78 / 81
神のみぞ知る日常1
しおりを挟む唐突にこんな質問をして、君は混乱するかもしれないが、聞いてほしい。
君は『神』というものを信じるかい?
いや、これは真面目な質問だ。
『神』という存在を口では信じているという者も多いだろう。
だが、実際のところは定かではない。
ん?私か?
私は信じている。
あぁ。心の底からだ。
実は、それもつい最近になってからなのだ。
ある事がきっかけでね。
生物学を研究している私が、『神』などという存在をなぜ信じるのか。
それは・・・と、その前に。
君に謝っておかなければいけないことがある。
私は君に1つ嘘をついてしまった。
私は、「彼女たちを実験体にすることは無い」と言っただろう。
実験体にすることは無い。
この言葉に嘘はない。
ただ、言い方を変えさせてほしい。
実験体にすることは無いのではない。
実験体にする“必要が”無いのだ。
私はすでに非能性の秘密を知っている。
たしかに私は『非能性生物学研究所』を立ち上げた時には、非能性とは遺伝子の突然変異で現れたものだと思っていた。
だが、そうではなかった。
研究などでは、到底手が届かない領域であったのだ。
私がそれをなぜ知ることが出来たのか。
私の姪、神木魅桜が教えてくれたのだ。
・・・・・・亡くなる1週間前に。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる