アイ'ドール(上)

あさまる

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プリメロ村の『イロハ団』

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かつてどこかで聞いた話だ。
つまり、その程度に曖昧な知識である。
しかし、妙なことにそれを思い出してしまい、同時に納得してしまった。

「ふふ、恐がらなくて良いわ。村の人達は多少の怪我こそあれど皆無事だし、山賊も……まぁまぁ大変だったけれども何とかなったし……それで死者はどちらからも出ていないわ。」
涼しげな顔でハヅキがそう言ってのけた。

「そ、そっか……それなら良かったね。」
安堵。
肩透かしを食らった気分のイオリであった。

この時のイオリは気づいていなかった。
ハヅキは確かに死者は出ていないと言った。
しかし、無事かどうか言及したのは村人だけだ。

山賊がどうなったかは言っていないのだ。
尚、このことに彼女が気づくのは、もう少し先のことである。


「……その、ハヅキ……ごめん。」

「……わ、悪かったわ。……軽率だった……。」

深々と頭を下げるイオリ。
そして、そっぽ向き、ボソボソと一人言を呟くようなロココ。
二人とも、態度こそ違えどハヅキへ謝罪をした。

「……ふふふ、皆帰るわよ。」
きっと、彼女なりに納得することが出来たのだろう。
先ほどまでとは打って代わり、優しい笑顔のハヅキであった。

死屍累々。
完全に倒された山賊ら。
そんな彼らを他所に、ハヅキらや村人らがその場から立ち去って行く。
こうしてこの騒ぎは無事終結したのだった。


それから数日後。
プリメロ村。

ハヅキの迅速な対応のお陰もあり、崩壊は小規模なものであった。
しかし、それでも復興には時間がかかる。

祭りの開催よりも村の復興を最優先とした。
その結果、何が起きたか。
祭り当日に、予定通りとは行かず、数日後に行われることとなった。


そして、予定から数日後の祭り当日。
依然、村の所々に瓦礫。

粗方片付けられたがやはりと言うべきか、隅の方へとその大半が寄せられている。
そして、何とか設営したのだろう様々な屋台。
既に買い食いしている者もいる。

他者から見れば、きっと稚拙なおままごとにしか見えないクオリティーかもしれない。
それでも、今の彼らにはこれで良かった。

痛みが残る場所。
しかし、それでも皆で頑張った。
だからだろう。
あちこちで笑顔が溢れていた。

「い、いやー、屋台いっぱいでどこから回るか迷っちゃうなぁー?」

「そ、そうねー……ま、まずは軽めなやつから行こうかしらねー?」
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