍のデスクでパソコンをしていた。まだ裸の俺と違って既に服も装着済み。
ステレオボードからはすっかり聞き慣れてしまったBGMが聞こえてくる。
俺よりネトゲかよ……。
「和彰、起きたのか」
恨みのこもった視線が通じたのか、兄貴がマウスを置いて振り返る。
しかし、初めてだったってのに、タフだな。俺より先に起きてるとか。
まあ寝たのも、兄貴のほうが先だったが。
「何? ボス?」
「いや……。なんとなく感慨深くて、つけていただけだ。このゲームの中で、僕はお前が動かすアズキと出会って、恋をして……そして今が、あるから」
兄貴がパソコンを操作し、ログアウトをして俺の傍に来る。
どうやらイチャイチャしてくれるつもりらしく、身体を猫のように擦り寄せてきた。
「夕飯、何食べたい? 今日は僕が作ろう。すぐ下にスーパーがある」
「マジで? へへ、幸せ」
「僕もだ」
幸せそうに、兄貴が微笑む。
触れるだけのキスをして抱き締めて、恋人同士の甘い一時。
普通とは違う関係だし、これから色々問題は出てくるだろうが、兄貴と一緒ならどんなことでも乗り越えていけるだろうと思う。
と、その時、後ろで兄貴のスマホが鳴った。
「デロイからメールだ」
「は!? アイツにメルアド教えてんの!?」
「一緒に狩りへ行くことが多いからな……。外部の連絡手段はあったほうが便利だろうと」
ま、まあ気持ちはわかるが……。
「しかしおかしいな。あいつはよほど緊急でなければメールなど送ってこな……」
そわそわとスマホに手を伸ばし、メール画面を見た兄貴が固まった。
兄貴は俺の存在など忘れたかのようにパソコンの電源をつけ、神速でキーボードを叩き出した。
「あ、兄貴……?」
「近日中にレベル制限解除がくるらしい! 公式……公式を見なくては!」
初めて結ばれたばかりの恋人よりもネトゲが大事かよぉぉ!
「兄貴、夕飯!」
「…………」
画面から目を離さない兄貴の顔を掴んで振り向かせて、無理矢理キスをする。
「夕飯食べ終わったら……やるぞ」
唇が触れるくらいの距離で囁くと、兄貴の頬が染まった。
「さ、さすがに今日はもう……」
「だから接続ポイントとパスワード、教えてくれよ? 一緒にやるだろ、ネトゲ」
「……あっ、え? わ、わかってる!」
これくらいの報復は、許されるだろ?
なんだかんだ俺は、ハイスペックな兄貴も廃スペックなサチも好きなんだから、もうこれはしかたない。
兄貴の優先順位がネトゲより俺になる日は、いつになることやら。
ねっとりと乳首を舐めたり吸ったりする俺を、兄貴がじいっと見ている。
あまりに見られすぎて、俺のほうが恥ずかしくなってきた。
「ダメ? ここ感じない?」
「くすぐったいような感じはする」
背を撫でたり髪を撫でたりしてくれる兄貴の手のひらが気持ちいい。
だが、リラックスしたいわけじゃないんだ。
甘い空気は悪かないが。
「ごめんな、平べったくて。楽しくないんじゃないか?」
「兄貴が喘いでくれたら楽しくなるけどな……。あっ、演技は禁止だからな?」
何度か触りっこはしてるし、キスもしてる。
でもその先を前提として触れるのはこれが初めてだ。
女と違って自然に濡れないから、厳密に言えば穴を突っ込めるように広げる以外はあまりしなくてもいいんだけどな。
でも愛があるセックスなら様式美というかマナーというか、きちんと手順はふんでおきたい。
兄貴は少し恥ずかしそうに、でも幸せそうな顔で俺を見る。
なんかエッチしてるって感じじゃない。これは間違いなく、乳首に吸い付く俺を可愛いとか思ってる顔だ。別に可愛いって思われるのが嫌なわけじゃないが、こういう時はやっぱり男らしいとか思ってほしい。
乳首の開発を諦めてズボンの中に手を差し入れると、意外にもはっきりと勃ちあがっていた。
「なんだ、もう勃ってんじゃん。実は気持ちいいの我慢してたんじゃないだろうな」
「好きな相手とキスして抱き合って、いやらしいことをしていたら興奮して当たり前じゃないか?」
一応これがやらしいことだって認識はあるのか……。
そりゃそうか。最後までやる宣言もしてるんだし。
兄貴が俺で反応してくれているのは嬉しいし、興奮もする。
かたくなな兄貴の乳首に萎えかけていた心と下半身も、力を取り戻した。
うん、よし。気を取り直して兄貴の攻略を再開しよう。
乳首に関しては今はまだレベルが足りないようだと心の隅に書き記しておく。
この前は拒否られたが、今日こそは兄貴のチンコを舐めてみせる。
他の男のモノは絶対に嫌だが、兄貴のだと思うと舐めたくなる不思議。
「あ、和彰、そこは……」
股間に顔を埋めようとすると、兄貴が軽く俺の髪を引いた。でもこの前のような強い抵抗じゃない。
困ったように目を潤ませている。戸惑っている程度なら押しきれそうだ。
「今日はもっと恥ずかしいこともするんだから、いいだろ?」
「だが気持ち悪くないのか、そんなところ」
「全然。兄貴の身体なら舐められないとこなんてない。恥ずかしそうにされるとグッとくるし」
兄貴は何度か目を瞬かせたあと、ぎゅうっとつぶった。
そしてゆっくり、頷く。震える手を後ろについてシーツを握りしめている。そういう動作全部がもう可愛くて困る。がっついちまいそうで。
もうちょっと堂々としてるほうが兄貴らしいが、滅多に見られない姿は興奮する。
俺しか見たことのない、これから先もきっと俺しか見られない、姿。
たまんねえな。
そしてズボンを脱がせて、下着も脱がせてご開帳。
おお、これが……大人になってからは多分、俺しか見たことのない兄貴の……。
「あまりじろじろ見るな……」
「ごめん。なんかつい、感動して」
よし。な、舐めるぞ……。
兄貴のだってわかっててもちょっと勇気のいる形だが、これを舐めれば兄貴が感じるんだと思えば嫌悪感なんてどっかに吹っ飛んでいく。
ふっと軽く息を吹きかけて怯えるような反応を楽しんでから、思いきって口に含んでみた。ボディソープの強い香りがした。
相当洗ったな、ここ。味がしない。匂いに誘発されて石鹸を舐めているような気がしてくる。
「っ……かずあ、き」
上ずるような兄貴の声。内腿がびくりと震えるのがやらしい。
気持ちいいのかな。良かった。口でされるの最高だよな、わかるぜ。
唾液でねっとりした舌を絡めて、締め付ける。男のしゃぶるなんて俺も初めてだしあんま上手くはないだろうが、どこをどうしたら気持ちいいのかはなんとなくわかる。
された時の快感を思い出してこっちまで気持ちいい感じがするし、抑えた兄貴の喘ぎにも煽られる。
丁寧に舐めるうち、先端のほうからようやく味が滲んできた。確認するように舌先を押し込んでから啜り上げる。
苦しょっぱくて、少しピリピリする。
飲みたい……な。兄貴が吐き出す熱を。味を、匂いを覚えておきたい。
「っあ、あ……ッ」
「今の気持ちよかった?」
指先で幹を擦りながら口を離して訊くと、兄貴はとろんとした瞳で俺の髪を撫でた。
少しだけ、身体が震えている。快感をお預けにされて焦れているのかもしれない。
「和彰がしてくれることは、いつも……なんでも気持ちよくて、困る。キスも、僕に触れる指先も、全部」
可愛いことを言ってくれる。
その言葉に俺がどんだけ煽られるか、きっと兄貴はわかってない。
「別に困らないだろ。気持ちいいなら、たくさん声出して、そんでイッてくれたら俺は嬉しい」
再びちゅっと吸い上げると、止められていた快感が一気にきたのか足も熱もびくびくと震えた。射精まではしてないが、先から蜜がとめどなく溢れ出してくる。
「っふ、う……ッ」
こらえなくても、イッてよかったのに。速いのが恥ずかしかったのか?
羞恥心なんてどうでもよくなるほど、沢山イカせてやりてえなあ。男の身体的には何度もイクのは結構キツイってわかっちゃいるんだがな。
「和彰、口を……離して、くれ」
「飲んでやるから出していいぜ」
「や、嫌だ……ッ」
「あまり抵抗するなよ。噛んじまったら困るだろ」
俺の言葉に噛まれる想像をしたのか、兄貴がびくりと震える。
「恋人の口の中で射精するとかゴックンしてもらうとか、結構男のロマンだと思うんだけど。何がそんなに嫌なの?」
もう本当は無理矢理にでもイカせてやりたかったが、はやる気持ちを抑えて優しい声で訊いてみる。
「今日は、やっと、きちんとできる、日だろう……」
「うん」
「なのに僕だけ先に出すのは嫌だ。和彰ので……イキたい」
は、と熱い息をこぼしながら、涙声でそんな台詞。
凶悪すぎて時が止まった。
っ……一緒にとかじゃなく、俺のでって言ったよこの人。
半端ない。エロイ。可愛い。やばい。
俺の後ろにくわえこんで、中で感じちゃって、それでイッてもいいと思ってんだ。
てか、それを望んで……。もう、馬鹿! うっかり俺が出しそうになったろ! 兄貴の舐めてたくらいでまだ何もされてないのに!
「初めてだから、気持ちよくなんかなくて、痛くて苦しいだけかもしれねえよ? そんでもいい?」
「痛くても、苦しくてもいい。ただ……手加減はしてくれ」
「ワガママ」
「はは……」
寸止めになってるから、この時点で既にちょっと苦しそうだよな。
可哀想なことしたなー。イキそうになるの早かったし、想像以上の気持ちよさだった、とかなら嬉しい。嫌がられてなかったのも嬉しいが。
兄貴の息が落ち着いてきたのを見計らって、持参したローションを手で軽く温めてから後ろに指を滑らせる。
「っう……」
なんか、柔らかい。もしかして準備って、広げるほうもしたのか?
やべ、頭に血が昇って鼻血出そう。いや、股間に分散されてるから平気か……。
「ここも、たくさん洗った?」
「ん……」
兄貴が目をつぶりながらこくこくと頷く。
俺は思いきって、そこに舌を伸ばしてみた。
「和彰……ッ!」
「本当だ。ここもボディソープみたいな味する」
実際にはローションの味だが。ちなみにメイプル味だ。
「馬鹿、舐めるな……!」
「コレ舐めても平気なローションだから大丈夫だぞ」
「そういうことじゃない、そ、そんなところ……」
まあ、さすがにここは恥ずかしいよな。わかる。
でも恥ずかしがる姿を見たいのも男のサガ。
甘いのは当然ローションの味だが、兄貴の身体だから甘いんだって錯覚しそうになる。
気持ちいいのか、中に差し込んだ舌先がきゅうきゅうと締め付けられ、押さえた兄貴の足が連動するように震える。
やらしくて、中の熱さを舌で確認できるのが嬉しくて、夢中で舐めた。
粘膜を舌先で擦る感覚は久し振りだ。でもその狭さは女のそれとは全然違う。
本当にこんなとこに入んのかな、俺の……。
どうしても挿れたいから、いっぱい舐めて拡げとこ。
準備してたってだけあって、柔らかくて舌と指くらいなら難なく受け入れる。
「っあ、やあ、それ……やめてくれ」
前も一緒に擦ると、兄貴が啜り泣くような声を上げた。
「これ、同時にされると気持ちいい?」
「ん……。だから、まずい。堪えられ、ない……」
目に涙を溜めながらこくこくと頷く姿に、思わず生唾を飲み込む。
俺のほうが堪えられなくなる、こんなの。
「か、和彰、もう……頼む。早くお前のを挿れてくれ」
燃える台詞だが、気持ちいいからってより、恥ずかしいからって感じだ。
正直に言えば、俺ももう挿れたくて仕方ない。我慢できない。早く兄貴とひとつになりたい。俺のもんにしたい。
そんな状態で誘われたら、もう無理だった。傷つけたくなかったのにな。挿れたら絶対に優しくできない自信がある。
「その、兄貴。俺、本当に大好きだから。愛してる。絶対大切にするから。痛いと思うけど、今だけちょっと我慢して」
返事を聞く前に、兄貴の腰を引き寄せて貫いた。どうせ答えなんてわかってる。
ゴムも持ってきてたが、つける余裕なんてなかった。いや、つけたくなかった。兄貴の負担になるとわかってはいたが、それでも直に兄貴を感じたかった。
押し入る肉の感触が先端に伝わる。深いところをめりめりとこじ開けていく。これは絶対に痛い。
表情を窺えば、眉根を寄せて唇を噛み締めていた。
「もうちょっとだ。きちんと飲み込んでってる。唇噛まないで、息吐いて……」
指先で唇を割って、ぬるい空気を確認しながら腰を押し進める。浅いところへ潜らせるだけで、すっげえ気持ちいい。
渾身の力を込めて俺を入らせまいとするんじゃなく、きゅうっと締め付けてくれたらどんだけ気持ちがいいだろう。
「は……もっと簡単に入ると思ってたのに、結構……きつい、ものだな」
兄貴が俺の腕を掴んでそう言ったあと、大きく息を吐く。
「大丈夫。大丈夫だから、もっと深く……ひとおもいにやってくれ」
殺される前の台詞かよ。
でもまあ、身体串刺しにされてるんだし、それくらい痛いのかも。
声を出したことで少し中が締まって、息にあわせて軽く開く。
今ならいける。
「っ……。入った……」
凄い、熱い。先端だけじゃなく、根本まで俺のをくわえこんだそこが、ひくひくと動く。
ぬかるんでて、とろけそう。少し揺すっただけで刺激にイキそうになる。
そういや俺、セックス久し振りな上に禁欲強いられてたんだよな。これはやばい。しばらく挿入したまんまで……動かずなじませよう……。
「和彰……」
兄貴が苦しそうに浅く息を吐きながら、俺の名前を呼ぶ。
「ごめん。苦しいよな。平気か?」
頬を撫でてやると、少しだけ表情を和らげて手のひらに擦り付けてきた。動作のひとつひとつがもう愛しすぎて。
「大丈夫、だから……。動いても、いいぞ……」
すまねえ、兄貴。気遣ってジッとしてるわけじゃねえんだ。出ちまいそうなんだよ……。
俺の情けない葛藤など知らない兄貴は、健気に俺の背中を撫でてくる。
「いや、俺は挿れてるだけでも出そうなくらい気持ちいいから、もう少しこのままで。ゆっくり味わいたい」
優しいなーみたいな瞳で見るのはやめてくれ。俺は事実しか言ってない。
でも、本当……気持ちいい。男にも名器なんて言葉が存在するなら、まさにそれだと思う。こんなところまでハイスペックだとでもいうのか。恐ろしい。
中を慣らすように、たまに腰を揺らしてみたり、キスをしたり。そのまましばらくいちゃいちゃして、ようやく少し落ち着いてきた。
大丈夫と言いながらもやっぱり大丈夫じゃなかったんだろう兄貴は、ようやく本当に楽になったみたいで安堵の表情を浮かべている。
そろそろ動いてもよさそうかな。突き上げて、擦って兄貴の中で出したい。俺ので気持ちよくなってイッてほしい。
「じゃ、動くけど……。早くても、笑わないでくれよ?」
「笑う? それだけ僕で気持ちよくなってくれたということだろう? 嬉しいだけだ」
天使だ、天使がいる。頑張ろう。
兄貴は少しだけ身体を強張らせて衝撃に耐えるように俺を見ている。
それが可愛すぎて、動くと見せかけて何度かフェイントしてやろうかと思ったが、一度突き上げてしまえばもう止まらなかった。
「やば、気持ちい……。すげーよ、兄貴」
こんなんじゃ駄目だ。兄貴も気持ちよくしてやりたいのに、俺ばっか。でも凄い。こんなの味わったことない。少し突く度に中がきゅうっとしまって、引いてる時も吸い付いて擦りあげてるような感覚。
思わず無茶苦茶に突いてしまったせいで、さすがの兄貴もつらそうにしてる。さっき挿れたままおとなしくしててよかった……。いきなりだったら、相当酷いことになったはずだ。
顎をべろりと舐めあげて、こめかみにつたう汗も舌ですくいとる。
「兄貴、中……どこが感じる? 俺、余裕なくてごめん」
「っ……わ、わから、な……っ」
兄貴のほうが俺よりもずっと余裕がなさそうだった。
反応を見ながら探せばいい話なんだが、どこを突いてもうねって収縮するもんだから気持ちよさすぎて集中できない。
それでも兄貴のイイ場所は、割りとすぐに判明した。嘘みたいに反応が違ったからだ。
「ああっ……!」
兄貴の唇からようやく艶めいた声が漏れる。すげえ、そそる顔。でもって締め付けがやばい。これはもたない。
「ごめん、出る……。ゴムつけてないけど出していい? 兄貴の中……」
俺の言葉に一瞬瞳が揺れる。
でもすぐに頷いて、俺の背中に柔らかく爪を立てた。
「気持ちいいから、そのまま……」
いつもと違う甘い声でそんな台詞まで。
あとは小さく上がる喘ぎとびくびくと締め付ける内部に誘われて、今まで溜めてたもん全部兄貴の中に吐き出した。
「っ……、は……。すげ……」
「和彰のが中で……出てる……」
どこかぼんやりと言う兄貴の頬が朱に染まっていく。
イッたばかりなのに更に揉み込むように中が動いて、俺は兄貴の上に崩れ落ちた。
「それヤバい。兄貴手加減して気持ちよすぎ」
「そ、そんなこと言われてもだな」
兄貴の指先が俺の背中を優しく撫でる。
さっき少し痛みが走ったあたりだから、きっと傷がついてないか確認しているのだろう。
「俺のでイカせられなくてごめん」
「そんなの気にするな。凄く気持ちよかった」
リップサービスかな……。
俺もすげーよかったから、お世辞ではなく相性がいいのだと思いたいが。
「今まで経験したことのない感覚で興味深かった」
でも研究者みたいな目と発言をするのはやめてほしい。
普通エッチしたあとで、興味深いとかいう台詞出てこねーよ。
「あと、凄く幸せで、ますますお前が愛しくなった。もう、抜け出せないな……」
兄貴が小さく笑って、俺の頬を撫でる。
今更抜け出されても困るんだが。こっちはとっくにどっぷり浸かってんだよ。
「今度はちゃんと俺のでイカせるから、もっと俺にはまってくれよ」
「っ……、待て、今度って……今か!?」
まだ若いし、ずっと我慢の日々だったんだから一回で終わるはずがない。
ただでさえ兄貴の中はゆるゆると俺を締め付けていて、こんなん簡単に復活するし。
少し腰を動かせばあっという間に元の固さを取り戻した。
「待て、中が……ッ、まだ、さっきの……」
俺の出したもので粘着質な水音が部屋に響き渡る。それが恥ずかしいのか、兄貴は嫌がって身をよじった。
「すげー音だね。兄貴が俺を欲しがって濡れてるみたい」
「っ……そういうのは」
言葉責めってほどじゃないが、言われんの恥ずかしいのかな。涙目、可愛い。
暴れる兄貴の身体を容易く押さえ込んで、突き上げながら顔に口づける。
奥が悦んで、俺を気持ちよくする。
「さっき擦れなかったトコ、いっぱい擦るなー。ほら、ここだろ」
「あ、嘘……やだ……っ」
「やだじゃないだろ?」
「……き、もちいい。あ……っ、んんッ」
兄貴が目をつぶって、喉をひくりと鳴らした。拍子に、目の端から涙が溢れたので舌で舐めとる。
「イケそう? 俺ので」
「や、ああっ……、も……」
首を横に振ってはいるが、身体は今にも弾けそうだ。いや、もしかすると中だけでどうイッたらいいのかわからないのかもしれない。初めてなんだし。
「和彰、和彰……」
切なく名前を呼ばれ、腹に兄貴の屹立が押しあてられる。俺に擦りつけてくんの、エロすぎ……。
俺もそろそろヤバイが、今度こそ兄貴にもイッてもらわないと。俺がイカせないと。
射精を促すように先端を指の腹で撫でると中が勢いよくきゅうっと締まった。同時にしがみつかれ下からキスをされて、口の中を思い切り吸い上げられる。
「ふ、あ……ッ」
離れた唇から高い声が漏れて、腹にねとつく液体が吐き出された。
すご……。締まって、さっきより全然イイ。
兄貴の締め付けがやばすぎて、堪えようなんて考える前に俺もイッた。
「ん……」
兄貴が浅く息を吐きながら目をつぶって俺にしがみついてくる。
いや、抱き締めて……くれてる。胸の奥があったかくって、触れたとこもあったかくって、その存在が愛しくてたまらない。
「和彰、気持ちよかった。ありがとう」
「そんなの俺こそ……。てか、身体平気か?」
「少し痛いが、多分問題ないと思う。上手いんだな」
「そう? 兄貴ってば嫉妬? 可愛い」
この台詞、前に言った時は沈黙の肯定を返されたが、今ならさりげなくかわすか、さらりと認めるかと思った。
でも兄貴は唇を噛んで視線を逸らした。
「可愛いもんか。悔しくてたまらない。何故初めてが僕ではないのだろうと。僕の知らない時間を、和彰は知らない女性と過ごしていて、僕はその彼女ができたことすら聞かされていなかった」
「ご、ごめん。マジで……ごめん」
兄貴は俺が避け始めた時も平然としていたから、そんなに気にしていたとは知らなかったんだ。
いや、俺がよそよそしかったことにどうやら心を痛めていたらしいというのは最近知ったんだが、まさかここまでだったとは……。
兄弟といっても大きくなれば他の友人を優先するものだし、彼女ができたなんて家族には恥ずかしくて言えない時期もある。
それでも兄弟仲が良ければ自慢くらいはしただろうし、下ネタを話題にしたかもしれない。
でもな、兄貴は……気軽にそういうことを言えない雰囲気があるんだよ。正直今もだよ。ネトゲがなければ俺の中で兄貴の印象はクールでゲームとか馬鹿にしそうな大人の男だ。
それがこんなふうに俺のことで泣いちゃうとか可愛いすぎてたまらんよ、マジで。
「正直お前には嫌われていると思っていたから、好きだと言われた時は凄く嬉しかった。まあ、初めは、こういう意味だとは思わなかったが……」
元々嫌ってはいなかったさ。むしろ好きだった。ただ、それは尊敬や憧れの部類で、俺もこういう意味だとは思ってなかったがな……。
愛しいって気持ちを前面に押し出しながら、兄貴がキスをくれる。
「お前の気持ち……兄としてなら、断るべきだった。でも、どうしても欲しかった」
「兄貴……」
やばい。もう愛しすぎる。たくさん抱き締めてキスしちまえ。
少し苦しそうに、んって息を漏らすのがとてもいい。
「俺はさあ、どんな兄貴のワガママでも許すから。俺と別れるってこと以外ならな」
泣いていた兄貴が、ようやくふんわりと笑った。
「ふふ……。僕は、自制心があるほうだと思っていたんだがな。お前はネットゲームより依存度が高くて、タチが悪い」
「ネトゲは引退してもいいけど、俺はすんなよ」
「しないさ、どっちもしない」
いや、ネトゲはいつか、引退してもいいんだぞ……。
そこは和彰だけは引退しないとか言うべきだろ。これだから兄貴は。
まあこういうところも、憎めなくて好きなんだが。
「あー……あのさ、兄貴。ネトゲよりハマりそうな俺と、もっかいどう?」
「なっ……もう一回!?」
びくっとされると中がきゅっとしてヤバイ。
そう、ずっと挿れっぱで話してたんだが、泣いて煽ってくれたりしちゃうもんだから興奮してくるし、物理的にも気持ちいいし。抜くタイミングも失ってたし……って、これは言い訳だな。俺がまだ兄貴の中から出たくなかっただけだ。
「お前、さっきから全部僕の中に出して……。こ、これ以上は、いっぱいで入らない、溢れる……」
無自覚エロッ。なんでこんなにエロイんだよ、うちの兄貴。
「もう、少し溢れてきちゃってるもんな?」
結合部を指でなぞると、甘い震えが指先につたわる。少し中へ潜り込ませるようにすると、精液がごぽりと溢れ落ちた。
「ほら」
「うあっ……」
睨まれてゾクリとする。俺にだけ優しい兄貴も大好きだが、こういう表情もクる。カッコいい。ブラコンすぎる自覚はある、うん。
「……わ、わかった。こうなったら、とことん、やってやる」
でもこうこられるのは予想外。
「マジで?」
「さっきは余裕がまったくなくて、お前を気持ちよくさせてやれていたのかわからないし、今度はきちんとどのタイミングで締めたらいいか覚える」
勉強熱心すぎるだろ。
兄貴がいかにしてハイスペックに育ったか、凄くよくわかるわ……。
「そうしたら、お前……僕から離れられなくなるだろう?」
勝ち誇ったような顔してる。
……や、なんつーか、もう既に。
「そんな努力しなくても、充分気持ちよかったし、離れる気はねーから、あんま頑張らなくてもいいぜ。兄貴が気持ちよくなってくれたらそれだけで嬉しいし」
「……わかった。なら、想いは一緒ということだ。二人で頑張ろう」
「お、おう」
まだ挿さったままなんだけどな。そんなキリッとされると、俺のほうは頑張る力が……。
「そうだ。次はきちんとコンドームをつけてくれ」
「ここまでナマでしてたのに、今更?」
「つけた時の感覚も知っておきたい」
アンタのそれ、ほんとに愛なんだろうな。探究心じゃねえだろうな。
でも、ま。未知の感覚に目を輝かせる姿が可愛いから、いいか。
図書館の時みたいに本に嫉妬して兄貴を避け出すほどガキではないし、そのベクトルは俺に向かっているんだから。
で、お互いノリノリで始めた三回戦目は、兄貴の体力不足による脱落で決着がついた。
目が覚めると、隣には既に恋人の姿がない。腕枕をしていたはずの腕も痺れてない。一瞬夢だったんじゃないかと思ったが、兄貴は傍のデスクでパソコンをしていた。まだ裸の俺と違って既に服も装着済み。
ステレオボードからはすっかり聞き慣れてしまったBGMが聞こえてくる。
俺よりネトゲかよ……。
「和彰、起きたのか」
恨みのこもった視線が通じたのか、兄貴がマウスを置いて振り返る。
しかし、初めてだったってのに、タフだな。俺より先に起きてるとか。
まあ寝たのも、兄貴のほうが先だったが。
「何? ボス?」
「いや……。なんとなく感慨深くて、つけていただけだ。このゲームの中で、僕はお前が動かすアズキと出会って、恋をして……そして今が、あるから」
兄貴がパソコンを操作し、ログアウトをして俺の傍に来る。
どうやらイチャイチャしてくれるつもりらしく、身体を猫のように擦り寄せてきた。
「夕飯、何食べたい? 今日は僕が作ろう。すぐ下にスーパーがある」
「マジで? へへ、幸せ」
「僕もだ」
幸せそうに、兄貴が微笑む。
触れるだけのキスをして抱き締めて、恋人同士の甘い一時。
普通とは違う関係だし、これから色々問題は出てくるだろうが、兄貴と一緒ならどんなことでも乗り越えていけるだろうと思う。
と、その時、後ろで兄貴のスマホが鳴った。
「デロイからメールだ」
「は!? アイツにメルアド教えてんの!?」
「一緒に狩りへ行くことが多いからな……。外部の連絡手段はあったほうが便利だろうと」
ま、まあ気持ちはわかるが……。
「しかしおかしいな。あいつはよほど緊急でなければメールなど送ってこな……」
そわそわとスマホに手を伸ばし、メール画面を見た兄貴が固まった。
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なんだかんだ俺は、ハイスペックな兄貴も廃スペックなサチも好きなんだから、もうこれはしかたない。
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