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3rd stage
美少女のことが心配で放っとけない
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「だからもう、あたしに関わらないで。さよなら!」
そう言い放つと、栞里ちゃんはプイと視線を逸らせてぼくの横をすり抜け、階段を駆け下りた。
「で、でも、行くとこないんだろ? ぼくのとこでよかったら、いていいよ!」
とっさに手が出た。
非常ドアを開けようとする栞里ちゃんの腕を、思わず掴んだのだ。
「きゃぁ~、やめてっ! チカン!」
思ってもなかった彼女の金切り声に、ぼくはびっくりして手を離してあやまる。
「ごっ、ごめん!」
栞里ちゃんは背中を向けて、小さな肩を震わせて立ちすくんでしまった。
「ほんとにごめん。もう触らないから」
「…」
「でも、ぼくはほんとに栞里ちゃんの事、心配してるから」
「…」
「放っとけないよ!」
「…」
「行く先がないなんて、心配でたまんないよ!」
「…」
「きっ、気がすむまでいていいから。だっ、大丈夫だよ。なんにもしないから」
「…」
「信じてほしいんだ!」
「…」
「ほんとのほんとに! 栞里ちゃんの悪い様にはしないから!」
必死だった。
だれかがしっかり手を繋いでないと、この子はどこまでも堕ちていってしまう。
そんな気がして、ぼくは栞里ちゃんを引き留めておきたかった。
ヨシキの忠告なんか、もうどうでもいい。
ぼくは彼女ともっと関わりたい。
そんな資格がぼくにあるかどうか、わからない、、、 ってか、ないと思う。
だけどぼくは、彼女のために、なにかしてやりたかった。
例えそれが、自分にとって悪い結果を招くとしても、このまま彼女をスルーできなかった。
「…ん」
どのくらい時間が経っただろうか?
背中を向けたまま、栞里ちゃんはひとこと言って、かすかにうなずいた。
部屋に戻ると、栞里ちゃんはすぐにベランダに出て、昨夜いた場所に座り込み、スマホを取り出して、一心不乱になにかを打ち込みはじめた。
彼女の醸しだす『放っといてよ』オーラに、声をかけるのもはばかられ、ぼくもなんとなくパソコンをつけて、ネットを巡回しはじめた。
、、、ものの、目の前のWebページも、頭に入らない。
ぼんやりとマウスをクリックしながら、さっきの栞里ちゃんとのやりとりを、思い返す。
『自分がエッチしたかどうかもわかんないの?』
まあ… 確かに。
いくら酔ってたとはいえ、エッチしたかどうかさえわからないなんて、男として終わってるかもしれない、、、
『二次元でしか女の子のからだ知らないドーテーキモオタが、まともにエッチなんかできるわけないじゃん』
ん~、、、
正確には『素人ドーテー』なんだけど、ほぼ当たってるだけに、返す言葉もない。
『きゃぁ~やめてっ! チカン!』
そりゃ、デブヲタクのぼくは、外見がキモいのはわかってる。
わかってるけど、、、 やっぱりキッツイな~。
さっきはテンパっててよくわからなかったが、こうして今、冷静になって振り返ってみると、結構ひどいこと言われたな~、、、orz
そして今も、ぼくの事なんか眼中にないかの様に、スマホに熱中する栞里ちゃん。
絶望的な一方通行。。。
栞里ちゃんにとって、ぼくの存在なんて、どうでもいいんだろな。
ただの、街中ですれ違って、ちょっと関わった程度の、無名群衆人物。
特別な感情なんて、持ってるわけない、、、 か。
…そんな事考えたって、しかたない。
なにかを期待したって、虚しいだけだ。
所詮、14歳の少女にとって、ドーテーキモオタのぼくなんかが、恋愛対象になるわけがない。
恋とか、できるわけないんだ。
それでもぼくはただ、栞里ちゃんのために少しでも役に立てれば、それで充分なんだ。
なんの下心も、欲もない。
、、、ってのは強がりかもしれないけど、とにかく今だけは。
新たな居場所を見つけられて、この部屋から去っていくそのときまでは、家出少女の栞里ちゃんの『神』。泊め男の務めを果たす事だけ考えよう。それ以上は、なにも望むまい。
そう決めるとぼくは、栞里ちゃんの存在を忘れようと、パソコンの画面に集中した。
つづく
そう言い放つと、栞里ちゃんはプイと視線を逸らせてぼくの横をすり抜け、階段を駆け下りた。
「で、でも、行くとこないんだろ? ぼくのとこでよかったら、いていいよ!」
とっさに手が出た。
非常ドアを開けようとする栞里ちゃんの腕を、思わず掴んだのだ。
「きゃぁ~、やめてっ! チカン!」
思ってもなかった彼女の金切り声に、ぼくはびっくりして手を離してあやまる。
「ごっ、ごめん!」
栞里ちゃんは背中を向けて、小さな肩を震わせて立ちすくんでしまった。
「ほんとにごめん。もう触らないから」
「…」
「でも、ぼくはほんとに栞里ちゃんの事、心配してるから」
「…」
「放っとけないよ!」
「…」
「行く先がないなんて、心配でたまんないよ!」
「…」
「きっ、気がすむまでいていいから。だっ、大丈夫だよ。なんにもしないから」
「…」
「信じてほしいんだ!」
「…」
「ほんとのほんとに! 栞里ちゃんの悪い様にはしないから!」
必死だった。
だれかがしっかり手を繋いでないと、この子はどこまでも堕ちていってしまう。
そんな気がして、ぼくは栞里ちゃんを引き留めておきたかった。
ヨシキの忠告なんか、もうどうでもいい。
ぼくは彼女ともっと関わりたい。
そんな資格がぼくにあるかどうか、わからない、、、 ってか、ないと思う。
だけどぼくは、彼女のために、なにかしてやりたかった。
例えそれが、自分にとって悪い結果を招くとしても、このまま彼女をスルーできなかった。
「…ん」
どのくらい時間が経っただろうか?
背中を向けたまま、栞里ちゃんはひとこと言って、かすかにうなずいた。
部屋に戻ると、栞里ちゃんはすぐにベランダに出て、昨夜いた場所に座り込み、スマホを取り出して、一心不乱になにかを打ち込みはじめた。
彼女の醸しだす『放っといてよ』オーラに、声をかけるのもはばかられ、ぼくもなんとなくパソコンをつけて、ネットを巡回しはじめた。
、、、ものの、目の前のWebページも、頭に入らない。
ぼんやりとマウスをクリックしながら、さっきの栞里ちゃんとのやりとりを、思い返す。
『自分がエッチしたかどうかもわかんないの?』
まあ… 確かに。
いくら酔ってたとはいえ、エッチしたかどうかさえわからないなんて、男として終わってるかもしれない、、、
『二次元でしか女の子のからだ知らないドーテーキモオタが、まともにエッチなんかできるわけないじゃん』
ん~、、、
正確には『素人ドーテー』なんだけど、ほぼ当たってるだけに、返す言葉もない。
『きゃぁ~やめてっ! チカン!』
そりゃ、デブヲタクのぼくは、外見がキモいのはわかってる。
わかってるけど、、、 やっぱりキッツイな~。
さっきはテンパっててよくわからなかったが、こうして今、冷静になって振り返ってみると、結構ひどいこと言われたな~、、、orz
そして今も、ぼくの事なんか眼中にないかの様に、スマホに熱中する栞里ちゃん。
絶望的な一方通行。。。
栞里ちゃんにとって、ぼくの存在なんて、どうでもいいんだろな。
ただの、街中ですれ違って、ちょっと関わった程度の、無名群衆人物。
特別な感情なんて、持ってるわけない、、、 か。
…そんな事考えたって、しかたない。
なにかを期待したって、虚しいだけだ。
所詮、14歳の少女にとって、ドーテーキモオタのぼくなんかが、恋愛対象になるわけがない。
恋とか、できるわけないんだ。
それでもぼくはただ、栞里ちゃんのために少しでも役に立てれば、それで充分なんだ。
なんの下心も、欲もない。
、、、ってのは強がりかもしれないけど、とにかく今だけは。
新たな居場所を見つけられて、この部屋から去っていくそのときまでは、家出少女の栞里ちゃんの『神』。泊め男の務めを果たす事だけ考えよう。それ以上は、なにも望むまい。
そう決めるとぼくは、栞里ちゃんの存在を忘れようと、パソコンの画面に集中した。
つづく
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