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ただの美人
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都心の大学付近には大学生向けの飲食店が立ち並び、日が傾き始めたこの時間帯でも大人数で会話を楽しむ人、一人で静かに勉強している人、さまざまな人の様子が見受けられた。
俺たちは女子の提案で昨年オープンしたばかりの、フレンチトーストが美味しいと評判のベーカリーカフェに入った。中途半端な時間だったこともあり、8人という大所帯だったにも関わらず4人がけのテーブルを2つ見つけ、運良く座ることができた。
入学したばかりに行われた一泊のオリエンテーション旅行の時には、学科全員で顔を合わせたものの、その後結局はいつも大体同じようなメンバーで固まって講義を受けていた。だから、プレゼミ生の顔ぶれはかなり新鮮なものだった。
そこから話を聞けば大体が一人暮らしをしている人ばかりで、それぞれの食生活事情や地元の話、一年次の単位取得状況などたわいもない話をした。
しかし、どんな集まりであっても話題は段々と一般的なことから少し個人的なことや込み入ったことに移行していくものである。
「そういえばさ、斉木さん急にどうしたんだろうね?」
俺の心の片隅に引っかかっていた疑問を、紘が単刀直入に切り出した。
「あー里香ちゃんね、たまーに消えるの」
そう口を開いたのは斉木さんと仲の良い杉本菜月だった。
「消える?どういうこと?」
紘は興味津々な様子で身を乗り出す。俺は黙ってミルクと砂糖がたっぷり入ったコーヒーを飲みつつ、おそらく紘以上に興味津々に耳を傾ける。
「本当にたまになんだけど、何人かで話している時にいきなり姿を消しちゃうの。なんの言葉もかけず。本当にふらっと」
「え、それって友達としてどうなの?やな感じじゃない?」
紘はいつでも歯に衣着せぬというか正直というか遠慮を知らないというか。
「んー、最初はびっくりしたよ。どこ行ったんだろうって心配になってすぐ通話かけた。そしたら『話し込んでる様子だったからお邪魔かなと思ってはずしちゃったの。ごめんね』って」
「へぇ。まあ彼女なりの気遣いのようなものなのかね」
紘はそれで納得したようだったが、俺は顔を顰めて初めてここで口を開いた。
「でも今日はさ、お邪魔も何もプレゼミのメンバーで初めましてのお茶しようって話だったわけじゃん。斉木さんだって話の中の一人なんだからお邪魔ってわけないの分かるはずだよね」
「ああ、まあ確かになあ」
そういえばという感じで紘が頷く。
杉本さんは頬に手を当てて「ん~」と考えるようにしてそのまま遠くを見た。
「里香ちゃんって、ちょっと分かりづらいところあるんだよね。もちろんとっても良い子だよ。でもいまいちふわっとしててつかめないっていうか。それに急に消えるっていうことが、悪意だとか嫌悪だとかそういう理由でとっている行動じゃないのは分かってるから、私自身は別に嫌な気もしないし、あんまり考えたことなかったな」
俺の知っている斉木さんは、いつも女子に囲まれて明るく楽しそうに笑っている。どちらかというと「陽キャ」と言われるような位置付けで、まさかそんな不可解な行動をとっているとはとても思えなかった。もちろん性格の良さにも定評がある彼女が「気遣い」をしていることだって別に不思議ではないし、本当にそれだけなのかもしれないが。
「あ!あとは彼氏なのかなって思ったり」
「彼氏?」
杉本さんの口から出てきた浮わついた言葉に、紘はソッコーで反応した。もちろん俺だってどきっとした。けれど、そんなの噯にも出さない。
「半年くらい前かな?あんまり里香ちゃんってそういう話しないから私から振ることはなかったんだけど、何かのきっかけで彼氏がいるっていうのは聞いた」
「彼氏が何か関係あるの?」
「里香ちゃんって必ず夕方には解散するの。きっと夜は彼氏と予定入れてるんだろうなって勝手な予想。そして多分ものすっごい束縛する彼氏なんだよ!予想だけど!だって里香ちゃんが彼女なんだもん、不安にもなるよ。だから、あんまり男とつるむなって脅されてるんじゃないかなあ」
確かに杉本さんの勝手な予想感は否めないけど、実際に全然あり得る話ではある。
俺はいたって興味なさげに一言呟いた。
「まあ美人って何かと忙しそうだしな」
隣に座る紘も、確かに、と呟いて同調した。
───斉木さんのことは「ただの美人」としか認識していない。無論、入学式で見かけた時の衝撃は小さくなかった。とても地元では見られないような華やかなオーラを放ち、小さな顔がより引き立つ長身のスタイルは、雑誌やテレビからそのまま抜け出してきたのかと錯覚するほどだった。そんな彼女に心を射抜かれた男は少なくない、どころかかなり多かった。
けれど学内で彼女と噂になるような男は今の今まで一度も名前を聞いたことはない。俺だって興味こそあれ、別に彼女とどうにかなりたいなんて思いもしないし、仮に俺が望んだとて100%玉砕する未来は簡単に予想される。美人はたまに遠くから眺める程度で十分、仮にお近付きになれたとしても自分が苦しむだけだ。
それが自分が彼女に対する思考のあれこれの結果であり、「ただの美人」と認識するに至った経緯だ。
とは言え、斉木さんに彼氏がいるという事実は自分の中に1ミリ程度のかすり傷を与えたようだった。きっとそれは隣にいる紘だってそうだし、それを知った男性陣は全員そうなるだろう。
「そっかあ、斉木さん彼氏いるのか~」
杉本さんの勝手な予想を聞いて、紘は腕を組んで大きなため息をついた。
「なになに?関口くんは里香ちゃん狙ってたの?」
目をきらきら輝かせた杉本さんは、さっきの紘と同じように前のめりになって紘に迫った。
「だっていいじゃん、あんな美人が隣にいる生活。男の憧れだよ」
「お前さ、女の子をステータスみたいに考えるのやめろよ」
苦笑しながら俺は紘を制止した。杉本さんからは、さっぱりしていて話しやすく斉木さんと一緒にいても卑屈になったりしない大らかさを感じられた。にしても、紘の発言は女子の前でするものではない、と思う。
しかし、お調子者の紘は俺の言葉など聞こえなかったかのように口を開くのを止めなかった。
「でも斉木さんみたいなスペックの女子ってさ、男のプライドずたぼろにされる可能性あるから、アクション起こせる男って意外といないと思うんだよね。そこで見事にゲットできたその彼氏ってやつ、かなり強気で自信家で俺様だと思うな~」
男性ではない杉本さんは「なるほど~そういうものなんだ~」と妙に納得したように相槌をうった。
それから話はまたお互いのサークルの話や真面目なプレゼミの話になり、そろそろ話題も尽きてきたという時にはもう外は真っ暗だった。
「じゃあまた来週からよろしくね!」
「プレゼミ以外でもかぶってる講義あったら声かけて」
カフェを出てそれぞれの帰路へとつながる駅の方向へ別れる。同じ駅を利用する人たちもいれば、俺が利用する駅はこの中で自分1人しかいなく、俺は1人で駅へ歩を進めた。
遠くに見える千鳥ヶ淵の桜は葉桜に混ざって、まだうっすらと残っている花もある。夜の花見を楽しむべく、のんびりとお堀沿いを歩いている人影もちらほら見えた。
───俺は、斉木里香が急に姿を消したことと、ゼミ室で見せた何かを思い悩んでいるような表情を思いながら、オレンジに照らされた街灯の下を静かに歩いた。
俺たちは女子の提案で昨年オープンしたばかりの、フレンチトーストが美味しいと評判のベーカリーカフェに入った。中途半端な時間だったこともあり、8人という大所帯だったにも関わらず4人がけのテーブルを2つ見つけ、運良く座ることができた。
入学したばかりに行われた一泊のオリエンテーション旅行の時には、学科全員で顔を合わせたものの、その後結局はいつも大体同じようなメンバーで固まって講義を受けていた。だから、プレゼミ生の顔ぶれはかなり新鮮なものだった。
そこから話を聞けば大体が一人暮らしをしている人ばかりで、それぞれの食生活事情や地元の話、一年次の単位取得状況などたわいもない話をした。
しかし、どんな集まりであっても話題は段々と一般的なことから少し個人的なことや込み入ったことに移行していくものである。
「そういえばさ、斉木さん急にどうしたんだろうね?」
俺の心の片隅に引っかかっていた疑問を、紘が単刀直入に切り出した。
「あー里香ちゃんね、たまーに消えるの」
そう口を開いたのは斉木さんと仲の良い杉本菜月だった。
「消える?どういうこと?」
紘は興味津々な様子で身を乗り出す。俺は黙ってミルクと砂糖がたっぷり入ったコーヒーを飲みつつ、おそらく紘以上に興味津々に耳を傾ける。
「本当にたまになんだけど、何人かで話している時にいきなり姿を消しちゃうの。なんの言葉もかけず。本当にふらっと」
「え、それって友達としてどうなの?やな感じじゃない?」
紘はいつでも歯に衣着せぬというか正直というか遠慮を知らないというか。
「んー、最初はびっくりしたよ。どこ行ったんだろうって心配になってすぐ通話かけた。そしたら『話し込んでる様子だったからお邪魔かなと思ってはずしちゃったの。ごめんね』って」
「へぇ。まあ彼女なりの気遣いのようなものなのかね」
紘はそれで納得したようだったが、俺は顔を顰めて初めてここで口を開いた。
「でも今日はさ、お邪魔も何もプレゼミのメンバーで初めましてのお茶しようって話だったわけじゃん。斉木さんだって話の中の一人なんだからお邪魔ってわけないの分かるはずだよね」
「ああ、まあ確かになあ」
そういえばという感じで紘が頷く。
杉本さんは頬に手を当てて「ん~」と考えるようにしてそのまま遠くを見た。
「里香ちゃんって、ちょっと分かりづらいところあるんだよね。もちろんとっても良い子だよ。でもいまいちふわっとしててつかめないっていうか。それに急に消えるっていうことが、悪意だとか嫌悪だとかそういう理由でとっている行動じゃないのは分かってるから、私自身は別に嫌な気もしないし、あんまり考えたことなかったな」
俺の知っている斉木さんは、いつも女子に囲まれて明るく楽しそうに笑っている。どちらかというと「陽キャ」と言われるような位置付けで、まさかそんな不可解な行動をとっているとはとても思えなかった。もちろん性格の良さにも定評がある彼女が「気遣い」をしていることだって別に不思議ではないし、本当にそれだけなのかもしれないが。
「あ!あとは彼氏なのかなって思ったり」
「彼氏?」
杉本さんの口から出てきた浮わついた言葉に、紘はソッコーで反応した。もちろん俺だってどきっとした。けれど、そんなの噯にも出さない。
「半年くらい前かな?あんまり里香ちゃんってそういう話しないから私から振ることはなかったんだけど、何かのきっかけで彼氏がいるっていうのは聞いた」
「彼氏が何か関係あるの?」
「里香ちゃんって必ず夕方には解散するの。きっと夜は彼氏と予定入れてるんだろうなって勝手な予想。そして多分ものすっごい束縛する彼氏なんだよ!予想だけど!だって里香ちゃんが彼女なんだもん、不安にもなるよ。だから、あんまり男とつるむなって脅されてるんじゃないかなあ」
確かに杉本さんの勝手な予想感は否めないけど、実際に全然あり得る話ではある。
俺はいたって興味なさげに一言呟いた。
「まあ美人って何かと忙しそうだしな」
隣に座る紘も、確かに、と呟いて同調した。
───斉木さんのことは「ただの美人」としか認識していない。無論、入学式で見かけた時の衝撃は小さくなかった。とても地元では見られないような華やかなオーラを放ち、小さな顔がより引き立つ長身のスタイルは、雑誌やテレビからそのまま抜け出してきたのかと錯覚するほどだった。そんな彼女に心を射抜かれた男は少なくない、どころかかなり多かった。
けれど学内で彼女と噂になるような男は今の今まで一度も名前を聞いたことはない。俺だって興味こそあれ、別に彼女とどうにかなりたいなんて思いもしないし、仮に俺が望んだとて100%玉砕する未来は簡単に予想される。美人はたまに遠くから眺める程度で十分、仮にお近付きになれたとしても自分が苦しむだけだ。
それが自分が彼女に対する思考のあれこれの結果であり、「ただの美人」と認識するに至った経緯だ。
とは言え、斉木さんに彼氏がいるという事実は自分の中に1ミリ程度のかすり傷を与えたようだった。きっとそれは隣にいる紘だってそうだし、それを知った男性陣は全員そうなるだろう。
「そっかあ、斉木さん彼氏いるのか~」
杉本さんの勝手な予想を聞いて、紘は腕を組んで大きなため息をついた。
「なになに?関口くんは里香ちゃん狙ってたの?」
目をきらきら輝かせた杉本さんは、さっきの紘と同じように前のめりになって紘に迫った。
「だっていいじゃん、あんな美人が隣にいる生活。男の憧れだよ」
「お前さ、女の子をステータスみたいに考えるのやめろよ」
苦笑しながら俺は紘を制止した。杉本さんからは、さっぱりしていて話しやすく斉木さんと一緒にいても卑屈になったりしない大らかさを感じられた。にしても、紘の発言は女子の前でするものではない、と思う。
しかし、お調子者の紘は俺の言葉など聞こえなかったかのように口を開くのを止めなかった。
「でも斉木さんみたいなスペックの女子ってさ、男のプライドずたぼろにされる可能性あるから、アクション起こせる男って意外といないと思うんだよね。そこで見事にゲットできたその彼氏ってやつ、かなり強気で自信家で俺様だと思うな~」
男性ではない杉本さんは「なるほど~そういうものなんだ~」と妙に納得したように相槌をうった。
それから話はまたお互いのサークルの話や真面目なプレゼミの話になり、そろそろ話題も尽きてきたという時にはもう外は真っ暗だった。
「じゃあまた来週からよろしくね!」
「プレゼミ以外でもかぶってる講義あったら声かけて」
カフェを出てそれぞれの帰路へとつながる駅の方向へ別れる。同じ駅を利用する人たちもいれば、俺が利用する駅はこの中で自分1人しかいなく、俺は1人で駅へ歩を進めた。
遠くに見える千鳥ヶ淵の桜は葉桜に混ざって、まだうっすらと残っている花もある。夜の花見を楽しむべく、のんびりとお堀沿いを歩いている人影もちらほら見えた。
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