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許斐家で試験勉強 後編
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――二時間後。
早速勉強に飽きてきた私は、愛用のスマホにて暇潰しをしていたのだが……そこで思わぬ情報を目にする。
「れ、レンタルフレンド……ですって……!?」
私のわざとらしいオーバーリアクションに、二人がピクッと反応する。
「突然どうしたのさ姫華……」
誰よりも勉強がしたくない美紀が、すぐに食い付く。
「凄い時代になったものね……まさか友達をレンタルするなんて」
「もう友達って何か分からないね! これじゃまるで風――」
――と言いかけた所で、美紀が我に返る。今日は藍が居る、あまり下ネタ連発はやばいのではないかと。
「――力発電みたいだね!」
苦し紛れに単語を変えたようだが、もはや意味不明だった。
「意味が分からないよ美紀……」
案の定藍に指摘される美紀。いや、まあ確かに美紀の考え通り今日は下ネタは避けた方が良いかもしれないわね……。
下ネタを言う相手は選ぶべきである……ここは我慢我慢。
「それにしても、友達をレンタルすることに何の意味があるんだろう」
藍も気になったのか、そう呟いて、手を止めて考え込みだした。
「キャッチボールの相手ができるわね。壁とやる虚しさから解放されるわ」
「えっ……でも初対面だし会話あまり生まれないよ? 多分」
「そうじゃないわ美紀、きっと人とすることに意味があるのよ」
まあ、恐らく……だけど。
「わ……私にはまだ早すぎる世界かな……」
いやいや、私にも早すぎるわよ正直。まるで私は理解できているみたいな言い方をしないで欲しいわ。
「はい美紀! では友達をレンタルする意味を答えなさい」
「ええっ、ここで無茶振り!? いや……えっと……あ、ほら! あのー放課後一人で帰る寂しさが無くなるよね!」
「それだとレンタルされた相手、完全に学園関係者じゃない……惨め過ぎて死にたくなるわよそれ」
呆れながらも、私はそうツッコミをいれた。
だってこれってあれでしょう? 同級生、もしくはクラスメイトにお金渡して、今日一緒に帰ってくれませんかと言ってるようなものじゃない……私なら孤独に帰るわよ。
「じゃあ、藍の意見も聞いてみましょう」
「えー……うーん、私だったら陸上の練習相手になってもらうかなぁ……」
「一番まともな意見が出たわね。これは中々ありだと思うわ」
「はいはいはーい!」
何か面白いネタでも思い浮かんだのか、美紀が手をあげながらそう自己主張する。
「何やら自信ありげな美紀、さあ答えてみなさい」
「友達が出来ない姫華の為のサービスなんだよ! だから、姫華の友達が居なくて生まれる、寂しさを紛らわせる行為を手伝ってもらう的な!」
「……面白い事を言うわね。後で覚えておきなさい?」
見下すように睨み、美紀を指差しながら薄ら笑いを浮かべ、そう吐き捨てる。
「えー名案だと思ったのに!」
「何が名案よ、ただの悪口じゃない。そして、下ネタっぽく言う辺りに悪意を感じるわ!」
本気で言ってるなら、私はこの子をアルプス山脈に装備無しで放り込むレベルよ、全く。
――しかし、そんな中で爆笑している藍。
「や、やっぱり姫華と美紀のやり取りって面白いね……お、お腹痛いーっ」
「え、えぇ……いや、あなたが笑い上戸なだけだと思うのだけど……」
まあでも、楽しいと言ってくれる事に悪い気はしないのだけど――それでも複雑だわこれ。
「えーつまりあれよね、こういう楽しい空気を、疑似的に作り出すことが出来るってわけよね。このまま行くとレンタル彼女とか出来そうだわ。いや、むしろあったわ……」
半ば無理やり話を纏めさせようと試みる私だが、また話のネタを見つけてしまう。
「はっ、ちょっと待って姫華! レンタル彼女と言っても彼女は彼女なんだよね? ま……まさか! という事は彼女と!!」
何か悟ったかのような表情をしながら、美紀がまたギリギリな台詞を吐きかける。だからそれだと風○だって……完全に十八禁のサービスじゃない。
「やめなさい美紀、言いたいことは分かったから」
「ひ、非常に不潔だと思うよ私! 彼女をレンタルなんてしちゃダメだよ!」
顔を真っ赤にしながらそう否定する藍。
「ふふ、藍……世界には、そうでもしなきゃ恋人が出来ない人も居るのよ」
「でも身内に知られたらこれ程恥ずかしい事はないよね……もう自殺するレベルだよこんなの」
「た、確かに……実はお金で雇った偽物の彼女なんです、なんて分かった日には……一周まわって親も同情するわねきっと」
色々考えてみた結果、このサービスに価値を見出すことは出来なかった私達だった。
ええ、私達には早すぎた世界だったのよ。まあそもそも利用しようとも思わないけれど。
「そしてなによりこのサービスがエグイ所はね、終了時に彼女だった人からお金を請求される事……」
「うわぁー残酷すぎる……これは最悪なオチだよ」
最終的に行き着いた結論は、これは悪魔が運営するサービスという事に。
「じゃあ、さらに背筋がぞっとする一言を、私がプレゼントしてあげるわ二人共」
私の言葉に、興味津々で耳を傾ける二人。
「――勉強は、どうしたのかしら」
「キャァァァアアア!! シマッタァァァアアア!!!!」
私の発言に二人は絶叫し、しばらく燃え尽きたままだった。
気づいたら一時間も勉強せず、時間を無駄にしていたという事実に絶望して――。
早速勉強に飽きてきた私は、愛用のスマホにて暇潰しをしていたのだが……そこで思わぬ情報を目にする。
「れ、レンタルフレンド……ですって……!?」
私のわざとらしいオーバーリアクションに、二人がピクッと反応する。
「突然どうしたのさ姫華……」
誰よりも勉強がしたくない美紀が、すぐに食い付く。
「凄い時代になったものね……まさか友達をレンタルするなんて」
「もう友達って何か分からないね! これじゃまるで風――」
――と言いかけた所で、美紀が我に返る。今日は藍が居る、あまり下ネタ連発はやばいのではないかと。
「――力発電みたいだね!」
苦し紛れに単語を変えたようだが、もはや意味不明だった。
「意味が分からないよ美紀……」
案の定藍に指摘される美紀。いや、まあ確かに美紀の考え通り今日は下ネタは避けた方が良いかもしれないわね……。
下ネタを言う相手は選ぶべきである……ここは我慢我慢。
「それにしても、友達をレンタルすることに何の意味があるんだろう」
藍も気になったのか、そう呟いて、手を止めて考え込みだした。
「キャッチボールの相手ができるわね。壁とやる虚しさから解放されるわ」
「えっ……でも初対面だし会話あまり生まれないよ? 多分」
「そうじゃないわ美紀、きっと人とすることに意味があるのよ」
まあ、恐らく……だけど。
「わ……私にはまだ早すぎる世界かな……」
いやいや、私にも早すぎるわよ正直。まるで私は理解できているみたいな言い方をしないで欲しいわ。
「はい美紀! では友達をレンタルする意味を答えなさい」
「ええっ、ここで無茶振り!? いや……えっと……あ、ほら! あのー放課後一人で帰る寂しさが無くなるよね!」
「それだとレンタルされた相手、完全に学園関係者じゃない……惨め過ぎて死にたくなるわよそれ」
呆れながらも、私はそうツッコミをいれた。
だってこれってあれでしょう? 同級生、もしくはクラスメイトにお金渡して、今日一緒に帰ってくれませんかと言ってるようなものじゃない……私なら孤独に帰るわよ。
「じゃあ、藍の意見も聞いてみましょう」
「えー……うーん、私だったら陸上の練習相手になってもらうかなぁ……」
「一番まともな意見が出たわね。これは中々ありだと思うわ」
「はいはいはーい!」
何か面白いネタでも思い浮かんだのか、美紀が手をあげながらそう自己主張する。
「何やら自信ありげな美紀、さあ答えてみなさい」
「友達が出来ない姫華の為のサービスなんだよ! だから、姫華の友達が居なくて生まれる、寂しさを紛らわせる行為を手伝ってもらう的な!」
「……面白い事を言うわね。後で覚えておきなさい?」
見下すように睨み、美紀を指差しながら薄ら笑いを浮かべ、そう吐き捨てる。
「えー名案だと思ったのに!」
「何が名案よ、ただの悪口じゃない。そして、下ネタっぽく言う辺りに悪意を感じるわ!」
本気で言ってるなら、私はこの子をアルプス山脈に装備無しで放り込むレベルよ、全く。
――しかし、そんな中で爆笑している藍。
「や、やっぱり姫華と美紀のやり取りって面白いね……お、お腹痛いーっ」
「え、えぇ……いや、あなたが笑い上戸なだけだと思うのだけど……」
まあでも、楽しいと言ってくれる事に悪い気はしないのだけど――それでも複雑だわこれ。
「えーつまりあれよね、こういう楽しい空気を、疑似的に作り出すことが出来るってわけよね。このまま行くとレンタル彼女とか出来そうだわ。いや、むしろあったわ……」
半ば無理やり話を纏めさせようと試みる私だが、また話のネタを見つけてしまう。
「はっ、ちょっと待って姫華! レンタル彼女と言っても彼女は彼女なんだよね? ま……まさか! という事は彼女と!!」
何か悟ったかのような表情をしながら、美紀がまたギリギリな台詞を吐きかける。だからそれだと風○だって……完全に十八禁のサービスじゃない。
「やめなさい美紀、言いたいことは分かったから」
「ひ、非常に不潔だと思うよ私! 彼女をレンタルなんてしちゃダメだよ!」
顔を真っ赤にしながらそう否定する藍。
「ふふ、藍……世界には、そうでもしなきゃ恋人が出来ない人も居るのよ」
「でも身内に知られたらこれ程恥ずかしい事はないよね……もう自殺するレベルだよこんなの」
「た、確かに……実はお金で雇った偽物の彼女なんです、なんて分かった日には……一周まわって親も同情するわねきっと」
色々考えてみた結果、このサービスに価値を見出すことは出来なかった私達だった。
ええ、私達には早すぎた世界だったのよ。まあそもそも利用しようとも思わないけれど。
「そしてなによりこのサービスがエグイ所はね、終了時に彼女だった人からお金を請求される事……」
「うわぁー残酷すぎる……これは最悪なオチだよ」
最終的に行き着いた結論は、これは悪魔が運営するサービスという事に。
「じゃあ、さらに背筋がぞっとする一言を、私がプレゼントしてあげるわ二人共」
私の言葉に、興味津々で耳を傾ける二人。
「――勉強は、どうしたのかしら」
「キャァァァアアア!! シマッタァァァアアア!!!!」
私の発言に二人は絶叫し、しばらく燃え尽きたままだった。
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