アイ'ドール(上)

あさまる

文字の大きさ
59 / 137
プロッシモ村の『シスターズ』

17

しおりを挟む
「うおー!最高最高最高ー!アヤメちゃん最高ー!」

「あぁ!アヤメは最高なんだー!」

はしゃぐ二人。
最早酔っぱらいの悪ノリの域に達していた。

「二人とも止めてよー……。私、そんな凄くないよ……。」
勢いに押し負けたアヤメがすっかり小さくなっている。
仕舞いには謙遜をし出してしまった。

「いや、アヤメちゃん、そんなことないよ!アヤメちゃんは最高の『アイドル』だよ!」

「も、もう……。」

「アヤメ最高可愛いよ!」

「アヤメちゃん最高可愛いよ!」

キクリが発した最高の『アイドル』というもの。
その言葉に、ピクッと身体を反応させる者がいた。
イオリだ。

「……イオリ。」

「……な、何……?」
イオリは突如、自身の名を呼んだロココに返事をした。

「……ただの酔っぱらいの戯言よ。気にしなくて良いわ。……あいつの一番はあんたなんだから。」
もしゃもしゃと料理を頬張りながらロココが言う。

「わ、分かってるよ……。」
そう、分かっている。
分かっているのだ。
しかし、イオリは心中穏やかではなかった。

「そう?なら良いわ。」
ロココはそれ以上追及することはなかった。

「分かってるけど……でも、ありがとう。」

「なっ!?別にお礼を言われるようなこと……まぁ、あんたが落ち着いたなら良いわ、どういたしまして。」


「……それにしても……良い景色だな。」
ボソリ。
先ほどまでのハイテンションからは信じられないほど落ち着いた声でアイが呟く。

「うん?」
キクリが反応する。

「……いや、ここは今でこそこれほど繁盛している店なんだがな、少し前までは周辺も含めて本当に人がいなかったんだ……。」

「……そうなんだ。」
信じられない。
驚くキクリ。

確かに、この村の雰囲気は、イオリらのいたプリメロ村と似ている。
しかし、村人の人数が格段にこちらの方が多い。
一体何があったのだろうか?

「……お姉ちゃんの言ってることは本当だよ?本当にここ、前までお客さん私達だけの日ばっかだったんだよ。」

「そうなんだね。」
まさか心を読まれていたのか?
それほどにアヤメの言葉は的確で、内心またしても驚くキクリであった。

「ここまでこの村が盛り上がったのは……それもこれも全部、アヤメのお陰なんだ。」
アヤメの頭を優しく撫でるアイ。
アヤメも、彼女のその動きを素直に受け入れ、気持ち良さそうに目を細めている。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

処理中です...