アイ'ドール(上)

あさまる

文字の大きさ
92 / 137
プロッシモ村の『シスターズ』

50

しおりを挟む
安堵しつつも苦笑いなアイ。
そして、大興奮でその場でピョンピョンと跳び跳ねるキクリ。

そう。
彼女らの言う通り、そこではアヤメのライブが行われていたのだ。

前の方で声を出しながら応援している子供ら。
そして、そんな彼らから離れた後方からニコニコと談笑しながら見守っている大人達もいる。
恐らく、そこにいる彼らの親なのだろう。

アヤメは無事だった。
四人はそれぞれ程度に差はあれど、困惑しつつもその事実に安堵していた。
しかし、それとこれとは別と言いたい者もいた。

「……ど、どういうことよ、これ!?誘拐されたんじゃなかったの!?」
ロココがアイに詰め寄る。

「え、えっと……あはは……。」
ロココと鼻と鼻がぶつかりそうなほど顔が近づいたアイ。
そんな彼女は目を逸らして苦笑いするのみであった。

「ま、まぁまぁ、アヤメちゃん無事だったし良かったじゃん!」
二人をグイッと引き剥がしながら、キクリがロココを宥める為にそう言う。

「そ、そうだけど!そうなんだけど!何か納得出来ない!」
ロココが憤りを隠さずに今度はキクリに詰め寄る。

「わっ!?美の暴力っ……!お、落ち着いて……視界いっぱいに美少女の顔面が来るとパニックになっちゃう……。」
あわあわと目を泳がせるキクリ。

「なっ!?な、ななな何言ってるのよ!び、美少女なんて……また調子の良いことを……っ!」
瞬時に赤面するロココ。
動揺が凄まじい。

そんな彼女の身体がグイッと宙に浮いたように見えた。
イオリがロココの首根っこを掴み、キクリから強制的に距離を離したのだ。

「はいはい、私のキクリさんといちゃつくのも大概にしないといくらロココでも許さないからねー。」
これ以上は許さないという意思表示。
しかし、既に無表情で感情の全く乗っていない声でイオリが言う。

「……ちょ、ちょっとイオリ!離しなさいよ!」
ジタバタジタバタ!
いくらロココが華奢とはいえ、イオリも同じような体型だ。
そんな彼女に首根っこを掴まれて両手足を動かし抵抗している。
しかし、そんなものも虚しい行動に終わった。

「わっ!?イオリちゃん、ロココちゃんを降ろして上げて?」

「はい。」
鶴の一声というものがあるが、まさにこれがそうだった。
キクリの言葉を聞くと、イオリはすぐにロココを降ろした。

「……。」
そんなロココは、ブスッと何か言いたげな表情でイオリを見るだけだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話

穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。

装甲列車、異世界へ ―陸上自衛隊〝建設隊〟 異界の軌道を行く旅路―

EPIC
ファンタジー
建設隊――陸上自衛隊にて編制運用される、鉄道運用部隊。 そしてその世界の陸上自衛隊 建設隊は、旧式ながらも装甲列車を保有運用していた。 そんな建設隊は、何の因果か巡り合わせか――異世界の地を新たな任務作戦先とすることになる―― 陸上自衛隊が装甲列車で異世界を旅する作戦記録――開始。 注意)「どんと来い超常現象」な方針で、自衛隊側も超技術の恩恵を受けてたり、めっちゃ強い隊員の人とか出てきます。まじめな現代軍隊inファンタジーを期待すると盛大に肩透かしを食らいます。ハジケる覚悟をしろ。 ・「異世界を――装甲列車で冒険したいですッ!」、そんな欲望のままに開始した作品です。 ・現実的な多々の問題点とかぶん投げて、勢いと雰囲気で乗り切ります。 ・作者は鉄道関係に関しては完全な素人です。 ・自衛隊の名称をお借りしていますが、装甲列車が出てくる時点で現実とは異なる組織です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...