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昔話から始まる日常18

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魅桜
 「部活を作るには顧問の先生も必要だから、その件も叔母にお願いしとくわ。もしかしたら、叔母が顧問になってくれるかもしれないけど」





莉湖
 「外部の人が顧問をしてもいいんですか?」





魅桜
 「叔母は教員免許も持っているから、赴任という形でここの教師になれば何も問題ないわ」








杏奈
 「そんな都合良くいくんすか?」







魅桜
 「叔母はそういう交渉は得意だから」






 魅桜は得意げに笑う。








杏奈
 「その人、すげぇな」







莉湖
 「会長さんも、叔母さまの事を信頼してらっしゃるんですね」










魅桜
 「ええ。大好きですもの」






 魅桜は照れつつ、華やかな笑顔を見せた。












杏奈
 「あっ、待てよ」











 杏奈が思い出したように、声を出した。










魅桜
 「ん?どうしたの?」










杏奈
 「まだ会長の叔母さんに、アタイらの事が伝わってないってことは、蓮叶が今教頭のとこに行っても・・・」










 魅桜は微笑む。











魅桜
 「門前払いでしょうね」










 杏奈はシシシと笑う。









杏奈
 「やっぱそうっすよねぇ、バカな奴」











莉湖
 「最後まで、説明を聞かないから・・・」










 莉湖は呆れた。










 その2人を見て、魅桜はからかうように問いかける。










魅桜
 「あら?部活申請には最低5人という項目を確認してなかったんだもの。3人とも同じじゃないかしら?」










 杏奈と莉湖はそれを聞いてドキッとする。









魅桜
 「ふふふ、冗談よ。それより、早くさっきの彼女の所へ行って説明してあげないと」











杏奈
 「あー、そうだった。あのバカ、今頃職員室の中、真夏みてぇにしてなきゃいいけどな」











魅桜
 「真夏?」












杏奈
 「あー、あいつ自分の体温をすげぇ熱く出来るんすよ」












魅桜
 「そーなの。あの子はそういう非能性なのね。ふふふ」









 笑う魅桜を見て、莉湖は問いかける。











莉湖
 「どうかなさったんですか?」











魅桜
 「いいえ。ただ、叔母にしか言えずに、ずっと隠してきた非能性の話を誰かと学校の中で話せるのが嬉しくて」











 杏奈も莉湖もそれを聞いて微笑んだ。











杏奈
 「そういう部活を作りますわ」









 そう言って杏奈と莉湖は生徒会室のドアへ向かう。










杏奈
 「それじゃあ、会長。ホントにありがとうございました。またいつでも“アタイら”の部活に遊びに来てください」








魅桜
 「ええ。もちろん」










莉湖
 「本当にありがとうございました」










 莉湖は深々と頭を下げた。












魅桜
 「私も独りじゃないって、あなた達のおかげで気付けたの。お礼を言いたいのは私の方よ。本当にありがとう。だからもう頭を上げて。ほら、早く行ってあげて」









 魅桜の言葉に、2人はもう一度頭を下げ、生徒会室を出た。






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