アイ'ドール(上)

あさまる

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プロッシモ村の『シスターズ』

18

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「……。」
アヤメのお陰。
なるほど、意味が分かってきた。
キクリは合点がいった。

「アヤメが昼間の時のような活動を頑張ってくれて……最初は当然皆から受け入れられなくてな……無理もない、『アイドル』が歌って踊るなんて彼らからすれば……きっと意味が分からず怖かっただろう……。」

「……。」
『アイドル』が歌って踊ると怖がられる。
悉くこの世界の常識は自身の常識とかけ離れており絶句してしまうキクリ。

「それでもアヤメは諦めず活動し続けてな……一人、また一人と舞台を見に来てくれる者が現れていったんだ。」

「それで今では……。」

「あぁ、今では噂が広がっていき、キクリ氏のように外からアヤメのパフォーマンスを見る為に来てくれる観光客もいるんだ。」

「凄いね。……努力……それも想像を絶するようなものをして来たんだね……。」
ボソリ。
呟くキクリ。

あぁ、情けない。
目の前にいる少女は、たった一人の姉とともに村一つを盛り上げた。
しかし、自身はどうだ?
何か成し遂げたことはあったか?
キクリは自己嫌悪に陥ってしまった。

「……キクリさん?」
彼女の異変に気づいたアヤメがその顔を覗き込む。

「……うぎゃ!?可愛さに視界を乗っ取られた!?」
目の前のアヤメの愛くるしさに負の感情は文字通りどこかへ吹き飛んでしまうキクリであった。

「……あはは、私も大概だが……キクリ氏も結構あれだな……。だが、アヤメをそれほどに愛してくれてありがとう。そうやって皆がアヤメのファンになっていってくれるのは嬉しいし、姉としても誇らしいよ。」
嘘偽りのない本心なのだろう。
真っ直ぐにキクリを見つめながら微笑むアイ。

「……アイちゃん。」
最初の一言以外は素晴らしいものであり、つい感涙してしまいそうになるキクリ。

ほっこりと暖かい気持ちになってしまったキクリ。
一方、イオリとロココはそんな彼女とは違う感情になっていた。

今まで村を守りつつも村人からは距離を置かれていた『イロハ団』。
それは、彼女ら『シスターズ』も同じであった。

『イロハ団』はそんな状況を甘んじて受け入れ、そうあるべきと自身らで何か行動を起こすことはなかった。
しかし、彼女らは違った。
自らの意思で一歩踏み出し、皆から認められなくとも諦めず進んでいった。

その結果、今の立場を勝ち取った。
村人達だけでなく、各地から来る観光客らにも認められている。
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