異世界へようこそ!

野上葵

文字の大きさ
25 / 33

25

しおりを挟む
ライフスタイルの店主さんじゃないか!!!

「ユーリさん!」

冒険者は口々に店主さんの元へ駆け寄っていく。

「あぁ。どうしたんだい?えぇ?フォールダークネスがホルストへ?それは本当かい?冗談じゃないねぇ。そいつらに夢を見せろって?いや、かかるかわからないよ?いいのかい?」

皆揃って、首を縦にふる。それを見て、店主さんはニヤリと笑う。怖い……。

「店主さんってそんなに凄い人だったんですね……」
「あぁ。君には自己紹介をしていなかったね。すまない。名前はユーリ・アディオラ・ローレン。女みたいな名前だろう?自分でもこの名前は気に入っていないさ。歳は聞かないでおくれ。現実は見たくない……。あと、どのくらい強いのかとか、訳の分からない事も聞かないでおくれ。まあ、自己紹介というのは苦手でね。聞きたいことがあれば出来る限り答えるさ」

さっきのニヤリとした笑みではなく、微笑んで俺に言った。優しい目をしていた。それを見ていたいずみも、少し笑っていた。

「店主さん……じゃないや。ユーリさんは、いつから能力者に?」
「そうだね。前世から……と言ったら信じるかい?」

は?不可解すぎる。前世からとか……ファンタジーじゃあるまいし。あ、ここ異世界か。

「ユーリさん!フォールダークネスが近づいてきています。直ちに、幻想能力の用意を!」

受付のお姉さんが叫ぶ。それを合図に座って休憩していたユーリさんは立ち上がった。

「皆に伝えておく。幻想能力は相手の動きが止まってからではないと、発動できない。だから、ありとあらゆるスキルを使ってフォールダークネスの動きを止めてほしい。一瞬でも動きを止められたら、僕らの勝ちだ。いいね?」

ユーリさんはニヤリと笑う。動きを止めるスキルなんて、あったのか?まあ、ホルストに1人くらいはいるだろう。

「そろそろだね。皆。準備をしておくれ。これが、最初で最後になるかもしれない。全力投球でいくんだ。いいね?」

おーー!!!掛け声とともに、全員が走って広い荒野を目指す。俺もその後に続いた。すると銃声とともに鋭い音が響く。フォールダークネスとかいう奴らだ。

「治!フォールダークネスはとにかく全てを黒に変えるのです。触ったらそこでゲームオーバーなのです。近づきすぎないように気をつけるのです!」
「ああ。分かった。ナイト!お前も気をつけろよ!」
「分かってるわよ!そのくらい!!」

突撃開始まであと30秒……。あのデブはナイトメア戦艦事件の日以来、あまり見ていない。実家にでも帰ったのだろうか。そんなことを考えながら、なんとなくユーリさんの方を向いた。やはりユーリさんは笑っていた。にっこりと微笑むように。でもそれはどこか裏のあるような顔だった。

「皆さん!突撃の用意は出来ているでしょうか!?突撃開始まであと10秒!!!……5.4.3.2.1.」

スタート!!!!

受付のお姉さんの掛け声とともに一気にスキルを出していく。するとフォールダークネスは動きを変え、思い切りこちらに銃で撃ってきた。

「あの銃に当たると、黒に変えられるのです!絶対に絶対に触っちゃいけないのです!!」
「銃に当たらないとか……無理ゲーだろ!!あんなに四方八方に飛ばされちゃあ!!」

次々と味方も撃たれていく。あと、関係ないが、フォールダークネスって名前長くないか?

「ユーリさん!あの戦闘機!どうやって動きを止めれ……ば?」

ユーリさんの笑みはもうそこには無くなっていた。あるのは怒りに塗れた顔だけだった。

「あぁ。よくも僕の仲間を……冗談じゃない。今からお前らを滅多打ちにしてやる……」

フッとやはり笑って、ユーリさんは呪文を唱えだした……いかにも、厨二っぽいので、全部まとめて聞いてみてほしい。あ、こんなこと言ったのは秘密ってことで。

「黒き闇に蘇りし漆黒。万死をもって砕き伏せ。我、ユーリ・アディオラ・ローレンに捧げよ。メモリアノワール……」

はい。呪文タイム終了……。突然辺りが暗くなり、フォールダークネスが急停止した。幻想能力とはこのことなのか。動きを止めるってことか?

「あの、ユーリさん。幻想能力って……」
「騒ぐな。静まれ」
「はい」

静まれって。俺1人しか喋ってなかったぞ。でも、仲間も跡形もなく消えている。全てが黒に染め上げられている。こんな戦いになるとは想像していたものの、いくらなんでも酷すぎる。

「ナイト。癒し魔法みたいなの、かけられないのか?」
「私は、女神だけれどそういうのはルイナしかかけられないわ。ルイナはホルストにいる私の友達よ。私がかけられるのは、過去に戻ることが出来るということだけよ。大丈夫。ルイナが来れば、また回復するから」
「でも……」
「騒ぐなって言われたんでしょ。話は後よ」

フォールダークネスは急停止し、銃も撃たなくなっている。

「あぁ。止まった、止まった。もうこれで安心だ。田中治といったね?中に入って何人いるか、確認しよう。そうすれば、フォールダークネスが何人いるかも、少しは分かるかもしれない。あ、君のお仲間さんも一緒に行こう。何をされるか分からない」

俺たちは、フォールダークネスの戦闘機に音もなく突撃した。

******
少し中途半端な終わり方ですみません。あと、話がぶっ飛び過ぎていました。すみません。色々と謝ることばかりです。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...