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Death Jail
2017-08-15のブログ
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2017-08-15 17:03
☆無題
信じられない!
どこにも行くあてがなく、
あたしはオタクのマンションの非常階段を上がって、
最上階から日の沈む景色をぼんやり見てた。
ここには誰もこない。
だれも用がない。
この世から消えてなくなっても、だれも気づかない、
存在する意味のない場所。
あたしにはお似合いの場所。
なのに。
オタクはそんなところにいるあたしを、探し当てた!
見つけてくれた!
なんだろう、、、
この、ほんわかする気持ち。
「放っとけないよ!」
オタクはそう言って、あたしを引き止めてくれた。
からだを求めるわけでもない。
なんの見返りもない。
オタクになんの得もないのに、
あたしを守ってくれようとしてる?
嬉しい。
人からこんなに求められたのって、はじめてかもしれない。
あたしを求める人は、いた。
でもみんな、
勉強教えてほしいとかだったり、
からだ目当てだったり、
不純で打算的な目的があった。
でも、このオタクは違う。
純粋に、あたしのためを思って、
自分を犠牲にしてくれようとしてる?
もしかして、信じていいのかな?
その言葉。
甘えちゃっていいのかな?
そういえば、
家でも学校でもあたし、
だれかに甘えるって経験、ないな~。
親にハグされた記憶もない。
いつも厳しく叱られたことしか、思い出せない。
それが怖くて、
叱られない様に、いい子でいようと頑張ってた。
いつも、ビクビク怯えてた。
家にも学校にも、居場所がなかった。
このオタクになら、甘えてもわがまま言っても、許してくれる。
そんなのって、はじめて。
なんか、自分の存在を、はじめて肯定できる気がする。
栞里ちゃんはこの時はじめて、『この人のためになにかしてあげたい』という気持ちが芽生えたらしく、『モデルをしようか?』と言い出した。
ぼくに対して、少しずつ心を開いていく栞里ちゃんの気持ちが、そこには克明に綴られてた。
次の日はいっしょに原宿に出かけ、ふたりでお店をのぞいたり服を買ってもらったりして、かなり楽しかったらしい。
ぼくの事も、今までのダサい服装からのイメチェンで、少し見る目も変わってきたみたいだった。
そうだったんだ。
やっぱり、ヨシキのアドバイスは的確だったんだ。
朝いちでユニクロまで買いに行った甲斐があった。
そんな、まるでデートの様な楽しい気分をぶち壊したのが、高瀬みくとのダブルブッキングだった。
つづく
☆無題
信じられない!
どこにも行くあてがなく、
あたしはオタクのマンションの非常階段を上がって、
最上階から日の沈む景色をぼんやり見てた。
ここには誰もこない。
だれも用がない。
この世から消えてなくなっても、だれも気づかない、
存在する意味のない場所。
あたしにはお似合いの場所。
なのに。
オタクはそんなところにいるあたしを、探し当てた!
見つけてくれた!
なんだろう、、、
この、ほんわかする気持ち。
「放っとけないよ!」
オタクはそう言って、あたしを引き止めてくれた。
からだを求めるわけでもない。
なんの見返りもない。
オタクになんの得もないのに、
あたしを守ってくれようとしてる?
嬉しい。
人からこんなに求められたのって、はじめてかもしれない。
あたしを求める人は、いた。
でもみんな、
勉強教えてほしいとかだったり、
からだ目当てだったり、
不純で打算的な目的があった。
でも、このオタクは違う。
純粋に、あたしのためを思って、
自分を犠牲にしてくれようとしてる?
もしかして、信じていいのかな?
その言葉。
甘えちゃっていいのかな?
そういえば、
家でも学校でもあたし、
だれかに甘えるって経験、ないな~。
親にハグされた記憶もない。
いつも厳しく叱られたことしか、思い出せない。
それが怖くて、
叱られない様に、いい子でいようと頑張ってた。
いつも、ビクビク怯えてた。
家にも学校にも、居場所がなかった。
このオタクになら、甘えてもわがまま言っても、許してくれる。
そんなのって、はじめて。
なんか、自分の存在を、はじめて肯定できる気がする。
栞里ちゃんはこの時はじめて、『この人のためになにかしてあげたい』という気持ちが芽生えたらしく、『モデルをしようか?』と言い出した。
ぼくに対して、少しずつ心を開いていく栞里ちゃんの気持ちが、そこには克明に綴られてた。
次の日はいっしょに原宿に出かけ、ふたりでお店をのぞいたり服を買ってもらったりして、かなり楽しかったらしい。
ぼくの事も、今までのダサい服装からのイメチェンで、少し見る目も変わってきたみたいだった。
そうだったんだ。
やっぱり、ヨシキのアドバイスは的確だったんだ。
朝いちでユニクロまで買いに行った甲斐があった。
そんな、まるでデートの様な楽しい気分をぶち壊したのが、高瀬みくとのダブルブッキングだった。
つづく
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