アイ'ドール(上)

あさまる

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プロッシモ村の『シスターズ』

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「……。」

「……キクリ氏?」
無言のまま目が合う彼女に戸惑い、アイが呼び掛ける。

「あ、いや、ごめん、その……つ、つい綺麗だったから……!」
慌てて言葉を紡ぐキクリ。
そのせいで、心の声がノンフィルターで出てしまった。

「なっ!?何を言って……!そ、そんな……私が綺麗だなんて……私はアヤメみたいに可愛くて愛想があるわけでもないし……。」



キクリ氏の方が……その……な、何でもない。」

「あ、あはは……。」

「へ、へへ……。」

そのように、騒がしかったのも最初だけ。
その後の二人の間には静かな時が過ぎていった。
そうして、夜が明けて行く。


「……うん?」
目を覚ます。
どうやらいつの間にかまた寝むってしまっていたようだ。

机に突っ伏していたキクリ。
その状態で寝てしまっていた為、頬にはくっきりと赤く跡が残っていた。

彼女がなぜ起きたのか。
それは、彼女の鼻を香ばしい良い香りが刺激したからだ。
それと同時に、自身が空腹であることを悟ることともなっていた。

リビングから見えるキッチン。
そこには『シスターズ』の後ろ姿があった。
彼女らは今、朝食を作っている最中であったのだ。

これは本当に現実なのだろうか。
昨日あんな最高なライブを見せてくれたアイドル。
そして、そんな彼女の姉であり、昨晩あのような美しさを晒してくれた『アイドル』。
彼女らが今、料理を作っている。

まさか。
一縷の望み。
彼女らは自分の為に手料理を振る舞ってくれるのではないのではないだろうか?
キクリは内心ワクワクしていた。


「……う、うーん……。」

「イオリ、シャキッとしなさい。キクリはもう起きてるのよ。」

「……うーん?」

のそのそ。
そうこうしている内にイオリ、ロココが室内に入って来る。

イオリはうとうとと未だに眠そうに目を擦り、ロココに手を引かれている。
しかし、当のロココも眠そうに見える。
目が半開きで、先ほどこっそり欠伸をしたのだろう。
目尻にうっすらと涙が浮かんでいる。

「おはよう、二人ともー。」
ニコニコとキクリが彼女らに挨拶をする。

ビクッ!
真っ先に彼女の声に反応したのはイオリであった。

先ほどまでの眠そうな彼女はどこ吹く風。
すぐにロココの言われていた通り、シャキッと背筋を伸ばしてしっかりとし出した。

「……っ!?お、おはっ、おはようございます!」
焦りながらサササッと前髪を整えるイオリ。
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