21 / 31
21.ステルス機能
しおりを挟む
王都へ行く――。
ジークの宣言にヴィクトールさんは眉をひそめたけれど、反対はしなかった。
……というより、ジークにはそれ以外の選択肢がないんだよね。
貴族たちを説得して味方に引き込むという方法もあるかもしれないけれど、国王や公爵、そして側近のディートさんの身柄を抑えられている以上、悠長にやっているだけの時間がない。身分ある二人はともかく、ジークの側近であるディートさんは、命自体が危ない。
「作戦がおありですか」
ヴィクトールさんが期待の目でジークを見ているけれども。
短い付き合いの私ですが一つ助言したい。
この王子様ね……、賢くて思慮深いように見えるでしょ? 見えるよね?
「ないよ。正面から乗り込む」
――脳筋なんだよね。
「殿下……」
「王宮に外からこっそり忍び込む、のは難しい。不可能ではないけれど、結界があるからね。侵入した瞬間に察知される。中立の貴族たちに根回ししている時間はない。だったら力ずくで押し切るだけだ」
王宮には、いくつもの結界や魔術が施されている。
そのうちの一つは、侵入を防ぐものではなく、誰が入ったか、どこにいるのかまで把握する、一種レーダーのようなものらしい。
レーダー。
……ふむ?
「ちょっと待って、ジーク。その結界を誤魔化す装備とか出来ないかな」
「え?」
「認識阻害の外套があるんだから、ステルス機能つき外套があってもいいじゃない?」
「ステルス?」
しまった、この世界にステルスの概念がないや。えっと、何て言うんだろう。
ステルス。隠密。隠密機能? 電波吸収機能?
いや絶対伝わらない。
「ええと、結界に認識されない、とか、虫とか鳥とかと認識を間違えさせるとか、そういう機能」
「虫」
「その結界は人だけを感知するんですよね? 虫や犬猫にまで反応してたら警備にならないし。何で見分けているんだろう? 大きさ? 動き? そこが分からないんだけど……レーダー、いや、結界にはものすごく小さな生き物として認知されるようにとか、できないかなって」
ヴィクトールさんが、初めて納豆を口に入れた人みたいな、何とも言えない表情で私を見た。
王子を虫と認識させるなんて不敬ってこと?
だったらスマン。
「殿下。お連れ様は見た目の可愛らしさに反してとんでもない事を考えるお方ですな」
「歩くびっくり箱だよ」
「結界の認識を誤魔化す……か」
どうやら今まで、結界を破る事ばかりを検討していたらしい。でも、外部から結界を破るのは、優秀な魔術師を大量動員しても難しい事なんだって。まあ、だからこそ王宮に張られている訳なんだけど。
ヴィクトールさんは何かを考え込んでしまった。その目が忙しく動いているところを見ると、どうすればそういう装備――あるいは装置が作れるかをシミュレートしているようだ。
何だろう。何故か親近感を覚える。
ヴィクトールさんの様子にジークは肩をすくめ、私に紅茶とお菓子を勧めた。
「ヴィクトールがこうなると長いんだ。お茶でも飲んでくつろいでおいで」
「うーん、錬金か鍛治の範疇だったら私も考えたいのになぁ」
悲しいかな、私はその結界の詳細を知らないから、何をどう組み合わせればいけるのか、ちょっと見当がつかない。
こう、姿を消す光学迷彩的なものなら、あれとあれを組み合わせればいけるんじゃないか……みたいなイメージは沸くんだけどね。それだとレーダーには捕捉されそうな気がする。レーダーの仕組みさえ分かれば、何か役に立てるかもしれないのにな。
ジークは優雅に紅茶を飲みながらつぶやいた。
「こういう人間に縁があるのは何でだろう。待つのはそんなに得意じゃないんだけどなぁ。女神の試練かな」
試練……。
そして、恐ろしい事にステルス機能付きマントは数時間後、完成してしまった。
聞けば、クライネルト公爵家は、魔術師を何人も排出している名門なんだそうだ。で、ヴィクトールさんはその長男(ディートさんは三男なんだって)で、魔術の研究に没頭している、ガチの魔術オタク。その上天才的な才能を持っていて、そもそも王宮の結界も彼の研究成果なんだとか。
三度の飯より魔術が好きで、公爵家を継ぐより研究に一生を奉げたいと本気で言っているような人なんだそうだ。
いやー、公爵の地位蹴りたいとか、オタクって本当しょうがないよね。
……ん? いや、何でこっち見るの?
お前が言うなって?
まぁ、……はい。
しかし、まったく新しい魔道具を数時間で作っちゃうのは凄すぎる。元々効果のある素材を組み合わせて使用する錬金術と違って、魔術は理論の組み立てから入る(らしい)から、普通はかなりの時間が必要な筈なんだけどね。
「こちらを身にまとえば、結界に補足されずに行動ができるはずです。ただし、効果は最大でも一日。それ以上は込めた魔力がもちませんから」
ヴィクトールさんは、私たちを出迎えた時の紳士然とした姿からかけ離れた、血走った目で外套を差し出した。
そして、ニヤリと笑う。
ちょっと怖い。
「この騒動が終わったら、王宮の結界を、この魔道具に対応できるものに改良しますからね……!」
マッチポンプ!
ジークは慣れているのか、苦笑気味に外套を受け取った。
「一日か。ワープポータルは使えないんだろう?」
「使えない事はありませんが、王都の門の前に出てしまいますからね。正面からの殴り込みと大差なくなります」
「じゃあ馬かな」
「えっ、私、馬乗れないです」
私はお留守番、な訳はないよね?
だって、ジークを王都に送り届けるのは私のクエストなんだし。
心配になったけれど、ジークはすぐにそれを打ち消してくれた。
「私と相乗りすればいいよ。それほど飛ばさなくても大丈夫な距離だし、何とかなるだろう」
相乗りは相乗りでちょっと心配だけどね……。本当にまったく経験がないんだけど、上手く乗れるだろうか。
そう思いながらジークに続いて立ち上がる。
「……あれ? 3着あるのは何で?」
「何でとは?」
ヴィクトールさんがきょとんとした。
「殿下と、ナナミ殿と、私と。3着で合ってますよね?」
あれ、一緒に行くのか。結構危険だと思うけど。
まぁお父さんと弟さんの救出だし、ヴィクトールさんがお留守番というのは厳しいのかな。
と思ったら、魔術オタク氏はこうのたまった。
「馬脚強化の魔術が組みあがったので試したいのです!」
お、おう。
ドン引いた私に気づいたのか、瞬き一つでオタクは紳士の仮面を取り戻した。装着早い。プロだ。
ヴィクトールさんは胸に手を当て、しおらしい表情を作った。
「一刻も早く父と弟を救出したいですからね」
嘘つけ。
ジークの宣言にヴィクトールさんは眉をひそめたけれど、反対はしなかった。
……というより、ジークにはそれ以外の選択肢がないんだよね。
貴族たちを説得して味方に引き込むという方法もあるかもしれないけれど、国王や公爵、そして側近のディートさんの身柄を抑えられている以上、悠長にやっているだけの時間がない。身分ある二人はともかく、ジークの側近であるディートさんは、命自体が危ない。
「作戦がおありですか」
ヴィクトールさんが期待の目でジークを見ているけれども。
短い付き合いの私ですが一つ助言したい。
この王子様ね……、賢くて思慮深いように見えるでしょ? 見えるよね?
「ないよ。正面から乗り込む」
――脳筋なんだよね。
「殿下……」
「王宮に外からこっそり忍び込む、のは難しい。不可能ではないけれど、結界があるからね。侵入した瞬間に察知される。中立の貴族たちに根回ししている時間はない。だったら力ずくで押し切るだけだ」
王宮には、いくつもの結界や魔術が施されている。
そのうちの一つは、侵入を防ぐものではなく、誰が入ったか、どこにいるのかまで把握する、一種レーダーのようなものらしい。
レーダー。
……ふむ?
「ちょっと待って、ジーク。その結界を誤魔化す装備とか出来ないかな」
「え?」
「認識阻害の外套があるんだから、ステルス機能つき外套があってもいいじゃない?」
「ステルス?」
しまった、この世界にステルスの概念がないや。えっと、何て言うんだろう。
ステルス。隠密。隠密機能? 電波吸収機能?
いや絶対伝わらない。
「ええと、結界に認識されない、とか、虫とか鳥とかと認識を間違えさせるとか、そういう機能」
「虫」
「その結界は人だけを感知するんですよね? 虫や犬猫にまで反応してたら警備にならないし。何で見分けているんだろう? 大きさ? 動き? そこが分からないんだけど……レーダー、いや、結界にはものすごく小さな生き物として認知されるようにとか、できないかなって」
ヴィクトールさんが、初めて納豆を口に入れた人みたいな、何とも言えない表情で私を見た。
王子を虫と認識させるなんて不敬ってこと?
だったらスマン。
「殿下。お連れ様は見た目の可愛らしさに反してとんでもない事を考えるお方ですな」
「歩くびっくり箱だよ」
「結界の認識を誤魔化す……か」
どうやら今まで、結界を破る事ばかりを検討していたらしい。でも、外部から結界を破るのは、優秀な魔術師を大量動員しても難しい事なんだって。まあ、だからこそ王宮に張られている訳なんだけど。
ヴィクトールさんは何かを考え込んでしまった。その目が忙しく動いているところを見ると、どうすればそういう装備――あるいは装置が作れるかをシミュレートしているようだ。
何だろう。何故か親近感を覚える。
ヴィクトールさんの様子にジークは肩をすくめ、私に紅茶とお菓子を勧めた。
「ヴィクトールがこうなると長いんだ。お茶でも飲んでくつろいでおいで」
「うーん、錬金か鍛治の範疇だったら私も考えたいのになぁ」
悲しいかな、私はその結界の詳細を知らないから、何をどう組み合わせればいけるのか、ちょっと見当がつかない。
こう、姿を消す光学迷彩的なものなら、あれとあれを組み合わせればいけるんじゃないか……みたいなイメージは沸くんだけどね。それだとレーダーには捕捉されそうな気がする。レーダーの仕組みさえ分かれば、何か役に立てるかもしれないのにな。
ジークは優雅に紅茶を飲みながらつぶやいた。
「こういう人間に縁があるのは何でだろう。待つのはそんなに得意じゃないんだけどなぁ。女神の試練かな」
試練……。
そして、恐ろしい事にステルス機能付きマントは数時間後、完成してしまった。
聞けば、クライネルト公爵家は、魔術師を何人も排出している名門なんだそうだ。で、ヴィクトールさんはその長男(ディートさんは三男なんだって)で、魔術の研究に没頭している、ガチの魔術オタク。その上天才的な才能を持っていて、そもそも王宮の結界も彼の研究成果なんだとか。
三度の飯より魔術が好きで、公爵家を継ぐより研究に一生を奉げたいと本気で言っているような人なんだそうだ。
いやー、公爵の地位蹴りたいとか、オタクって本当しょうがないよね。
……ん? いや、何でこっち見るの?
お前が言うなって?
まぁ、……はい。
しかし、まったく新しい魔道具を数時間で作っちゃうのは凄すぎる。元々効果のある素材を組み合わせて使用する錬金術と違って、魔術は理論の組み立てから入る(らしい)から、普通はかなりの時間が必要な筈なんだけどね。
「こちらを身にまとえば、結界に補足されずに行動ができるはずです。ただし、効果は最大でも一日。それ以上は込めた魔力がもちませんから」
ヴィクトールさんは、私たちを出迎えた時の紳士然とした姿からかけ離れた、血走った目で外套を差し出した。
そして、ニヤリと笑う。
ちょっと怖い。
「この騒動が終わったら、王宮の結界を、この魔道具に対応できるものに改良しますからね……!」
マッチポンプ!
ジークは慣れているのか、苦笑気味に外套を受け取った。
「一日か。ワープポータルは使えないんだろう?」
「使えない事はありませんが、王都の門の前に出てしまいますからね。正面からの殴り込みと大差なくなります」
「じゃあ馬かな」
「えっ、私、馬乗れないです」
私はお留守番、な訳はないよね?
だって、ジークを王都に送り届けるのは私のクエストなんだし。
心配になったけれど、ジークはすぐにそれを打ち消してくれた。
「私と相乗りすればいいよ。それほど飛ばさなくても大丈夫な距離だし、何とかなるだろう」
相乗りは相乗りでちょっと心配だけどね……。本当にまったく経験がないんだけど、上手く乗れるだろうか。
そう思いながらジークに続いて立ち上がる。
「……あれ? 3着あるのは何で?」
「何でとは?」
ヴィクトールさんがきょとんとした。
「殿下と、ナナミ殿と、私と。3着で合ってますよね?」
あれ、一緒に行くのか。結構危険だと思うけど。
まぁお父さんと弟さんの救出だし、ヴィクトールさんがお留守番というのは厳しいのかな。
と思ったら、魔術オタク氏はこうのたまった。
「馬脚強化の魔術が組みあがったので試したいのです!」
お、おう。
ドン引いた私に気づいたのか、瞬き一つでオタクは紳士の仮面を取り戻した。装着早い。プロだ。
ヴィクトールさんは胸に手を当て、しおらしい表情を作った。
「一刻も早く父と弟を救出したいですからね」
嘘つけ。
1
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる