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第一の都市:深海

2.ただで終わらないキャラメイク

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『・・・マスターと思われる生体反応による起動要請を確認。98%...99.98%の一致を確認。これよりアダムの起動を開始します。機能メンテナンス実行・・・配線クリーン、通信環境、一%の障害が見られますが機能の使用に問題はなし。よってクリーン。内部スロットに新たなソフトのインストール要請が確認。ウイルススキャン・・・問題なし。これより【トラベラーオブシティオンライン】のインストールを開始致します。』

 ゴウンゴウンと機械音を鳴らしながら俺に告げてくれるその機械の名は【アダム】...今一番のハードギアであり、アスタースの機能を最大限まで補助し、常に最高潮の状態へと引き上げてくれる優れものだ。その形状はカプセル型であり、常に中の気温を適温にすると同時に身体を痛めないように時々ほぐしてくれる。

『インストール状況50%...マスター、キャラメイクが残りのインストール中に実行が可能です。実行しますか?』
「ハグはどうしてる?」
『ハグ様もマスターが良ければ実行するそうです。もちろんキャラメイクは二人揃って行うことができます。』
「なら頼む。」
『了解致しました。キャラメイクシステムの解凍を優先。完了。行ってらっしゃいませ、マスター。Goodgame with future。』
『Goodlife with home。行ってくるぜ、アダム。』
 その言葉を呟くとだんだんと瞼が重くなり、次第にその目は閉じられていった。

ーーーーーーー

「おい、早く起きろ...さもなくばしばくぞころすぞ。」
「あ?」

 唐突に物騒な言葉が聞こえてきながらも目を開けると、目の前には現実だったらイケメンと呼ばれるであろう顔が視界いっぱいに入ってきた。

「あ?じゃねえよ。おめぇよりも先に来た猫なんかすぐさま飛び起きたぞ。おめえは猫以下か、あん?」

 その言葉使いが残念イケメンにさせてはいるが。そのことに少し呆れながらも売り言葉に買い言葉。流石にここまで言われて黙っていられるわけはなかった。

「なんだてめぇ。喧嘩か?俺に喧嘩売ってんのか?」
「別にそういうつもりはねえよ。ただおめぇは猫以下なんかって聞いてるだけだ。頭腐ってんじゃねえか?」
「それだけ相棒が褒められるとこちらとしても誇らしいけどな。確かにあいつは俺以上に分析が得意だ。」
「ほう...俺ァもっと猫以下なんかじゃねえ!とか言うと思ったんだがな。自分をしっかり理解してるところは高得点だ。」
「はっ、お褒め頂きありがとうございます。」

 最後には二人で顔を向けて笑顔で手を握りあった。ただ、その手からはお互いミシミシと軋むような音が聞こえてきたが。

「仲良いなゃー。」
「「仲良くねえよ!!」」

 間の抜けた声で失礼な事を言われたのでお互いに同時に手を離すと指を指して叫んだ。

「やっぱり仲良いなゃー。」
「「クソがっ!」」

 それからもしばらくの間お互い睨み合っていたがこのままじゃ拉致があかないと思って視線逸らすと先程から間の抜けた声で横槍を入れてくる奴の方を見た。まぁ相棒な訳だが。

「ハグ、何か体の感覚に不具合はないか?」
「何も問題はないなゃー。あるとすれば...お魚を食べたいと身体がうったえてるなゃー。」
「・・・あとで用意してやるから。すまんな。」
「用意してくれるならいいなゃー。」

 相棒...なのか?

「おめぇ、猫にでも躾られてんのか?それとも下僕か?」
「ふふん、クフはうちの下僕なゃー。使いたければうちをとおすなゃー。」
「いや、別にいらん。」

 下僕か...そうかいそうかい。これはちょっと調子乗りすぎじゃないかなぁ?
 その後自慢げに胸を張ったハグの尻尾と耳を徹底的にました。顔が紅潮してる気がするけど別にいかがわしいものではありませんよ。ただてるだけだもの。ネ?

「はぁ...それでキャラメイクってのはいつできるんだ?そろそろしたいんだが。」
「おめぇがその猫を唐突に弄り始めたからじゃねえかよ。まぁ、相棒ってことは本当だと分かったから良かったが。・・・さて、そんじゃここからはお待ちかねのキャラメイクの時間だ。とその前に自己紹介と行こうか。」

 そう言うとそのイケメンはその場で胸に手を置き、

「どうも初めまして。サポート課AI、No.005、キユだ。改めてよろしくな?クフ。」

 リアルで執事がするかのような綺麗なお辞儀をした。・・・悔しいがかっこいいなおい!

「キユ...キユな。あぁ、こちらこそ、夜露死苦頼むよ。クフだ。」
「なゃー、なゃーはハグなゃ。・・・よろしくなゃー。」

 まだ身体が動かしづらいのか少し息を荒くしてトテトテとその短い脚で歩いてきたハグを加えて三人で握手をした。ハグは俺とキユが握手をしているところにポンと手を置いただけだが。

「そんじゃ...うし大丈夫だな。まずはキャラの見た目、と言いたいところだがまずは活動都市の方を選ぶぞ。まずは目的地を決めておいた方が後先決めやすいだろ?」
「まぁ、確かにな。」

 もう決めているんだがなぁ...と俺は思ったが何か新要素もあるかもしれない。と思って黙ってその指示に従うことにした。

「そんじゃ...さぁ、。」

〈は?選ばれやがれってぅあ?!〉

 その微妙な言葉のアクセントの違いに違和感を覚えた直後、周りに四角い額縁のようなものが無数に現れ、俺を囲むように周囲を回り始めた。その額縁一つ一つには写真が貼られているようでその回転速度をあげていく事に視界が虹色の線で埋めつくされていく。

「これはなんだ。」
「うちにもわからないなぁー!めがまわゅなゃー。」

 そう叫ぶも聞こえてくるのはハグの声のみで近くにいたキユはいつの間にかいなくなっていた。

「どうだ驚いたかクフ!」
「あぁ?!そりゃ驚くわ!てかなんなんだよこれは!それと何処にいる!?」
「どこって...そりゃもちろんそのの外側だよ。」
「んだと?!」

 唐突に聞こえてきたキユの声の方向をむくが高速で回る額縁のせいで何も見えない。それで何とか突破しようと方を前に出して突進したが、ぶつかった瞬間に弾き飛ばされ出ることは叶わなかった。

「そう慌てんなって。別にただおめぇ達が活動する都市を決める儀式のようなもんだ。命なんて取らねえよ。それにしてもおめえは面白いな。」
「何がだ?」

 どこからか見ているのか俺の様子について語りながらははっ、と笑う声が聞こえてきた。その声にイラッとしたがそれよりも面白いということに一番イラッときた。俺は嘲笑われて喜ぶような性格はしてねぇ。

「いや、他のおめぇみたいな異訪人...プレイヤー達はこの俺の煽りに過剰に怒り、殴りかかってくるばかりだったからよ。あとはなんか○○乙ーとか言ってくるようなただムカつくだけのやつだったりよ。だけどおめえみたいな冷静、とは言い難いが対等に言い返してくるやつは初めて見たもんだ。それにその渦に囲まれた時も俺への罵倒が多かったんだがそれもねぇ。これを面白いと言わずになんて言えばいいんだ?馬鹿とでも言うか?」
「それで何が言いたい?」

 俺は少し声を低めてキユに言うが別に怒っているわけじゃない。確かにその煽りにイライラとはするが、何処かそれが心地よく感じる。それに、いつの間にか口が笑っていた。

「そんなおもしれえおめぇらの活動をもっと面白くしてやろうと思ったわけよ。その活動都市の選択はは表層都市っていう区分のみから選ばれるんだ。海中都市、遺跡都市、火山都市...まあ基本的な地形に基本的な都市を合わせただけの都市だ。だがその渦に含まれる都市は違う。そこに映る全ての都市は深層都市。普通の生き物には絶対に踏破のできない都市だ。」
「・・・」
「それと、その都市では痛覚制限が全てオフ...そして死亡時全てのアイテムが死亡場所に散乱する。とまぁ色々と表層都市とは比べもんにならねぇくらいの難易度ってことだ。だがそれに見合うように一つ救済措置が取られる。」
「救済措置?」
「あぁ、それは現実での思考加速。いわゆる現実の何分がゲーム内での何日になるってやつだ。」
「なんだと?」

 そのキユの発言に一瞬耳を疑った。今現代では法律でそういった思考加速は制限されており、現実の一日はゲーム内でも一日と定められているのだ。確か『脳へ過度な負担をかけるなど言語道断だ。』といった何処かの政治家の発言からだったか。

「その顔は何故できるんだ?とでも思ってるのか。どうやら俺らの創造者が言うには全てのアスタースで実行が可能らしいぜ。初代のシステムじゃ現実の一日がゲーム内の一日が限界らしいが今のアスタースであれば一ヶ月まで引き延ばせるらしい。ま、臆病共のせいで実行ができないらしいがな。それでどうする、今でも中止して表層都市には行けるが。」

 その話を聞いて頭に浮かんだのは地団駄を踏むあの女。確かにそう言ってそうだと思った。そしてその考えは確かに世間では合っているのだろう。今の時代自らリスクを負うやつは奇異な目線で見られる。普通であれば断るのだろうが...俺の答えはは既に決まっている。

「そんなやつに見えるか?」

 そう俺と相棒は腕をばっと広げて答えた。

「はっ、ちげえねえゃ。俺ァおめぇらに会えてほんとに幸せもんだよ。そんじゃ、そろそろお決まりの時間だ。後悔するなよ?」
「「んなのしねぇよ(なゃ)!」」

 そう言った次の瞬間俺の視界は白一色に塗りつぶされた。それから数秒、もしくは数分が経ったのか、そんなことを考えているとゴポゴポと空気が溢れるような音が聞こえてきた。

〈ここは、水の中か?〉

 その音は水の中にいる時に聞こえてくるもので、普段運動不足解消として水泳をやっている俺からしたら聞きなれた音だった。それからだんだんと視界が戻ってくると共に耳に聞こえる水の音はだんだんと小さくなっていき、完全に見えるようになる頃には何も聞こえなくなっていた。
 そして視界が戻った先には一枚の額縁が宙に浮いていた。その額縁には水に沈んだようなビル群が写っており、その情景はPVに映った海中都市よりも荒れ果て、薄暗かった。

「そこは深海都市...はるか昔、そこに移り住んだ住人達は海の神を冒涜しながら暮らしていた。元から建てられていた神像を全て打ち壊し、その上に建造物を立て、果てには神域と言われる海域を埋め立てた。だが海の神はその様子を見ても怒らなかった。時代は流れ、古いものは捨てられる。そういった時の流れを理解していたのだ。だが住人達はその海の神にとっての禁忌に触れてしまった。海の神を悪魔として祟り、海の神にとっての敵と言えるべき者を海の神として祭り上げ始めたのだ。その事に堪忍袋の緒が切れた海の神はその都市を深海へと沈め、その場にいた住人達諸共に海の藻屑となった。
・・・それがこの都市の成り立ちだ。」
「神...ね。やっぱりいるのか神様。」

 その都市の成り立ちにも興味を覚えたが一番に神について興味が出た。何せ理不尽といえば神、人には絶対抵抗のできない存在だと思ったからだ。

「あぁ、いるぞ。ま、その詳細はあちらに行った時にでも自分で調べろや。とまぁ都市が決まったところでキャラメイクといくぞ。ハグも飽き飽きとしてるみたいだからな。」
「ん?あ、ハグ...すまん。」
「むゅー。」

 目を離しすぎたかと思いハグを見れば案の定頬をふくらませながらこちらをじとーと目を細めて見ていた。その後明日の朝ごはんメニューに魚がひとつ増えたことは言うまでもない。

「それじゃ顔はそのまま、髪は青、目は緑、体付きは現実と同等でいいのか?」
「あぁ、それでいい。」
「んで、ハグは全部そのままっと。てか猫がそんな形取れるとは不思議なもんだな。大抵は猫の姿でしか来られないはずなんだが...ま、聞かないでおくぜ。」

 同じ人のようにしか見えないAIにとってもこれは非常識なのかと心の中で苦笑いしたがさらさら答える気はなかった。思い出すだけで反吐が出る。

「そんじゃお次は得意分野の調節といくか。んで、選択方法にゃ自選択セルフ半自動セミオート最適化ランダムの三つとあるがどうする。ちなみに自選択セルフは自分が思う得意分野を決められる。まぁ、それが実際に得意かどうかは保証できないけどな。んで半自動セミオートはある程度適正と思われる者をこちら側で判断しそん中から選ぶ方式だ。そんで最後の最適化ランダムは...ま、後は分かるだろう?」
「あぁ、大体は自分でも気づかねぇ才能ってやつを判断してくれるってことだろ?そん中には今までやったことがないやつも含まれていたりな。」
「なゃるほどなゃー。」
「ま、そういうことだ。そんで付け加えると選ばれるのは才能だけだ。後から努力して才能を芽生えさせたものは含まれない。それで、どうする?」

 先程と同じようにこちらに笑みを浮かべて問いかけてくるキユに俺は笑みを浮かべながら答えた。

「俺がそんなやつに見えるか?」
「みえるかなゃ?」
「はっ・・・決まりだな。そんじゃその場に突っ立っててくれ。すぐに終わる...。」

 そう空気に消えるように呟くとキユの顔から表情が消え、目から光が消えた。その変化に俺達は驚くことなくじーっと見つめていると身体が宙に浮かび、その身体の内側からリングのようなものが広がり始めた。リングは青く光り、キユを護るかのように回り始める。

 「・・・ajmdp・・・プレイヤークフ、ハグの才能最適化実行を申請。・・・申請が受理された。これより才能最適化を実行する。」

 その言葉と同時に俺の視界は淡い光に包まれた。一体どうなっているのかとハグの方を見るとその全身が青い光に包まれていた。だが何処も変わっていく様子もなく、才能によって身体が変わることはないかと少しばかり安堵した。 

「・・・完了。ったく、この口調の変化はどうにかならないかね。と、まぁ俺の愚痴は置いといて『ステータス』って言ってみてくれ。そうすりゃ自分の詳細が出るはずだからよ。」
「「『ステータス』(なゃ)」」

 表情と目が戻ったキユの言う通りに唱えると目の前にヴンと音を立ててさっき都市選択の際に見たような額縁が現れた。だがその額縁には写真は張られていなく、文字と数字が書かれているだけだが。

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【クフ】~異名:  ~
レベル:0  〈才能〉掘者:1
筋肉量:B+
精神力:B-
知能数:B
【装備】
低級:麻布の衣類(上・下・股)
低級:革の靴(兎)
ーー
ーー
【スキル】
〈穴掘り:2〉〈穴埋め:2〉〈空間把握:7〉
〈泳ぎ:6〉〈目利き:4〉〈敏鼻:5〉
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 これがこのゲームのステータス...なるほど、種類のゲームか。

 VRMMOでいうステータスと言えば体力、魔力、力などRPGのように表されるものがほとんどだったことに少しばかり驚きつつも俺はこのステータスの表示に一つ確信を得た。

 てか俺の才能が堀者って...そっち系に才能があったのか俺。あまり興味ないというか調べたことすらないんだが。

「クフ~、うちのもみてなゃー。」
「・・・分かった。そんじゃハグのステータスはっと。」
「・・・いつものやってなゃー。」
「はいはい、ういしょっと。」

 そう言って近づいてきたハグに催促されその場にあぐらで腰を下ろすとハグはストンとその膝に腰を下ろしてきた。これをいつもやると嬉しいのか耳をぴくぴくさせ脚をバタバタとする。その様子が可愛くて毎回やってしまうことにこれが親バカと言うやつなのだろうかと思いつつもしてしまう。これが猫の魔性というべきなんだろうな。

〈ま、そんなこたぁ置いといていい加減観るとするか。〉

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【ハグ】~異名:  ~
レベル:0  〈才能〉魚観察者
筋肉量:A
精神力:C
知能数:C
【装備】
低級:麻布の衣類(上・胸・下・股)
低級:皮の靴(魚)
ーー
ーー
【スキル】
〈お魚感知:9〉〈夜目:6〉〈空間把握:4〉
〈柔体:5〉〈昼寝:5〉〈料理:3〉〈泳ぎ:1〉
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 魚...魚だらけじゃねえか。

 その文面には魚が多く入っていて靴までもが魚の皮でできていることに俺はここまで魚好きだったのかと驚かざるを得なかった。あった当初も魚屋の前でうずくまっていたが、これなら納得だと思いつつもこちらをキラキラとした目でどう?どう?!と訴えかけてくるハグへの感想を考えた。

「明日は魚味のキャットフードでも買ってきてやるよ。」
「わーい!!ってなんでなゃ?」

 その言葉に俺は答えることなくキユの方を向いた。キユの目線は俺の方を向いておりやっと終わったかとでも言うように肩を竦めた。

「確認は終わったか?あぁそれと、そのステータスについて説明する気はねえぞ?それがおめぇら自身の真実だ。おめぇらのことぐらい自分で分かれ。」
「それは十も承知だ。いちいち説明しなくても分かる。それにその方が面白い。」
「うちも同じなゃー。うちの魚好きが証明されただけでも満足なゃー。」
「・・・ま、ならいいんだ。そんじゃそろそろ現実でリリースの時間に近づいてきたわけだからお別れの時間だ。」

 もうそんな時間かと思いステータスの左上に映る文字を見てみるとそれは11:50を示していた。そのことに遂に、といったワクワクした気持ちと少し名残惜しいような悲しい気持ちが芽生えた。

「・・・最後にひとつ言わせてもらおうとするか。耳をかっぽじってよーく聞けよ?おめぇら。」
「なんだ?」
「なゃ?」

 今の俺の気持ちに気がついたのかどうか分からないが突然ハキハキとした声で喋り始めた。その顔は笑っている。

「おめぇら、いや、全てのプレイヤー、生き物は主人公じゃねぇ。だからといってモブってわけでもねぇ。ただ生きている奴...それだけだ。だから勘違いするな、おめぇらがどう足掻いたって打ち勝つことのできないものは無数に存在する。だからって諦めんな、挫けんな。とにかく足掻け!そうなるおめぇらであることを俺ァ期待してるぞ?ま、おめぇらにゃ無理だろうがな。」

 そう最後にニヤリとこちらを馬鹿にするかのように口を歪めるキユの姿は初めて見た時とほとんど同じであった。

「はっ、ご期待頂き光栄です。」

 だから俺はその煽りに最初と同じように答えた。ハグはそんな俺達を指さして...

「やっぱり仲良いなゃー。」
「「仲良しじゃねぇ!!」」

 そう喧嘩のように叫ぶ俺たちの顔には笑みが浮かんでおり、そこにイライラとした気持ちはこもっていなかった。それだけが、最初との違いと言えるだろう。

「・・・さ、達者でな、おめぇら。」
「「おまえもな(なゃ)。」」

 その次の瞬間俺の視界は真っ黒に塗りつぶされ、ブシャッと言う音が聞こえたと思うと身体に激痛がはしった。

「ぐぶぅ?!」

 何が、起こった?
 その痛みのひどさに思考が上手くできなかった。それでも目を開けるとそこには額縁が浮いていた。そしてそこには...

『You died』

 その一言が書かれていた。

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( 'ω'o[後書き]o

 この度はTOCOを読んでいただきありがとうございます。
 言葉遣い、誤字、表現力の不足などありましょうが、こいつ間違ってるプププと笑い読み、できればそれを教えて下さると幸いです。

 投稿頻度はかなりの不定期。現実の気分直しに書いているものなので続くかも分かりません。
 投稿が止まるまで長くお気付き合い願います...
 ペコリ((・ω・)_ _))
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