むかしから、

真城詩

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むかしから、

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「ね、きょうもあれしよっか」
「……うん、やろっか」

幼いころの秘密の遊び。それは俺のお尻の穴に指を入れること。とっても気持ちよくなれて、あいつもうれしそうに笑ってるし、楽しい遊びだった。二人だけの秘密、というのもわくわくした。

「なあ、今日もヤろーぜ」
「……ああ、ヤるか」

それは大きくなった今でも続いていて、でもちょっとだけ進化した。指があいつのちんこに代わって、もっともっと気持ちよくなれる。変わらずあいつは嬉しそうにしてるし、俺も気持ちよくなれるしでいい遊び。でも絶対、だれにも内緒。なんでってわけじゃないけど、あいつがそういうから。

「あぁあっそこっそこっ、もっと突いてぇっ」
「ああ、うん。お前ここ好きだよな」
「ふぁあああんっ、ああっあ、うああっやぁああぁあ」
「嫌じゃないだろ?好きだもんな」
「あ、うんっすきっしゅきいぃっ」

俺たちは射精を覚えて、この遊びの異常性も知った。でも、やめられない。やめる気もない。別にこいつが好きなわけじゃないけど、気持ちいいのは好きだし。

「あんっあんっ、もっとぉ」
「ほんっとお前って変態だよなあ。男にケツ掘られてこんなヨガってるとか」

ま、俺も同類だけどな、とあいつは付け足して再び律動を開始する。ああ、気持ちいい。

「!っあ!あっいくうぅっ」
「ん、俺も、も、イきそっ」

二人同時に射精してベッドの上で汗まみれの体を重ねる。体がべとついて気持ち悪い。これだけはこの遊びの嫌なところだ。だけど、お尻でイった後はちんこだけでイクのとは別の多幸感が感じられる。それも好きだ。俺はそのイった後の幸福感に包まれて、何か大切なことを聞き逃した気がした。

「よく計画通りにうまくできたなあ」

それはあいつの声で、え?と聞き返しても笑って教えてくれなかった。ま、いいや。あいつはわらってるし、俺は気持ちよかったし。たとえこれが計画されたことだとしても、俺は別に全然いいんだ。そう、いいんだ。
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