あなたにかざすてのひらを

あさまる

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「は、始まりの吸血鬼……?純度百パーセント……?」
何が何だか分からない。
そんなものが現れてしまった。
それにより、かすみは混乱してしまう。。

「ふふふ、分からない?これもこいつらから説明されてないんだね。」

「うん……。」
美咲の問いに、素直に答えるかすみ。

「それなら、私が教えて上げる……手取り足取り、しっかり、じっくりと……ふふふ、さ?私の家に行こう?あぁ、楽しみ……。」
妖しい笑み。
妖艶な声。
同性であるかすみですら、ドキドキとしてしまうような声で、彼女へ言う美咲。

「……駄目。」

「そんなこと、させるわけないでしょう?」

かすみの前に立ち、美咲を制止するゆかりとエル。
その瞳はそれぞれ赤と青の光を放っていた。

「あぁ、やっと素直になったと思ったのに……残念……。小娘どもを教育しないといけないなんて……一刻も早くかすみとの時間を楽しみたいのに……。」
ギロリ。
瞳の中央。
その黒目が、たちまち金色に光る。

エルやかすみ、彼女らのものとは明らかにその光り方が違う。
妖しく輝く彼女らのものと違い、ただただ相手を威圧するようなものであった。

「……うぅ……。」

「そんな……。」

二人が彼女の圧にたじろいでしまう。
かすみには、彼女らの後ろ姿しか見えない。
しかし、その震えと声から、二人がどんな顔をしているか、予想が出来てしまう。

きっと、今の美咲を止められるのは自分だけだ。
非力で、力や未知の能力を持っている彼女らに勝てるわけがない。
そのはずだ。
しかし、かすみにしかないアドバンテージがある。
彼女らにのみ使えるものだ。

「み、みさちゃん!」
二人の恐怖。
それが移ってしまったのだろうか。
立ち上がり、声を張り上げるかおる。
足が震え、声が上擦っている。

「なぁに?」
にっこり。
優しい笑みを浮かべ、彼女に返事する美咲。

慈悲深い聖母。
本当なら、彼女の笑みはそのように見えるはずだ。
しかし、かすみの目に写るその姿は、そんなものとは大きくかけ離れたものであった。

「お、おいで?」
恐い。
逃げ出したい。
そんな気持ちを押しころし、かすみが美咲へ両手を広げて待つ。

「え?良いの?やばい、幸せ過ぎてしんじゃうかも……。うん、行くよ。鼻息荒くなって、身体舐めちゃうかもしれないけど許してね、だってかすみの香りと味を楽しみたいから仕方ないよね?」
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