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5th stage
巨乳レイヤーに好かれるはずがない
「読んだか?」
頃合いを見計らって、ヨシキから電話がかかってきた。
「あ、ああ、、、」
かろうじて返事をする。
「…すまん」
「え?」
「麗奈に手を出したのは、失敗だった」
「なにが?」
「あいつ、かなり黒かった」
「黒い?」
「束縛とか嫉妬がすごくてさ。『他のだれも撮るな。会うな』って、脅してくるんだよ」
「そっ、そんな風には見えないけど、、、」
「だよな。麗奈って一見、巨乳の癒し系だもんな。おれも見る目がなかったよ。
だけどここまでやるとは、、、 想定の範囲外だったな」
「、、、もしかして、今日。おまえと美月梗夜さんが会う事、麗奈ちゃんは知ってた?」
「ああ。根掘り葉掘り訊かれたよ」
「じゃあ、アキバのカフェで偶然会ったのって、、、」
「麗奈の計算のうちだろ。おまえ、利用されたんだな」
「利用、、、」
「おれに見せつけるために、麗奈がおまえを誘ったんじゃないか?
ぶっちゃけおれと麗奈は今、ちょっとトラブってんだよ。
どうやって穏便に切れるか悩んでるんだけど、おまえにもとんだ巻き添え、喰わせてしまったな。すまん」
「……」
そうだよな、、、、、、
だいたい、ぼくが麗奈ちゃんに好かれるはずがない。
デブでブサイクなヲタな自分が、あんなに巨乳で可愛い(黒いけど)女の子に、好かれるはずなんて、なかったんだ。
イラストが得意と言ったって、人から見れば、性欲が透けて見える、歪んだキモいハンコ絵でしかないらしいし、そんなぼくが、だれかと恋とかできるわけがない。
なのに、ちょっと甘い言葉をかけられただけで、舞い上がってたなんて、、、
なんか、、、
涙が出てきた。
どうしてこんな惨めな思いをしなきゃならないんだ。
容姿なんて、自分じゃどうにもならないのに。
全身整形しろってか?
デブのブサイクは、人並みに扱ってもらう事さえできないのか?
ぼくの内面を、だれも見てくれないのか?
そりゃ、ヲタ趣味全開の自分なんて、たいした人間じゃないけど、それなりに人の気持ちは考えて生きてるつもりだ。
それを『鬼畜』だなんて、、、
凹む、、、、、、、 _| ̄| . . . .. ...○
「気にすんな、、、って言っても無理だろうけど、オレはおまえの事知ってっから。
おまえはレイプなんてできるやつじゃないし、漫画やイラストに対しても、正面から本気で取り組んでるし、根っからまじめで、いいヤツだよ」
電話の向こうで、ヨシキが淡々と語る。
ひとりでもそう言ってくれる人間がいる事が、今はありがたい。
「おまえこそ、、、 あれだけ開示版で叩かれてて、よく平気だな」
熱いものがこみ上げてきたのを必死で抑えながら、ぼくはヨシキに言った。
確かにそのスレでの、『ぼく(蓑屡)』への書き込みはひどいものだったけど、『夜死期』へのバッシングはさらに、その何十倍も凄まじかったのだ。
擁護の書き込みもいくらかあったけど、それ以上に攻撃は悪意に満ち満ちてて、下劣で醜悪で執拗。
ヨシキのバイト先から、過去につきあってた女の子(妄想含む)、出身校に住所、持ってるカメラの種類や乗ってるクルマ、サイトアドレスまで、公私ともに晒されまくってた。
「まあ、ね。勲章と思う事にしてるよ」
「勲章?」
「叩かれるって事は、それだけ羨ましがられてるって事だろ」
「…」
「光を浴びりゃ、後ろには影ができるもんさ。陳腐な言い回しだけどな」
「ヨシキ、おまえ、、、 強いな」
「臭いセリフやめろよ」
「いや、ほんと。ぼくなんか、、、」
「わかるよ。オレも最初は凹んだよ。安全な場所から攻撃する時、人はどこまでも残虐になれるもんだな」
「安全な場所、、、」
「絶対的に有利な立場。絶対的な匿名。絶対的な兵器。
自分が傷つかない場所にいると、他人の痛みなんかわからない。わかろうともしない。
戦争から学校や会社の人間関係、掲示板まで、みんなそうさ」
「なのにどうして、そんなスレ見てるんだ?」
「防御のためさ」
「防御?」
「敵を知っておけば、おのずと対処法も見えてくるだろ」
「弁解の書き込み、するのか? 麗奈ちゃんと掲示板のなかでやり合うとか…」
「それは無駄だろな。麗奈もあれでいて、巧妙でシッポ出さないからな」
「そう、、、 だな。当事者じゃないとわかんない様な書き方してたし」
「ってか、反論書き込んでも、本人降臨とかで、余計叩かれるし」
「そうなんだ」
「まあ… スレの中で闘う様な不毛な事はしねーよ。匿名掲示板なんて便所と同じさ。人間どこかで溜まった汚物を排泄しないと、生きられないんだから」
「だけど…」
「便所の中でケンカしてたって、醜いだけだろ」
「ああ… でもぼくは、もうだれも信じられない、、、」
「でもオレは、おまえの事信じてっから。明日ちゃんとイベントに来るって事も、な」
「、、、ああ」
「じゃ、また明日」
そう言ってヨシキは電話を切った。
ぼくも電話を切りながら、iPhoneに表示されていた掲示板も閉じた。
瞬間、スレの最後の書き込みが視界に入ってきた。
デブサヲタ=レイープ魔FA!
頃合いを見計らって、ヨシキから電話がかかってきた。
「あ、ああ、、、」
かろうじて返事をする。
「…すまん」
「え?」
「麗奈に手を出したのは、失敗だった」
「なにが?」
「あいつ、かなり黒かった」
「黒い?」
「束縛とか嫉妬がすごくてさ。『他のだれも撮るな。会うな』って、脅してくるんだよ」
「そっ、そんな風には見えないけど、、、」
「だよな。麗奈って一見、巨乳の癒し系だもんな。おれも見る目がなかったよ。
だけどここまでやるとは、、、 想定の範囲外だったな」
「、、、もしかして、今日。おまえと美月梗夜さんが会う事、麗奈ちゃんは知ってた?」
「ああ。根掘り葉掘り訊かれたよ」
「じゃあ、アキバのカフェで偶然会ったのって、、、」
「麗奈の計算のうちだろ。おまえ、利用されたんだな」
「利用、、、」
「おれに見せつけるために、麗奈がおまえを誘ったんじゃないか?
ぶっちゃけおれと麗奈は今、ちょっとトラブってんだよ。
どうやって穏便に切れるか悩んでるんだけど、おまえにもとんだ巻き添え、喰わせてしまったな。すまん」
「……」
そうだよな、、、、、、
だいたい、ぼくが麗奈ちゃんに好かれるはずがない。
デブでブサイクなヲタな自分が、あんなに巨乳で可愛い(黒いけど)女の子に、好かれるはずなんて、なかったんだ。
イラストが得意と言ったって、人から見れば、性欲が透けて見える、歪んだキモいハンコ絵でしかないらしいし、そんなぼくが、だれかと恋とかできるわけがない。
なのに、ちょっと甘い言葉をかけられただけで、舞い上がってたなんて、、、
なんか、、、
涙が出てきた。
どうしてこんな惨めな思いをしなきゃならないんだ。
容姿なんて、自分じゃどうにもならないのに。
全身整形しろってか?
デブのブサイクは、人並みに扱ってもらう事さえできないのか?
ぼくの内面を、だれも見てくれないのか?
そりゃ、ヲタ趣味全開の自分なんて、たいした人間じゃないけど、それなりに人の気持ちは考えて生きてるつもりだ。
それを『鬼畜』だなんて、、、
凹む、、、、、、、 _| ̄| . . . .. ...○
「気にすんな、、、って言っても無理だろうけど、オレはおまえの事知ってっから。
おまえはレイプなんてできるやつじゃないし、漫画やイラストに対しても、正面から本気で取り組んでるし、根っからまじめで、いいヤツだよ」
電話の向こうで、ヨシキが淡々と語る。
ひとりでもそう言ってくれる人間がいる事が、今はありがたい。
「おまえこそ、、、 あれだけ開示版で叩かれてて、よく平気だな」
熱いものがこみ上げてきたのを必死で抑えながら、ぼくはヨシキに言った。
確かにそのスレでの、『ぼく(蓑屡)』への書き込みはひどいものだったけど、『夜死期』へのバッシングはさらに、その何十倍も凄まじかったのだ。
擁護の書き込みもいくらかあったけど、それ以上に攻撃は悪意に満ち満ちてて、下劣で醜悪で執拗。
ヨシキのバイト先から、過去につきあってた女の子(妄想含む)、出身校に住所、持ってるカメラの種類や乗ってるクルマ、サイトアドレスまで、公私ともに晒されまくってた。
「まあ、ね。勲章と思う事にしてるよ」
「勲章?」
「叩かれるって事は、それだけ羨ましがられてるって事だろ」
「…」
「光を浴びりゃ、後ろには影ができるもんさ。陳腐な言い回しだけどな」
「ヨシキ、おまえ、、、 強いな」
「臭いセリフやめろよ」
「いや、ほんと。ぼくなんか、、、」
「わかるよ。オレも最初は凹んだよ。安全な場所から攻撃する時、人はどこまでも残虐になれるもんだな」
「安全な場所、、、」
「絶対的に有利な立場。絶対的な匿名。絶対的な兵器。
自分が傷つかない場所にいると、他人の痛みなんかわからない。わかろうともしない。
戦争から学校や会社の人間関係、掲示板まで、みんなそうさ」
「なのにどうして、そんなスレ見てるんだ?」
「防御のためさ」
「防御?」
「敵を知っておけば、おのずと対処法も見えてくるだろ」
「弁解の書き込み、するのか? 麗奈ちゃんと掲示板のなかでやり合うとか…」
「それは無駄だろな。麗奈もあれでいて、巧妙でシッポ出さないからな」
「そう、、、 だな。当事者じゃないとわかんない様な書き方してたし」
「ってか、反論書き込んでも、本人降臨とかで、余計叩かれるし」
「そうなんだ」
「まあ… スレの中で闘う様な不毛な事はしねーよ。匿名掲示板なんて便所と同じさ。人間どこかで溜まった汚物を排泄しないと、生きられないんだから」
「だけど…」
「便所の中でケンカしてたって、醜いだけだろ」
「ああ… でもぼくは、もうだれも信じられない、、、」
「でもオレは、おまえの事信じてっから。明日ちゃんとイベントに来るって事も、な」
「、、、ああ」
「じゃ、また明日」
そう言ってヨシキは電話を切った。
ぼくも電話を切りながら、iPhoneに表示されていた掲示板も閉じた。
瞬間、スレの最後の書き込みが視界に入ってきた。
デブサヲタ=レイープ魔FA!
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