アイ'ドール(上)

あさまる

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プロッシモ村の『シスターズ』

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スゥ……。
彼女は深く息を吸う。
そして、声を張り上げた。

「この中に、『シスターズ』の妹の方を見たって人いるかしら!?」
響き渡るロココの声。
それは、その周辺の者の耳に確実に届いたことだろう。

「え?何々?『シスターズ』の妹……?って、アヤメちゃんだよね?」

「アヤメちゃんに何かあったのか?」

ざわざわ。
周囲がざわつく。

一人一人に聞いて回るより、こうして大きな声を一度上げれば皆聞いてくれる。
こちらの方が効率が良い。
ロココはニヤリと口角を上げて呟く。
「一々聞いて回るよりこっちの方が手っ取り早いわ。もしかして私って天才かしら?」

しかし、残念なことに、この場にアヤメの情報を持つ者はいなかった。


一方、キクリとイオリ。
彼女らの元に、ある人物らが話しかけて来るのであった。

「あ、あのっ!」

「っ!?は、はい。」
背後から声をかけられ、ビクッとするキクリ。

「……。」
無言。
無表情。
しかし、サッとキクリの前に躍り出るイオリ。

臨戦態勢。
キクリを守る為なら何でもするという覚悟が滲み出ている。

「ど、どうしたんですか?」
彼女の殺気を察したキクリがその肩をポンと叩き、落ち着かせようとする。

「……。」
キクリに触れられ落ち着くイオリだが、依然として目の前の人物を見続けていた。

「その……あなた方がアヤメちゃんを探していると聞いて……。」

「本当ですか!?」
渡りに船。
一縷の希望。
地獄に垂れた蜘蛛の糸とも言うのだろうか。
キクリが食いつく。

「え、えぇ、実は……。」

「それ!私も見ました!」

「俺もアヤメちゃんを見たぞ!」

「僕も!」

ゾロゾロと集まる者達。
途端にキクリらの周りを人々が囲むのであった。

「……分かりました。皆さん!ありがとうございます!」
皆の話を聞き、キクリは深々と頭を下げる。
そして、イオリと共にその場から立ち去るのであった。


少し離れた場所にて依然として声を荒らげていたロココ。
そんな彼女や、路地裏で座り込んで休憩していたアイを召集。
皆が集まり、かくしてアヤメを見つけ出す為に目的が決まったキクリらは本格的に動き出すのであった。


彼女らが辿り着いた場所。
それは、アイのような村について知り尽くした者ですら滅多に立ち寄ることのないような場所であった。

村外れの廃屋。
そこに、横一列に並び立つキクリら。
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