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昔話から始まる日常31

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 そして、話は現代に戻ってくる。










 「ふぇ~、そんなことがあったんですかぁ~」










静音
 「・・・随分盛り沢山な日だったんですね」












蓮叶
 「そうなんだよねぇ、あの日は本当にバタバタで」







杏奈
 「ほとんどお前のせいだけどな」






 蓮叶はハハハと苦笑いを見せた。









 「それで、その八重嶋って人は莉湖先輩を諦められずにストーカーさんに?」







 望は莉湖を見る。







莉湖
 「えぇ。ただ、最初に断られたことを気にしているのか、それ以降はずっと後ろをつけてくるだけなんです」









蓮叶
 「そりゃあ、あんな振り方したら愛情だって捻れるよ・・・」









静音
 「・・・なんか色んな話が出てきましたね。無駄に長いだけのことはありました」









 杏奈は静音を鋭く睨む。










杏奈
 「てめぇは一言毒吐かねぇと気がすまねぇのか」










莉湖
 「辻さん、牙」







 莉湖の言葉に、杏奈は落ち着いて深呼吸をする。








 「でも私、ストーカーさんの話も、その時の生徒会長さんの話もワクワクして楽しかったですぅ~」









 望は笑顔で体を左右に揺らして楽しそうだ。







杏奈
 「なんで揺れてんだよ」









 「だってだってぇ。会長さんのお話聞いて、私たちの他にそんな心強い味方がいてくれてるって知れて嬉しくてぇ」









蓮叶
 「うん!たしかにそうだよね」










静音
 「・・・私と望さんが入学した時には卒業されてたのでお会いしたことはないですけど」










蓮叶
 「あー、そっかぁ。なんかねぇー、本当『会長!』って感じの人だよ!でも卒業しちゃってからは会えてないんだよねぇ」








莉湖
 「大学生なのですから、忙しくてこちらに来られるときがないのでしょう」










杏奈
 「でも卒業式の日には、休みの日は顔出すって言ってくれてたんだけどなぁ」










蓮叶
 「きっと思った以上に勉強が難しかったんだよ。やっぱり大学生は大変だぁ。私もあと2年もしないで・・・」









 蓮叶は肩を落とす。




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