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「あら、おはよう二人とも。ごめんね、ゆかりちゃん、エルちゃん。かすみ、もう学校に行ったみたいなの。」
「え、そ、そうなんですか……。」
「……分かりました、ありがとうございます。」
翌日の朝。
エルとゆかり。
彼女らはいつも通りかすみの家に来ていた。
共に登校する為だ。
しかし、今日に限ってはそれよりも大きな理由がある。
彼女が無事かどうか。
そして、昨日の話の続きをすることが出来ればしておく。
その二つだ。
しかし、彼女らがそれを話すことは叶わなかった。
二人が訪れた頃にはすでにかすみはもう登校した後であった。
玄関の扉が閉まる。
その場に立ち尽くす二人。
それは、今までない明確な拒絶でたった。
それが少し続いただけ。
それだけで二人の精神は、磨耗していた。
「……もう、行こう。」
ジリジリとした暑さ。
それが彼女らの体力を奪っていった。
タラリ。
二人から汗が流れる。
何分いたのだろう。
そのままだった二人。
無言な空間を破ったのはゆかりであった。
「……。」
「……ここにいても時間の無駄になるだけ。……それに、迷惑になる。」
「……。」
「……ほら、行くよ。」
強引にエルを引っ張り登校する。
かすみのいない通学路。
彼女がいないのであれば、一人で歩いた方がまし。
二人ともそう思っていた。
しかし、今日ばかりは違った。
誰もいないよりも幾分かまし。
いや、少しだけだが楽になった。
そんな気がしていた。
校舎へ辿り着いた。
歩いている間、無言であった。
一年生と三年生。
教室の階数が違う。
階段を昇り、自身の教室へ向かうエル。
そして、そんな彼女を見送ると、踵を返して教室へ向かうゆかりであった。
授業を受けるエル。
上の空。
頭の中は真っ白。
たまに浮かぶことと言えば、かすみのことだけであった。
それはエルだけではなく、ゆかりもであった。
しかし、何も出来ない。
近づけば離れてしまう。
歯痒い。
結局、そのまま時は過ぎて昼になってしまった。
いつもかすみとともにする二人。
しかし、今日ばかりはそうするわけにもいかない。
「……あっ。」
「あっ……。」
声が重なる二人。
エルとゆかりは同じ場所にいた。
夏の暑さ。
それが直に反映する場所。
本来ならそんなところに自らの意思で向かわないだろう。
「え、そ、そうなんですか……。」
「……分かりました、ありがとうございます。」
翌日の朝。
エルとゆかり。
彼女らはいつも通りかすみの家に来ていた。
共に登校する為だ。
しかし、今日に限ってはそれよりも大きな理由がある。
彼女が無事かどうか。
そして、昨日の話の続きをすることが出来ればしておく。
その二つだ。
しかし、彼女らがそれを話すことは叶わなかった。
二人が訪れた頃にはすでにかすみはもう登校した後であった。
玄関の扉が閉まる。
その場に立ち尽くす二人。
それは、今までない明確な拒絶でたった。
それが少し続いただけ。
それだけで二人の精神は、磨耗していた。
「……もう、行こう。」
ジリジリとした暑さ。
それが彼女らの体力を奪っていった。
タラリ。
二人から汗が流れる。
何分いたのだろう。
そのままだった二人。
無言な空間を破ったのはゆかりであった。
「……。」
「……ここにいても時間の無駄になるだけ。……それに、迷惑になる。」
「……。」
「……ほら、行くよ。」
強引にエルを引っ張り登校する。
かすみのいない通学路。
彼女がいないのであれば、一人で歩いた方がまし。
二人ともそう思っていた。
しかし、今日ばかりは違った。
誰もいないよりも幾分かまし。
いや、少しだけだが楽になった。
そんな気がしていた。
校舎へ辿り着いた。
歩いている間、無言であった。
一年生と三年生。
教室の階数が違う。
階段を昇り、自身の教室へ向かうエル。
そして、そんな彼女を見送ると、踵を返して教室へ向かうゆかりであった。
授業を受けるエル。
上の空。
頭の中は真っ白。
たまに浮かぶことと言えば、かすみのことだけであった。
それはエルだけではなく、ゆかりもであった。
しかし、何も出来ない。
近づけば離れてしまう。
歯痒い。
結局、そのまま時は過ぎて昼になってしまった。
いつもかすみとともにする二人。
しかし、今日ばかりはそうするわけにもいかない。
「……あっ。」
「あっ……。」
声が重なる二人。
エルとゆかりは同じ場所にいた。
夏の暑さ。
それが直に反映する場所。
本来ならそんなところに自らの意思で向かわないだろう。
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