98 / 151
13
13ー6
しおりを挟む
「……。」
絶句するかすみ。
もはや、逃げ出したいという気持ちすら起きなかった。
その場から動けなくなってしまったのだ。
「じゃあ、遠慮なく……いただきまーすっ!」
かすみを抱き締める美咲。
ふわり。
柑橘系の爽やかな香りがかすみの鼻に届く。
そんな良い匂いとは裏腹に、恐怖心が彼女を支配していた。
「お、落ち着いた……?」
逃げ出したい気持ちを抑え込み、勇気を振り絞るかすみ。
「ふふふ、もちろん。かすみをようやく取り返せて、心穏やかになったわ。でも、それはこちらのセリフじゃない?かすみの心臓、凄いことになってるよ?」
かすみの胸元に耳を当てて、彼女の目をジッと見つめながら美咲が言う。
今さっきまで、威圧的な金色をしていた美咲の瞳。
それが、彼女と抱き合ったことで、黒色に戻った。
恐らく、感情が落ち着いたのだろう。
「あはは、お、幼馴染との再会に胸踊るー……なんて……あはは……。」
緊張していることに気づかれたかすみが、慌てて取り繕う。
「へー……そっか……。」
彼女の嘘などお見通しなのだろう。
ボソリ。
虚ろな目で言う。
「……。」
これ以上はもうないと思っていた。
しかし、さらに心臓が早くなるかすみ。
「ふふふ、まぁ良いや。これからじっくり教えていってあげる、私に嘘は必要ないってこと……。」
今までの彼女に戻った。
かすみと再会したばかりの時の、女優として有名な城原美咲の雰囲気に変わった。
どちらが本当の彼女なのだろう。
女優である城原美咲か。
吸血鬼である白原美咲か。
幼馴染であるかすみにも、それは分からなかった。
絶句するかすみ。
もはや、逃げ出したいという気持ちすら起きなかった。
その場から動けなくなってしまったのだ。
「じゃあ、遠慮なく……いただきまーすっ!」
かすみを抱き締める美咲。
ふわり。
柑橘系の爽やかな香りがかすみの鼻に届く。
そんな良い匂いとは裏腹に、恐怖心が彼女を支配していた。
「お、落ち着いた……?」
逃げ出したい気持ちを抑え込み、勇気を振り絞るかすみ。
「ふふふ、もちろん。かすみをようやく取り返せて、心穏やかになったわ。でも、それはこちらのセリフじゃない?かすみの心臓、凄いことになってるよ?」
かすみの胸元に耳を当てて、彼女の目をジッと見つめながら美咲が言う。
今さっきまで、威圧的な金色をしていた美咲の瞳。
それが、彼女と抱き合ったことで、黒色に戻った。
恐らく、感情が落ち着いたのだろう。
「あはは、お、幼馴染との再会に胸踊るー……なんて……あはは……。」
緊張していることに気づかれたかすみが、慌てて取り繕う。
「へー……そっか……。」
彼女の嘘などお見通しなのだろう。
ボソリ。
虚ろな目で言う。
「……。」
これ以上はもうないと思っていた。
しかし、さらに心臓が早くなるかすみ。
「ふふふ、まぁ良いや。これからじっくり教えていってあげる、私に嘘は必要ないってこと……。」
今までの彼女に戻った。
かすみと再会したばかりの時の、女優として有名な城原美咲の雰囲気に変わった。
どちらが本当の彼女なのだろう。
女優である城原美咲か。
吸血鬼である白原美咲か。
幼馴染であるかすみにも、それは分からなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる