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心司と辰美の会話。
それを見守る蝶華。
「申し訳ないんだけど、こっちの頭、まだ新人ちゃんだからそっちでも気を配ってくれると嬉しいんだけど、良いかな?」
「……こちら側のメリットは?」
鋭い視線。
辰美が心司を見る。
「メリットかー……メリットねぇ……。」
チラリ。
心司が自身の妹であり、白辰高校の中心人物の一人である蝶華へ目配せをする。
「あっ、ありますっ!」
「……?」
「メ、メリット……メリットならあります。」
震える声。
緊張気味に蝶華が言う。
「……蝶華、言ってみろ。」
「そ、その……黒高へ恩を売ることが出来ます。」
「……?協定を結んだ以上、そんなことは気にしなくても良いぞ?」
「あ、えっと……。」
オロオロ。
彼のその鋭い指摘に、蝶華がたじろぐ。
「まぁ、ぶっちゃけそっちにメリットなんてないんだよね。」
あはは。
あっけらかんに言ってのける心司。
そんな彼の態度に目を真ん丸に見開くと、キッと睨む蝶華であった。
開き直るくらいなら、助けを求めるな。
彼女は、先ほどの目配せの無意味さに苛立ったのだ。
「……よくもまぁ、開き直れるな……。」
つい、苦笑いする辰美。
「正直なのが長所だからねー。」
心司がケラケラと笑う。
「……兄さん、止めて。恥ずかしい。」
「まぁ、冗談はこれくらいにして、こちらに恩を売っておくのは悪くないと思うよ?」
「……。」
「……た、辰美さん。」
「……分かった。こちらからも何人か出そう。」
「流石、白辰の頭っ!そうこなくっちゃねっ!」
思惑通り。
満足げに心司が言う。
「……。」
これ以上彼のペースに飲まれるわけにはいかない。
言葉を発しない辰美であった。
「じゃあ、そういうことで、頼むねー。」
ヒラヒラ。
手を振りながらそう言うと、心司は廊下へ出て行くのであった。
「……あぁ。」
一応の返事をする辰美であった。
少しの時間が経過した。
室内には依然として辰美と蝶華がいた。
「蝶華?」
「っ!?は、はいっ……!」
「お前の兄の思惑通り……というところか?」
「え、えっと……。」
そう言われても困る。
蝶華にも、彼の考えなど分からないのだ。
「いや、すまない。少し意地悪だったな。」
ふふふ。
珍しいこともあるものだ。
辰美が微笑んでいる。
「い、いえ……。」
驚きつつ、蝶華が声を出す。
それを見守る蝶華。
「申し訳ないんだけど、こっちの頭、まだ新人ちゃんだからそっちでも気を配ってくれると嬉しいんだけど、良いかな?」
「……こちら側のメリットは?」
鋭い視線。
辰美が心司を見る。
「メリットかー……メリットねぇ……。」
チラリ。
心司が自身の妹であり、白辰高校の中心人物の一人である蝶華へ目配せをする。
「あっ、ありますっ!」
「……?」
「メ、メリット……メリットならあります。」
震える声。
緊張気味に蝶華が言う。
「……蝶華、言ってみろ。」
「そ、その……黒高へ恩を売ることが出来ます。」
「……?協定を結んだ以上、そんなことは気にしなくても良いぞ?」
「あ、えっと……。」
オロオロ。
彼のその鋭い指摘に、蝶華がたじろぐ。
「まぁ、ぶっちゃけそっちにメリットなんてないんだよね。」
あはは。
あっけらかんに言ってのける心司。
そんな彼の態度に目を真ん丸に見開くと、キッと睨む蝶華であった。
開き直るくらいなら、助けを求めるな。
彼女は、先ほどの目配せの無意味さに苛立ったのだ。
「……よくもまぁ、開き直れるな……。」
つい、苦笑いする辰美。
「正直なのが長所だからねー。」
心司がケラケラと笑う。
「……兄さん、止めて。恥ずかしい。」
「まぁ、冗談はこれくらいにして、こちらに恩を売っておくのは悪くないと思うよ?」
「……。」
「……た、辰美さん。」
「……分かった。こちらからも何人か出そう。」
「流石、白辰の頭っ!そうこなくっちゃねっ!」
思惑通り。
満足げに心司が言う。
「……。」
これ以上彼のペースに飲まれるわけにはいかない。
言葉を発しない辰美であった。
「じゃあ、そういうことで、頼むねー。」
ヒラヒラ。
手を振りながらそう言うと、心司は廊下へ出て行くのであった。
「……あぁ。」
一応の返事をする辰美であった。
少しの時間が経過した。
室内には依然として辰美と蝶華がいた。
「蝶華?」
「っ!?は、はいっ……!」
「お前の兄の思惑通り……というところか?」
「え、えっと……。」
そう言われても困る。
蝶華にも、彼の考えなど分からないのだ。
「いや、すまない。少し意地悪だったな。」
ふふふ。
珍しいこともあるものだ。
辰美が微笑んでいる。
「い、いえ……。」
驚きつつ、蝶華が声を出す。
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